JP2697466B2 - 熱収縮性チューブ用シリコーンゴム組成物及び熱収縮性チューブ - Google Patents

熱収縮性チューブ用シリコーンゴム組成物及び熱収縮性チューブ

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JP2697466B2 JP7255592A JP7255592A JP2697466B2 JP 2697466 B2 JP2697466 B2 JP 2697466B2 JP 7255592 A JP7255592 A JP 7255592A JP 7255592 A JP7255592 A JP 7255592A JP 2697466 B2 JP2697466 B2 JP 2697466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱収縮性チューブ用シ
リコーンゴム組成物及び径方向に収縮可能な熱収縮性チ
ューブに関し、更に詳しくは60℃以下の温度で熱収縮
し、特に歯科材料等の医療用材料として好適な熱収縮性
チューブ用シリコーンゴム組成物及び熱収縮性チューブ
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
加熱により収縮するシリコーンゴム成形品としては、チ
ューブ状、シート状など各種形状のものが開発されてお
り、これら成形品は一般にシリコーンゴム素材に、延伸
時の形状を保持し得るポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、シリコーンレジン等の熱可塑性樹脂及び
無機質充填剤を配合してなるシリコーンゴム組成物を硬
化することにより製造される。
【0003】シリコーンゴムは人体に対して不活性なも
のであるため、歯科材料等の医療用材料として好適なも
のである。例えば歯の矯正を矯正用ワイヤーを用いて行
う場合、欠損歯や抜歯などにより発生した空隙の箇所で
矯正用ワイヤーが露出すると、軟組織(唇や頬)を損傷
する恐れがあるので、一般にこのワイヤーを被覆する用
途にシリコーンゴムが用いられている。
【0004】しかしながら、上記熱可塑性樹脂を配合し
たシリコーンゴムは熱収縮温度が高く、60℃以下では
ほとんど収縮せず、また、短時間で熱収縮させようとす
る場合には100℃以上の温度を必要とするので歯科等
の医療用材料として十分に満足し得るものではなく、こ
のため体温付近で熱収縮し得るシリコーンゴムの開発が
要望されている。
【0005】本発明は、上記要望に応えるためになされ
たもので、人体等の体温付近で熱収縮し得る熱収縮性チ
ューブを与えるシリコーンゴム組成物及び径方向に収縮
可能な熱収縮性チューブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記平均
組成式(1)で表されるジオルガノポリシロキサンと形
状回復温度(ゴム化温度)が30〜60℃の形状記憶樹
脂を主成分とし、硬化剤として有機過酸化物又は1分子
中にケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒とを
配合した熱収縮性シリコーンゴム組成物、好ましくはこ
れに加えて下記一般組成式(2)で表されるシランカッ
プリング剤を配合したシリコーンゴム組成物が60℃以
下の温度においても短時間で径方向に熱収縮し得る熱収
縮性チューブを与えること、しかもこの熱収縮性チュー
ブは加熱収縮率等の特性に優れ、従ってこの熱収縮性チ
ューブは特に歯科材料等の医療用材料として好適である
ことを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
【化2】 (式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、
このうちメチル基か50モル%以上、ビニル基が0〜5
モル%であり、aは1.85〜2.10の数である。) YSiX …(2) (式中、Yは反応性有機官能基、Xは加水分解性基を表
す。)
【0008】従って、本発明の熱収縮性シリコーンゴム
組成物は、(A)上記平均組成式(1)で表されるジオ
ルガノポリシロキサン、(B)形状回復温度が30〜6
0℃の形状記憶樹脂、(C)シリカ系無機質充填剤、
(D)有機過酸化物、又は1分子中にケイ素原子に結合
した水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンと白金系触媒との組み合わせからなる硬
化剤、好ましくはこれに加えて(E)上記一般式(2)
で表されるシランカップリング剤を配合してなる熱収縮
性チューブ用シリコーンゴム組成物、及び、上記シリコ
ーンゴム組成物をチューブ状に成形、硬化し、これを形
状記憶樹脂の形状回復温度を超えた温度で径方向に延伸
させ、次いでこの状態で形状回復温度より低温に冷却す
ることによって得られ、形状回復温度で径方向に収縮可
能とした熱収縮性チューブを提供する。
【0009】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明の熱収縮性シリコーンゴム組成物は、上述した通
り、(A)ジオルガノポリシロキサン、(B)形状回復
温度が30〜60℃の形状記憶樹脂、(C)シリカ系無
機質充填剤、(D)有機過酸化物、又は1分子中にケイ
素原子に結合した水素原子を3個以上有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンと白金系触媒との組み合わ
せからなる硬化剤を主成分として構成される。
【0010】この場合、(A)成分のジオルガノポリシ
ロキサンは下記平均組成式(1)で表され、かつ硬化剤
を用いて加熱することにより架橋され、シリコーンゴム
弾性体となるものである。
【0011】
【化3】
【0012】ここで、Rは置換又は非置換の一価炭化水
素基であり、特性のバランス上からこのうちメチル基が
50モル%以上、ビニル基が0〜5モル%、特に0.0
5〜0.5モル%であることが必要である。
【0013】また、メチル基、ビニル基以外のRとして
は、エチル基,プロピル基等のアルキル基、アリル基等
のアルケニル基、フェニル基等のアリール基及びこれら
の基の炭素原子に結合している水素原子の一部をハロゲ
ン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフ
ルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。
また、式中のaは1.85〜2.10の数である。
【0014】なお、(A)成分のジオルガノポリシロキ
サンの25℃における粘度は数百万センチストークス
(cs)程度とすることが好ましい。
【0015】また、(A)成分はその1種を単独で用い
ても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】(B)成分の形状記憶樹脂は形状回復温度
が30〜60℃の範囲にある合成樹脂であるが、形状回
復温度が60℃よりも高いと、30〜60℃における熱
収縮性が失われ、また、形状回復温度が30℃よりも低
いと、成形品(熱収縮性チューブ)の収縮率の経時変化
が大きくなり、保存安定性に欠けるものとなる。
【0017】上記のような物性を有する形状記憶樹脂と
しては、ポリノルボルネン、ポリウレタン系樹脂、トラ
ンス−1,4−ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン
共重合体等の樹脂が例示される。これらの形状記憶樹脂
は粒子径が200μm以下、特に50μm以下の微粉末
状であることが好ましい。このような微粉末状の場合、
シリコーンゴム組成物中に均一に分散され、このため加
熱収縮性、機械的強度等の物性に優れた成形品を得るこ
とができる。また、樹脂がペレット状の場合は該樹脂の
溶融点以上でシリコーンゴム中に均一に分散させること
が好適である。
【0018】(B)成分の配合量は(A)成分100部
(重量部、以下同じ)に対して10〜150部、特に5
0〜100部とすることが好ましい。(B)成分の配合
量が10部未満の場合、加熱収縮性のシリコーンゴム成
形品を得ることができない場合があり、また、150部
を超えると成形品のゴム弾性体としての物性が低下する
場合がある。
【0019】(C)成分のシリカ系無機質充填剤として
は、熱収縮性チューブに適度の硬さと十分な機械的強度
を付与するため、比表面積か50m/g以上、特に1
00〜400m/gの微粉末状ものが好適に使用され
る。このようなシリカ系無機質充填剤として具体的に
は、乾式法で得られる微粉末状無水ケイ酸、天然ケイ
酸、ケイ酸塩、湿式法で作られる含水ケイ酸、石英粉、
更にこれらを各種シラン、低重合度オルガノポリシロキ
サン、シラザン等で表面処理したものなどが挙げられ
る。
【0020】(C)成分のシリカ系無機質充填剤の配合
量は(A)成分100部に対して5〜100部、特に2
0〜50部とすることが好ましい。5部未満または10
0部を超えると、機械的強度、ゴム弾性等の諸物性に優
れた製品を得ることができない場合がある。
【0021】(D)成分の硬化剤としては、通常シリコ
ーンゴムの硬化に使用される従来から公知のものが使用
でき、(A)成分のジオルガノポリシロキサンの種類に
応じ、有機過酸化物、又は1分子中にケイ素原子に結合
した水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンと白金系触媒との混合物が好適に使用さ
れる。具体的には(i)ベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド
等の有機過酸化物、(ii)1分子中にケイ素原子に結
合した水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンと白金金属,塩化白金酸塩等の白金系
触媒との組合せからなるものが用いられ、これらの添加
量は硬化有効量とされる。なお、本発明の熱収縮性硬化
物を医療用材料として使用する場合、硬化時に副生成物
が生成しない(ii)の架橋剤を用いた硬化法を採用す
ることが好ましい。
【0022】本発明の熱収縮性チューブ用シリコーンゴ
ム組成物には、(A)成分のジオルガノポリシロキサン
と(B)成分の形状記憶樹脂間の親和力の向上、硬化物
の延伸保持性、加熱収縮性、保存の際の安定性の向上を
計るため、更に(E)成分として下記一般式(2)で表
されるシランカップリング剤を配合することが好まし
い。 YSiX …(2)
【0023】ここで、Yは反応性有機官能基であり、具
体的にはアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル
基、メルカプト基等が挙げられる。Xは加水分解性基で
あり、具体的にはアルコキシ基、アルコキシアルキル基
等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、使用
する形状記憶樹脂に対して反応性、親和性を持つ有機官
能基を含有するものを選択して用いることが好ましい。
【0024】(E)成分の配合量は(A)成分100部
に対して0〜10部、特に1.5〜5部とすることが好
ましい。
【0025】また、本発明の組成物には、本発明の目的
を損なわない量で、シリコーンゴム組成物に適宜配合さ
れる種々の配合剤を添加配合することは差支えない。
【0026】本発明の熱収縮性チューブ用シリコーンゴ
ム組成物を製造する方法としては特に限定されないが、
(A)成分のジオルガノポリシロキサン、(B)成分の
形状記憶樹脂、(C)成分のシリカ系無機質充填剤、
(D)有機過酸化物、又は1分子中にケイ素原子に結合
した水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンと白金系触媒との組み合わせからなる硬
化剤、好ましくは更に(E)成分のシランカップリング
剤などを加えて、ロール、ニーダー、バンバリーミキサ
ー(インターナルミキサー)等の一般に使用されている
混合機に仕込み、混練することにより得ることができ
る。この際、均一な混合を容易とするために分散助剤を
配合してもよい。
【0027】このようにして得られる熱収縮性チューブ
用シリコーンゴム組成物は、好ましくは押出成形により
チューブ状に成形されるが、必要に応じて圧縮成形、カ
レンダー成形、移送成形、射出成形等の一般のゴム成形
法を採用して、所望のチューブ形状に成形することがで
き、次いで加熱架橋することによってシリコーンゴムチ
ューブを得ることができる。
【0028】このようにして得られるシリコーンゴムチ
ューブを形状記憶樹脂の形状回復温度を超えた温度、好
ましくは形状回復温度よりも30〜100℃高温に加熱
して径方向に延伸(膨張)し、そのままの状態で形状回
復温度より低温、好ましくは形状回復温度よりも10〜
50℃低温に冷却することにより、上記形状回復温度で
径方向に収縮するシリコーンゴムチューブを得ることが
できる。
【0029】なお、このチューブを保存する場合、室温
(25℃)付近では成形品の収縮率の経時変化(収縮率
が小さくなる)が認められるため、0℃以下で保存する
ことが好ましい。
【0030】以上のようにして得られた熱収縮性シリコ
ーンゴムチューブは、高温に加熱することが不都合な電
気・電子部品の被覆用をはじめ、ゴム弾性、収縮性等の
特性を必要とする歯牙移動のためのエラスチック,結紮
用エラスチック,歯間分離用エラスチック,アーチワイ
ヤー被覆チューブ等の歯科矯正用材料、更に密着性を必
要とするう蝕(むし歯)治療用のラバーダムシート、隔
膜等の歯科治療用材料などの医療関係に適用することが
できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0032】[実施例1,2] 分子鎖両末端がジメチルビニル基で封鎖され、25℃に
おける粘度が5×10cs)メチル基含有量99.8
モル%、ビニル基含有量が0.2モル%であるジメチル
ポリシロキサン100部、形状回復温度が45℃、平均
粒子径22μmのポリウレタン系樹脂(形状記憶ポリマ
ーマイクロビーズMB−4500,三菱重工社製)70
部、比表面積が110m/gのシリカ充填剤(アエロ
ジルR−972,日本アエロジル社製)30部、シラン
カップリング剤(KBM−403,信越化学工業社製)
4部を二本ロールを用いて常温で混合した。
【0033】次に、この混合物中の形状記憶樹脂の分散
性を向上させるため、高速三本ロールに通して混練し、
次いで150メッシュステンレス製金網を備えた押出機
でこの金網を通して押し出した。この混練物に下記式
(3)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン
2.0部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(Pt
濃度1%)0.1部を二本ロールを用いて混合し、二本
ロール上から約1.0mmの厚さのシート状物として取
出し、これを150℃の熱風乾燥機中で30分間加熱し
てシリコーンゴムシートを得た(実施例1)。
【0034】
【化4】
【0035】また、シランカップリング剤を添加しない
以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴムシートを得
た(実施例2)。
【0036】[比較例] 実施例1で用いたポリウレタン系樹脂の代わりに軟化点
(形状回復温度)が101℃、平均粒子径15μmの微
粉末ポリエチレン(UF−4,製鉄化学社製)を使用し
た以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴムシートを
得た。
【0037】実施例1,2、比較例において作製したシ
リコーンゴムシートそれぞれをJIS2号ダンベルで打
抜いて試験片を分取した。各試験片の中央部に長さ2c
mの直線(標線)を付し、これを所定の温度(実施例
1,2:100℃、比較例:150℃)でオーブン中で
30分間加熱した後、標線間が4cmになるように試験
片を延伸して治具に固定し、そのまま大気中、室温で1
0分間冷却し、治具から取り外した。
【0038】治具に固定されているときの標線の長さL
(=4cm)とし、冷却後治具から取り外して10分
間放置したときの標線の長さをL2を測定した。次に、
各試験片を所定の温度(30℃、40℃、50℃、60
℃)で5分間加熱し、室温で冷却し、標線の長さL3を
測定した。標線のもとの長さをL(=2cm)とし、
下記の計算式から延伸保持率、加熱収縮率及び収縮残率
を求めた。結果を表1に示す。表1の結果から比較例の
シリコーンゴムシートは30〜60℃で収縮しないこと
がわかる。
【0039】
【数1】
【0040】
【表1】
【0041】[実施例3] 実施例1の未硬化配合物(シリコーンゴム組成物)を押
出成形機を用いてチューブ状に押出成形して加熱加硫塔
(250℃)を通過させ、外径8.0mm、内径6.5
mmのシリコーンゴムチューブを得た。次に、このチュ
ーブを内径16mm、長さ1mのステンレススチール製
のパイプに収容して100℃に加熱し、このチューブ内
の空気圧力が2.5kg/cmとなるように空気を圧
入してチューブを径方向に延伸(膨脹)させ、この加圧
状態で室温に冷却した。こうして得た熱収縮性チューブ
の延伸後の内径10.9mm、50℃で加熱収縮後の内
径7.0mmで、加熱収縮率は89%であり、熱収縮性
は十分なものであった。
【0042】なお、延伸後のチューブを室温に長時間放
置した場合、若干収縮傾向にあるので、0℃で保管し、
1カ月後に内径を測定したところ、9.8mmであっ
た。更に、この延伸チューブを50℃に加熱したとこ
ろ、7.1mmまで収縮し、十分に使用可能なものであ
った。
【0043】[実施例4] 実施例1と同様の未硬化配合物を材料として用い、実施
例3と同様にして外径1.4mm、内径0.3mmのシ
リコーンゴムチューブを得た。次に、実施例3と同様の
方法により延伸を行い、延伸後の内径が0.45mmの
熱収縮チューブを得た。
【0044】以下に、この延伸チューブを歯科矯正用ワ
イヤーから軟組織を保護するための材料として用いた場
合の例を示す。
【0045】図1に示すように、延伸チューブ1を歯2
と歯2との空隙A分に切断し、直径0.35mmのワイ
ヤー3を通し、空隙Aの箇所で収縮させた。この延伸チ
ューブ1は口腔内温度で十分に熱収縮し得るので、図2
に示すように熱収縮し、矯正用ワイヤー3に密着して被
覆することができ、このため矯正用ワイヤー3によって
軟組織が損傷されることがない。この延伸チューブは先
行商品(TISSUGUARD,オーソオーガナイザー
ズ社製)等と比較してワイヤーへの装着が容易で、かつ
装着後はワイヤーへの密着性に優れ、またシリコーンゴ
ムは人体に対して毒性がなく、劣化しにくいなどの利点
がある。
【0046】[実施例5] 実施例1の未硬化配合物を材料として用い、実施例3と
同様の方法を用いて押出し、加硫延伸を行い、シリコー
ンゴムチューブを得た。このチューブを所定の大きさに
切断し、歯への装着が可能な大きさのシリコーンゴムチ
ューブを得た。このチューブを以下に述べる隔壁法(マ
トリックス)による歯科治療用材料として利用した。
【0047】う蝕(むし歯)により歯の崩壊が著しく、
ラバーダム防湿が不可能な場合、従来、一時的に歯を補
修回復して防湿する際に歯科用アマルガム,レジン,リ
ン酸亜鉛セメント等の練性充填や矯正バンドを使用して
いるが、これらの代わりに上記シリコーンゴムチューブ
を用いた。即ち、口腔内温度(体温)で収縮したときに
歯に密着するように延伸チューブを作製し、図3
((イ)は歯を横面から見た図、(ロ)は歯を下面から
見た図である。)に示すように延伸チューブ4を崩壊が
著しい歯5に装着した。この延伸チューブ4を用いるこ
とにより、従来の防湿方法を採用するよりも防湿操作が
容易となり、かつこのチューブは図4に示すように熱収
縮するので歯5と歯頚6の境目Bに密着し、このため歯
頚6からの唾液の侵入を防ぐことが可能となった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、60℃以下の温度でも
径方向に熱収縮し得るシリコーンゴムチューブを得るこ
とができ、このシリコーンゴムチューブは30〜60℃
の温度範囲で優れた熱収縮性を有し、かつ人体に対して
不活性であるという利点を有することから、特に歯科材
料等の医療用材料などとして好適に使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱収縮性シリコーンゴムチューブを歯
科矯正用材料として使用した例を示す斜視図である。
【図2】図1に示したシリコーンゴムチューブの熱収縮
を説明する図である。
【図3】本発明の熱収縮性シリコーンゴムチューブを歯
科治療用材料として使用した例を示す図であり、(イ)
は正面図、(ロ)は下面図である。
【図4】図3に示したシリコーンゴムチューブの熱収縮
を説明する図である。
【符号の説明】
1 延伸チューブ 3 矯正用ワイヤー 4 延伸チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61C 7/00 A61C 7/00 Z B29K 83:00 B29L 23:20 (72)発明者 出口 敏雄 長野県塩尻市広丘郷原1780番地 学校法 人松本歯科大学内 (72)発明者 宮崎 顕道 長野県塩尻市広丘郷原1780番地 学校法 人松本歯科大学内 (72)発明者 佐藤 誠 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 島本 登 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 武井 博 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 橋本 毅 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−92866(JP,A) 特開 平3−26735(JP,A) 特開 平2−116102(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記平均組成式(1)で表される
    ジオルガノポリシロキサン、 【化1】 (式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、
    このうちメチル基が50モル%以上、ビニル基が0〜5
    モル%であり、aは1.85〜2.10の数である。) (B)形状回復温度が30〜60℃の形状記憶樹脂、 (C)シリカ系無機質充填剤、 (D)有機過酸化物、又は1分子中にケイ素原子に結合
    した水素原子を3個以上有するオルガノハイドロジェン
    ポリシロキサンと白金系触媒との組み合わせからなる硬
    化剤を配合してなる熱収縮性チューブ用シリコーンゴム
    組成物。
  2. 【請求項2】 下記一般組成式(2)で表されるシラン
    カップリング剤を配合した請求項1記載の熱収縮性チュ
    ーブ用シリコーンゴム組成物。 YSiX …(2) (式中、Yは反応性有機官能基、Xは加水分解性基を表
    す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成物をチューブ
    状に成形、硬化し、これを形状記憶樹脂の形状回復温度
    を超えた温度で径方向に延伸させ、次いでこの状態で形
    状回復温度より低温に冷却することによって得られ、形
    状回復温度で径方向に収縮可能とした熱収縮性チュー
    ブ。
JP7255592A 1992-02-21 1992-02-21 熱収縮性チューブ用シリコーンゴム組成物及び熱収縮性チューブ Expired - Fee Related JP2697466B2 (ja)

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