JP2002262526A - 巻線機 - Google Patents

巻線機

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JP2002262526A
JP2002262526A JP2001058204A JP2001058204A JP2002262526A JP 2002262526 A JP2002262526 A JP 2002262526A JP 2001058204 A JP2001058204 A JP 2001058204A JP 2001058204 A JP2001058204 A JP 2001058204A JP 2002262526 A JP2002262526 A JP 2002262526A
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pole
winding
wound
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Wataru Morikawa
渡 森川
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BESUTEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多極電機子を取り外す際に渡り線が他の部材
に干渉することなく取り外すことのできる巻線機を提供
する。 【解決手段】 多極電機子28の極29にコイル形成用
の線材Wを巻き付ける巻線機100であって、巻線時に
多極電機子28を支持する支持手段70(45)が、多
極電機子28の極の全巻幅のうち極内周側で、かつその
多極電機子28の軸線方向側から片側又は両側を支持す
るように設けられており、巻線された極29から巻線さ
れる極29へ線材Wを配設するため、支持手段70(4
5)を軸線を中心に回動移動させた際に、線材Wが支持
手段70(45)に案内されつつもその支持手段70
(45)を押し付けないように、線材Wを弛ませる線材
保持手段80を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として多極電
機子にコイル形成用の線材を巻き付けるための巻線機に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多極電機子の極にコイル形成用の
線材を巻きつけるために巻線機が広く使用されている。
モータ等、電機子の限られた大きさで性能をより良くす
るためには、多極電機子の限られた巻線スペースにいか
に多くの巻線ができるかということが巻線機に要求され
る。それには、極に対し隣り合う線材同士を隙間なく整
列して巻く、いわゆる整列巻が有効である。
【0003】ところで、図7に示すように、1つの極2
9に巻線した後に両隣の極29以外の極29に巻線する
場合において、例えば巻線された極29aと巻線しうる
極29bとの間に、その極29同士を結ぶ線材が存在す
る。この線材を渡り線Tと呼ぶ。図7(a)に示すよう
に、この渡り線Tは極29aと極29bとが離れれば離
れるほど多極電機子28の極内周側に干渉する形態で配
設されることとなる。このようになると、巻線が終了し
た多極電機子28の組立工程において支障をきたす。
【0004】このため渡り線Tが極内周側に干渉にない
ように、巻線時の多極電機子28を支持する支持手段で
あるワーク押さえ具70によって、渡り線Tがワーク押
さえ具70に沿って極29aと極29bとの間に配設さ
れるようにされている。すなわち、ワーク押さえ具70
が渡り線Tのガイドとして働く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7
(b)に示すように、ワーク押さえ具70が渡り線Tの
ガイドをしたとしても、巻線するのに必要な張力が渡り
線Tにもかかっているので、渡り線Tがワーク押さえ具
70を上側から、もしくは側面側から締め付ける形態と
なってしまう。このため、巻線終了時に多極電機子28
を取り外すためにワーク押さえ具70を多極電機子28
から外そうとしても、渡り線Tの締め付けによりワーク
押さえ具70と共に多極電機子28が移動、すなわち一
体となって移動してしまうために多極電機子28がワー
ク押さえ具70から外れなくなってしまう。
【0006】本発明の課題は、多極電機子を取り外す際
に渡り線が他の部材に干渉することなく取り外すことの
できる巻線機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明の巻線機は、多極電機子の極
にコイル形成用の線材を巻き付ける巻線機であって、巻
線時に前記多極電機子を支持する支持手段が、前記多極
電機子の前記極の全巻幅のうち極内周側で、かつその多
極電機子の軸線方向側から片側又は両側を支持するよう
に設けられており、巻線された極から巻線される極へ線
材を配設するため、前記支持手段を前記軸線を中心に回
動移動させた際に、前記線材が前記支持手段に案内され
つつもその支持手段を押し付けないように、前記線材を
弛ませる線材保持手段を設けたことを特徴とする。
【0008】これにより、線材が弛んだ状態で極間を結
ぶため、極と極とを結ぶ線材が支持手段を押し付けるこ
となく、支持手段の形状に沿って配設されることとな
る。このため多極電機子を支持手段から容易に外すこと
が可能となる。
【0009】そして、前記線材保持手段は、巻線が終了
した極から離間した状態で前記線材を保持し、前記線材
を保持した状態で巻線の対象となる前記極に接近するこ
とにより、前記線材を弛ませる。
【0010】これにより、線材保持手段が線材を保持し
ながら移動するので、線材の送り量をコントロールする
ような複雑な制御を必要としない。また極から離間した
状態で線材を保持し、その状態で極に接近するという過
程にて線材を弛ませるので、巻線機の可動部分に線材保
持手段を取り付けることが可能となり、新たな可動装置
を増設する必要がなくなる。
【0011】さらに、巻線された極から巻線される極へ
配設される前記線材の極間連結部において、巻線位置と
は異なる位置で前記線材の極間連結部を前記極中心方向
に押し付ける線材押さえ手段が設けられ、巻線中に、巻
線されている極とは異なる極間にある前記線材の極間連
結部を押し付ける。
【0012】これにより、弛んだ状態にある線材の極間
連結部を押さえつけるので、多極電機子を組み付ける上
で邪魔にならなくなる。また、上記線材保持手段の制御
に多少の誤差があったとしても、線材押さえ手段が弛ん
だ線材を押さえつけるために、例えば、多品種の多極電
機子を製造する上でも、汎用性を持たせることが可能と
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。まず、本発明の巻
線機100の概要を説明すると、多極電機子28の極2
9にコイル形成用の線材Wを巻き付ける巻線機100で
あって、巻線時に多極電機子28を支持する支持手段7
0(45)が、多極電機子28の極の全巻幅のうち極内
周側で、かつその多極電機子28の軸線方向側から片側
又は両側を支持するように設けられており、巻線された
極29から巻線される極29へ線材Wを配設するため、
支持手段70(45)を軸線を中心に回動移動させた際
に、線材Wが支持手段70(45)に案内されつつもそ
の支持手段70(45)を押し付けないように、線材W
を弛ませる線材保持手段80を設けている。
【0014】また、線材保持手段80は、巻線が終了し
た極29から離間した状態で線材Wを保持し、線材Wを
保持した状態で巻線の対象となる極29に接近すること
により、線材Wを弛ませる。
【0015】具体的に説明すると、図1は本発明の巻線
機100の全体図を表すものである。この巻線機100
は、ベース1、可動体2、スピンドル軸3、巻線ヘッド
4、フライヤ5、多極電機子保持手段6で主に構成され
る。なお、多極電機子28に接近する方向を前進方向、
離間する方向を後退方向と定義する。
【0016】図2はこの巻線機100の巻線ヘッド4付
近の拡大正面断面図である。巻線ヘッド4はフォーマガ
イド7、サイドガイド8、フォーマベース9で主に構成
される。フォーマガイド7はフォーマベース9側にリニ
アガイド10がビス等で固定され、そのリニアガイド1
0に相対応してリニアレール11がフォーマベース9に
ビス等で固定される。フォーマガイド7は、フォーマベ
ース9上のリニアレール11を介して、スピンドル軸3
の軸線方向と交差、本実施例では直交する方向に開閉可
能に支持される。フォーマガイド7同士の間にはスプリ
ング61等の弾性部材(付勢手段)が設けられ、フォーマ
ガイド7同士を閉じる方向に付勢している。フライヤを
回転させるスピンドル軸3の内部にはフォーマガイド7
を開閉するための開閉軸20が設けられる。開閉軸20
は、開閉軸移動用モータ35(図1参照)を用いてスピ
ンドル軸3方向に移動することにより、開閉軸端部のテ
ーパ20aを用いてフォーマベース9の軸を中心に開閉
する。開閉軸20は開閉軸移動用モータ35(図1参
照)の出力軸35a(図1参照)に固定されたボールね
じシャフト36a(図1参照)が回転し、ボールねじの
ナット部36(図1参照)を介してスピンドル軸3の軸
方向に移動可能に構成される。
【0017】フォーマガイド7は開閉軸20の前進によ
り開閉軸20端部のテーパ部20aがフォーマガイド7
の後端部に形成されたカムフォロワ部7c,7c(一対
ある)の間に入り込んだり、ここから離脱したりするこ
とで、フォーマガイド7、7をフォーマベース9上のリ
ニアレールを介して、スピンドル軸3の軸線方向と直交
する方向に開閉することができる。なお、上記カムフォ
ロワ部7c、7cは球状やその他の凸曲面を有するよう
に形成されている。もちろん、開閉は上記のようなカム
機構だけでなく、図示しないがリンク機構等でもよい。
【0018】図3に示すように、サイドガイド8はフォ
ーマベース9にフライヤ5の回転軸であるスピンドル軸
3の軸方向に移動可能に設けられている。サイドガイド
8は、スピンドル軸3の内部を貫通した伝達棒26(軸
状部材)によりスピンドル軸3の軸方向に移動可能に構
成される。サイドガイド8は伝達棒26に固定されてい
る。伝達棒26はサイドガイド移動用モータ31(図1
参照)の出力軸31a(図1参照)に固定されたボール
ねじシャフト32a(図1参照)が回転し、ボールねじ
のナット部32(図1参照)を介して伝達棒26を移動
可能にしている。
【0019】スピンドル軸3はフォーマベース9の内部
で回転可能となっており、その回転によってフォーマベ
ース9が連れ回りしないようにベアリング17等で支持
されている。そして、その内部にはサイドガイド8を移
動させるための伝達軸26が設けられる。伝達軸26
は、サイドガイド移動部材74に連れ回り防止のための
ベアリング75を介して取り付けられ、そのサイドガイ
ド移動部材74がアーム73を介してサイドガイド8を
伝達軸26の軸線方向に移動させることを可能にしてい
る。さらに、開閉軸20が伝達軸26を貫通してその内
部に設けられている。開閉軸20はその先端にテーパ部
20aが設けられ、それが開閉軸20と連れ回りしない
ようにベアリング77を介して支持されている。これに
より、スピンドル軸3がコンパクトとなり、ひいては巻
線機100自体が小型化できる。
【0020】図1に戻り、フライヤ5は線材Wを送るた
めの線材送りリール5aを備える。フライヤ5は、スピ
ンドル軸3に固定されている。スピンドル軸3は可動体
2にベアリング40を介して回転可能に支持される。ス
ピンドル軸3はスピンドル軸回転用モータ14によりプ
ーリ15とタイミングベルト16を介して回転する。巻
線ヘッド4はスピンドル軸3と同軸に配置され、ベアリ
ング17により非回転状態にて支持している。フライヤ
5内部には複数の遊星ギヤ軸18aがベアリング42を
介して回転可能に軸着され、これに遊星ギヤ18、18
がそれぞれビス等で固定されている。一方、フォーマベ
ース9と可動体2とには、固定ギヤ19、19がビス等
で固定され、この固定ギヤ19に上記各遊星ギヤ18が
かみ合いつつ公転することにより、スピンドル軸3が回
転しても遊星ギヤ18が回転するだけで、巻線ヘッド4
を回転不能に保持すると共に、巻線ヘッド4に線材Wを
介して加わる横荷重を受け止めるようになっている。
【0021】このスピンドル軸3、伝達軸26、開閉軸
20それぞれを一斉に回転させるための連結キー50が
設けられ、スピンドル軸3に取り付けられている。そし
て、軸線方向への移動を許容するために、開閉軸20、
伝達軸26それぞれに溝部20b、26aが設けられて
おり、連結キー50による軸線方向への規制を解消しつ
つスピンドル軸3との同調回転を可能としている。
【0022】可動体2は巻線ヘッド4、フライヤ5、ス
ピンドル軸3を保持し、ベース1にスピンドル軸3の軸
方向に移動可能に設けられている。可動体2は、ベース
1に固定された巻線ヘッド移動用モータ22の出力軸2
2aに固定されたボールねじシャフト23aが正逆回転
し、ボールねじのナット部23を介して図示しないレー
ル上を移動可能とされる。
【0023】そして図4に示すように、その開閉軸20
及びナット部36と一体になったアーム36bに線材保
持手段80が設けられる。線材保持手段80は、線材を
挟む一対のクランプ81と、そのクランプ81の片側も
しくは両側からクランプ81を接近・離間運動させるシ
リンダ82とで主に構成されている。クランプ81は、
線材が保持しやすいようにゴムなどの弾性部材とされて
おり、そのクランプ81を支持するクランプ台81aに
ビスなどで固定されている。シリンダ82はアーム36
bに固定されており、図示しないコンプレッサ等からの
圧縮空気を利用して、その軸に取り付けられたクランプ
台81aを介して一対のクランプ81を接近・離間させ
る。本実施例では線材保持手段80は開閉軸20に取り
付けられているが、例えば伝達軸26やスピンドル軸3
に取り付けられていてもよい。そして、可動体2が巻線
ヘッド移動用モータ22により、自身に取り付けられた
リニアガイド51を介してベース1に取り付けられたリ
ニアレール52上を前進後退移動することで、線材保持
手段80を極29(図2参照)に接近・離間させること
となる。
【0024】図1に戻り、多極電機子保持手段6は多極
電機子保持用の割出回転軸24と割出回転用モータ25
で構成される。割出回転用モータ25はベース1に固定
される。割出回転軸24はベース1にベアリング41を
介して回転可能に軸着される。割出回転用モータ25は
多極電機子を、ある極29に巻線された後に次の巻線す
べき極29まで割出回転させる。
【0025】そして、巻線された極29から巻線される
極29へ配設される線材Wの極間連結部Tにおいて、巻
線位置とは異なる位置で線材29の極間連結部Tを極中
心方向に押し付ける線材押さえ手段90が設けられ、巻
線中に、巻線されている極29とは異なる極29間にあ
る線材Wの極間連結部Tを押し付ける。
【0026】具体的には図5に示すように、この割出回
転軸24には、その端部に多極電機子28を支持するた
めの支持手段である多極電機子押さえ具70が設けられ
る。この多極電機子押さえ具70は、割出軸24と同軸
上で、かつその割出軸24と対向する位置に配置されて
いる軸78に固定されている。多極電機子押さえ具70
の側面は線材を案内する案内面70aとされており、巻
線された極29から巻線される極29へ線材Wが配設さ
れる時に線材Wを多極電機子28の極内周側に沿うよう
に案内する。そして、多極電機子28の下部に保持治具
45が設けられる。本実施例においてこの保持治具45
は割出軸24と着脱可能に設けられているものである
が、割出軸24と一体的にされているものでもよい。
【0027】そして、線材押さえ手段90が多極電機子
押さえ具70の上方で、かつフォーマガイド7及びサイ
ドガイド8、あるいは図示しないサイドフォーマ等と接
触しない箇所、本実施例ではフォーマガイド7及びサイ
ドガイド8と対向する側に設けられる。線材押さえ手段
90は押さえ部材91と、シリンダ92とで構成され
る。押さえ部材91は略L型の平板であり、極間連結部
である渡り線T(図6参照)に接触する方向に突出した
形態で配置されている。シリンダ92は、自身の軸92
aを介して押さえ部材91を渡り線Tに接近・離間する
方向に移動させることとなる。
【0028】ところで、各極29を順次巻線していく
と、すでに設けられている渡り線Tの上に渡り線Tが形
成される(重なる)場合がある。この場合、押さえ部材
91の押出し量を変化させることで、すでに設けられて
いる渡り線Tが押しつぶされることがなく、また新しく
設けられる渡り線Tが極外周側に追いやられることもな
くなる。具体的な方法としては、押さえ部材91の押出
し量を制御するために、シリンダ92の押出し量を図示
しないストッパなどで規制したり、押出し量の異なるシ
リンダ92を複数用意したりして、渡り線Tによってそ
れぞれのシリンダ92を用いるといったことも可能であ
る。さらに、シリンダ92でなく、図示しないサーボモ
ータとボールネジなどで押さえ部材91を移動させるこ
とも可能である。
【0029】次にこの巻線機100の作動工程につい
て、すでに説明した図1〜5を用いて説明する。まず、
フォーマベース9が前進すると、フォーマガイド7の接
触部7fが鍔30に接触しないように開閉軸20が前進
し、リニアガイド10がフォーマベース9のリニアレー
ル11に沿ってフォーマガイド7、7が離間する方向に
移動する。この際、サイドガイド8は任意の場所、この
実施例ではフォーマガイド7の接触部7fの厚みt分だ
け極29と重なるように配置される。
【0030】次に、多極電機子の最奥にフォーマガイド
7、7が移動し、極29に接近、接触もしくは線材Wの
径より小さい隙間を残す程度に接近させた後、スピンド
ル軸3が回転することによりフライヤ5が回転し、線材
Wが極29に巻きつけられ始める。1層目の巻線は極2
9の内周側から外周側へ移動するように、フォーマベー
ス9が後退移動する。そして、フォーマガイド7の接触
部7fが鍔30と接触しないために、開閉軸20が前進
しテーパ部20aがフォーマガイド7のカムフォロワ部
7c,7cに接触し、フォーマガイド7,7同士を離間
させる。とほぼ同時に、線材Wがフォーマガイド7の7
aから、サイドガイドの案内面8bによってガイドされ
て巻線が行われる。
【0031】1層目の巻線が終了すると、2層目の巻線
が引き続いて行われる。この実施例では、線材Wは極2
9の外周側から内周側に向けて巻き付けられる。この2
層目は、1層目に行った工程を逆に行うものである。説
明すると、線材Wがサイドガイド8によって1層目に巻
き付けられた線材Wの上に巻き付けられ、その後フォー
マガイド7の接触部7fが1層目の線材Wの上に線材W
の径より小さい隙間を残す程度に接近しつつ、フォーマ
ガイド7によって線材Wが案内されることで巻線されて
いく。3層目以降も同様に巻線が行われ、所定の巻き数
に達したら巻線が終了し、フォーマベース9が後退す
る。
【0032】すると、線材Wは極29に巻き付けられて
いるため、フォーマベース9が後退することと相対的
に、フライヤ5を通過して引き出されることとなる。こ
の場合、フォーマベース9は線材Wを巻き付けるのに必
要なだけ後退すればよい。この引き出された状態の線材
Wを、線材保持手段80によって保持した後再び多極電
機子28に接近する。と同時に、割出回転軸24が回転
することにより、次に巻線を行う極29まで割出回転す
る。この動作によって、線材Wは巻線された極29から
巻線されようとする極29へ配置、すなわち渡り線Tが
設けられることとなる。この渡り線Tは多極電機子押さ
え具70によって案内され、多極電機子28の極内周側
に円弧状に配置される。その後、巻線されようとする極
29に巻線が行われていく。
【0033】そして、線材押さえ手段90が渡り線Tを
極29中心方向に押し付ける。望ましくは、巻線中、す
なわち他の極29にて巻線が行われていることと同時に
渡り線Tを押し付けることで、それぞれ独立して行うよ
りはるかに時間が短縮でき、製造コストが減少する。上
記の内容を繰り返すことにより、多極電機子28の極2
9に巻線が行われつつ、渡り線Tを極29中心方向に押
し付ける。
【0034】次に、その巻線工程における、多極電機子
28の外周を直線的に表したものを図6に示す。図6
(a)は従来の巻線工程、図6(b)、(c)は本発明
の巻線工程である。図6(a)に示すように従来では、
巻線された極29aから巻線される極29bへの渡り線
Tは最短距離となるようにほぼ直線で結ばれていたが、
本発明においては、図6(b)に示すように渡り線Tは
極29aと極29bとの間で撓んだ状態(図では円弧
状)になっており、もし仮に渡り線Tが余ったとしても
その撓んだ部分だけ線押さえ手段(図5参照)が押さえ
るため、渡り線Tが多極電機子28の組立時に邪魔にな
らないようになる。
【0035】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記
載した範囲を逸脱しない限り、当業者が有する知識に基
づく改良を適宣付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻線機の全体図。
【図2】図1の巻線機の巻線ヘッドの拡大正面断面図。
【図3】図1の巻線機の巻線ヘッドの拡大平面断面図。
【図4】図1の巻線機の線材保持手段を表す図。
【図5】図1の巻線機の多極電機子保持手段の拡大図。
【図6】多極電機子の外周側面を直線的に表す図。
【図7】従来の多極電機子保持手段の拡大図。
【符号の説明】
3 スピンドル軸 4 巻線ヘッド 5 フライヤ 7 フォーマガイド 8 サイドガイド 9 フォーマベース 24 割出回転軸 28 多極電機子 70 多極電機子押え具 80 線材保持手段 90 線材押さえ手段 100 巻線機 W 線材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多極電機子の極にコイル形成用の線材を
    巻き付ける巻線機であって、 巻線時に前記多極電機子を支持する支持手段が、前記多
    極電機子の前記極の全巻幅のうち極内周側で、かつその
    多極電機子の軸線方向側から片側又は両側を支持するよ
    うに設けられており、 巻線された極から巻線される極へ線材を配設するため、
    前記支持手段を前記軸線を中心に回動移動させた際に、
    前記線材が前記支持手段に案内されつつもその支持手段
    を押し付けないように、前記線材を弛ませる線材保持手
    段を設けたことを特徴とする巻線機。
  2. 【請求項2】 前記線材保持手段は、巻線が終了した極
    から離間した状態で前記線材を保持し、前記線材を保持
    した状態で巻線の対象となる前記極に接近することによ
    り、前記線材を弛ませる請求項1記載の巻線機。
  3. 【請求項3】 巻線された極から巻線される極へ配設さ
    れる前記線材の極間連結部において、 巻線位置とは異なる位置で前記線材の極間連結部を前記
    極中心方向に押し付ける線材押さえ手段が設けられ、 巻線中に、巻線されている極とは異なる極間にある前記
    線材の極間連結部を押し付ける請求項1又は2記載の巻
    線機。
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Cited By (5)

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