JP2696764B2 - 巻線機 - Google Patents

巻線機

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JP2696764B2 JP4195970A JP19597092A JP2696764B2 JP 2696764 B2 JP2696764 B2 JP 2696764B2 JP 4195970 A JP4195970 A JP 4195970A JP 19597092 A JP19597092 A JP 19597092A JP 2696764 B2 JP2696764 B2 JP 2696764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主としてモータコア
にコイル形成用の線材を巻き付けるための巻線機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、図8に示すようなモータコア
Cの各極部aにコイル形成用の線材Wを巻き付けるため
に、広く巻線機が使用されている。近年、モータの薄型
化が進んでおり、特にフロッピーディスク、ハードディ
スク、ビデオ、ファン等のモータにおいてその傾向が強
いが、モータの特性を落とさずにモータの薄型化を達成
するためには、モータコアCに対し巻数を減少させるこ
となく、巻線部をいかに薄くコンパクトに形成するかと
いうことが巻線機に要請される。それには、コア極部a
に対し隣合う線材同士を隙間なく整列して巻く、いわゆ
る整列巻が有効である。
【0003】ところで、一般的な巻線機は、図9に示す
ようなフライヤ式のものであり、位置を固定したモータ
コアCに対し、角型ブロック状のメインフォーマ102
および左右のサイドフォーマ103を配置した状態で、
巻線ノズル101を保持するフライヤ100を回転させ
ることにより、巻線ノズル101から引き出される線材
Wをコア極部aに巻き付ける。しかしながら、従来はそ
のようなフライヤ式の巻線機では整列巻は困難であっ
た。
【0004】一方、ある程度整列巻きに対応するものと
して、特開昭64−16346に記載のものがある。そ
れの巻線ノズルは、フライヤに対しアームを介して連結
されるため、フライヤに対する角度はアームを介して変
えられるが、アームに一体的に固定されているため、そ
のアームに対して折れ曲がるように角度変更はできな
い。一般に巻線工程に付随して、巻線後の線端部を、コ
ア側面から突出するピンに巻き付ける「からげ」処理な
いし工程を伴う場合が多い。もし、巻線と「からげ」で
コア側の向きを変えないとしすれば、巻線時のノズル姿
勢を、からげでは90度近く折り曲げる必要がある。し
かし従来はそれに対処できるものがないため、巻線後に
コア側の向きを変えるといった面倒な対応が必要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、巻
処理とからげ処理との双方を一貫して効率的に行うこと
のできる巻線機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明では、特許請求の範囲に記載のとお
り、往復動しつつ巻線中心線の周りを旋回(回転)する
巻線動作を行う巻線ノズルと、巻線ノズルの往復動を案
内するノズルガイド部と、巻線ノズルに巻線動作を付与
するフライヤと、フライヤと巻線ノズルを連結するアー
ムとを含む巻線機において、以下のような手段をとっ
た。巻線ノズルは前記アームに対し巻線中心線の側に折
曲げ可能に取り付けられ、かつその巻線中心線の側に折
れ曲がるように付勢されて、通常は前記ノズルガイド部
で受けられる。一方、前記アームを巻線中心線から遠ざ
けるように拡開する拡開部材が設けられ、その拡開前に
は前記ノズルガイド部で受けられた状態の巻線ノズル
が、拡開後は前記アームに対して巻線中心線の側に折れ
曲がるように向き変える。つまり、巻線工程は非拡開状
態で行い、からげ処理時には拡開させて、巻線ノズルを
アームに対し巻線中心線側に折れ曲がった状態で行うこ
とにより、巻線工程からからげ処理まで、一貫して効率
的に対応できる。その結果、コア等の巻線対象の向きを
変えることが必須でなくなり、付帯設備の簡素化にもつ
ながる。
【0007】さらに、請求項2のように、前記アームを
巻線中心線から遠ざけるように拡開する拡開部材と連携
し、かつ前記ノズルガイド部を先端に支持する前進後退
部材を設けた発明では、その前進後退部材が後退するこ
とにより前記ノズルガイド部を後退させつつ、前記拡開
部材を介して前記アームを拡開する。つまり、巻線ノズ
ルに対し、ノズルガイド部が後方に退避するため、折れ
曲がるように向きを変えた状態の巻線ノズルの内側に充
分な空間が確保でき、ここを利用してからげ処理を容易
に行うことができる。また、請求項3のように、拡開部
材として、前進後退部材に支点部材を介して連結した拡
開用のリン部材を設け、かつそのリン部材を拡開方
向とは反対向きに付勢する弾性部材を設けることができ
る。このようにすれば、そのリン部材が、第1に非拡
開状態において巻線ノズルをノズルガイド部側に付勢す
る機能と、第2にからげ処理のためにアームを拡開させ
る機能との2つの機能を担うこととなり、装置構成を簡
単にしながら、複合的な機能が得られる。
【0008】次に、図面に示す実施例を参照しつつ、本
発明の実施の形態を説明する。
【0009】まず、図1〜図3に基づいて、前提となる
基本構成・作用を説明し、その後、図4以降に基づいて
特徴部分を具体的に説明する。なお、図1〜図3では特
徴部分は省略している。図1の巻線機は、図8に示すよ
うな、モータのステータとなるステータコア(以下、コ
アという)Cの、ワーク芯部としての放射状の各極部a
に対し、巻線工程を行うものである。コアCは、図示は
しないが、コア保持手段に保持され、1つの極部aに対
する巻線動作が終る毎に間欠回転送りされて、全ての極
部aに対する巻線が行われる。図1にフライヤ1が示さ
れ、フライヤ1の一端にはフランジ2が形成されてい
て、このフランジ2にはアーム3がピン4によりフライ
ヤ1の中心線を含む平面内で回動可能に取付られてい
る。アーム3の先端にはピン4と平行なピン5によって
ノズルホルダ6が回動可能に連結され、このノズルホル
ダ6に巻線ノズル7が設けられている。
【0010】フライヤ1の中心部を貫通して内シャフト
9が設けられ、この内シャフト9の先端部にノズルガイ
ド部材10が固定されている。このガイド部材10の先
端側の部分には、先細りテーパ状の円錐面で構成された
ノズルガイド面11が形成されており、上述のノズルホ
ルダ6には、このノズルガイド面11に対応する円錐状
凹面12が形成されていて、この凹面12がノズルガイ
ド面11にほぼ密着するようになっている。なお、ノズ
ルホルダ6は図示しないスプリングによってガイド部材
10のノズルガイド面11に常に接するように付勢され
ている。
【0011】フライヤ1は外シャフト13に固定され、
外シャフト13は上述の内シャフト9に対し、キー連結
等により一体的に回転可能に、かつ軸方向にはスライド
可能に連結されている。そして、図2に示すように内シ
ャフト9および外シャフト13は、スライダ18の軸受
18aで支持され、そのスライダ18に設けられたモー
タ14によって一体的に回転するようになっている。ま
た内シャフト9は、固定ベース15に設けられたシリン
ダ16に回転継手17を介して連結されており、このシ
リンダ16によりノズルガイド部材10の前進位置が規
定される。スライダ18は固定ベース15に対してスラ
イド可能に支持され、正逆回転するモータ19の駆動に
より、ボールネジ機構20を介して前後にスライドする
ようになっている。このようなモータ19によるスライ
ダ18の前後動と、モータ14によるシャフト9および
13の回転とにより、フライヤ1が回転しつつ軸方向に
往復移動することとなる。
【0012】以上のような巻線機においては、巻線ノズ
ル7やノズルガイド部材10を図1に示すコアCのコア
極部aに接近させ、その状態で図2のモータ14および
19の駆動により、フライヤ1を回転させつつ前後に往
復移動させれば、巻線ノズル7はそのガイド部材10の
ノズルガイド面11に案内されつつ揺動する。その結
果、図3に示すように、巻線ノズル7はコアCの隣合う
コア極部a間の隙間(谷の部分)において、巻線が施さ
れるべきコア極部aの奥行方向に対し傾斜した軌跡に沿
って揺動しつつ、そのノズル7から引き出される線材W
をコア極部aに巻き付ける。この傾斜軌跡は、例えばコ
アCの中心Oを通りコア極部aの軸線に対し角度θ傾斜
した直線によって与えられる。このため巻線ノズル7
は、コア極部aの奥部に進入するほどその極部aに接近
し、隣接するコア極部aとの干渉を避けつつ、コア極部
aの最深部まで入り込んで巻線動作を行うことができ
る。そして、巻線ノズル7の1回転につき線材Wの線径
1本分に相当する揺動送りが与えられ、巻線ノズル7は
その揺動に伴い、回転半径を拡大・縮小させて、いわば
開いたり閉じたりしながら巻線を行う。これによりコア
極部aの奥行方向の全体にわたって整列巻が施される。
【0013】本実施例では、ノズルガイド部材10が巻
線ノズル7とともに回転しつつ、軸方向には静止状態を
保って巻線ノズル7の揺動をガイドするため、ノズルガ
イド面11とノズルホルダ6との間には円周方向の滑り
が生ぜず、両者の摩耗が軽減される。また、ノズルガイ
ド部材10をテーパ角の異なるものと交換することによ
り、ノズル7の傾斜軌跡を変更することができ、その
際、ノズル7が回動可能なノズルホルダ6およびアーム
3を介してフライヤ1に連結されているため、ノズルガ
イド面11の変更にも容易に対応できる。
【0014】次に、本発明に係る特徴部分の要部を図4
〜図7に示す。図4等に示すように、フライヤ1のフラ
ンジ2には、アーム3がピン4によって回動可能に連結
され、このアーム3と支点ブロック23とが、リンク2
4によりピン25および26を介して連結されている。
支点ブロック23は、ノズルガイド部材10が固定され
た内シャフト9に対し軸方向に摺動可能に設けられ、ま
た内シャフト9は外シャフト13に対し、軸方向に摺動
可能に、かつ周方向には一体的に回転するように連結さ
れている。シャフトのフライヤ1からの突出部分
aと上述の支点ブロック23との間には、圧縮スプリン
グ26が所定の余荷重をもって装着され、この圧縮スプ
リング26が支点ブロック23を前方に付勢し、リンク
24を介してアーム3を内向きに付勢する。それによっ
て、ノズルホルダ6をノズルガイド部材10のガイド面
11に押し付けた状態に保つようになっている。
【0015】内シャフト9、ノズルガイド部材10、支
点ブロック23、リンク24、アーム3およびフライヤ
1は、一体的に回転するが、フライヤ1のアーム3とは
反対側にはバランスウエイト27が設けられ、動バラン
スをとるようになっている。また、内シャフト9および
ノズルガイド部材10に対し、巻線ノズル7、ノズルホ
ルダ6、アーム3、支点ブロック23、リンク24、フ
ライヤ1および外シャフト13は、一体的に回転しつつ
軸方向に往復移動、すなわち揺動するようになってお
り、この機構の概略を図7に示す。
【0016】内シャフト9は、回転継手29aを介して
シリンダ29に連結され、これによって前進・後退する
ようになっている。シリンダ29は固定ベース15によ
って支持されており、また支点ブロック23と内シャフ
ト9とは、連結部材31によって所定範囲で軸方向に移
動可能に連結されている。なお、内シャフト9および外
シャフト13が軸受18aを介してスライダ18で支持
されるとともに、モータ14により一体的に回転するこ
と、スライダ18がモータ19によりボールネジ機構2
0を介して前後にスライドさせられること等は、前述の
とおりである。
【0017】そして、内シャフト9をシリンダ29によ
って前進させた状態では、アーム3はリンク24を介し
て図7のようになっているが、フライヤ1はそのまま
で、内シャフト9をシリンダ29によって後退させるこ
とにより、連結部材31を介して支点ブロック23が後
退し、リンク24が図5に示すように起立した状態とな
る。これによってアーム3が開く。ここで、ノズルホル
ダ6は図示しないスプリングにより図5において反時計
方向へ付勢されているため、巻線ノズル7はアーム3と
ほぼ平行な姿勢から、ノズルガイド部材10の中心線の
側へ先端が接近するように傾くこととなる。
【0018】以上のような巻線機においては、線材Wの
端をコアCの図示しないピンにからげる際には、図5に
示すようにアーム3を開き、巻線ノズル7を内側に傾斜
させた状態でからげ工程が行われる。従って、図4に示
す巻線ノズル7の姿勢でからげ工程を実施しようとする
場合に比べて、それを容易に行うことができる。
【0019】そして、通常の巻線工程に移る際には、図
7のシリンダ29により、フライヤ1に対して内シャフ
ト9および支点ブロック23が前進させられることによ
り、図4に示すように、アーム3が内側に傾斜してノズ
ルホルダ6がノズルガイド部材10のガイド面11に密
着させられる。そして、ノズルガイド部材10を軸方向
には静止させた状態で、フライヤ1、アーム3、リンク
24および支点ブロック23を全体的に揺動させつつ回
転させ、ノズルガイド部材10は回転のみさせる。これ
により、図1ないし図3に示した実施例1と同様にコア
極部aに対し、その先端部から奥部まで線材Wが隙間な
く整列した整列巻が施される。
【0020】以上説明した実施例では、ノズルガイド部
材10のガイド面11が円錐面で構成されていたが、こ
れを平面的な傾斜面とし、ノズルホルダ6の接触面もこ
れに対応する平面で構成することもできる。また、以上
説明した実施例では、ノズルガイド部材10が巻線ノズ
ル7とともに回転するようになっていたが、これを非回
転とすることもできる。その場合のノズルガイド部材の
ガイド面は、円錐面等であることが必要となる。
【0021】その他、本発明は当業者の知識に基づき、
種々の変形を施した態様で実施し得ることは勿論であ
る。
【0022】
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の前提となる機構を示す斜視
図。
【図2】その機構部の概略図。
【図3】その巻線行程の作用説明図。
【図4】本発明の実施例の要部を示す側面図。
【図5】その作動説明図。
【図6】図5の平面図。
【図7】図4の機構部の概略図。
【図8】モータコアへの巻線の一般的概念図。
【図9】従来の巻線機の作用説明図。
【符号の説明】
1 フライヤ 3 アーム 6 ノズルホルダ 7 巻線ノズル 10 ノズルガイド部材 11 ノズルガイド面 14、19 モータ 18 スライダ 20 ボールネジ機構

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動しつつ巻線中心線の周りを旋回
    (回転)する巻線動作を行う巻線ノズルと、巻線ノズル
    の往復動を案内するノズルガイド部と、巻線ノズルに巻
    線動作を付与するフライヤと、フライヤと巻線ノズルを
    連結するアームとを含む巻線機において、 巻線ノズルは前記アームに対し巻線中心線の側に折曲げ
    可能に取り付けられ、かつその巻線中心線の側に折れ曲
    がるように付勢されて、通常は前記ノズルガイド部で受
    けられる一方、 前記アームを巻線中心線から遠ざけるように拡開する拡
    開部材が設けられ、その拡開前には前記ノズルガイド部
    で受けられた状態の巻線ノズルが、拡開後は前記アーム
    に対して巻線中心線の側に折れ曲がるように向き変える
    ことを特徴とする巻線機。
  2. 【請求項2】 往復動しつつ巻線中心線の周りを旋回
    (回転)する巻線動作を行う巻線ノズルと、巻線ノズル
    の往復動を案内するノズルガイド部と、巻線ノズルに巻
    線動作を付与するフライヤと、フライヤと巻線ノズルを
    連結するアームとを含む巻線機おいて、 巻線ノズルは前記アームに対し巻線中心線の側に折曲げ
    可能に取り付けられ、かつその巻線中心線の側に折れ曲
    がるように付勢されて、通常は前記ノズルガイド部で受
    けられる一方、 前記アームを巻線中心線から遠ざけるように拡開する拡
    開部材、この拡開部材と連携し、かつ前記ノズルガイド
    部を先端に支持する前進後退部材が設けられ、その前進
    後退部材が後退することにより前記ノズルガイド部を後
    退させつつ前記拡開部材を介して前記アームを拡開し、
    拡開前には前記ノズルガイド部で受けられた状態の巻線
    ノズルが、拡開後は前記アームに対して巻線中心線の側
    に折れ曲がるように向き変えることを特徴とする巻線
    機。
  3. 【請求項3】 前記拡開部材は拡開用のリン部材であ
    って、そのリン部材が、前記前進後退部材にその前進
    後退方向に摺動可能な支点部材を介して回動可能に連結
    され、かつその支点部材と前記前進後退部材との間に設
    けられた弾性部材が、前記拡開用のリン部材を前記拡
    開方向とは反対向きに付勢し、前記前進後退部材の前進
    状態において前記弾性部材の付勢力に基づき、前記巻線
    ノズルを前記ノズルガイド部側に付勢することを特徴と
    する請求項1又は2記載の巻線機。
  4. 【請求項4】 前記巻線ノズルは、ノズルホルダを介し
    て前記アームに折曲げ可能に連結され、そのノズルホル
    ダが前記ノズルガイド部と接触する請求項1〜3のいず
    れかに記載の巻線機。
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