JP2697922B2 - プリント配線板への印字装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、プリント配線板にロット番号や品番等を印
字するための印字装置において、印字位置を簡単な構成
で印字手段にティーチングしてプリント配線板の正確な
位置に印字できるようにするための技術に関する。

［従来の技術］ 従来、プリント配線板にロット番号や品番等を印字す
るには作業者の手作業によりスタンプで１枚毎に印字し
ていた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、従来にあっては、上記のように作業者が手
作業でスタンプで１枚毎に印字するようにしていたの
で、作業が面倒で手間がかかり、しかも印字位置がばら
つき、また印字が不正確な場合があった。

そこで、本発明者は、インクジェットプリンタのよう
なプリンタによりプリント配線板に自動的に印字をする
ことを考え、すでに特願平１−182825号として出願して
いる。このようにプリンタにより、自動的に印字をする
と、手作業で印字するものに比べて印字が簡単且つ正確
にできるという特徴がある。そして、プリント配線板に
印字するに当たっては、印字装置にティーチングをし、
このティーチングに基づいて、印字をするものである。
そして、このティーチングに当たっては、印字装置のプ
リント配線板の載置部に試験用のプリント配線板を載置
して実際に試験用のプリント配線板に何回も印字をし
て、プリント配線板の印字してはいけない箇所を避ける
ようにして印字位置の調整をしなければならず、ティー
チングが面倒であった。

本発明は上記した従来例の問題点に鑑みて発明したも
のであって、その目的とするところは、印字手段により
プリント配線板に印字するに当たり、プリント配線板の
所定の位置に自動的に印字できるようにするためのティ
ーチングを簡単且つ正確に行うことができるプリント配
線板への印字装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明のプリント配線板への印字装置は、プリント配
線板１の配線パターンを施した部分以外の部分に印字す
るための印字装置において、試験用プリント配線板1aに
対向してXY方向に移動して試験用プリント配線板1aの配
線パターンを避けた印字位置のXY位置データを入力する
XY位置入力手段２と、XY位置入力手段２から入力された
印字位置データ及び印字データに基づいてプリント配線
板１の所定の位置に印字する印字手段３とを具備して成
ることを特徴とするものである。

ここで、試験用プリント配線板1aを載置する載置部４
の上側においてＸ方向に長くなった第１レール５に対し
て直交するＹ方向に長くなった第２レール６を第１レー
ル５の長手方向に移動自在に設け、第２レール６の長手
方向に移動自在に設けられた移動体７に載置部４に載置
された試験用プリント配線板1aを見ることができる印字
位置確認用窓８を設けるとともに印字位置確認用窓８の
XY位置を入力するための入力スイッチ９を設けてXY位置
入力手段２を構成するようにしてもよい。

また、移動体７が載置部４の上面に平行な面で回転自
在としてもよい。

［作用］ しかして、XY位置入力手段２をXY方向に移動させて、
印字しようとするプリント配線板１と同じ試験用プリン
ト配線板1aを用いて印字可能な位置（すなわちプリント
配線板の配線パターンを避けた位置）を確認して印字位
置のXY位置データを入力することで、印字手段３に印字
位置をティーチングし、このようにしてティーチングさ
れた印字位置及び印字データに基づいて印字手段３によ
りプリント配線板１の配線パターンを避けた所定の位置
に印字をするものである。

そして、請求項２記載の発明にあっては、試験用プリ
ント配線板1aの上方でXY方向に移動する移動体７に印字
位置確認用窓８を設けることで、移動体７を移動して印
字位置確認用窓８から下方に見える試験用プリント配線
板1aの各部のうち印字可能な部分が見えた位置で移動体
７を停止し、入力スイッチ９により印字位置確認用窓の
XY位置を入力することで簡単にプリント配線板１の印字
位置のティーチングができるようになった。

また、移動体７を載置部４の上面に平行な面で回転自
在とすることで、印字方向を選択してティーチングでき
るようになった。

［実施例］ 以下本発明を添付図面に示す実施例に基づいて詳述す
る。

第１図、第２図にはそれぞれ、本発明の装置の全体を
示す正面図、側面図が示してある。基台21の上には前後
方向のレール10が設けてあり、この前後方向のレール10
に対して左右方向のレール11が前後方向に移動自在に取
り付けてあり、左右方向のレール11に印字手段３のヘッ
ド12が左右方向に移動自在に取り付けてある。そして、
上記前後方向のレール10とこれに前後に移動自在に取り
付けた左右方向のレール11とこの移動機構とで前後方向
の移動手段13が構成してあり、左右方向のレール11とこ
れに移動自在に取り付けたヘッド12とこの移動機構によ
り左右方向の移動手段15が構成してある。ヘッド12はモ
ータ、エアシリンダ等よりなる回転手段14により平面視
で回転自在となっており、回転角度は任意であるが、例
えば、90゜、180゜等の回転をするようになっている。
印字手段３としては、例えばインクジェットプリンタが
用いられる。そして、上記インクジェットプリンタのヘ
ッド12であるノズルヘッドから帯電され且つ帯電量に応
じて偏向を受けたインク粒子Ａが噴射するようになって
いる。ここで用いられるインクジェットプリンタは従来
から周知のインクジェットプリンタ（例えば帯電制御式
と称されるもの）が用いられる。この帯電制御式のもの
は、マーキングすべき文字をドットマトリックスに画素
分割し、それぞれ画素がもつ位置情報に比例した電圧で
インク粒子Ａを帯電させ、さらにそれを静電場で偏向し
て被マーキング物（すなわち本発明においではプリント
配線板）に到達させることで画素文字（ドットにより構
成された文字）をマーキングするようになっている。第
３図にはこのインクジェットプリンタの原理図が示して
あり、インク容器16に貯められたインクがポンプ17によ
って加圧され、ヘッド12（ノズルヘッド）から液柱とな
って噴射されるようになっている。そして、ヘッド12か
ら噴射された液柱は電歪素子18の振動により一定の大き
さのインク粒子Ａになり、このインク粒子Ａは帯電電極
19で一個ごとに信号電圧に対応した電圧で帯電され、こ
の帯電したインク粒子Ａは、偏向電極20間を通過する時
間電量に応じた偏向を受け、移動中のマーキング物に到
達し、印字に用いられないインク粒子Ａは第３図の矢印
のようにガター28で捕らえられて回収ポンプ29により上
記インク容器16に回収されるようになっている。基台21
の上面部22にはプリント配線板１を所定の位置にセット
するセット部分が設けてある。この基台21の上面部22の
セット部分の所定の位置にセットされたプリント配線板
１は印字手段３によりプリント配線板１の配線パターン
以外の所定の位置にロット番号や品番等が印字されるも
のである。

ここで、印字手段３にプリント配線板１の印字位置を
ティーチングするにはXY位置入力手段２により印字位置
を入力するものである。このXY位置入力手段２は印字し
ようとするプリント配線板１と同じ配線板パターンの試
験用プリント配線板1aに対向してXY方向に移動自在とな
っており、このXY位置入力手段２をXY方向に移動させて
試験用プリント配線板1aにおける印字可能な位置を探
し、このXY位置データを演算処理装置23に入力し、更に
印字すべき文字や記号、大きさ等を入力するための記
号、大きさ入力用のキーボード24により印字データを演
算処理装置23に入力することによりティーチングするも
のであり、このXY位置入力手段２から入力された印字位
置データ及びキーボード24から入力された印字データに
基づいて印字手段３の制御部30が制御されるものであ
る。第４図にこのブロック図を示している。第５図には
XY位置入力手段２の実施例が示してある。すなわち、試
験用プリント配線板1aを載置する板状の載置部４の上側
においてＸ方向に長くなった第１レール５に対して直交
するＹ方向に長くなった第２レール６を第１レール５の
長手方向に移動自在に設け、第２レール６の長手方向に
移動自在に設けられた移動体７に載置部４に載置された
試験用プリント配線板1aを見ることができる印字位置確
認用窓８を設けるとともに印字位置確認用窓８のXY位置
を入力するための入力スイッチ９を設けてXY位置入力手
段２を構成してある。ここで、移動体７は第２レール６
の長手方向に移動自在なアーム25の先端に設けてあっ
て、アーム25に対して水平面で回転自在となっている。
そして、印字位置確認用窓８は長方形をしており、載置
部４に載置した試験用プリント配線板1aを印字位置確認
用窓８を通して見ることができるようになっている。な
お、移動体７の印字位置確認用窓８の周囲も透明として
下方の試験用プリント配線板1aを見通すことができるよ
うにしてもよい。また、この場合、移動体７に下方が見
通せる透明体を設け、透明体の中央部に線で長方形状の
囲いを設けてこの囲いで囲んだ部分を印字位置確認用窓
８としてもよい。移動体７は手でつかんで移動できる程
度の大きさであり、この移動体７には入力スイッチ９が
設けてある。板状の載置部４の上面には試験用プリント
配線板1aを位置決めして載置するためのXY方向に描かれ
た位置決め用基準線26が設けてあり、この位置決め用基
準線26に試験用プリント配線板1aを合わせて載置した状
態で移動体７を手でつかんで移動しながら、印字位置確
認用窓８から試験用プリント配線板1aの表面を見通しな
がら、配線パターンを外れた位置を探し、印字位置確認
用窓８から見通す部分が配線パターンを外れた位置で移
動体７を停止し、この状態で入力スイッチ９を入れて位
置決め用基準線26の原点27を基準とした印字位置確認用
窓８のXY位置を演算処理装置23に入力するのである。こ
の場合、移動体７の回転角度の情報（つまり印字位置確
認用窓８の向きの情報）も同時に入力される。第６図に
は移動体７を移動して試験用プリント配線板1aの種々の
位置に印字可能位置を探している例を示している。ここ
で、移動体７を回転することで印字方向を選択できるも
のであり、この場合、移動体７は90゜ずつ間欠的に回転
するように設定しておいてもよい。

しかして、上記のようにして印字位置をティーチング
し、更にキーボード24を操作して印字データを入力し、
その後、基台21の上面部22のセット部に印字すべきプリ
ント配線板１をセットしてXY位置入力手段２から入力さ
れた印字位置データ及びキーボード24から入力された印
字データに基づいて印字手段３のヘッド12を前後方向移
動手段13、左右方向移動手段15によりXY方向に移動させ
るとともに回転手段14により所定角度回転してプリント
配線板１の所定の位置に印字手段３のヘッド12によりロ
ッド番号や品番等を印字するものであり、ここで、プリ
ント配線板１を複数枚重ねてあると印字が終わる毎に一
枚ずつ抜き取ることで上から順に印字することができる
ものである。また、プリント配線板１を一枚ずつ自動的
に基台21の上面部のセット部分にセットし、印字が終わ
ると自動的に取り出し、次にまたプリント配線板１を一
枚自動的に基台21の上面部のセット部分にセットすると
いうように自動的に連続印字ができるようにしてもよ
い。

［発明の効果］ 本発明にあっては、叙述のように試験用プリント配線
板に対向してXY方向に移動して試験用プリント配線板の
配線パターンを避けた印字位置のXY位置データを入力す
るXY位置入力手段と、XY位置入力手段から入力された印
字位置データ及び印字データに基づいてプリント配線板
の所定の位置に印字する印字手段とを具備しているの
で、印字手段によりプリント配線板に印字するに当たっ
て、プリント配線板の所定の位置に自動的に印字できる
ようにするためのティーチングを簡単且つ正確に行って
プリント配線板の所定の位置に正確な印字ができるもの
である。

また、請求項２記載の発明にあっては、試験用プリン
ト配線板を載置する載置部の上側においてＸ方向に長く
なった第１レールに対して直交するＹ方向に長くなった
第２レールを第１レールの長手方向に移動自在に設け、
第２レールの長手方向に移動自在に設けられた移動体に
載置部に載置された試験用プリント配線板を見ることが
できる印字位置確認用窓を設けるとともに印字位置確認
用窓のXY位置を入力するための入力スイッチを設けてXY
位置入力手段を構成してあるので、移動体をXY方向に移
動して印字位置確認用窓から下方に見える試験用プリン
ト配線板の各部のうち印字可能な部分が見えた位置で移
動体を停止し、入力スイッチにより印字位置確認用窓の
XY位置を入力することで簡単にプリント配線板の印字位
置のティーチングができるものであって、簡単な構成で
ティーチングして正確な位置に印字できるものである。

更に、請求項３記載の発明にあっては、移動体を載置
部の上面に平行な面で回転自在としてあるので、印字方
向を選択してティーチングして、プリント配線板の正確
な位置に印字できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の正面図、第２図は同上の側面図、第３
図は同上のインクジェットプリンタの概略原理図、第４
図は同上のブロック図、第５図は同上のXY位置入力手段
の平面図、第６図（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）は同上の移
動体を移動して印字可能位置を探している状態の各実施
例の平面図であって、１はプリント配線板、1aは試験用
プリント配線板、２はXY位置入力手段、３は印字手段、
４は載置部、５は第１レール、６は第２レール、７は移
動体、８は印字位置確認用窓、９は入力スイッチであ
る。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント配線板の配線パターンを施した部
   分以外の部分に印字するための印字装置において、試験
   用プリント配線板に対向してXY方向に移動して試験用プ
   リント配線板の配線パターンを避けた印字位置のXY位置
   データを入力するXY位置入力手段と、XY位置入力手段か
   ら入力された印字位置データ及び印字データに基づいて
   プリント配線板の所定の位置に印字する印字手段とを具
   備して成ることを特徴とするプリント配線板への印字装
   置。
2. 【請求項２】試験用プリント配線板を載置する載置部の
   上側においてＸ方向に長くなった第１レールに対して直
   交するＹ方向に長くなった第２レールを第１レールの長
   手方向に移動自在に設け、第２レールの長手方向に移動
   自在に設けられた移動体に載置部に載置された試験用プ
   リント配線板を見ることができる印字位置確認用窓を設
   けるとともに印字位置確認用窓のXY位置を入力するため
   の入力スイッチを設けてXY位置入力手段を構成して成る
   ことを特徴とする請求項１記載のプリント配線板への印
   字装置。
3. 【請求項３】移動体が載置部の上面に平行な面で回転自
   在となった請求項２記載のプリント配線板への印字装
   置。