JP2700741B2 - 培養種を用いたコケ類の栽培方法 - Google Patents

培養種を用いたコケ類の栽培方法

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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコケ類の培養種、及びそ
れを用いたコケ類の栽培方法に関し、特に、緻密な群落
の形成の容易なコケ類の培養種、及びそれを用いた緻密
な群落の形成が容易でかつ短期間での栽培の可能なコケ
類の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】古来よ
り、庭土を地被植物で被い、庭全体に自然を演出するこ
とが行われている。この地被植物の代表的なものとして
は、芝が挙げられるが、日本庭園等には芝よりもコケ類
が好まれる。
【0003】コケ類は直射日光に強いものもあるが、種
によっては弱いものもあること、成育地盤として沃土が
適さないこと、空気中の湿度を葉より吸収して成育する
ことなどから、近年、屋外では、苔庭等の一般的な利用
の他、屋上緑化への利用が注目されており、また屋内で
は、和風情緒を醸し出すためにホテル、料亭、旅館等の
鑑賞用としても注目されている。
【0004】コケ類の美麗さは、花草類のように花に起
因するものではなく、多数の個体の集合 (群落) により
発揮されるものである。しかしながら、コケ類は、その
生理生態に不明な箇所が多いため、造園栽培等により大
量に栽培するのが困難であり、例えばスナゴケやシッポ
ゴケの栽培は、その栽培に熟練した園芸家に頼らざるを
えないというのが現状である。
【0005】このようなコケ類の栽培方法は、一般に移
植法と再生法とに大別される。移植法は、殖やそうとす
るコケ類を土とともに採集してきて移植するものであ
り、この方法では、広い面積にコケ類を敷設する場合に
は適さないという問題がある。
【0006】また、再生法は、コケ類の植物体が一般に
強い再生力を有する性質を利用するもので、さし芽法、
まきゴケ法、株分け法等が挙げられるが、中でもまきゴ
ケ法が一般的である。まきゴケ法は、山野で採集してき
たコケ類の群落(マット)をほぐすかあるいは切断し、
この切断片を苗床上に播付け、幼芽を発芽させ、順化さ
せる方法である。
【0007】しかしながら、この方法は、以下のような
欠点を有する。すなわち、播付けたコケ類の切断片が全
て再生して幼芽を生じることはまれであり、また全ての
切断片が再生するとしても、切断片を密生したコケ類の
群落の株数に応じて播付けるのは不可能であり、これら
により、初期においては幼芽による群落の密度は粗くな
ってしまう。緻密な群落を得るには、地下茎からのわき
芽や無性芽等が伸び揃うまで待機するしかなく、これに
は数年の年月を要し、その間調整、管理等が必要であ
り、手間がかかりすぎる。さらに、例えば30cm×60cmの
培地に苗床を作成する場合、切断片を1つ1つ間隔を整
えながら播付けていくと、1日に7時間作業を行ったと
して、1人当り2〜4ケース程度しか作れず、作業効率
が著しく低いという問題がある。一方、スギゴケ等のよ
うに生長が速く、1年程度で緻密な群落を形成するもの
もあるが、こういったコケ類は、植物体の寿命が短いの
で、短期間の内に枯死してしまうという問題がある。こ
れらにより苔庭、苔盤景等は非常に高価なものとなって
いる。
【0008】ところで、ミズゴケ等のコケ類は、他の菌
類等に対する抗性を有するとともに保水性に優れてお
り、このため蘭等の鉢植えや盆栽等の高価で脆弱な花草
・木類の土壌を、これらのコケ類で被うことにより、有
害な菌類から防衛し、また極端な乾燥を防ぐことが行わ
れている。しかしながら、こういったコケ類を採取しす
ぎることは、山野の保水性を著しく低下させ、地崩れ
や、洪水を招きやすくし、さらに、一度採取したコケ群
落は、自然環境下では復元までに長年月を必要とし、自
然保護の点でも深刻な問題となっている。
【0009】したがって本発明の目的は、コケ類の緻密
な群落の形成の容易な培養種、及びそれを用いた緻密な
群落の形成が容易でかつ短期間での栽培の可能なコケ類
の栽培方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、コケ類の配偶体や、原糸体、胞
子、カルス等の植物組織を純粋培養し、培養タンク内に
て大量増殖して、幼植物体(まきゴケ法における幼芽に
相当する。)に分化させ、これを取り出してコケ類の培
養種として用いて、苗床上に所望の群落密度が得られる
ように播付けて成体化すれば、密度の高いコケ類の群落
が短期間に形成できることを見出し、本発明に想到し
た。
【0011】すなわち、本発明のコケ類の培養種は、コ
ケ類の植物組織を純粋培養し、幼植物体に分化させてな
ることを特徴とする。
【0012】また、本発明のコケ類の栽培方法は、(a)
コケ類の植物組織を純粋培養し、幼植物体に分化させる
ことによりコケ類の培養種を製造し、(b) 前記培養種を
所望の群落密度となるように苗床上に播付け、(c) 成体
化することを特徴とする。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、培養の対象となるコケ類とは、せん類とたい類
とツノゴケ類とを併せた総称であり、せん類としては、
ミズゴケ亜綱、クロゴケ亜綱、マゴケ亜綱(スギゴケ
目、シッポゴケ目、ホンマゴケ目など)等が挙げられ、
また、たい類としては、ゼニゴケ目、フタマタゴケ目、
ウロコゴケ目等が挙げられ、ツノゴケ類としては、ツノ
ゴケ綱が挙げられる。
【0014】苔庭、苔盤景、鉢植等に用いられるコケ類
の代表的なものとしては、シッポゴケ、シモフリゴケ、
シラガゴケ、ハリガネゴケ等の属のものの他、ミズゴケ
科のもの等が挙げられる。
【0015】このようなコケ類の本発明の培養種及びそ
れを用いた本発明のコケ類の培養方法について以下に説
明する。まず、山野からコケ類の植物体、胞子等を採取
し、このコケ類の植物組織を純粋培養することにより増
殖し、幼植物体へと分化させるか、あるいはコケ類の植
物組織を純粋培養することにより幼植物体へと分化させ
た後、増殖する。
【0016】本発明は、この幼植物体を収穫して、これ
を培養種とし、この培養種を用いてコケ類を栽培するこ
とをその主旨とするものである。なお、本発明において
培養種となる幼植物体とは、播きゴケ法等における幼芽
の状態に相当するものであるが、後述するような培養対
象となる植物組織によって、幼植物体は芽として明らか
に確認できる場合や、わずかな隆起としてしか確認でき
ない場合等、種々の場合があるが、いずれの場合にもこ
れらは、ほぼ100 %の割合で発芽、生長可能なものであ
る。
【0017】純粋培養する植物組織としては、コケ類の
配偶体、細胞片、胞子、無性芽、地下茎、仮根、原糸体
等が挙げられる。また、それぞれの植物組織から誘導さ
れるカルスも用いることができる。
【0018】これらの植物組織の中でいずれの形態のも
のを用いるかは、培養対象となるコケ類の種類により増
殖に好適な形態が異なり、また、その方法もコケ類の種
類により異なる。さらに、場合によってはそれぞれの植
物組織からカルスを誘導し、得られたカルスを増殖した
後、幼植物体へと分化させるのが好適な場合もある。
【0019】したがって、コケ類の培養種(幼植物体)
の誘導・培養方法としては、例えば以下に示す(A) 乃至
(L) のような方法が挙げられる。 (A) 配偶体→幼植物体 (B) 配偶体→カルス→幼植物体 (C) 配偶体→原糸体→幼植物体 (D) 胞子→原糸体→幼植物体 (E) 胞子→原糸体→カルス→幼植物体 (F) 無性芽→幼植物体 (G) 無性芽→カルス→幼植物体 (H) 細胞片→幼植物体 (I) 細胞片→カルス→幼植物体 (J) 原糸体→幼植物体 (K) 地下茎→幼植物体 (L) 仮根→幼植物体
【0020】以上の増殖・分化は、培地内で行うが、培
地は、固体培地でも液体培地でもよい。例えば後述する
各種MS変形培地(Murashige-Skoog 変形培地)を、使
用するコケ類の植物形態と、所望とする植物形態とに応
じて選択し、さらに必要に応じて植物生長調節物質(キ
ネチン、ベンジルアデニン、インドール−3−酢酸、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)等)を
添加して使用することができる。
【0021】一般に、コケ類の植物組織はグルコース等
の単糖類あるいは二糖類の濃度が高い(2重量%以上)
培地では、カルス化しやすく、またカルスは、糖類の濃
度が低い(0.4 重量%以下)培地では、幼植物体へと分
化しやすくなる。
【0022】上記(A) 乃至(L) の方法について、MS変
形培地を使用した場合を例に説明する。なお、MS変形
培地としては、以下に示すSol.1〜3(溶媒は蒸留
水)と、グルコース等の糖類及びビタミン、有機酸、無
機酸及びそれらの塩等と、蒸留水とを組合せてなるもの
を使用する。
【0023】Sol.1 塩化カルシウム・2水和物 4,400 mg/リットル 硫酸マグネシウム・7水和物 3,700 mg/リットル 硫酸マンガン・4〜5水和物 223 mg/リットル ホウ酸 62 mg/リットル 硫酸亜鉛・7水和物 107 mg/リットル モリブデン酸ナトリウム・2水和物 2.5 mg/リットル 硫酸銅・5水和物 0.25 mg/リットル 塩化コバルト・6水和物 0.25 mg/リットル ヨウ化カリウム 8.3 mg/リットル
【0024】Sol.2 リン酸一カリウム 42.5 mg/リットル
【0025】Sol.3 myo−イノシトール 10,000 mg/リットル ニコチン酸 50 mg/リットル 塩酸ピリドキシン 50 mg/リットル 塩酸チアミン 10 mg/リットル
【0026】各種MS変形培地の組成 NA−MS培地 Sol.1 100 ml/リットル Sol.2 4 ml/リットル Sol.3 10 ml/リットル グルコース 20 g/リットル 硝酸カリウム 4 g/リットル エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 47 mg/リットル 硫酸鉄・7水和物 27.8 mg/リットル pH 約5.8
【0027】AS−MS培地 Sol.1 100 ml/リットル Sol.2 4 ml/リットル Sol.3 10 ml/リットル グルコース 20 g/リットル エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 47 mg/リットル 硫酸鉄・7水和物 27.8 mg/リットル 塩化アンモニウム 44 mM コハク酸ナトリウム又はフマル酸ナトリウム 33 mM pH 約5.8
【0028】ANA−MS培地 Sol.1 100 ml/リットル Sol.2 4 ml/リットル 硝酸カリウム 4 g/リットル エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 47 mg/リットル 硫酸鉄・7水和物 27.8 mg/リットル
【0029】AAS−MS培地 Sol.1 100 ml/リットル Sol.2 4 ml/リットル エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 47 mg/リットル 硫酸鉄・7水和物 27.8 mg/リットル 塩化アンモニウム 44 mM コハク酸ナトリウム又はフマル酸ナトリウム 33 mM pH 約5.8
【0030】MSF培地 Sol.1 10 ml/リットル Sol.2 0.4 ml/リットル Sol.3 1 ml/リットル グルコース 2 g/リットル 硝酸カリウム 0.4 g/リットル エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 4.7 mg/リットル 硫酸鉄・7水和物 2.78 mg/リットル 塩化アンモニウム 20 mM コハク酸ナトリウム又はフマル酸ナトリウム 15 mM pH 約5.8
【0031】培養方法 (A) 配偶体→幼植物体 (1) 無菌化操作 配偶体を1〜10mm程度に切断し、これを1/5(5倍に
稀釈したことを意味する。以下同じ)NA−MS培地
(固体:寒天、ゲルライト等で固化させたもの、以下同
じ)上で、20〜25℃、1000〜3000 lux程度の光量の光を
照射しながら培養し、他の菌類等により汚染された部位
を除去した後、再び培養する操作を数回繰り返し、無菌
化された配偶体を得る。
【0032】上記無菌化は、例えば、配偶体(無菌化対
象となるコケ類の植物組織)をステンレスシリンジホル
ダー等を用いて、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート (商品名:Tween 20) 、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート (商品名:Tween 80) 等の非イ
オン系界面活性剤や、塩化ベンザルコニウム等の陽イオ
ン系界面活性剤溶液 (濃度0.1 〜0.5 容量%程度) で4
0〜60秒洗浄し、続いて0.5 〜1容量%次亜塩素酸ナ
トリウム液等で滅菌し、その後直ちに無菌蒸留水で十分
に洗浄したものを培養し、他の菌類等により汚染された
部位が確認されたら、その部分を除去した後、上記操作
を繰り返すことを、他の菌類等により汚染された部位が
消滅するまで継続することにより行えばよい。
【0033】(2) 幼植物体誘導及び増殖 得られた無菌化配偶体を1%に二酸化炭素を富化した1
/5ANA−MS培地(液体、光独立栄養培地)、ある
いは1/5NA−MS培地に生長調節物質を0.1 〜10μ
M添加した培地(液体)中にて、20〜25℃、1000〜3000
lux 程度の光量の光を照射しながら、10〜30日間培養す
ることにより、幼植物体に分化を促す。
【0034】なお、生長調節物質を培地に添加した場合
には、誘導された幼植物体を3〜10日で培地から取り出
し、1/5NA−MS培地でよく洗浄した後、生長調節
物質を添加していない1/5NA−MS培地に入れ、培
養を継続するのが好ましい。
【0035】増殖は、例えば配偶体を培養液ごと三角フ
ラスコ等の容器に注入し、110〜120rpmで振り
まぜるか、又は偏平フラスコ等の容器に注入し、いわゆ
る懸濁培養により行えば効率的である。この懸濁培養
で、誘導された幼植物体が振りまぜられることにより次
々と分断され、その1片1片がまた幼植物体となるの
で、無菌幼植物体を大量に培養することができる。
【0036】このようにして培養した幼植物体は、収穫
した後、滅菌蒸留水等で十分に培養液を洗い落とし、25
〜35℃の温度で通風乾燥させるか、天日により乾燥させ
るか、あるいは−20〜−5℃で凍結乾燥させることによ
り、培養種とする。また、培地(培養液)ごとビンづめ
したものを培養種とすることもできる。特に通風乾燥あ
るいは天日により乾燥させるか、凍結乾燥させたもの
は、長期間(1年以上)保存することができる。
【0037】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の配偶体に対して、4〜8週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0038】以上のような方法による培養に適したコケ
類としては、以下の属のものが挙げられる。
【0039】せん類 タチゴケ、ホウオウゴケ、コシッポゴケ、キヌシッポゴ
ケモドキ、ハタキゴケ、シシゴケ、ブルッフゴケ、ツリ
バリケモドキ、ヘビゴケ、ツリバリゴケ、イヌノハゴ
ケ、クマデゴケ、ススキゴケ、ユミゴケ、ヘリトリシッ
ポゴケ、オウギゴケ、シッポゴケ、カマシッポゴケ、マ
ツバゴケ、コブゴケ、ヤマゴケ、ミヤマゴケ、ナガバノ
シッポゴケ、ヤスジゴケ、ナガダイゴケ、シラガゴケ、
ナガバヒョウタンゴケ、エゾネジレゴケ、アミバヒゲゴ
ケ、フタゴゴケ、ダンダンゴケ、ハナシゴケ、ヒロハネ
ジクチゴケ、オウムゴケ、ハマキゴケ、オウゴンゴケ、
クロコゴケ、ハリイシバイゴケ、ツツクチヒゲゴケ、タ
マウチゴケ、センボンゴケ、アナシッポゴケ、イワマセ
ンボンゴケ、エゾネジクチゴケ、センボンウリゴケ、ヨ
リイトゴケ、ネジレゴケ、クチヒゲゴケ、ニセイシバイ
ゴケ、コゴケ、シモフリゴケ、カサゴケ、ミギハチョウ
チンゴケ、チョウチンゴケ、タチチョウチンゴケ、ナガ
ミチョウチンゴケ、ヒノキゴケ、コウヤノマンネンゴ
ケ、オオトラノオゴケ、トラノオゴケ、アブラゴケ、コ
アブラゴケ、ソテツゴケ、クジャクゴケ、シノブゴケ、
アツブサゴケ、ハイゴケ等。
【0040】たい類 コマチゴケ、イチョウウキゴケ等。
【0041】(B) 配偶体→カルス→幼植物体 (1) 無菌化操作 上記(A) の無菌化操作と同様である。
【0042】(2) カルス誘導 得られた無菌化配偶体をグルコース濃度を4〜8重量%
に調整した1/5AS−MS培地(固体)、あるいは1
/5MFS培地(固体)上にて、20〜25℃、1500〜2000
lux 程度の光量の光を照射しながら、30〜60日間培養す
ることにより、カルスの形成を促す。
【0043】(3)カルス増殖 誘導したカルスを、グルコース濃度を2〜4重量%に調
整したAS−MS培地(液体)、あるいは1%に二酸化
炭素を富化したAAS−MS培地(液体、光独立栄養培
地)中にて20〜25℃、1000〜3000lux程
度の光量の光を照射し、110〜120rpmで振りま
ぜながら、15〜20日間培養することにより、増殖さ
せる。
【0044】上記増殖工程においてカルスは、当初の量
に対して、45〜90日で100 〜150 倍に増殖可能である。
【0045】なお、増殖したカルスは、グルコース濃度
を2重量%に調整したAS−MS培地中にて、保存して
おくことができる。
【0046】(4)幼植物体誘導 得られたカルスを1%に二酸化炭素を富化した1/5A
NA−MS培地(液体、光独立栄養培地)、あるいは1
/5NA−MS培地(液体)中にて、20〜25℃、1
000〜3000lux程度の光量の光を照射し、11
0〜120rpmで振りまぜながら、30〜60日間培
養することにより、幼植物体に分化を促す。
【0047】このようにして培養した幼植物体は、上記
(A) の方法と同様にして培養種化・保存することができ
る。
【0048】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の配偶体に対して、8〜15週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0049】上述したような方法は、カルス化した方が
生長が速いものや、カルスの状態で保存したほうがよい
ものなどについて好適であり、例えば以下の属 (ミズゴ
ケは科) のコケ類に好適である。
【0050】せん類 タマゴケ、ネジクチゴケ、スギゴケ、タチゴケ、ミズゴ
ケ等。 たい類 ゼニゴケ、ツボミゴケ、ハネゴケ等。
【0051】(C) 配偶体→原糸体→幼植物体 (1) 無菌化操作 上記(A) の方法の無菌化操作と同様である。
【0052】(2) 原糸体誘導 この配偶体を1/5ANA−MS培地(固体)上にて、
20〜25℃、1000〜3000lux 程度の光量の光を照射しなが
ら、5〜10日間培養することにより、原糸体の形成を促
す。
【0053】(3)幼植物体誘導 誘導した原糸体を1%に二酸化炭素を富化した1/5A
NA−MS培地(液体、光独立栄養培地)あるいは1/
5NA−MS培地(液体)中にて20〜25℃、100
0〜3000lux程度の光量の光を照射しながら、1
10〜120rpmで振りまぜ、30〜60日間培養す
ることにより、幼植物体を誘導する。
【0054】誘導した幼植物体は、上記(A) の方法と同
様にして増殖・培養種化・保存することができる。
【0055】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の配偶体に対して、5〜10週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0056】上述したような方法は、原糸体化した方が
生長が速いものなどについて好適であり、例えば以下の
属のコケ類に好適である。
【0057】せん類 ヤノウエノアカゴケ、ケキンシゴケ、キンシゴケ、タマ
ゴケ、エゾタマゴケ等。 たい類 ヒシャクゴケ、ゼニゴケ、ツボミゴケ等。
【0058】(D) 胞子→原糸体→幼植物体 (1) 無菌化操作 胞子(帽のついたさくは帽をとる)に対して、上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0059】(2) 原糸体誘導 得られた無菌化胞子を1/5ANA−MS培地(固体)
上にて、20〜25℃、1000〜3000lux 程度の光量の光を照
射しながら、10〜15日間培養することにより、原糸体の
形成を促す。
【0060】(3) 幼植物体誘導及び増殖 上記(C) の方法と同様である。
【0061】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、培養種化・保存することができ
る。
【0062】上述したような方法は、配偶体よりも胞子
を用いた方が生長が速いものなどについて好適であり、
例えば以下の属のコケ類に好適である。 せん類 タチゴケ、ニワスギゴケ、ミヤマスギゴケ、スギゴケ、
シッポゴケ、シラガゴケ、シモフリゴケ、ヒョウタンゴ
ケ、ツリガネゴケ、フガゴケ、イシヅチゴケ、オオツボ
ゴケ、ユリゴケ、マルダイゴケ、キンゴケモドキ、ウリ
ゴケ、ハリガネゴケ、アカスジゴケ、ナシゴケ、ホソバ
ゴケ、ヒョウタンハリガネゴケ、ヘチマゴケ、ムツデチ
ョウチンゴケ、ウチワチョウチンゴケ、ヒノキゴケ、タ
マゴケ、ウワバミゴケ、ナガクビサワゴケ、サワゴケ、
サナダゴケ、クシノハゴケ、ウシオゴケ、ハイゴケ等。 たい類 ハネゴケ、ヤスデゴケ、ムチゴケ等。
【0063】(E) 胞子→原糸体→カルス→幼植物体 (1) 無菌化操作 胞子(帽のついたさくは帽をとる)に対して、上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0064】(2) 原糸体誘導 上記(D) の方法と同様である。
【0065】(3) カルス誘導 得られた原糸体をグルコース濃度4〜8重量%に調整し
た1/5AS−MS培地(固体)、あるいはMFS培地
(固体)上にて、20〜25℃、1500〜2000lux 程度の光量
の光を照射しながら、30〜60日間培養することにより、
カルスの形成を促す。
【0066】(4) カルス増殖 誘導したカルスは、上述した(B) の方法と同様にして増
殖させることができる。
【0067】(5) 幼植物体誘導 上記(B) の方法と同様である。
【0068】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、培養種化・保存することができ
る。
【0069】上述したような方法は、カルス化した方が
生長が速いものや、カルス化による保存に好適なものな
どについて好適であり、例えば以下の属 (ミズゴケは
科) のコケ類に好適である。 せん類 ミズゴケ、ネジクチゴケ、コバノチョウチンゴケ、タマ
ゴケ等。 たい類 ハネゴケ、ケビラゴケ、ムチゴケ等。
【0070】(F) 無性芽→幼植物体 (1) 無菌化操作 無性芽を1〜10mm程度に切断し、これに対して上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0071】(2) 無性芽の増殖 1/5NA−MS培地(固体)上で、20〜25℃、1000〜
3000 lux程度の光量の光を照射しながら、10〜15日間培
養し、無性芽を増殖させる。
【0072】(3)幼植物体誘導 得られた無菌化無性芽を1%に二酸化炭素を富化した1
/5ANA−MS培地(液体、光独立栄養培地)、ある
いは1/5NA−MS培地(液体)に生長調節物質を
0.1〜10μM添加した培地中にて、20〜25℃、
1000〜3000lux程度の光量の光を照射しなが
ら、110〜120rpmで振りまぜ、15〜30日間
培養することにより、幼植物体の形成を促す。
【0073】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、増殖・培養種化・保存することが
できる。
【0074】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の無性芽に対して、4〜8週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0075】上述したような方法は、無性芽からの方が
増殖が速いものなどについて好適であり、例えば以下の
属のコケ類に好適である。 せん類 ヘチマゴケ、ヨツバゴケ、シッポゴケ、コバノチョウチ
ンゴケ等。 たい類 ゼニゴケ、フタマタゴケ、ジャゴケ等。
【0076】(G) 無性芽→カルス→幼植物体 (1) 無菌化操作 上記(F) の方法と同様である。
【0077】(2) カルス誘導 得られた無菌化無性芽をグルコース濃度を4〜8重量%
に調整した1/5AS−MS培地(固体)、あるいはM
FS培地(固体)上にて、20〜25℃、1500〜2000lux 程
度の光量の光を照射しながら、30〜60日間培養すること
により、カルスの形成を促す。
【0078】(3) カルス増殖 誘導したカルスは、上記(B) の方法と同様にして増殖す
ることができる。また、上記(B) の方法と同様にしてカ
ルスを保存することもできる。
【0079】(4)幼植物体誘導 得られたカルスは、上記(B)の方法と同様にして幼植
物体へと誘導することができる。
【0080】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、培養種化・保存することができ
る。
【0081】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の無性芽に対して、8〜17週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0082】上述したような方法は、カルス化した方が
増殖・保存が好適なコケ類について好適であり、例えば
以下の属のコケ類に好適である。 せん類 ハマキゴケ、ヘチマゴケ、アカイチイゴケ、コモチイト
ゴケ等。 たい類 ゼニゴケ、フタマタゴケ、ヒメクサリゴケ等。
【0083】(H) 細胞片→幼植物体 (1) 無菌化操作 細胞片 (植物体等から採取したもの) を1〜10mm程度に
切断し、これに対して、上記(A) の方法と同様に無菌化
操作を行う。
【0084】(2)幼植物体誘導 得られた無菌化細胞片を1%に二酸化炭素を富化した1
/5ANA−MS培地(液体、光独立栄養培地)、ある
いは1/5NA−MS培地(液体)に生長調節物質を
0.1〜10μM添加した培地中にて、20〜25℃、
1000〜3000lux程度の光量の光を照射しなが
ら、110〜120rpmで振りまぜ、30〜60日間
培養することにより、幼植物体に分化を促す。
【0085】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、増殖・培養種化・保存することが
できる。
【0086】上述したような方法は、例えば以下の属
(ミズゴケは科) のコケ類に好適である。 せん類 スギゴケ、シラガゴケ、シッポゴケ、ハイゴケ、ミズゴ
ケ等。 たい類 コマチゴケ、ツボミゴケ、フタマタゴケ等。
【0087】(I) 細胞片→カルス→幼植物体 (1) 無菌化操作 上記(H) の方法と同様である。
【0088】(2) カルス誘導 得られた無菌化細胞片をグルコース濃度を4〜8重量%
に調整した1/5AS−MS培地(固体)、あるいはM
FS培地(固体)上にて20〜25℃、1500〜2000lux 程度
の光量の光を照射しながら、30〜60日間培養することに
より、カルスの形成を促す。
【0089】(3) カルス増殖 誘導したカルスは、上記(B) の方法と同様にして増殖す
ることができる。また、上記(B) の方法と同様にしてカ
ルスを保存することもできる。
【0090】(4) 幼植物体誘導 得られたカルスは、上記(B) の方法と同様にして幼植物
体へと誘導することができる。
【0091】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、培養種化・保存することができ
る。
【0092】上述したような方法は、例えば以下の属
(ミズゴケは科) のコケ類に好適である。 せん類 タチゴケ、スギゴケ、ネジクチゴケ、ミズゴケ等。 たい類 ハネゴケ、ウキゴケ等。
【0093】(J) 原糸体→幼植物体 (1) 無菌化操作 原糸体を1〜10mm程度に切断し、これに対して上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0094】(2)原糸体増殖 得られた無菌化原糸体を1/5NA−M培地(固体)
上で、20〜25℃、1000〜3000 lux程度
の光量の光を照射しながら、5〜10日間培養すること
により、増殖させる。
【0095】(3)幼植物体誘導及び増殖 この原糸体を1%に二酸化炭素を富化した1/5ANA
−MA培地(液体、光独立栄養培地)、あるいは1/5
NA−MS培地(液体)に生長調節物質を0.1〜10
μM添加した培地中にて、20〜25℃、1000〜3
000lux程度の光量の光を照射しながら、110〜
120rpmで振りまぜ、30〜60日間培養すること
により、幼植物体に分化を促す。
【0096】このようにして培養した幼植物体は、(A)
の方法と同様にして、培養種化・保存することができ
る。
【0097】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の原糸体に対して、6〜10週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0098】上述したような方法は、例えば以下の属の
コケ類に好適である。 せん類 キンシゴケ、ヤノウエノアカゴケ、タマゴケ等。 たい類 ゼニゴケ、ヒシャクゴケ、ツボミゴケ等。
【0099】(K) 地下茎→幼植物体 (1) 無菌化操作 地下茎を1〜10mm程度に切断し、これに対して上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0100】(2)幼植物体誘導 得られた無菌化地下茎を1%に二酸化炭素を富化した1
/5ANA−MA培地(液体、光独立栄養培地)、ある
いは1/5NA−MS培地(液体)に生長調節物質を
0.1〜10μM添加した培地中にて、20〜25℃、
1000〜3000lux程度の光量の光を照射し、1
10〜120rpmで振りまぜながら、10〜30日間
培養することにより、幼植物体に分化を促す。
【0101】誘導した幼植物体は、(A) の方法と同様に
して増殖・培養種化・保存することができる。
【0102】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の地下茎に対して、3〜4週間で100
〜150 倍の株数に増殖可能である。
【0103】上述したような方法は、例えば以下の属の
コケ類に好適である。 せん類 カサゴケ、イワダレゴケ、コウヤノマンネングサ、フジ
ノマンネングサ等。
【0104】(L) 仮根→幼植物体 (1) 無菌化操作 仮根を1〜10mm程度に切断し、これに対して、上記(A)
の方法と同様に無菌化操作を行う。
【0105】(2)幼植物体誘導 得られた無菌化仮根を1%に二酸化炭素を富化した1/
5ANA−MS培地(液体、光独立栄養培地)、あるい
は1/5NA−MS培地に生長調節物質を0.1〜10
μM添加した培地(液体)中にて、20〜25℃、10
00〜3000lux程度の光量の光を照射しながら、
110〜120rpmで振りまぜ、10〜30日間培養
することにより、幼植物体に分化を促す。
【0106】誘導した幼植物体は、(A) の方法と同様に
して増殖・培養種化・保存することができる。
【0107】上記培養工程において得られる培養種(幼
植物体)は、当初の仮根に対して、3〜4週間で100 〜
150 倍に増殖可能である。
【0108】上述したような方法は、例えば以下の属の
コケ類に好適である。 せん類 シモフリゴケ、シッポゴケ、ダチョウゴケ、シノブゴケ
等。 たい類 マチゴケ、ムチゴケ、ゼニゴケ等。
【0109】以上本発明のコケ類の培養種の製造方法
と、それを適用するのに好適なコケ類とを例示してきた
が、本発明はこれに限定されず、培地等は通常の純粋培
養で使用されているものを適宜使用してよい。また、カ
ルス化は、増殖・保存の点で必要があれば、適宜行うこ
とができ、例えばカルス化工程を包含しない培養種化方
法においても、必要に応じカルス化工程を導入すること
ができる。なお、上記以外に特殊な培養方法を用いるこ
とがある。例えばヒカリゴケの場合には、上述した(D)
の栽培方法において、原糸体を増殖させた段階で終了
し、それを培養種とするのが好ましい。
【0110】また、上記各培養工程において、得られた
培養種(幼植物体)は、再度培養槽に投入することによ
り、同じ品質の培養種を永久的に継代培養することがで
きる(コケ類のクローン化) 。
【0111】次に上述したような方法により得られた培
養種を用いた本発明のコケ類の栽培方法について説明す
る。まず、上述した培養種を苗床に播付ける。播付け密
度は、所望とする群生密度に応じて適宜設定すればよい
が、一般に苔庭等に用いる場合には、1cm2 当り培養種
が5〜20個程度となるように播付ける。また播付け方法
は、例えば乾燥体としてある場合には、そのまま播付け
るか、あるいは水にもどして播付ければよく、また培養
種が培養液ごと保存してある場合には、水洗して播付け
ればよい。なお、水分は特に付与する必要はないが、大
気及び苗床が乾燥状態にある場合には、霧吹き等によ
り、苗床がわずかに湿る程度に水分を付与するのが好ま
しい。
【0112】また、苗床には、日向土、鹿沼土、バーミ
キュライト、ピートモス、腐養土、川砂等の砂土を単独
で、あるいは2種以上混合して用いるのが一般的である
が、上記以外に発泡性パーライト (商品名:アクアソイ
ル等) 、高分子吸収体 (商品名:スミカゲル等) なども
用いることができる。上記の他に、木炭粉末等を少量添
加してもよい。また、苗床に砂土を用いる場合、砂土は
煮沸、あるいはオーブンで焼く等して滅菌しておくのが
好ましい。
【0113】上述したような播付けは、栽培地(苔庭や
苔盤景等)に直接行ってもよいが、栽培用パレット(10
〜30cm×20〜60cm程度のもの)に播付けておき、ある程
度生長し密生化した段階で、移植するのが好ましい。ま
た、大規模な栽培場に行う場合には、その栽培場に直接
播付けてもよいし、栽培用パレットを大量に敷設しても
よい。
【0114】播付け後、コケ類を150 〜240 日管理す
る。例えばスナゴケの場合、播付け後6カ月である程度
生長した群落を得ることができる。上記管理は、ビニル
ハウスや、ケーシング内に収めることにより、風雨の影
響を排除して行うこともできる。緑色が濃く、健康的な
コケ群落を得るには、天日及び外気に直接触れる状態下
で管理するのが好ましい。また、ビニルハウスや、ケー
シング内に収めることにより、風雨の影響を排除して栽
培すると、色合いがやや薄緑のものとなり、環境の変化
に対する順応性の弱いものとなってしまうが、確実かつ
より短期間で成育できるので、外観をあまり問題としな
い用途(鉢植え、盆栽等の土壌の滅菌用)等に用いるの
に好適である。
【0115】その後、栽培地(苔庭や苔盤景)に移植
し、10〜15日順化させることにより、コケの群落の栽培
を完了する。
【0116】なお、上記栽培工程においては、コケ類の
生長が一様でなかったり、場所によって群落密度が異な
る場合には、必要に応じ間引きや、密度の小さい箇所に
さらに本発明の栽培種を播付けて、群落密度が一様とな
るように調整することができる。
【0117】通常の播きゴケ法においては、コケ類の切
断片を播付けて幼芽を生じるまでには30〜60日程度を要
し、しかも、全ての切断片から幼芽を生じることはまれ
である。また全ての切断片から幼芽を生じたとしても、
極めて緻密に播付けた場合でも、コケ類の群落密度は小
さいものである。
【0118】したがって、初期群落形成時においては、
コケ類の群落は過疎状態であり、地下茎や仮根等からの
わき芽の発芽及びその生長に伴い、徐々に群落密度が緻
密化していき、800 〜1100日を経て完成する。例えばカ
モジゴケの場合には900 〜1000日を要する。
【0119】しかしながら、本発明においては、コケ類
をその再生に好適な条件下で純粋培養することにより、
極めて短期間に大量の幼植物体(培養種)を製造し、こ
の幼植物体は、ほぼ確実に発芽するものであるので、こ
れを緻密に播付けることにより、従来より大幅に短期間
で緻密な群落を形成することができる。
【0120】上述したような本発明のコケ類の栽培方法
において、純粋培養の開始から、完了までの期間は、栽
培するコケ類の種類にもよるが、200 〜300 日程度であ
り、例えばカモジゴケの場合には210 〜240 日程度であ
り、上記播きゴケ法よりも大幅に栽培日数が短縮され
る。
【0121】さらに、播きゴケ法においては、人間の手
作業により、1つ1つの裁断片を苗床に播付けている
が、本発明の培養種は、幼植物体を乾燥状態あるいは培
養液中に保存してなるので、それを緻密に播くだけで、
播付けを完了することができ、播付けの作業効率を大幅
に向上することができる。
【0122】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により、さらに
詳細に説明する。
【0123】実施例1 カモジゴケの植物体を採集し、配偶体の部分だけ分別
し、この配偶体をハサミにより、約5mm程度に切断し、
無菌化処理の後、この切断片1個を1/5NA−MS培
地 (8%の寒天で固化させたもの)上で、25℃、2000lu
x の光量の光を照射しながら、培養し、他の菌類等によ
り汚染された部位を除去した後、再び培養する操作を、
5回繰り返し、無菌化された配偶体を得た。
【0124】このようにして得られた無菌化配偶体を1
%に二酸化炭素を富化した1/5ANA−MS培地(液
体)に生長調節物質(キネチン)を1μM添加した溶液
とともに、振とう培養機に投入して、25℃、2000
luxの光量の光を照射し、110rpmで振りまぜな
がら、7日間培養することにより、幼植物体に分化を促
した。
【0125】この幼植物体を培地から取り出し、1/5
NA−MS培地でよく洗浄した後、生長調節物質を添加
していない1/5NA−MS培地にいれ、同様の条件下
でさらに6週間培養し、もとの無菌配偶体に対して、約
100 倍の株数の幼植物体を得た。これを滅菌蒸留水等で
十分に培養液を洗い落とし、30℃の温度で通風乾燥する
ことにより、培養種とした。
【0126】この培養種を培地 (30cm×60cm×3cmの栽
培用パレットに1cmの厚さに砂を敷設したもの) 上に、
1cm2 当り培養種が約5個となるように播付け、栽培し
た。
【0127】180 日経過後、カモジゴケは緻密な群落を
形成しており、苔庭等の栽培地に移植可能な状態となっ
ていた。
【0128】比較例1 実施例1と同じ群落のカモジゴケを1株ずつ手でほぐ
し、これを実施例1と同様の培地上に、30本×30本
の密度で播付け、栽培した。
【0129】180 日経過後、カモジゴケは実施例1のも
のと比べて生長が著しく遅く、さらに群落のまばらなも
のであり、栽培地に移植するのは不可能な状態であっ
た。
【0130】実施例2 ヒノキゴケの胞子体を採集し、これのさくの部分だけ分
別し、帽を除去し無菌化処理した後、胞子を取り出し
た。この胞子を1/5NA−MS培地 (8%の寒天で固
化させたもの)上で、25℃、2000 luxの光量の光を照射
しながら、培養し、他の菌類等により汚染された部位を
除去した後、再び培養する操作を、5回繰り返し、無菌
化された胞子を得た。
【0131】この胞子を1/5NA−MS培地(8%の
寒天で固化させたもの)上にて、25℃、2000 luxの光量
の光を照射しながら、14日間培養することにより、原糸
体を形成させた。
【0132】このようにして得られた無菌化原糸体を集
め、1%に二酸化炭素を富化した1/5ANA−S培
地に生長調節物質(キネチン)を1μM添加した溶液と
ともに、振とう培養機に投入して、25℃、2000l
uxの光量の光を照射し、110rpmで振りまぜなが
ら、7日間培養することにより、幼植物体に分化を促し
た。
【0133】この幼植物体を培地から取り出し、1/5
NA−MS培地でよく洗浄した後、生長調節物質を添加
していない1/5NA−MS培地にいれ、同様の条件下
でさらに50日培養した。この幼植物体を滅菌蒸留水等で
十分に培養液を洗い落とし、30℃の温度で通風乾燥する
ことにより、培養種とした。
【0134】この培養種を培地 (30cm×60cm×3cmの栽
培用パレットに1cmの厚さに砂を敷設したもの) 上に、
1cm2 当り培養種が約5個となるように播付け、栽培し
た。
【0135】180 日経過後、ヒノキゴケは緻密な群落を
形成しており、苔庭等の栽培地に移植可能な状態となっ
ていた。
【0136】実施例3 ネジクチゴケの胞子体を採集し、これのさくの部分だけ
分別し、帽を除去し、無菌化処理した後、胞子を取り出
した。この胞子を1/5NA−MS培地 (8%の寒天で
固化させたもの)上で、25℃、2000 luxの光量の光を照
射しながら培養し、他の菌類等により汚染された部位を
除去した後、再び培養する操作を、5回繰り返し、無菌
化された胞子を得た。
【0137】この胞子を1/5NA−MS培地(固体)
にて、25℃、2000luxの光量の光を照射しな
がら、14日間培養することにより、原糸体を形成させ
た。
【0138】得られた原糸体をグルコース濃度4重量%
に調整した1/5AS−MS培地(固体)上にて、25
℃、1500 luxの光量の光を照射しながら、50日間培養す
ることにより、カルスを形成させた。
【0139】このようにして得られたカルスを1%に二
酸化炭素を富化した1/5ANA−MS培地に生長調節
物質(キネチン)を1μM添加した溶液とともに、振と
う培養機に投入して、25℃、2000luxの光量の
光を照射し、110rpmで振りまぜながら、50日間
培養することにより、幼植物体に分化を促した。
【0140】この幼植物体を培地から取り出し、1/5
NA−MS培地でよく洗浄した後、生長調節物質を添加
していない1/5NA−MS培地にいれ、同様の条件下
でさらに50日培養した。
【0141】このようにして得られた幼植物体を滅菌蒸
留水等で十分に洗浄し、30℃の温度で通風乾燥すること
により、培養種とした。
【0142】この培養種を培地 (30cm×60cm×3cmの栽
培用パレットに1cmの厚さに砂を敷設したもの) 上に、
1cm2 当り培養種が約5個となるように播付け、栽培し
た。
【0143】180 日経過後、ネジクチゴケは緻密な群落
を形成しており、苔庭等の栽培地に移植可能な状態とな
っていた。
【0144】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
配偶体、カルス、原糸体等のコケ類の植物組織を純粋培
養し、培養タンク内にて大量増殖して、短期間で幼芽の
状態に相当する幼植物体に分化させ、これをコケ類の培
養種として用いて、苗床上に所望の群落密度が得られる
ように播付けて、成体化することにより、コケ類を栽培
しているので、従来より大幅に短期間でコケ類の緻密な
群落を形成することができる。
【0145】また、本発明のコケ類の栽培方法によれ
ば、播付けはコケ類の幼芽の状態に相当する幼植物体
(培養種)を所望の密度に播くだけでよく、従来人間の
手作業に頼らざるを得なかった播付け作業の効率が大幅
に向上したものとなっている。
【0146】このような本発明のコケ類の栽培方法によ
り、性質の異なる様々なコケ類の緻密な群落を短期間で
大量かつ容易に栽培することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)せん類、たい類及びツノゴケ類から
    なる群より選ばれたコケ類の植物組織を純粋培養し、幼
    植物体に分化させ、(b)前記幼植物体を増殖し、
    (c)前記増殖した幼植物体を25〜35℃での通風乾
    燥、天日による乾燥及び−20〜−5℃での凍結乾燥よ
    りなる群より選ばれた一の乾燥方法により乾燥すること
    によりコケ類の乾燥培養種を製造し、(d)前記コケ類
    の乾燥培養種を1cm当たり5〜20個となるように
    苗床上に播き付け、(e)成体化してコケ類の緻密な群
    落を形成することを特徴とするコケ類の栽培方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のコケ類の栽培方法におい
    て、前記コケ類の植物組織が細胞片、配偶体、カルス、
    原糸体、胞子、無性芽、地下茎又は仮根であることを特
    徴とするコケ類の栽培方法。
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