JP2699566B2 - 車両用無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の変速比制御装置

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JP2699566B2
JP2699566B2 JP1216209A JP21620989A JP2699566B2 JP 2699566 B2 JP2699566 B2 JP 2699566B2 JP 1216209 A JP1216209 A JP 1216209A JP 21620989 A JP21620989 A JP 21620989A JP 2699566 B2 JP2699566 B2 JP 2699566B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、車両用無段変速機の変速比制御装置に関す
るものである。
従来の技術 速度比が自動的に変化させられる自動変速機、たとえ
ば複数組の遊星歯車装置が備えられてギヤ段が切り換え
られる有段式自動変速機や、無段階に且つ自動的に速度
比が変化させられる無段変速機を備えた車両が知られて
いる。このような車両においては、予め定められた関係
から実際のスロットル弁開度などの要求出力量に基づい
て自動的に速度比が調節され、燃費率および運転性能な
どが好適に得られるようになっている。そして、上記の
ように自動変速機を備えた車両においては、たとえば、
特開昭61−46725号に記載されているように、加速時の
駆動輪のスリップ防止装置、すなわち、遊動輪から得ら
れた車体速度と駆動輪から得られた車速である駆動輪速
度とに基づくスリップ率が所定の範囲内となるようにエ
ンジンの出力を制御し、駆動輪速度が車体速度に沿って
変化するように制御する形式のトラクション制御装置が
設けられる場合がある。
発明が解決すべき課題 ところで、上記のように無段変速機およびトラクショ
ン制御装置を備えた車両においては、加速操作部材の操
作が比較的大きく行われる発進走行或いは加速走行過程
において、路面の摩擦抵抗などに起因して駆動輪のスリ
ップが発生すると、その駆動輪のスリップ率を所定の範
囲内に収めようとしてたとえばスロットル弁開度を小さ
くすることによりエンジンの出力が抑制される。しか
し、無段変速機も上記スロットル弁開度に基づいて連続
的に速度比が調節されるようになっているため、上記の
ようにスロットル弁開度が小さくされると、それに連動
して速度比が増速側になるように変化させられて、車両
の駆動力が一層抑制される。また、上記の制御の結果、
駆動輪のスリップが解消されると、トラクション制御装
置によって再びスロットル弁開度が大きくされるが、速
度比制御装置はそのスロットル弁開度の増大に関連して
速度比を減速方向へ戻すので、車両の駆動力が一層大き
くされる。この結果、無段変速機およびトラクション制
御装置を備えた車両では、トラクション制御による車両
の駆動力の変化が無段変速機の速度比制御によって増幅
されることになるので、第8図に示すように駆動輪速度
VWの変動が収束し難くなって、トラクション制御による
駆動輪のスリップ制御性能が低下する欠点があった。
本発明は以下の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、無段変速機の速度比制御
によりトラクション制御のスリップ制御性能が損なわれ
ない速度比制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段 斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、速度比が連続的に変化させられる無段変速機と、車
両の発進時における駆動輪速度が車体速度に沿って変化
するようにエンジンの出力を調節するトラクション制御
装置とを備えた車両において、予め定められた関係から
少なくとも要求出力量に基づいて前記無段変速機の速度
比を調節する形式の車両用無段変速機の変速比制御装置
であって、(a)前記トラクション制御装置の制御作動
中であることを検知するトラクション制御検知手段と、
(b)前記トラクション制御装置の作動中においては、
前記速度比の調節に用いられる要求出力量を、実際の要
求出力量に拘わらず予め設定された変化幅以下とするこ
とにより、前記速度比の前記要求出力量に対する制御応
答性を抑制する抑制手段とを含むことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、トラクション制御検知手段により
トラクション制御装置の作動中が検知されている状態に
おいては、抑制手段により、速度比の調節に用いられる
要求出力量が、実際の要求出力量に拘わらず予め設定さ
れた変化幅以下とされることにより、無段変速機の要求
出力量に対する速度比制御の応答性が抑制される。これ
により、トラクション制御装置の作動中において、実際
の要求出力量に拘わらず予め設定された変化幅以下とさ
れた要求出力量に基づいて無段変速機の速度比が連続的
に調節されることから、トラクション制御による車両の
駆動力の変化が無段変速機の速度比制御によって増幅さ
れることが少なくなるので、トラクション制御による駆
動輪のスリップ制御性能が損なわれない。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図において、エンジン10の回転は、ロックアップ
クラッチを備えたフルードカップリング12を介してベル
ト式無段変速機(以下、CVTという)14へ伝達され、こ
のCVT14により無段階に変速された後、前後進切替装置1
5および差動歯車装置17を介して左右の駆動輪(前輪)1
6および18へ伝達されるようになっている。
上記CVT14は、フルードカップリング12を介してエン
ジン10に連結された入力軸19と、前後進切替装置15およ
び差動歯車装置17を介して左右の駆動輪16および18に連
結された出力軸21と、それら入力軸19および出力軸21に
それぞれ設けられた有効径が可変な一対の可変プーリ20
および22と、それら一対の可変プーリ20および22に巻き
掛けられた伝動ベルト24とを備えている。このため、CV
T油圧制御回路25内の変速制御弁によって、一対の可変
プーリ20および22に挟圧力(推力)をそれぞれ付与する
一対の油圧シリンダの一方へ作動油が供給され、且つ他
方から作動油が排出させられることにより、速度比e
(=出力軸回転速度Nout/入力軸回転速度Nin)が変化さ
せられるようになっている。
また、上記前後進切替装置15は、遊星歯車機構、前進
用クラッチ、および後進用ブレーキを備えており、シフ
トレバー26のDレンジなどの前進レンジまたはRレンジ
への操作に連動して、前進用クラッチまたは後進用ブレ
ーキが選択的に作動させられることにより、車両を前進
または後進させるようになっている。また、上記シフト
レバー26がPレンジ或いはNレンジへ操作されて上記前
進用クラッチおよび後進用ブレーキが共に作動させられ
ない場合には、前後進切替装置15内における動力伝達が
遮断されるようになっている。
エンジン10に対する要求出力量を検出するためのスロ
ットルセンサ30からはスロットル弁28の開度θthを表す
記号Sθがトラクション電子制御装置32およびCVT電子
制御装置34へ供給されている。また、CVT14の入力軸回
転速度NinおよびCVT14の出力軸回転速度Noutを検出する
ための回転センサ36および38からは、入力軸回転速度N
inおよび出力軸回転速度Noutを表す記号SR1およびSR2が
CVT電子制御装置34へ供給されるとともに、シフトレバ
ー26の操作位置を検出するためのシフト位置センサ40か
らはシフトレバー26の操作位置を表す信号SPがCVT電子
制御装置34へ供給されている。また、エンジン回転速度
Neを検出するためのエンジン回転センサ42からはエンジ
ン回転速度Neを表す信号SEがCVT電子制御装置34へ供給
されている。
上記CVT電子制御装置34は、CPU、ROM、RAMを含む所謂
マイクロコンピュータであって、そのCPUはRAMの記憶機
能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従っ
て入力信号を処理し、図示しないCVT用油圧制御回路に
ロックアップクラッチの係合状態、CVT14の速度比eな
どを制御させる。たとえば、CVT電子制御装置34におい
て、CVT14に関しては、上記CVT14の出力軸回転速度から
駆動輪車速Vが算出される一方、燃費および運転性能を
考慮した最適曲線に沿ってエンジン10を作動させるため
に予め記憶された第2図に示す関係から、実際のスロッ
トル弁開度θthおよび車速Vに基づいて目標エンジン回
転速度Nin が決定され、この目標エンジン回転速度Nin
と実際の入力軸回転速度Ninとが一致するようにCVT14
の速度比eが調節される。或いは、入力軸回転速度Nin
および出力軸回転速度Noutから実際のCVT14の速度比e
(=Nout/Nin)が算出された後、最適曲線に沿ってエン
ジン10を作動させるための予め記憶された関係から、実
際のスロットル弁開度θthおよび車速Vに基づいて目標
速度比eが決定され、この目標速度比eと実際の速
度比eとが一致するようにCVT14の速度比eが調節され
る。目標速度比e、目標入力軸回転速度Nin 、およ
び車速Vに対応する出力軸回転速度Noutの間には、e
=Nout/Nin なる関係があるから、上記の前者の制御と
後者の制御とは実質的に同じである。
一方、前記トラクション電子制御装置32は、特に低摩
擦路面の走行中における車両の操縦安定性を高めるため
に、加速操作に関連して駆動輪16および18のスリップ状
態を所定の範囲内に維持するようにスロットル弁28の開
度を自動的に調節する。すなわち、車両の左右の前輪16
および18と左右の後輪46および48とには、それぞれの回
転速度を検出するための車輪回転センサ50、52、54、56
がそれぞれ設けられており、それら車輪回転センサ50、
52、54、56からは各車輪16、18、46、48の回転速度を表
す信号SW1、SW2、SW3、SW4がトラクション電子制御装置
32へ供給されている。また、アクセルペダル60の加速操
作量を検出するためのアクセルセンサ62が設けられてお
り、加速操作量を表す信号SAがトラクション電子制御装
置32へ供給されている。
上記トラクション電子制御装置32も、CPU、ROM、RAM
を含む所謂マイクロコンピュータであって、そのCPUはR
AMの記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログ
ラムに従って入力信号を処理する。上記CPUは、加速操
作量を表す信号SAに対応した駆動信号をスロットルアク
チュエータ58に供給して、スロットル弁28の開度θth
加速操作量に対応した要求出力値とするが、加速時にお
いて駆動輪である前輪16または18のスリップが発生する
と、そのスリップが所定の範囲内となるように上記駆動
信号を調節する。例えば前輪16または18の回転速度から
駆動輪速度(車速)VWを算出し且つ遊動輪である後輪46
または48の回転速度から実際の車体速度VS0を算出する
とともに、車体速度VS0に基づいてそれよりも所定値或
いは所定割合だけ高い制御目標速度VW を決定し、その
制御目標速度VW と実際の駆動輪速度VWとが一致するよ
うに、スロットルアクチュエータ58によりスロットル弁
28を開閉させる。或いは、上記駆動輪速度VWと車体速度
VS0とに基づいて駆動輪のスリップ率S〔=(VW−VS0
/VW〕を算出し、そのスリップ率Sが所定の範囲内とな
るようにスロットルアクチュエータ58によりスロットル
弁28を開閉させる。すなわち、上記トラクション電子制
御装置32では、駆動輪速度VWが車体速度VS0に沿って変
化するようにスロットル弁28の開度が制御されるように
なっているのである。
そして、トラクション制御の作動中であることを表す
1ビット信号SBと、後輪46および48の回転速度に基づく
車体速度VS0を表す信号SCが、トラクション電子制御装
置32からCVT電子制御装置34へ供給されている。したが
って、本実施例では、上記トラクション電子制御装置32
がトラクション制御作動検知手段としても機能してい
る。
以下、上記CVT電子制御装置34の作動の要部を、第3
図のフローチャートに従って説明する。
第3図は、CVT電子制御装置34において所定の周期、
たとえば8ms周期で繰り返し実行されるルーチンを示し
ている。先ず、ステップSA1においては、実際のスロッ
トル弁開度θthがスロットルセンサ30からの信号Sθに
基づいて読み込まれる。そして、ステップSA2において
は、加速スリップ制御中であるか否か、換言すればトラ
クション制御装置の作動中であるか否かが、トラクショ
ン電子制御装置32からの信号SBに基づいて判断される。
加速スリップ制御中でないと判断された場合には、ステ
ップSA6において実際のスロットル弁開度θthの値が変
速スロットル開度演算値θTRとして更新された後、ステ
ップSA7以下が実行されるが、加速スリップ制御中であ
ると判断された場合には、ステップSA3において前回の
変速スロットル開度演算値θTR(i-1)から所定値kθを
差し引いた値(θTR(i-1)−kθ)がレジスタθ内に一
時記憶される。この所定値kθは一定の値であってもよ
いが、車速などの関数であってもよい。
次いで、ステップSA4において、上記ステップSA3にお
いて更新されたレジスタθの内容が実際のスロットル弁
開度θth以上であるか否かが判断される。レジスタθの
記憶内容が実際のスロットル弁開度θthより小さい場合
には前記ステップSA6以下が実行されるが、レジスタθ
の内容が実際のスロットル弁開度θth以上であれば、ス
テップSA5において、レジスタθの内容が変速スロット
ル開度演算値θTRとして更新される。すなわち、実際の
スロットル弁開度θthが、前回の変速スロットル開度演
算値θTR(i-1)から所定値kθを差し引いた値(θ
TR(i-1)−kθ)よりも急に小さくなっても、前回のサ
イクルの値よりもkθだけしか減少させないようにし
て、速度比制御に用する変速スロットル開度演算値θTR
の減少率を抑制するのである。本実施例では、上記ステ
ップSA4乃至SA6が、速度比制御に用いる変速スロットル
開度演算値θTRの減少方向の変化を抑制することによ
り、その変速スロットル開度演算値θTRに対する速度比
eの制御応答性を抑制する抑制手段に対応している。
そして、ステップSA7において、予め記憶された第2
図の関係から、上記変速スロットル開度演算値θTRと、
トラクション電子制御装置32から送信された車体速度V
S0を表す記号SCとに基づいて目標速度比eが決定さ
れ、ステップSA8では、実際の速度比eが上記目標速度
比eと一致するように制御信号がCVT電子制御装置34
からCVT油圧制御回路25へ出力される。
以上のサイクルが繰り返し実行されることにより、た
とえば車両の発進加速走行時においては、速度比eが第
4図のタイムチャートに示すように制御される一方、ト
ラクション制御により実際のスロットル弁開度θthが第
4図の1点鎖線に示すように急に減少するにも拘わら
ず、実線に示す変速スロットル開度演算値θTRの減少が
抑制される結果、駆動輪速度VWが第4図に示すように車
体速度VS0に沿って増加させられるとともに、上記実際
のスロットル弁開度θthの変化に同期した変化が収束さ
せられる。すなわち、本実施例によれば、駆動輪16およ
び18の加速スリップを所定範囲に入れるためのトラクシ
ョン制御に関連して実際のスロットル弁開度θthが急に
減少するにも拘わらず、変速比制御に用いる変速スロッ
トル開度演算値θTRの減少が抑制されるので、実際のス
ロットル弁開度θthの変化に対する速度比eの応答性が
抑制される。このため、トラクション制御による車両の
駆動力の変化がCVT14の速度比制御により増幅されるこ
とが少なくなり、トラクション制御による駆動輪16およ
び18のスリップ制御性能が損なわれない。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の
説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符
号を付して説明を省略する。
第5図に示す実施例は、変速スロットル開度演算値θ
TRの増加を抑制するものであって、ステップSB3およびS
B4以外は第3図の実施例のステップSA1乃至SA8と同様に
構成されているので、以下に相違している部分について
説明する。ステップSB3では、前回の変速スロットル開
度演算値θTR(i-1)に所定値kθを加えた値(θTR(i-1)
+kθ)がレジスタθ内に一時記憶される。この所定値
kθは一定の値であってもよいが、車速などの関数であ
ってもよい。そして、ステップSB4では、ステップSB3に
おいて更新されたレジスタθの内容が実際のスロットル
弁開度θth以下であるか否かが判断される。レジスタθ
の記憶内容が実際のスロットル弁開度θthより大きい場
合には前記の実施例と同様にステップSB6以下が実行さ
れるが、レジスタθの内容が実際のスロットル弁開度θ
th以下であれば、ステップSB5において、レジスタθの
内容が変速スロットル開度演算値θTRとして更新され
る。すなわち、実際のスロットル弁開度θthが、前回の
変速スロットル開度演算値θTR(i-1)に所定値kθを加
えた値(θTR(i-1)+kθ)よりも急に大きくなって
も、前回のサイクルの値よりもkθだけしか増加させな
いようにして、速度比制御に用いる変速スロットル開度
演算値θTRの増加率を抑制するのである。本実施例で
は、上記ステップSB4乃至SB6が、速度比制御に用いる変
速スロットル開度演算値θTRの増加方向の変化を抑制す
ることにより、その変速スロットル開度演算値θTRに対
する速度比eの制御応答性を抑制する抑制手段に対応し
ている。
以上のサイクルが繰り返し実行されることにより、た
とえば車両の発進加速走行時においては、第6図のタイ
ムチャートに示すように速度比eが制御される一方、ト
ラクション制御により実際のスロットル弁開度θthが第
6図の1点鎖線に示すように急に増加するにも拘わら
ず、実線に示す変速スロットル開度演算値θTRの増加が
抑制される結果、駆動輪速度VWが車体速度VS0に沿って
増加させられるとともに、上記実際のスロットル弁開度
θthの変化に同期した変化が収束させられる。すなわ
ち、本実施例によれば、駆動輪16および18の加速スリッ
プを所定範囲に入れるためのトラクション制御に関連し
て実際のスロットル弁開度θthが急に増加するにも拘わ
らず、変速比制御に用いる変速スロットル開度演算値θ
TRの増加が抑制されるので、実際のスロットル弁開度θ
の変化に対する速度比eの応答性が抑制される。このた
め、トラクション制御による車両の駆動力の変化がCVT1
4の速度比制御により増幅されることが少なくなり、ト
ラクション制御による駆動輪16および18のスリップ制御
性能が損なわれないのである。
第7図に示す実施例は、変速スロットル開度演算値θ
TRの減少および増加を抑制するものであって、ステップ
SC3乃至SC6以外は第3図或いは第5図の実施例のステッ
プSA1乃至SA8或いはSB1乃至SB8と同様に構成されている
ので、以下に相違している部分について説明する。ステ
ップSC2において加速スリップ制御中でないと判断され
た場合には、ステップSC6が実行されて、変速スロット
ル開度演算値θTRの内容を実際のスロットル弁開度θth
とする一方、ステップC2において加速スリップ制御中で
あると判断された場合には、ステップSC3において、前
回の変速スロットル開度演算値θTR(i-1)が実際のスロ
ットル弁開度θth以上であるか否かが判断される。θ
TR(i-1)がθth以上と判断された場合にはステップSC4に
おいて、変速スロットル開度演算値θTRの内容が前回の
値θTR(i-1)に所定値kθを差し引いた値〔θTR(i-1)
kθ〕とされるが、θTR(i-1)がθthより小さいと判断
された場合にはステップSC5において、変速スロットル
開度演算値θTRの内容が前回の値θTR(i-1)から所定値
kθを加えた値〔θTR(i-1)−kθ〕とされる。本実施
例では、上記ステップSC3乃至SB5が、速度比制御に用い
る変速スロットル開度演算値θTRの増加方向および減速
方向の変化を抑制することにより、その変速スロットル
開度演算値θTRに対する速度比eの制御応答性を抑制す
る抑制手段に対応している。
以上のサイクルが繰り返し実行されることにより、た
とえば車両の発進加速走行時においては、トラクション
制御により実際のスロットル弁開度θthが急に減少およ
び増加するにも拘わらず、変速スロットル開度演算値θ
TRの減少および増加が抑制される結果、駆動輪速度VW
車体速度VS0に沿って増加させられるとともに、上記実
際のスロットル弁開度θthの変化に同期した変化が好適
に収束させられる。このため、トラクション制御による
車両の駆動力の変化がCVT14の速度比制御により増幅さ
れることが一層少なくなり、トラクション制御による駆
動輪16および18のスリップ制御性能が損なわれないので
ある。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
また、前述の実施例では、トラクション制御検知手段
として機能するトラクション電子制御装置32がCVT電子
制御装置34から独立に設けられているが、CVT電子制御
装置34とトラクション電子制御装置32とが共通のコンピ
ュータにより構成されてもよいのである。
また、前述の実施例では、スロットル弁28が専らスロ
ットルアクチュエータ58によって駆動される形式の車両
について説明されていたが、スロットル弁28がアクセル
ペダル60およびスロットルアクチュエータ58によって駆
動される形式の車両などであってもよい。要するに、ト
ラクション制御に際してエンジンの出力を変化させるた
めに調節されるパラメータが速度比制御のためにも用い
られる形式の車両において本発明が適用され得るのであ
る。
また、前述の実施例では、要求出力量としてスロット
ル弁開度θthが用いられていたが、吸気管負圧、燃料噴
射量、燃料噴射装置の調節レバーの回動量などの変数が
用いられてもよい。
また、前述の実施例のCVT14はベルト式無段変速機で
あったが、他の形式の無段変速機であってもよいのであ
る。
また、前述の実施例ではFF車両の場合について詳述し
たが、FR車両の場合についても同様に本発明が適用され
得る。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す車両のCVT制御機構
およびトラクション制御機構を示すブロック線図であ
る。第2図は、第1図のCVT制御装置に用いられる関係
である。第3図は、第1図の実施例におけるCVT制御作
動の要部を示すフローチャートである。第4図は、第3
図の制御作動を説明するタイムチャートである。第5図
および第6図は、本発明の他の実施例における第3図お
よび第4図にそれぞれ対応する図である。第7図は、本
発明の他の実施例における第3図に対応する図である。
第8図は、従来の制御装置の作動を示す第4図に対応す
る図である。 10:エンジン 14:CVT(無段変速機) 16,18:前輪(駆動輪) 32:トラクション電子制御装置(トラクション制御検知
手段) 34:CVT電子制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】速度比が連続的に変化させられる無段変速
    機と、車両の発進時における駆動輪速度が車体速度に沿
    って変化するようにエンジンの出力を調節するトラクシ
    ョン制御装置とを備えた車両において、予め定められた
    関係から少なくとも要求出力量に基づいて前記無段変速
    機の速度比を調節する形式の車両用無段変速機の変速比
    制御装置であって、 前記トラクション制御装置の制御作動中であることを検
    知するトラクション制御検知手段と、 前記トラクション制御装置の作動中においては、前記速
    度比の調節に用いられる要求出力量を、実際の要求出力
    量に拘わらず予め設定された変化幅以下とすることによ
    り、前記速度比の前記要求出力量に対する制御応答性を
    抑制する抑制手段と を含むことを特徴とする車両用無段変速機の変速比制御
    装置。
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