JP2006316910A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 TCS作動時の車両の操作性を向上させる。
【解決手段】 無段変速機の制御装置100が、ベルト式無段変速装置4と、アクセル開度θAPを検出するアクセルペダル開度センサ27、エンジンのスロットル開度θTHを検出するスロットル開度センサ23と、車速Vを検出する車速センサ24と、車両の走行する路面の勾配を算出する電気制御ユニットECUとを有し、この電気制御ユニットECUが、アクセルペダル開度センサ27および車速センサ24により検出された運転状態並びに電気制御ユニットECUにより算出された路面の勾配に応じたベルト式無段変速装置4の変速制御を行い、TCSにより駆動輪速度検出センサ25および従動輪速度検出センサ26により検出された運転状態に応じた駆動輪の駆動力を低減する制御を行い、その上で、TCS作動中は路面の勾配に応じたベルト式無段変速装置4の変速制御が規制される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用エンジンの出力を無段階に変速して車輪に伝達して車両を駆動する無段変速機の制御装置に関し、特に駆動輪の駆動力を低減する制御を行う駆動力制御手段を有する無段変速機の制御装置に関する。
車両用無段変速機の変速制御は従来から種々提案されており、例えば、車速とアクセル開度に対応して目標エンジン回転数を設定し、実際のエンジン回転が目標エンジン回転数に一致するように無段変速制御することが知られている。このような変速制御に際して、車両が走行する路面が平坦路、登坂路あるいは降坂路となるときに、これら路面状態に応じて適切な走行特性が得られるように変速制御することが求められる。このため、エンジンの出力トルク、走行抵抗、加速度等から走行している路面勾配を推定し、この推定路面勾配に応じて車両の走行路面に適した変速制御を行うことが知られている。
また、上記のような無段変速機を備えた車両には、低摩擦係数路面における発進時や加速時等に駆動輪が空転することで加速性能が低下するのを防止し、車両の安定性および操作性を確保する駆動力制御装置、すなわち、トラクションコントロールシステム(以下、「TCS」という)が装備されているものがある。上記のようなTCSとして、例えば、特許文献1にも記載されているように、路面の状況により駆動輪の空転が起こるものと予測される場合、エンジンへの燃料の供給を行うスロットルの開度を制御することでエンジン出力を抑制して駆動輪の空転を抑制するものが従来から知られている。
特開平10―297321号公報
ところで、路面勾配にともなう走行抵抗を勘案した変速制御は、路面勾配毎に異なる変速マップを複数設定しておき、実際の走行路面勾配に応じて変速マップを切り換えて行われるようになっている。そして、無段変速機では車速とアクセル開度に対応した目標エンジン回転数を設定した変速マップが用いられるため、車両の走行路面に応じて変速マップが変更されると車速とアクセル開度に対応した目標エンジン回転数が変化して、車速とアクセル開度が同一でも変速制御がなされて目標エンジン回転数が変化する。
このため、例えば、走行中に走行路面勾配が登坂路側に変化する場合、この勾配変化に対応して変速マップが切り換えられ、車速とアクセル開度が変化しなくても目標エンジン回転数は高くなり、エンジン回転数が高くなる変速制御となる。しかしながら、上記のような路面の状況による駆動輪の空転を抑えるTCSを装備する車両の場合、TCSによる駆動力制御が行われている状態で変速マップが切り換えられると、特に、勾配が緩急を繰り返す路面上を走行することで頻繁に変速マップの切換が発生すると、これにともなって目標エンジン回転数も頻繁に変更されるためエンジンの出力トルクが安定せず、TCSによって安定的に制御されていた駆動論の駆動力が不安定になり、この不安定な駆動力により車両の操作性が悪化して運転者にとって扱いにくい、という課題があった。
以上のような課題に鑑みて、本発明では、TCSにより駆動力が制御される車両において、車両の走行路面の路面勾配が変化する場合であっても車両の操作性を向上させることの可能な無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る無段変速機の制御装置は、駆動源(例えば、エンジンE)の出力を無段階に変速して駆動輪に伝達して車両を駆動する無段変速機構(例えば、実施形態におけるベルト式無段変速装置4)と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段(例えば、実施形態におけるアクセルペダル開度センサ27、車速センサ24、駆動輪速度検出センサ25および従動輪速度検出センサ26)と、車両の走行する路面の勾配を算出する勾配推定手段(例えば、実施形態における電気制御ユニットECU)と、運転状態検出手段により検出された運転状態および勾配推定手段により推定された路面の勾配に応じた無段変速機構の変速制御を行う変速制御手段(例えば、実施形態における電気制御ユニットECUおよびコントロールバルブCV)と、運転状態検出手段により検出された運転状態に応じた駆動輪の駆動力を低減する制御を行う駆動力制御手段(例えば、実施形態における電気制御ユニットECU、駆動輪速度検出センサ25および従動輪速度検出センサ26)とを備え、駆動力制御手段の作動中は路面の勾配に応じた無段変速機構の変速制御が規制される。
本発明に関する無段変速機の制御装置によれば、駆動力制御手段(実施形態におけるTCS)の作動中においては、路面の勾配に応じた無段変速機構の変速制御を行わず、車両の走行路面の路面勾配が変化しても路面勾配毎に異なった変速マップへの切り換えは行わない。このため、路面勾配が変化しても目標エンジン回転数は変化せず、TCSによってエンジンの出力トルクは安定した状態に駆動輪の駆動力として伝達され、安定した駆動力により車両の操作性を向上させて運転者にとって扱い易くすることが可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る無段変速機である回転軸を用いたベルト式無段変速機TMを示し、図2はそのスケルトン図を示したものである。
このベルト式無段変速機TMはエンジンE(原動機)から入力された動力を変速して出力するベルト式無段変速装置4と、エンジンEとベルト式無段変速装置4との間に設けられて動力伝達を行うトルクコンバータ30とを有して構成されている。ベルト式無段変速装置4は変速機ハウジング2内に収められており、変速機入力シャフトS1と、プライマリシャフト11と、変速機カウンタシャフト12と、左右のアクスルシャフト8a,8bとがそれぞれ変速機ハウジング2内に取り付けられたベアリングにより回転自在に支承されている。ここで、変速機入力シャフトS1とプライマリシャフト11とは同一軸上に配設されており、変速機カウンタシャフト12は変速機入力シャフトS1(もしくはプライマリシャフト11)と平行に所定距離離れて位置している。また、左右のアクスルシャフト8a,8bは同一軸上に配設されて変速機カウンタシャフト12と平行に所定距離離れて位置している。
変速機入力シャフトS1にはトルクコンバータ30を介してエンジンEからの動力が入力される。トルクコンバータ30はポンプインペラ31、タービンランナ32およびステータ33を有して構成されており、ポンプインペラ31はその外周を覆うコンバータカバー34と一体になっている。
トルクコンバータ30にはロックアップ機構50が備えられており、ロックアップクラッチピストン51をコンバータカバー34の内面に押し付けて両部材51,34を係合させ、エンジンEからの動力を直接変速機入力シャフトS1に伝達させることができるようになっている。このようなロックアップクラッチピストン51の作動は、トルクコンバータ30内の空間がロックアップクラッチ51により仕切られて形成される2つの油室、すなわちロックアップクラッチ51よりもタービンランナ32側に形成された油室(タービン側油室52)およびロックアップクラッチピストン51よりもコンバータカバー34側に形成された油室(カバー側油室53)にオイルを給排させることにより行われる。
変速機入力シャフトS1の動力は前後進切換機構3を介してプライマリシャフト11に伝達され、さらに、プライマリシャフト11の動力は、プライマリシャフト11上に設けたドライブ側プーリ41と、変速機カウンタシャフト12上に設けたドリブン側プーリ45と、これら両プーリ41,45間に掛け渡したVベルト49とから構成されるベルト式無段変速装置4を介して変速機カウンタシャフト12に伝達される。
ドライブ側プーリ41はプライマリシャフト11に固定された固定プーリ半体42と、この固定プーリ半体42と対向してプライマリシャフト11上を軸方向スライド移動自在に設けられた可動プーリ半体43とから構成されており、コントロールバルブCVから油路21を介してシリンダ室44内にオイルを給排することによりドライブ側圧を発生させ、可動プーリ半体43を移動させて固定プーリ半体42と可動プーリ半体43との間の間隔(プーリ幅)を変えることが可能である。
また、ドリブン側プーリ45は変速機カウンタシャフト12に固定された固定プーリ半体46と、この固定プーリ半体46と対向して変速機カウンタシャフト12上を軸方向スライド移動自在に設けられた可動プーリ半体47とから構成されており、コントロールバルブCVから油路22を介してシリンダ室48内にオイルを給排することによりドリブン側圧を発生させ、可動プーリ半体47を移動させて固定プーリ半体46と可動プーリ半体47との間の間隔(プーリ幅)を変えることが可能である。
このように、両シリンダ室44,48への供給油圧(ドライブおよびドリブン側圧)をコントロールバルブCVにより制御し、Vベルト49の滑りの発生することのない側圧を与える。また、これら両プーリ41,45のプーリ幅を調整することによりVベルト49の巻き掛け半径を変化させて、これにより両シャフト11,12間の変速比を無段階に変化させる制御が行われる。
変速機カウンタシャフト12に入力された動力は減速ギヤ列6を介してディファレンシャル機構7に伝達される。ディファレンシャル機構7では入力された動力を左右のフロントアクスルシャフト8a,8bに分割して伝達し、これら両シャフト8a,8bそれぞれの端部に設けられた図示しない左右の車輪(前輪)を駆動する。
以上のように構成されたベルト式無段変速機TMにおいては、コントロールバルブCVから油路21,22を介して供給されるドライブおよびドリブン側圧により変速制御が行われる。コントロールバルブCVは電気制御ユニットECUからの制御信号に基づいて作動が制御されるが、この制御のため、アクセルペダル開度センサ27により検出されたエンジンEのスロットル開度信号と、車速センサ24により検出された車速信号とが電気制御ユニットECUに送られるように構成されている。また、このベルト式無段変速機TMは駆動輪の過剰スリップが検出されたときに、エンジンEに供給される燃料を制御するスロットル開度を制御することによりエンジンEの出力トルクを低減して当該過剰スリップを抑制するトラクションコントロールシステム(以下、「TCS」と称する)を有している。
TCSによるトラクションコントロールの作動は、駆動輪速度検出センサ25により検出された駆動輪速度Vkと、従動輪速度検出センサ26により検出された従動輪速度Vjとに基づいて、駆動輪のスリップ状態を検出することでなされる。電気制御ユニットECUはエンジンEのスロットル開度を制限する制御を行い、エンジンEの出力トルクを低減させて駆動輪の過剰スリップを抑制する。
以上、本発明に係る無段変速機の制御装置100は、ベルト式無段変速装置4、アクセルペダル開度センサ27、スロットル開度センサ23、車速センサ24、駆動輪速度検出センサ25、従動輪速度検出センサ26、電気制御ユニットECUおよびコントロールバルブCVを有して構成されている。
以下に、電気制御ユニットECUにより作動制御されるコントロールバルブCVから油路31,32を介してドライブおよびドリブンシリンダ室14,19にドライブおよびドリブン側圧を供給制御して行われる変速制御について、図3、図4および図8に示すフローチャートを参照して説明する。この変速制御は、図3に示すTCS作動中判断フローおよび図4に示す登降坂制御変速マップフローに従った制御を順次繰り返すことで行われるが、この繰り返し周期は、約10msである。
この変速制御では、まず、図3に示すようなTCS作動中判断フローに従ってTCSが作動中であるか否かが判断される。なお、図3に示すフローチャートに示す2箇所の丸囲みAは、これらの丸囲みA同士が繋がってフローチャートを構成している。
ここではまず、電気制御ユニットECUが、アクセルペダル開度センサ27により検出されたアクセル開度θAPおよび車速センサ24により検出された車速Vに基づいてTCSが作動状態にあるか否かを判断する(ステップS1)。ここで、TCSが作動中であると判断された場合には、ステップS2に進み、TCSの作動が開始してから予め電気制御ユニットECUに設定されている所定の時間だけ経過したか否かの判断がなされる。このとき、既に当該所定の時間(例えば1sec)経過したものと判断された場合には、TCSが作動中であることを示すTCS作動中フラグが電気制御ユニットECUにセットされる(ステップS3)。一方、未だ当該所定の時間経過していないと判断された場合には、TCS作動中フラグがセットされないオフの状態が継続される。
また、ステップS1におけるTCS作動の判断でTCSが非作動であると判断された場合には、ステップS4に進み、直近のTCSの作動終了時から予め電気制御ユニットECUに設定されている所定の時間(例えば1sec)だけ経過したか否かの判断がなされる。このとき、未だ当該所定の時間経過していないと判断された場合には、TCS作動中フラグがセットされた状態が継続される。一方、既に当該所定の時間経過したものと判断された場合には、TCS作動中フラグがリセットされる(ステップS5)。
上記のように、TCS作動が開始してもTCS作動中フラグがセットされるまでに所定の遅延時間が設けられ、また、TCS作動が終了してもTCS作動中フラグがリセットされるまでに所定の遅延時間が設けられているのは、TCSの作動および非作動が短い時間で頻繁に繰り返される(ハンチング)場合に、後述するようにTCS作動状況に応じてなされる変速制御の切り換えと切り換えの規制とが頻繁に繰り返されることで変速制御が不安定になるのを防ぐためである。
続いて、図4に示すような登降坂制御変速マップフローに従って変速制御がなされる。ここでは、まず、現在車両が走行中である走行路面の勾配を推定する(ステップ10)。
走行路面の勾配の推定は、電気制御ユニットECUが以下のような計算を実行することでなされる。まず、スロットル開度センサ23により検出されたエンジンのスロットル開度θTHからエンジン出力トルクを算出する。さらに、このエンジン出力トルクから駆動輪の駆動トルクを求め、駆動トルクと加速度ΔVとから走行路面の勾配を算出する。すなわち、路面勾配は、スロットル開度センサ23により検出されたエンジンのスロットル開度θTHおよび車速センサ24により検出された車速Vに基づいて算出可能である。
続く、ステップS11では、先のTCS作動中判断フローでセットされたTCS作動中フラグがオン状態であるか否かを判断する。ここで、TCS作動中フラグのオン状態が判断された場合、すなわち、TCSの作動中が判断された場合には、後述するような登降坂制御の変速マップの切換を許可するマップ切換許可フラグは当初セットされているオフの状態を維持する。
一方、ステップS11でTCS作動中フラグがオフであると判断された場合、すなわち、TCSの非作動が判断された場合には、ステップS13において算出された走行路面の勾配が、直前の繰り返し周期において算出された勾配(約10ms前に算出された勾配)に対して登坂側に増加したか否か(下り坂の斜面が緩くなった場合も含む)を判断する。このとき、登坂側に増加したと判断された場合、すなわち、平坦路を走行中の車両が上り坂に差し掛かった状態、上り坂を走行中の車両の走行路面の路面勾配が急勾配になるような状態、もしくは下り坂を走行中の車両の走行路面の路面勾配が緩くなるような状態のときは、続いて、アクセルペダル開度センサ27により検出されたアクセル開度θAPが所定値以上であるかを判断する(ステップS14)。
ここで、アクセル開度θAPが所定値以上であると判断した場合には、登降坂制御の変速マップの切換を許可するマップ切換許可フラグはオンになる(ステップS15)。一方、アクセル開度θAPが所定値未満であると判断された場合には、マップ切換許可フラグは当初セットされているオフの状態を維持する(ステップS15)。
一方、ステップS13において、走行路面の勾配が登坂側に増加していないと判断した場合には、続くステップS16において、直前の繰り返し周期において算出された勾配(約10ms前に算出された勾配)に対して走行路面の勾配が降坂側に増加したか否か(上り坂の斜面が緩くなった場合も含む)を判断する。このとき、降坂側に増加したと判断された場合、すなわち、平坦路を走行中の車両が下り坂に差し掛かった状態、下り坂を走行中の車両の走行路面の路面勾配が急勾配になるような状態、もしくは上り坂を走行中の車両の走行路面の路面勾配が緩くなるような状態のときは、続いて、アクセルペダル開度センサ27により検出されたアクセル開度θAPが所定値未満であるかを判断する(ステップS18)。
ここで、アクセル開度θAPが所定値未満であると判断された場合には、登降坂制御の変速マップの切換を許可するマップ切換許可フラグはオンになる(ステップS19)。一方、アクセル開度θAPが所定値以上であると判断された場合には、マップ切換許可フラグは当初セットされているオフの状態を維持する(ステップS17)。また、走行路面の勾配が登坂側に増加せず、且つ、降坂側にも増加していない場合には、すなわち、車両が平坦路を走行しているとき、もしくは勾配の変化の小さい上り坂や下り坂を走行しているときは、マップ切換許可フラグは当初セットされているオフの状態を維持する(ステップS17)。
続くステップ20においては、先のステップS12、ステップS15、ステップS17およびステップS19でセットされたマップ切換許可フラグがオン状態にあるか否かを判断する。ここで、マップ切換許可フラグがオン状態にあると判断した場合には、ステップS21において、変速マップを切り換える登降坂制御変速マップ選択処理が行われる。一方、マップ切換許可フラグがオフ状態にある場合には、変速マップを切り換える当該変速マップ選択処理は行われない。
電気制御ユニットECUには変速マップとして路面勾配に応じた変速制御用の目標エンジン回転数マップが複数用意されている。このような複数の変速マップの例を図5乃至図7に示しており、これらの図に示すように、横軸を車速Vとし、縦軸をドライブ側プーリ41の目標エンジン回転数Neoとして、パラメータであるアクセル開度θAP毎に所望の目標エンジン回転数を示す線で表されている。このため、現在の車速Vと現在のアクセル開度θAPとを検出すれば、これに対応する目標エンジン回転数Neoを求めることができる。
これらの図において、アクセル開度θAPが大きいほど高い目標エンジン回転数Neoとなるよう設定されている。なお、変速比は、これら変速マップにおけるロー側の変速比制限線Lおよびオーバードライブ側の変速比制限線ODによって制限されている。
図5乃至図7に示す図のうち、図5は車両が平坦路を走行するときの平坦路用変速マップであり、図6は車両が比較的緩い角度の登坂路を走行するときの軽登坂路用変速マップで、図7は車両が急な角度の登坂路を走行するときの重登坂路用変速マップである。これらの変速マップを比較すると、特にアクセル開度θAPが小さい場合に軽登坂路用変速マップが平坦路用変速マップよりも目標エンジン回転数Neoが大きくなるように設定され、またアクセル開度θAPが小さい場合に重登坂路用変速マップが軽登坂路変速マップよりも目標エンジン回転数Neoが大きくなるように設定されている。
なお、電気制御ユニットECUには、上記の3種類の変速マップ以外に、車両が比較的緩い角度の降坂路を走行するときの軽降坂路用変速マップ、中程度の角度の降坂路を走行するときの中降坂路用変速マップおよび車両が急な角度の降坂路を走行するときの重降坂路用変速マップが用意され、それぞれ、路面勾配に応じて所望の目標エンジン回転数が設定されたマップを構成している。
ステップS21における登降坂制御変速マップ選択処理においては、例えば平坦路用変速マップ(図5)が設定された状態で車両が走行中のとき、先のステップS13において路面勾配が登坂側に増えたと判断した場合には、変速マップを軽登坂路用変速マップ(図6)に切り換える処理が行われる。また、例えば、軽登坂路用変速マップが設定された状態で車両が走行中のとき、先のステップS13において路面勾配が登坂側に増えたと判断した場合には、変速マップを重登坂路用変速マップ(図7)に切り換える処理が行われる。これは、ステップS16において路面勾配が降坂側に増えたと判断された場合も同様であり、路面勾配がより急勾配になるにつれて、変速マップは平坦路用変速マップから軽降坂路用変速マップに、さらに重降坂路用変速マップに切り換わる。
上記のようにして、ステップ20におけるマップ切換許可フラグのオンオフ状態の判断に基づく登降坂制御変速マップ選択処理の後、続くステップS22において、後述するような低摩擦路用変速マップ(図9)に切り換える低摩擦路変速マップ選択処理が実行される。
ステップS22の低摩擦路変速マップ選択処理の内容を図8に示しており、この制御では、まず、先のTCS作動中判断フローでセットされたTCS作動中フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS23)。ここで、TCS作動中フラグのオン状態を判断した場合、すなわち、TCSが作動中であると判断した場合には低摩擦路用変速マップは選択されず、変速マップは平坦路用、軽登坂路用および重登坂路用等のうちのいずれか(先の登降坂制御変速マップフローで選択されたもの)の状態が維持される(ステップS25)。
一方、ステップS23でTCS作動中フラグがオフであると判断した場合、すなわち、TCSの非作動を判断した場合には、続くステップS24において、駆動輪速度検出センサ25により検出される駆動輪速度Vkと、従動輪速度検出センサ26により検出される従動輪速度Vjとに基づく駆動輪のスリップ状態を判断(低摩擦路スキッド判断)しているか否かを判定する。
ここで、駆動輪のスリップ状態を判断していないと判定した場合には、TCSの作動中の場合と同様に低摩擦路用変速マップは選択されず変速マップは先の登降坂制御変速マップフローで選択された状態に維持される(ステップS25)。これに対し、ステップS24において、検出センサ25,26に基づく駆動輪のスリップ状態を判断していると判定した場合には、低摩擦路用変速マップが上記登降坂制御変速マップフローで選択された変速マップに代わって選択され(ステップS26)、低摩擦路用変速応答性算出処理(ステップS27)実行した後に低摩擦路変速マップ選択処理が終了する。
低摩擦路用変速マップの例を図9に示しており、上記の路面勾配に応じた複数の変速マップと同様に、横軸を車速Vとし、縦軸をドライブ側プーリ41の目標エンジン回転数Neoとして、アクセル開度θAP毎に所望の目標エンジン回転数Neoを示す線で表されており、アクセル開度θAPが大きいほど高い目標エンジン回転数Neoとなるよう設定されている。
以上、変速マップ選択処理が終了すると、現在のアクセル開度θAPおよび車速Vを検出し、このアクセル開度θAPおよび車速Vに対応する目標エンジン回転数Neoを、先のステップ20におけるマップ切換許可フラグのオンオフ状態の判断に基づいて選択した変速マップ(軽登坂路用変速マップ等)もしくはステップS24における低摩擦路スキッド判断に基づいて選択した変速マップ(低摩擦路用変速マップ)を参照して読み取る。
このようにして目標エンジン回転数Neoが求まると、現在のエンジン回転数Neaを目標エンジン回転数Neoに一致させるようにベルト式無段変速装置4の変速制御が行われる。具体的には、ベルト式無段変速装置4の駆動側および従動側シリンダ室44,48の供給油圧(プーリ側圧)をコントロールバルブCVにより制御してこの変速制御が行われる。
なお、前述のように、低摩擦路変速マップ選択処理フローにおけるステップS26において低摩擦路用変速マップが選択された場合、続くステップS27において、低摩擦路用変速応答性算出処理が実行されるが、この低摩擦路用変速応答性算出処理の概略は以下のようになっている。
低摩擦路用変速応答性算出処理を行わない通常の変速制御においては、低摩擦路用変速マップの参照により目標エンジン回転数Neoが求まると、現在のエンジン回転数Neaとの差回転数に応じた変速比の変化速度を算出し、算出された変速比の変化速度に従って変速比が変化するようにコントロールバルブCVが制御され、エンジン回転数が目標エンジン回転数Neoに向けて変化する。このように、変速比の変化速度を制御することで、変速制御においてエンジン回転数の変化とともに変速比および車速Vが緩やかに追随して乗り心地のよいものとなる。
一方、先のステップS27における低摩擦路用変速応答性算出処理では、アクセル開度θAPの変化量が小さい場合、すなわち、目標エンジン回転数Neoに対する現在のエンジン回転数Neaとの差回転数が小さい場合には、変速比の変化速度がゼロになるようにコントロールバルブCVが制御されるため、変速比は変化しない。すなわち、車両が低摩擦路の路面を走行中においては、運転者が明らかに加減速の意思を示していると判断されない場合には、変速比を変化させず車両をより安定して走行させるように制御することになっている。
ここで、ステップS27とステップS28の変速応答性が異なる設定となっている場合、変速応答性の変化によりエンジン回転(=駆動力)変化速度が変わってしまうため、TCS制御の安定性が損なわれてしまう。よって変速応答性を変化させないことで、車両をより安定して走行させることで乗り心地のよいものとなる。
ここで、本発明において達成される効果をまとめると下記のようになる。すなわち、本発明に係る無段変速機の制御装置によれば、駆動力制御手段(実施形態におけるTCS)の作動中においては、路面の勾配に応じた無段変速機構の変速制御を行わず、車両の走行路面の路面勾配が変化しても路面勾配毎に異なった変速マップへの切り換えは行わない。このため、路面勾配が変化しても目標エンジン回転数は変化せず、TCSによってエンジンの出力トルクは安定した状態に駆動輪の駆動力として伝達され、安定した駆動力により車両の操作性を向上させて運転者にとって扱い易くすることが可能である。
なお、これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図4に示す登降坂制御変速マップフローで、ステップS11で行っているTCS作動の判断をステップS14とステップS15との間や、ステップS18とステップS19との間で行うようにしてもよい。このような構成によれば、勾配が所定以上変化したことが算出された場合であっても、TCSの作動中が検出された場合には、変速マップの切り換えを行わないようになっている。
また、図8に示す低摩擦路変速マップフローで、ステップS23で行っているTCS作動の判断をステップS24とステップS26との間で行うようにしてもよい。このような構成によれば、駆動輪のスリップ状態を判断していると判定した場合であっても、TCSの作動中が検出された場合には、変速マップおよび変速応答性の切り換えを行わないようになっている。
本発明に係る無段変速機の制御装置を有した変速機の構造を示す断面図である。 上記変速機の構成を示すスケルトン図である。 駆動力制御手段による駆動力の低減に関するフローチャートである。 上記無段変速機の制御装置における変速制御の内容を示すフローチャートである。 上記変速制御に用いられる平坦路用変速マップを示すグラフである。 上記変速制御に用いられる軽登坂路用変速マップを示すグラフである。 上記変速制御に用いられる重登坂路用変速マップを示すグラフである。 上記無段変速機の制御装置における変速制御の内容を示すフローチャートである。 上記変速制御に用いられる低摩擦係数路用変速マップを示すグラフである。
符号の説明
4 ベルト式無段変速装置(無段変速機構)
23 スロットル開度センサ
24 車速センサ(運転状態検出手段)
25 駆動輪速度検出センサ(運転状態検出手段)
26 従動輪速度検出センサ(運転状態検出手段)
27 アクセルペダル開度センサ(運転状態検出手段)
CV コントロールバルブ(変速制御手段)
100 制御装置
E エンジン(駆動源)
ECU 電気制御ユニット(勾配推定手段、変速制御手段、駆動力制御手段)
TM ベルト式無段変速機

Claims (1)

  1. 駆動源の出力を無段階に変速して駆動輪に伝達して車両を駆動する無段変速機構と、
    前記車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記車両の走行する路面の勾配を推定する勾配推定手段と、
    前記運転状態検出手段により検出された運転状態および前記勾配推定手段により推定された路面の勾配に応じた前記無段変速機構の変速制御を行う変速制御手段と、
    前記運転状態検出手段により検出された運転状態に応じた前記駆動輪の駆動力を低減する制御を行う駆動力制御手段とを備えた無段変速機の制御装置において、
    前記駆動力制御手段の作動中は前記路面の勾配に応じた無段変速機構の変速制御が規制されることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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