JP2699634B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2699634B2
JP2699634B2 JP2242228A JP24222890A JP2699634B2 JP 2699634 B2 JP2699634 B2 JP 2699634B2 JP 2242228 A JP2242228 A JP 2242228A JP 24222890 A JP24222890 A JP 24222890A JP 2699634 B2 JP2699634 B2 JP 2699634B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、例えばピアノのように複数の弦と響板と
からなる共鳴装置を備えた自然楽器における共鳴効果を
電気的に実現した電子楽器に関する。
【従来技術】
従来、この種の装置は、例えば特開昭63-267999号公
報に示されるように、異なる共振周波数を有する櫛形フ
ィルタでそれぞれ構成された複数の共鳴音信号形成回路
を備え、楽音信号形成回路にて形成した音高周波数の異
なる複数の楽音信号を混合し、同混合した楽音信号を前
記複数の共鳴音信号形成回路に共通に入力することによ
り、複数の共鳴音信号を得るようにして、1つの弦の振
動に伴い他の弦が振動することに起因して得られるピア
ノ音のような共鳴効果の付与された楽音信号を電気的に
得るようにしている。
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の装置にあっては、楽音信号形成
回路からの各楽音信号は混合された後に各共鳴音信号形
成回路に共通に入力されるので、楽音信号形成回路から
の楽音信号はその音高とは無関係に同一音量レベルで各
共鳴音信号形成回路にそれぞれ入力される。このこと
は、ピアノで言うならば、発音弦から共鳴弦までの距離
とは無関係に、発音弦の振動が各共鳴弦の共鳴に同一の
影響を与えることを意味し、このような共鳴音信号の形
成方法では、得られる共鳴音が不自然となる。 この発明は上記問題に対処するためになされたもの
で、その目的は、ピアノの発音弦と共鳴弦との関係のよ
うに、発生楽音信号の音高が共鳴音信号に与える影響を
考慮して共鳴音信号を形成することにより、自然な共鳴
音を発生する電子楽器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の構成上の特徴
は、発生すべき楽音信号の音高を指定する音高指定手段
と、前記音高指定手段により指定された複数の異なる音
高の楽音信号をそれぞれ形成出力する楽音信号形成手段
と、異なる共振周波数を有し前記楽音信号形成手段から
入力した楽音信号に基づいて複数の異なる共鳴音信号を
それぞれ形成出力する複数の共鳴音信号形成チャンネル
とを備えた電子楽器において、前記複数の共鳴音信号形
成チャンネルの入力側に設けられ、前記楽音信号形成手
段から出力される複数の楽音信号を、前記各共鳴音信号
形成チャンネル毎に、前記各楽音信号の音高と前記各共
鳴音信号形成チャンネルの共振周波数との各差が大きく
なるにしたがって小さなレベルの楽音信号を前記各共鳴
音信号形成チャンネルにそれぞれ供給するように重み付
け合成して、同各合成出力を前記各共鳴音信号形成チャ
ンネルにそれぞれ供給する重み付け手段を設けたことに
ある。
【作用】
上記のように構成したこの発明においては、複数の共
鳴音信号形成チャンネルの入力側に設けられた重み付け
手段が、楽音信号形成手段から出力される複数の楽音信
号を、各共鳴音信号形成チャンネル毎に、各楽音信号の
音高と各共鳴音信号形成チャンネルの共振周波数との各
差が大きくなるにしたがって小さなレベルの楽音信号を
各共鳴音信号形成チャンネルにそれぞれ供給するように
重み付け合成して、各合成出力を前記各共鳴音信号形成
チャンネルにそれぞれ供給するので、各共鳴音信号形成
チャンネルに入力される楽音信号の音量レベルが、楽音
信号形成手段から出力される複数の楽音信号毎及び各共
鳴音信号形成チャンネル毎に、各楽音信号の音高と各共
鳴音信号形成チャンネルの共振周波数との各差が大きく
なるにしたがって小さく制御される。その結果、楽音信
号の音高と共鳴音信号形成チャンネルの共振周波数が近
ければ大きなレベルの楽音信号を共鳴音信号形成チャン
ネルに入力し、楽音信号の音高と共鳴音信号形成チャン
ネルの共振周波数が離れていれば小さなレベルの楽音信
号を共鳴音信号形成チャンネルに入力することになる。
このことは、例えばピアノで言うならば、発音弦と共鳴
弦とが位置的に近くにあれば発音弦の振動が共鳴弦に大
きく影響し、かつ発音弦と共鳴弦とが位置的に離れてい
れば発音弦の振動が共鳴弦に小さく影響することをシミ
ュレータしたことになる。
【発明の効果】
上記作用説明からも理解できるとおり、この発明によ
れば、重み付け手段を設けることにより、自然楽器(例
えばピアノ)に近い共鳴音信号の形成をシミュレートで
きるようにしたので、より自然感のある共鳴効果を実現
することができる。
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面を用いて説明する
と、第2図は同実施例に係る電子楽器の全体をブロック
図により示している。 この電子楽器は鍵盤の各鍵にそれぞれ対応した複数の
鍵スイッチからなる鍵スイッチ回路11を備えており、こ
の鍵スイッチ回路11には押鍵検出回路12が接続されてい
る。押鍵検出回路12は鍵スイッチ回路11内の各鍵スイッ
チの開閉成を検出することにより鍵盤の各鍵の押離鍵を
検出するもので、検出された各鍵の押離鍵を表す押離鍵
情報を押鍵割り当て回路13に出力する。押鍵割り当て回
路13は鍵盤にて押鍵された鍵を複数の楽音信号形成チャ
ンネル14-1〜14-nのいずれかに割り当て、各割り当てら
れた鍵を表すキーコードKC1〜KCn及び同鍵の押離鍵状態
を表すキーオン信号KO1〜KOnを前記各チャンネル14-1〜
14-nに対応した各時分割タイミングに同期させて同各チ
ャンネル14-1〜14-nへ時分割出力する。なお、前記キー
コードKC1〜KCnは低音ほど小さな値をとり、音高が高く
なるに従って増加する値をとる。 楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nは、前記時分割で
供給されたキーコードKC1〜KCn及びキーオン信号KO1〜K
Onの中から自己のチャンネルタイミングに同期して供給
されているキーコードKC及びキーオン信号KOを取り込む
取り込み回路と、同取り込んだキーコードKC及びキーオ
ン信号KOに基づいて楽音信号を形成する楽音信号形成回
路とをそれぞれ内蔵している。この場合、各楽音信号形
成回路にて形成される楽音信号TS1〜TSnの音高はキーコ
ードKC1〜KCnにより制御され、同楽音信号の音色は音色
制御パラメータにより設定され、また同楽音信号の音量
エンベロープはキーオン信号KO1〜KOn及びサステイン信
号SUSにより設定されるようになっている。 音色制御パラメータは音色制御パラメータメモリ15か
ら供給されるもので、同メモリ15は複数の音色に対応し
た複数組の音色制御パラメータを記憶しており、音色選
択スイッチ回路16からの音色選択信号TCによりアドレス
指定されて1組の音色制御パラメータを出力するように
なっている。音色選択スイッチ回路16は複数の音色選択
操作子に対応した複数の音色選択スイッチにより構成さ
れており、音色選択操作子の操作に応じた選択音色を表
す音色選択信号TCを出力する。また、サステイン信号SU
Sはサステインペダルの操作状態を表す信号であり、同
ペダルの操作により開閉するサステインペダルスイッチ
17から供給される。 楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nの各出力はそれぞ
れミキサ回路20に接続されている。このミキサ回路20
は、第3図に示すように、左チャンネル用の加算器21と
右チャンネル用の加算器22とを備えている。加算器21,2
2は各入力にそれぞれ供給された信号を合算して出力す
るもので、加算器21,22の各入力には各入力信号の混合
率を決定するための乗算器23-1〜23-n,24-1〜24-nがそ
れぞれ設けられている。 乗算器23-1〜23-nは楽音信号形成チャンネル14-1〜14
-nから入力した各楽音信号TS1〜TSnに左チャンネル用の
音源用パン係数をそれぞれ乗算して加算器21に供給する
もので、同係数は各制御入力にそれぞれ供給されるよう
になっている。この左チャンネル用の音源用パン係数は
音源用パン係数メモリ25に音色毎に複数組記憶されてい
る。例えば、ピアノ音色の1組の音源用パン係数は、第
4図に示すように、最低音(最低キーコードKC)にて
「1」未満の値であるとともに、音高(キーコードKC)
の増加に従って減少するようになっている。なお、音色
が異なる場合にも、この音源用パン係数は前記ピアノ音
色の場合とほぼ同様であるが、変化カーブ等が若干異な
る。 この音源用パン係数メモリ25には押鍵割り当て回路13
から時分割出力されたキーコードKC1〜KCnと音色選択ス
イッチ回路16からの音色選択信号TCとがアドレス指定信
号として供給されており、同メモリ25は音色選択信号TC
により指定された1組の左チャンネル用の音源用パン係
数群に含まれ、かつキーコードKC1〜KCnによりそれぞれ
指定される各音源用パン係数を時分割出力する。この音
源用パン係数メモリ25の出力はデマルチ回路26に接続さ
れており、同回路26は前記メモリ25から時分割供給され
る音源用パン係数を前記キーコードKC1〜KCnの時分割タ
イミングに対応させてデマルチして乗算器23-1〜23-nに
それぞれ供給する。 また、乗算供給24-1〜24-nは楽音信号形成チャンネル
14-1〜14-nから入力した各楽音信号TS1〜TSnに右チャン
ネル用の音源用パン係数をそれぞれ乗算して加算器22に
供給するもので、同係数は各制御入力にそれぞれ供給さ
れるようになっている。この右チャンネル用の音源用パ
ン係数は「1」から前記左チャンネル用の音源用パン係
数を減算したもので、「1」からデマルチ回路26の各出
力をそれぞれ減算する減算器27-1〜27-nにて計算される
ようになっている。 このように構成したミキサ回路20の左右チャンネル用
の出力は、第2図に示すように、加算器31,32、ディジ
タル/アナログ変換器33,34及びアンプ35,36を介して左
右チャンネル用の音響変換手段としてのスピーカ37,38
にそれぞれ接続されている。スピーカ37,38は電子楽器
の前面パネルに左右に分けて組み付けられ、またはステ
ージ、スタジオ等に空間的に左右に分離されて配置され
るものである。 加算器31,32には共鳴音信号形成部40にて入力楽音信
号に基づいて形成された左右チャンネル用の共鳴音信号
が供給されるようになっている。 共鳴音信号形成部40は入力楽音信号に基づいて共振周
波数の異なるm個の共鳴音信号を形成出力するもので、
第2図及び第5図に示すように、楽音信号形成チャンネ
ル14-1〜14-nからの各楽音信号TS1〜TSnをそれぞれ入力
するm個の重み付け回路41-1〜41-mを備えている。これ
らの重み付け回路41-1〜41-mには、前記楽音信号TS1〜T
Snの他に、音色選択スイッチ回路16からの音色選択信号
TCと押鍵割り当て回路13から時分割出力されたキーコー
ドKC1〜KCnとが並列的に同時に供給されるとともに、各
重み付け回路41-1〜41-mには各共鳴周波数を表す共鳴周
波数データRKC1〜RKCmがそれぞれ個別に供給されるよう
になっている。これらの共鳴周波数データRKC1〜RKCm
は、例えばピアノで言うならば、ピアノの各弦の共振周
波数に対応するもので、共鳴周波数データ発生器42から
デマルチ回路43を介して供給される。共鳴周波数データ
発生器42は音色毎にm個の共鳴周波数を記憶したメモリ
を内蔵しており、音色選択スイッチ回路16からの音色選
択信号TCにより指定される組のm個の共鳴周波数データ
RKC1〜RKCmを時分割出力する。デマルチ回路43は前記時
分割供給されたm個の共鳴周波数データRKC1〜RKCmを各
重み付け回路41-1〜41-mに対応させてデマルチするもの
である。 これらの重み付け回路41-1〜41-mを詳細に説明する
と、第1図は同重み付け回路41-1〜41-mのうちの一つの
回路41-i(iは1〜mの任意の数)を代表して示してい
る。重み付け回路41-iは楽音信号形成チャンネル14-1〜
14-nからの各楽音信号TS1〜TSnを合算する加算器51を備
え、同加算器51の各入力には各入力信号の音量レベルを
決定するための乗算器52-1〜52-nが設けられている。乗
算器52-1〜52-nは各入力楽音信号TS1〜TSnに重み付け係
数をそれぞれ乗算して加算器51に供給するもので、同係
数は各制御入力にそれぞれ供給されるようになってい
る。この重み付け係数は重み付け係数メモリ53に音色毎
に複数組記憶されているもので、例えば、ピアノ音色に
対応した1組の重み付け係数は、第6図に示すように、
キーコードKCと共鳴周波数RKCの差の絶対値|KC-RKC|が
「0」のとき「1」であるとともに、同絶対値|KC-RKC|
が増加するに従って徐々に減少するものである。なお、
音色が異なる場合にも、この重み付け係数は前記ピアノ
の音色の場合とほぼ同様であるが、変化カーブ等が若干
異なる。 この重み付け係数メモリ53は音色選択信号TCによりア
ドレス指定されるとともに、減算器54からの信号によっ
てもアドレス指定されるようになっている。減算器54は
押鍵割り当て回路13から時分割供給されるキーコードKC
1〜KCnを入力するとともに共鳴周波数データRKCiを入力
して、前記各キーコードKC1〜KCnから共鳴周波数データ
RKCiを減算した値KC1-RKCi,KC2-RKCi・・・KCn-RKCiを
表す各信号を重み付け係数メモリ53へそれぞれ時分割出
力する。重み付け係数メモリ53の出力にはデマルチ回路
54が接続されており、同回路54は重み付け係数メモリ53
からの時分割出力される重み付け係数を前記キーコード
KC1〜KCnの時分割タイミング及び各乗算器52-1〜52-nに
対応させてデマルチして乗算器52-1〜52-nへそれぞれ出
力する。 ふたたび、第5図に戻ると、各重み付け回路41-1〜41
-mには共鳴信号形成チャンネル44-1〜44-mがそれぞれ直
列に接続されている。これらの共鳴音信号形成チャンネ
ル44-1〜44-mには、重み付け回路41-1〜41-mからの各信
号の他に、サステインペダルスイッチ17からのサステイ
ン信号SUSが並列的に同時に供給されるとともに、共鳴
制御パラメータがそれぞれ個別に供給されるようになっ
ている。共鳴制御パラメータは遅延制御パラメータDL
Y、フィードバック利得パラメータFBG、フィルタ特性パ
ラメータFQ、パン用左右遅延パラメータDLYL,DLYR及び
パン用左右音量パラメータPANL,PANRを1組とするもの
で、これらの1組の各制御パラメータは音色毎及び共鳴
周波数データRKC1〜RKCm毎に共鳴制御パラメータメモリ
45に記憶されている。なお、前記各パラメータの性格に
ついては後述する共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-m
の具体的な説明で明らかにする。共鳴制御パラメータメ
モリ45は音色選択スイッチ回路16からの音色選択信号TC
及び共鳴周波数データ発生器42から時分割供給される共
鳴周波数データRKC1〜RKCmによりアドレス指定されるよ
うになっており、選択音色及び各共鳴音信号形成チャン
ネル44-1〜44-mの共鳴周波数(共振周波数)に対応した
m組の共鳴制御パラメータを共鳴周波数データRKC1〜RK
Cmに同期して時分割出力する。この共鳴制御パラメータ
メモリ45の出力にはデマルチ回路46が接続されており、
同回路45は前記m組の共鳴制御パラメータを前記周波数
データRKC1〜RKCmの時分割タイミング及び各共鳴音信号
形成チャンネル44-1〜44-mに対応させてデマルチして共
鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mにそれぞれ個別に供
給する。 これらの共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mを詳細
に説明すると、第1図は同チャンネル44-1〜44-mのうち
一つのチャンネル44-i(iは1〜mの任意の数)を代表
して示している。共鳴音信号形成チャンネル44-iは櫛形
フィルタで構成され、加算器61、乗算器62、遅延回路63
及びフィルタ回路64からなる循環信号路を備えている。 加算器61は重み付け回路41-iの加算器51からの信号と
乗算器62、遅延回路63及びフィルタ回路64を介して帰還
された信号とを加算して、乗算器62の入力に供給するも
のである。乗算器62はフィードバック利得パラメータFB
Giにより制御され、前記循環する信号のフィードバック
利得を制御する。また、乗算器62に対するフィードバッ
ク利得パラメータFBGiの入力路には乗算器65が介装され
ており、同乗算器65は前記パラメータFBGiにサステイン
信号SUS(「0」又は「1」)を乗算して出力する。遅
延回路63は遅延制御パラメータDLYiにより制御され、入
力信号を同パラメータKLYiにより表された時間だけ遅延
して出力するもので、この遅延時間により共鳴音信号形
成チャンネル44-iの共振周波数(共鳴周波数)がほぼ決
定される。フィルタ回路64はフィルタ特性パラメータFQ
iにより制御され、循環信号路を循環している信号の周
波数特性(ローパス、バンドパスなどのフィルタ特性、
カットオフ周波数など)を設定制御するものである。 乗算器62の出力は遅延回路66の入力にも接続されてい
る。この遅延回路66は入力信号を最大で数10ミリ秒まで
遅延するもので、0〜数10ミリ秒に渡って異なる時間だ
け遅延された多数の信号が取り出されるようになってい
る。この多数の信号は遅延信号取り出し回路67に入力さ
れており、同回路67はパン用左右遅延パラメータDLYLi,
DLYRiにより制御され、前記多数の信号のうちで両パラ
メータDLYLi,DLYRiによりそれぞれ指定された時間だけ
遅延された2信号を左右チャンネル用の共鳴音信号とし
てそれぞれ出力する。これらのパン用左右遅延パラメー
タDLYLi,DLYRiは音色毎に多少異なるものの、ほぼ第7
図のような特性に設定、すなわちパン用左遅延パラメー
タDLYLiは共鳴周波数データRKCが大きくなるに従って徐
々に大きくなるとともに、パン用右遅延パラメータDLYR
iは共鳴周波数データRKCが大きくなるに従って徐々に小
さくなるように設定されている。 遅延信号取り出し回路67の両出力には乗算器68,69が
それぞれ接続されており、両乗算器68,69は入力信号に
パン用左右音量パラメータPANLi,PANRiをそれぞれ乗算
して左右チャンネル用の共鳴音信号としてそれぞれ出力
するものである。これらのパン用左右音量パラメータPA
NLi,PANRiは音色毎に多少異なるものの、ほぼ第8図の
ような特性に設定、すなわちパン用左音量パラメータPA
NLiは共鳴周波数データRKCが大きくなるに従って徐々に
小さくなるとともに、パン用右音量パラメータPANRiは
共鳴周波数データRKCが大きくなるに従って徐々に大き
くなるように設定されている。 このように構成した共鳴音信号形成チャンネル44-1〜
44-mの乗算器68の出力は、第5図に示すように、加算器
47にそれぞれ接続されており、加算器47は各入力に供給
された信号を合算して左チャンネル用の共鳴音信号とし
て出力する。共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mの乗
算器69の出力は加算器48にそれぞれ接続されており、加
算器48は各入力に供給された信号を合算して右チャンネ
ル用の共鳴音信号として出力する。これらの左右チャン
ネル用の共鳴音信号は、第1図に示すように、加算器3
1,32の他方の入力に供給されるようになっている。 次に、上記のように構成した電子楽器の動作を説明す
る。 鍵盤にて鍵演奏がされると、押鍵検出回路12は鍵演奏
に伴う鍵スイッチ回路11の各鍵スイッチの開閉成を検出
して、押離鍵された鍵に関する押離鍵情報を押鍵割り当
て回路13に出力する。押鍵割り当て回路13は前記押離鍵
情報を楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nのいずれかに
割り当て、同楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nに対応
して各割り当てチャンネルタイミングに同期して前記押
離鍵された鍵に関するキーコードKC1〜KCn及びキーオン
信号KO1〜KOnを時分割出力し、この時分割出力されたキ
ーコードKC1〜KCn及びキーオン信号KO1〜KOnは前記割り
当てられた楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nに取り込
まれる。このキーコードKC1〜KCn及びキーオン信号KO1
〜KOnを取り込んだ楽音信号形成チャンネル14-1〜14-n
は、前記取り込んだキーコードKC1〜KCnにより表された
音高の楽音信号TS1〜TSnを形成してミキサ回路20へ出力
する。この場合、形成出力される楽音信号TS1〜TSnの音
色は音色制御パラメータメモリ15から供給された音色制
御パラメータにより制御され、音色選択スイッチ回路16
により選択されている音色に対応したものとなる。ま
た、同楽音信号の音量エンベロープはキーオン信号KO1
〜KOnにより制御されて前記鍵盤における押鍵に応答し
て立ち上がり、同鍵盤における離鍵に応答して徐々に減
衰する。さらに、この音量エンベロープはサステインペ
ダルスイッチ17からのサステイン信号SUSにより制御さ
れており、サステインペダルの踏み込み操作に伴いサス
テイン信号SUSがハイレベル“1"であるときには、前記
離鍵に応答した音量エンベロープの減衰時間が長く、ま
たサステインペダルの踏み込み解除によりサステイン信
号SUSがローレベル“0"のときには同減衰時間が短くな
る。 このように形成されてミキサ回路20に供給された楽音
信号TS1〜TSnは乗算器23-1〜23-nと乗算器24-1〜24-nと
にそれぞれ並列的に供給される。このとき、乗算器23-1
〜23-nの制御入力には音色選択信号TC及びキーコードKC
1〜KCnに応じて音源用パン係数メモリ25から読み出され
た左チャンネル用の各音源用パン係数がデマルチ回路26
を介して供給されており、同乗算器23-1〜23-nは楽音信
号TS1〜TSnに各左チャンネル用の音源用パン係数をそれ
ぞれ乗算して加算器21に出力する。したがって、楽音信
号形成チャンネル14-1〜14-nから供給される楽音信号TS
1〜TSnはその音高(キーコードKC)に対応した左チャン
ネル用の音源用パン係数により重み付けされて加算器21
に供給される。この場合、左チャンネル用の音源係数
は、音高が高くなる従って(キーコードKCが大きくなる
に従って)小さくなるように設定されているので(第4
図参照)、加算器21には低音程大きな音量レベルの楽音
信号TS1〜TSnが供給される。 一方、減算器27-1〜27-nは「1」から前記各左チャン
ネル用の音源用パン係数をそれぞれ減算した値を出力し
ているので、前記左チャンネル用の各音源用パン係数の
補数が右チャンネル用の音源用パン係数として乗算器24
-1〜24-nに供給される。これにより、楽音信号形成チャ
ンネル14-1〜14-nから供給される楽音信号TS1〜TSnはそ
の音高(キーコードKC)に対応した右チャンネル用の音
源用パン係数(左チャンネル用の音源係数の補数)によ
り重み付けされて加算器22に供給される。この場合、右
チャンネル用の音源用パン係数(左チャンネル用の音源
用パン係数の補数)は、音高が高くなる従って(キーコ
ードKCが大きくなるに従って)大きくなるように設定さ
れるので、加算器22には高音程大きな音量レベルの楽音
信号TS1〜TSnが供給される。 加算器21,22に入力された各楽音信号TS1〜TSn信号は
それぞれ合算されて左右チャンネル用の楽音信号として
出力され、加算器31,32を介してディジタル/アナログ
変換器33,34に供給されて、それぞれアナログ楽音信号
に変換される。このアナログ楽音信号はアンプ35,36を
介してスピーカ37,38に供給され、同スピーカ37,38は前
記アナログ楽音信号に対応した音響信号を放音するの
で、低音側の楽音は左チャンネル用のスピーカ37から多
く発音されるとともに右チャンネル用のスピーカ38から
少なく発音される。また、高音側の楽音は左チャンネル
用のスピーカ37から少なく発音されるとともに右チャン
ネル用のスピーカ38から多く発音される。したがって、
低音の楽音程その音像は左側になり、高音の楽音程その
音像は右側になる。 一方、楽音信号形成チャンネル14-1〜14-nから出力さ
れた楽音信号TS1〜TSnは共鳴音信号形成部40にも供給さ
れる。この共鳴音信号形成部40においては、各楽音信号
TS1〜TSnはm個の重み付け回路41-1〜41-mにてそれぞれ
合算された後、m個の共鳴音信号形成チャンネル44-1〜
44-mにてこれらの合算されたm個の楽音信号に基づいて
m個の異なる共鳴音信号がそれぞれ形成される。 重み付け回路44-1〜44-mにおいては、楽音信号TS1〜T
Snは乗算器52-1〜52-nにそれぞれ並列的に供給される。
このとき、減算器54は、押鍵割り当て回路13から時分割
供給されるキーコードKC1〜KCnから、各重み付け回路41
-1〜41-mにそれぞれ固有に供給されている共鳴周波数デ
ータRKCを減算して、その減算値KC1-RKCi〜KCn-RKCiを
重み付け係数メモリ53に時分割出力すると同時に、重み
付け係数メモリ53は音色選択信号TCにより指定されると
ともに前記減算器54からの出力信号KC1-RKCi〜KCn-RKCi
によりそれぞれ指定される重み付け係数(第6図参照)
を時分割出力しており、この重み付け係数はデマルチ回
路54の作用により前記キーコードKC1〜KCnの割り当てら
れている時分割タイミングに対応した乗算器52-1〜52-n
に供給される。これにより、楽音信号形成チャンネル14
-1〜14-nから供給される楽音信号TS1〜TSnはその音高
(キーコードKC)と共鳴周波数データRKCiとの差に対応
して重み付けされて加算器51に供給される。この場合、
重み付け係数は、第6図に示すように、各キーコードKC
1〜KCnと共鳴周波数データRKCiとの各差KC1-RKCi〜KCn-
RKCiの絶対値|KC1-RKCi|〜|KCn-RKCi|が大きくなるに従
って小さくなる値に設定されているので、加算器51には
前記絶対値|KC1-RKCi|〜|KCn-RKCi|が小さい程大きな音
量レベルの楽音信号TS1〜TSnが供給される。この絶対値
|KC1-RKCi|〜|KCn-RKCi|は発音のために積極的に振動す
る振動体と同振動に伴い共鳴する振動体との距離に対
応、すなわちピアノで言うならば発音弦と共鳴弦との距
離に対応し、かつ加算器51はこれらの各重み付けされた
楽音信号TS1〜TSnを合算するので、この重み付けにより
発音弦の影響が距離に反比例して共鳴弦に影響を与える
物理現象が実現される。 このように、重み付け回路41-1〜41-mにて楽音信号TS
1〜TSnをそれぞれ合算したm個の楽音信号は、各共鳴音
信号形成チャンネル44-1〜44-mの加算器61、乗算器62、
遅延回路63及びフィルタ回路64からなる循環信号路にそ
れぞれ入力される。一方、これらの乗算器62、遅延回路
63及びフィルタ回路64には、フィードバック制御パラメ
ータFBGi、遅延制御パラメータDLYi及びフィルタ特性パ
ラメータFQiが供給されるとともに、乗算器65にはサス
テインペダルスイッチ17からサステイン信号SUSが供給
されている。 今、サステインペダルの踏み込み操作が解除されてい
て、サステインペダルスイッチ17からローレベル“0"の
サステイン信号SUSが乗算器65に入力されていれば、乗
算器65は「0」を表す制御信号を乗算器62に供給するの
で、同乗算器62は加算器61からの楽音信号を遅延回路66
へ出力しない。これにより、この場合には、共鳴音信号
形成部40からは楽音信号が出力されない。 一方、サステインペダルが踏み込み操作されていて、
サステインペダルスイッチ17からハイレベル“1"のサス
テイン信号SUSが乗算器65に入力されていれば、同乗算
器65はその入力に供給されているフィードバック利得パ
ラメータFBGiを乗算器62に出力し、同乗算器62が加算器
61からの信号に同パラメータFBGiを乗算して遅延回路63
に供給するので、楽音信号は加算器61、乗算器62、遅延
回路63及びフィルタ回路64からなる前記循環信号路を循
環する。これにより、加算器51からの楽音信号の供給が
停止しても、楽音信号は前記循環信号路を循環し続け
て、この循環している信号が共鳴音信号として遅延回路
66に供給され続ける。 この場合、各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mの
遅延回路63、フィルタ回路64に供給されいる遅延制御パ
ラメータDLY1〜DLYm、フィルタ特性パラメータFQ1〜FQm
及びフィードバック利得パラメータFBG1〜FBGmは、共鳴
制御パラメータメモリ45及びデマルチ回路46の作用によ
り、音色選択信号TC及び各共鳴周波数データRKC1〜RKCm
に対応した各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mに固
有なものであるので、各共鳴音信号形成チャンネル44-1
〜44-mにおいては各共鳴周波数RKC1〜RKCmに対応した共
振周波数(共鳴周波数)を有する共鳴効果が付与され
る。これにより、ピアノのように複数の弦がそれぞれ共
鳴体として作用する共鳴効果が実現される。 乗算器62から出力された信号は遅延回路66に入力さ
れ、遅延回路66は入力信号を異なる時間遅延した複数の
遅延信号を遅延信号取り出し回路67に出力する。遅延信
号取り出し回路67はその選択制御入力に供給されている
パン用左右遅延パラメータDLYLi,DLYRiによりそれぞれ
指定された時間だけ遅延された遅延信号を取り出して乗
算器68,69に出力する。乗算器68,69は、各制御入力に供
給されているパン用左右音量パラメータPANLi,PANRiを
前記各入力した遅延信号にそれぞれ乗算して左右チャン
ネル用の共鳴音信号として出力する。 この場合も、各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-m
の遅延信号取り出し回路67及び乗算器68,69に供給され
る前記パン用左右遅延パラメータDLYL1〜DLYLm,DLYR1〜
DLYRm及びパン用左右音量パラメータPANL1〜PANLm,PANR
1〜PANRmは、前記と同様な共鳴制御パラメータメモリ45
及びデマルチ回路46の作用により、音色選択信号TC及び
各共鳴周波数データRKC1〜RKCmに対応した各共鳴音信号
形成チャンネル44-1〜44-mに固有なものであるので、各
共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mからは異なる遅延
時間を有しかつ異なる音量レベルの左右チャンネル用の
共鳴音信号がそれぞれ出力される。 その結果、パン用左右遅延パラメータDLYL1〜DLYLm,D
LYR1〜DLYRm及びパン用左右音量パラメータPANL1〜PANL
m,PANR1〜PANRmは第7図及び第8図に示す特性に設定さ
れているので、共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mに
対応した共鳴周波数データRKC1〜RKCmが高い共鳴周波数
(ピアノで言うならば高音側の弦)を示す程、左チャン
ネル用の共鳴音信号の遅延信号が長くなるとともに右チ
ャンネル用の共鳴音信号の遅延時間が短くなり、かつ左
チャンネル用の共鳴音信号の音量レベルが小さくなると
ともに右チャンネル用の共鳴音信号の音量レベルが大き
くなる。 このようにして、各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜
44-mから出力された左右チャンネル用の共鳴音信号は、
加算器47,48にて合算された後、加算器31,32にそれぞれ
入力されて、前記ミキサ回路20からの楽音信号TS1〜TSn
と同様にして、同楽音信号TS1〜TSnと共に出力される。
この場合、前述のように、共鳴音信号の共鳴周波数が高
くなる程、左チャンネル用の共鳴音信号の遅延信号が長
くなるとともに右チャンネル用の共鳴音信号の遅延時間
が短くなり、かつ左チャンネル用の共鳴音信号の音量レ
ベルが小さくなるとともに右チャンネル用の共鳴音信号
の音量レベルが大きくなるので、位相的にも音量的に
も、高音に対応した共鳴音程、音像は右側に定位する。
これにより、ピアノのように共鳴体を構成する多数の弦
を有する楽器の共鳴音の空間的な音響効果を実現でき
る。 なお、上記のように構成した実施例は次のように各種
変形が可能である。 (1)上記実施例においては、楽音信号形成チャンネル
14-1〜14-n及び共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mを
空間的に分離した複数の独立した回路で構成したが、楽
音信号形成チャンネル14-1〜14-n及び共鳴音信号形成チ
ャンネル44-1〜44-mを複数の時分割処理による回路でそ
れぞれ構成してもよい。この場合、楽音信号形成チャン
ネル14-1〜14-nにおいては、各チャンネル14-1〜14-nに
対応したn個の時分割チャンネルを用意し、各時分割チ
ャンネルにてキーコードKC1〜KCn、キーオン信号KO1〜K
On及びサステイン信号SUSに応じた楽音信号を形成する
ようにすればよい。また、共鳴音信号形成チャンネル44
-1〜44-mにおいても、各チャンネル44-1〜44-mに対応し
たm個の時分割チャンネルを用意するとともに、各種共
鳴制御パラメータもこの時分割チャンネルに同期して供
給されるようにして、共鳴音信号形成に関する演算を時
分割処理するようにすればよい。この場合、重み付け回
路41-1〜41-mも時分割チャンネルを有する回路で構成
し、時分割供給されるn個の楽音信号TS1〜TSnをm個の
共鳴音信号形成チャンネル毎に時分割で重みつけ演算し
て、m個の共鳴音信号形成チャンネルにそれぞれ時分割
出力するようにすればよい。 (2)上記実施例においては、各重み付け回路41-1〜41
-n及び各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜44-mの各回路
構成を共通にし、共鳴周波数データ発生器42からの共鳴
周波数データRKC1〜RKCm及び共鳴制御パラメータメモリ
45からの前記データRKC1〜RKCm毎の共鳴制御パラメータ
により前記各回路41-1〜41-m,44-1〜44-mを制御して前
記各回路に固有の特性をもたせるようにしたが、各重み
付け回路41-1〜41-m及び各共鳴音信号形成チャンネル44
-1〜44-mに予め固有の特性をもたせるようにしておいて
もよい。この場合、重み付け回路41-1〜41-mにおいて
は、同回路41-1〜41-mに関係する共鳴周波数は予め決め
られることになるので、上記実施例のような減算器54を
設けて、入力した楽音信号TS1〜TSnの音高を表すキーコ
ードKC1〜KCnと共鳴周波数データRKCiとの差を算出しな
くてもよい。すなわち、各重み付け回路41-1〜41-m毎
に、同各回路41-1〜41-mにおける各共鳴周波数と前記キ
ーコードKC1〜KCnとの関係を示す異なる重み付け係数を
記憶したメモリを用意しておき、前記キーコードKC1〜K
Cnのみにより前記重み付け係数を読み出し出力するよう
にすればよい。 (3)上記実施例の各共鳴音信号形成チャンネル44-1〜
44-mにおいては、加算器61、乗算器62、遅延回路63及び
フィルタ回路64の順に各回路61〜64を接続して楽音信号
の循環信号路を形成するとともに、乗算器62と遅延回路
63との間から出力信号を得るようにしたが、共鳴音信号
の発生遅れが問題にならない場合には、加算器61、遅延
回路63、フィルタ回路64及び乗算器62の順に各回路61〜
64を接続して楽音信号の循環信号路を形成して、乗算器
62と加算器61との間から出力信号を得るようにしてもよ
い。 (4)上記実施例においては、サステインペダルが踏み
込み操作されたとき楽音信号TS1〜TSnに共鳴効果が付与
されるとともに、同ペダルが踏み込み操作されないとき
には楽音信号TS1〜TSnに共鳴効果が全く付与されないよ
うにしたが、このサステインペダルの踏み込み程度によ
り、共鳴効果の付与される程度が連続的に変更制御され
るようにしてもよい。この場合、サステインペダルスイ
ッチ17に代えてボリュームなどを用いてサステインペダ
ルの踏み込み量を検出して、同踏み込み量を表す検出信
号を楽音信号形成チャンネル14-1〜14-n及び共鳴音信号
形成チャンネル44-1〜44-nの乗算器65に供給するように
すればよい。 (5)上記実施例においては、音源用パン係数メモリ2
5、共鳴制御パラメータメモリ45及び重み付け係数メモ
リ53に制御のために必要な全ての値を記憶させておくよ
うにしたが、代表的な値のみを記憶させておいて補間演
算を利用することにより、前記全ての値を算出するよう
にしてもよい。 (6)上記実施例においては、共鳴音の空間的な定位を
左右チャンネル用の共鳴音信号の遅延時間制御(位相制
御)及び音量レベル制御の両者により実現したが、いず
れか一方により前記定位を実現してもよい。 (7)上記実施例は音響チャンネル(スピーカ37,38)
を2チャンネルにて楽音信号及び共鳴音信号の音像の定
位を制御するようにしたが、前記音響チャンネルを3以
上設けて前記音像の定位を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る重み付け回路と共鳴音
信号形成チャンネルの具体的回路図、第2図は本発明の
一実施例を示す電子楽器の全体ブロック図、第3図は第
2図のミキサ回路の具体的回路図、第4図は音源用パン
係数の特性グラフ、第5図は第2図の共鳴音信号形成部
のブロック図、第6図は重み付け係数の特性グラフ、第
7図はパン用遅延時間の特性グラフ、第8図はパン用音
量の特性グラフである。 符号の説明 11……鍵スイッチ回路、12……押鍵検出回路、13……押
鍵割当回路、14-1〜14-n、17……サステインペダルスイ
ッチ、20……ミキサ回路、37、38……スピーカ、40……
共鳴音信号形成部、41-1〜41-m……重み付け回路、42…
…共鳴周波数データ発生器、44-1〜44-m……共鳴音信号
形成チャンネル、45……共鳴制御パラメータメモリ、51
……加算器、52-1〜52-n……乗算器、53……重み付け係
数メモリ、54……減算器、61……加算器、62,66……遅
延回路、64,65……乗算器、67……遅延信号取り出し回
路、68,69……乗算器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発生すべき楽音信号の音高を指定する音高
    指定手段と、 前記音高指定手段により指定された複数の異なる音高の
    楽音信号をそれぞれ形成出力する楽音信号形成手段と、 異なる共振周波数を有し前記楽音信号形成手段から入力
    した楽音信号に基づいて複数の異なる共鳴音信号をそれ
    ぞれ形成出力する複数の共鳴音信号形成チャンネルと を備えた電子楽器において、 前記複数の共鳴音信号形成チャンネルの入力側に設けら
    れ、前記楽音信号形成手段から出力される複数の楽音信
    号を、前記各共鳴信号形成チャンネル毎に、前記各楽音
    信号の音高と前記各共鳴音信号形成チャンネルの共振周
    波数との各差が大きくなるにしたがって小さなレベルの
    楽音信号を前記各共鳴音信号形成チャンネルにそれぞれ
    供給するように重み付け合成して、同各合成出力を前記
    各共鳴音信号形成チャンネルにそれぞれ供給する重み付
    け手段 を設けたことを特徴とする電子楽器。
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