JP3809992B2 - コネクティングロッド及びコネクティングロッドの面取り加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクティングロッドに関し、特に大端部とキャップ部との合わせ面で孔軸線方向に延在する外端縁に面取り加工を施したコネクティングロッド及びコネクティングロッドの面取り加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】
図3は、コネクティングロッドの構造を説明するための概略図である。コネクティングロッド1は、図示していないエンジンのクランク室内に回転自在に支持されるクランク軸とシリンダ内に往復動可能に嵌装されたピストンとを連結する部材であり、小端部4と大端部5を有するロッド本体2と、大端部5にねじ6を介して締結され大端部5と共にクランク軸用の軸受孔8を形成するキャップ部3を有している。
【0003】
大端部5は、軸受孔8の孔軸線Ljと直交する方向に互いに離間して平行に延在する一対の平壁面11と、その両側端間を軸受孔8の孔軸線Lj方向に延在して接続する一対の側壁面12を有しており、キャップ部3は、大端部5の平壁面11に連続する一対の平壁面21と、側壁面12に連続する一対の側壁面22を有している。
【0004】
また、大端部5とキャップ部3は、互いに接面される合わせ面13、23をそれぞれ有している。これら合わせ面13、23は、小端部4のピストンピン用の軸受孔7と大端部5の軸受孔8との中心を結ぶ中心線Lvに対して、軸受孔8の中心で直交する面上に形成されており、大端部5とキャップ部3を結合した際に互いに協同して軸受孔8を形成する内周面14、24がそれぞれ設けられている。
【0005】
大端部5の合わせ面13とキャップ部3の合わせ面23には、従来より、加工工程で発生したバリ等を除去する目的で、それぞれ面取り加工が施されている。図4は、従来のコネクティングロッドの要部を拡大して示した概略図であり、図4(a)は、図3のA部に該当する個所を示し、図4(b)は、同図(a)をB方向から示したものである。
【0006】
大端部5の合わせ面13の場合、平壁面11と合わせ面13との間に形成される側端縁16、内周面14と合わせ面13との間に形成される内端縁17、側壁面12と合わせ面13との間に形成される外端縁18にそれぞれ面取り加工を施す必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一対の外壁面12と合わせ面13との間にそれぞれ形成される一対の外端縁18にそれぞれ面取り加工を施すためには、一方の外端縁18に面取り加工を施した後に、他方の外端縁18に面取り加工を施すためにロッド本体の姿勢を変更する必要がある。
【0008】
例えば、グラインダーなどの面取り加工機では、一方の外端縁18を面取り加工した後に、ロッド本体2の支持姿勢を変更する作業が必ず必要であり、その分だけ作業工程数が多くなり、製造コストの低減を図ることは困難であった。
【0009】
また、図示していないが、キャップ部3の合わせ面23の場合も、同様の箇所に面取り加工を施す必要があり、一対の外端縁にそれぞれ面取り加工を施すためには同様の問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、より簡単かつ短時間で外端縁に面取り加工を施すことができるコネクティングロッド及びコネクティングロッドの面取り加工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明によるコネクティングロッドの面取り加工方法は、小端部と大端部を有するロッド本体と、大端部に締結され大端部と協同して軸受孔を形成するキャップ部とを備えるコネクティングロッドの大端部とキャップ部の合わせ面で軸受孔の孔軸線方向に延在する一対の外端縁を面取り加工する面取り加工方法において、孔軸線上の点を回転中心として回転可能でかつ回転時に一対の外端縁に対向する面取り加工用チップを有するチップホルダを、大端部に対して相対的に回転させて一対の外端縁に面取り加工を施すことを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載した面取り加工方法の発明によれば、孔軸線上の点を中心に該孔軸線上の点から外端縁までを半径として回転する加工チップにより、大端部或いはキャップ部の合わせ面に形成されている一対の外端縁を、従来のようにロッド本体やキャップ部の保持姿勢を変更することなく、1工程で一度に面取り加工することができる。従って、面取り加工時における作業工程数を削減でき、製造コストを低下させることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載した発明によるコネクティングロッドは、請求項1に記載の面取り加工方法によって前記一対の外端縁に面取り加工が施されたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明によれば、コネクティングロッドは、大端部或いはキャップ部の合わせ面に形成されている一対の外端縁に1工程で面取り加工が施される。従って、従来のようにロッド本体やキャップ部の保持姿勢を変更することなく、一度に面取り加工が施され、面取り加工時における作業工程数が少なく、製造コストの低いコネクティングロッドを提供することができる。
【0015】
請求項3に記載した発明によるコネクティングロッドは、外端縁が、孔軸線上の点を半径中心とした略円弧形状を有することを特徴とする。請求項3の発明によれば、コネクティングロッドは、面取り加工による外端縁の面取り量が一定になる。従って、面取り加工負荷が略均一となり、換言すると面取り加工時の急激な負荷の変動が回避されて、面取り加工がよりスムーズに実施される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるロッド本体の形状を説明する概略図であり、図3のA部に対応する図である。従来と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。大端部5の側壁面12と合わせ面13との連接部、すなわち外端縁18は、軸受孔8の孔軸線Ljと中心線Lvが交差する点(以下、面取り半径基準点という)Qを半径中心とした円弧形状をなすように形成されている(図1(a)及び図1(b)参照)。
【0017】
上記構成を有する大端部5の外端縁18に面取り加工を施す方法について図2を用いて説明する。図2の符号32は、図示していない面取り加工機の回転手段に装着されたチップホルダーであり、チップホルダー32の回転中心から径方向に延在して大端部5の面取り半径基準点Qから外端縁18までの距離と等しい長さだけ離間した位置に、大端部5の外端縁18を面取り加工するチップ31を備えている。
【0018】
まず最初に、ロッド本体2は、大端部5の合わせ面13がチップホルダー32と対向しかつロッド本体2の中心線Lvがチップホルダー32の回転中心線Vの延長線上に配置されるように、図示していない面取り加工機の保持手段に保持される(図3参照)。
【0019】
次に、回転手段によりチップホルダー32が回転駆動され、かかる状態で大端部5の合わせ面13がチップホルダー32に接近する方向に移動される。これにより、チップ31が最初に一対の外端縁18のいずれか一方、例えば図中で上方に配置されている外端縁18と当接してその外端縁18に面取り加工を施し、更に180゜回転して他方の外端縁18、図中では下方に配置されている外端縁18に当接してその外端縁18に面取り加工を施す。
【0020】
従って、一対の外端縁18を一度に面取り加工することができ、従来のようにロッド本体2の姿勢を変更することなく、容易に合わせ面13の外端縁18に面取り加工を施すことができる。これより、作業工程数を削減することができ、製造コストを低下させることが可能となる。
【0021】
特に、面取り加工を施す外端縁18の形状が、図1(b)に示すように、面取り半径基準点Qを半径中心とした略円弧形状をなすように形成されていることから、面取り加工時における外端縁18の面取り量を一方の側端縁12から他方の側端縁12まで一定にすることができ、面取り加工負荷が均一になり、面取り加工時の急激な負荷変動が回避されて、面取り加工をよりスムーズなものにすることができる。尚、外端縁18の形状は、円弧形状に限定されるものではなく、面取り半径基準点Qを中心とした円弧形状に面取り加工できる形状であれば、直線形状や複雑な曲線形状等であってもよい。
【0022】
以上の説明は、大端部5の外端縁18を面取り加工する場合であり、同様にキャップ部3の外端縁の面取り加工も実施できるが、上記内容と重複するので、その詳細な説明は省略する。
【0023】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、ロッド本体2を固定し、チップホルダー32を回転させたが、ロッド本体2に対してチップホルダー32を相対的に回転させるものであればよく、ロッド本体2を回転させてもよい。
【0024】
また、上述の実施の形態では、面取り半径基準点Qを半径中心として外端縁18に面取り加工を施しているが、これに限定されるものではなく、軸受孔8の孔軸線Lj上の点であれば、同様に一対の外端縁18を一工程で一度に面取り加工することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコネクティングロッド及びコネクティングロッドの面取り加工方法によれば、大端部或いはキャップ部の合わせ面に形成されている一対の外端縁を1工程で面取り加工することができるので、従来のようにロッド本体やキャップ部の保持姿勢を変更することなく、一度に面取り加工を施すことができ、面取り加工時における作業工程数の削減により製造コストを低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態を説明する概略図である。
【図2】外端縁の面取り加工方法を概略的に示す説明図である。
【図3】コネクティングロッドの構造を説明するための概略図である。
【図4】従来のコネクティングロッドの要部を拡大して示した概略図である。
【符号の説明】
1 コネクティングロッド
2 ロッド本体
3 キャップ部
4 小端部
5 大端部
8 軸受孔
13 合わせ面(大端部)
18 外端縁
23 合わせ面(キャップ部)
32 チップホルダー
Q 面取り半径基準点
Lj 孔軸線
Lv 中心線
Claims (3)
- 小端部と大端部を有するロッド本体と、前記大端部に締結され前記大端部と協同して軸受孔を形成するキャップ部とを備えるコネクティングロッドの前記大端部と前記キャップ部の合わせ面で前記軸受孔の孔軸線方向に延在する一対の外端縁を面取り加工する面取り加工方法において、
前記孔軸線上の点を回転中心として回転可能でかつ回転時に前記一対の外端縁に対向する面取り加工用チップを有するチップホルダを、前記大端部に対して相対的に回転させて前記一対の外端縁に面取り加工を施すことを特徴とするコネクティングロッドの面取り加工方法。 - 請求項1に記載の面取り加工方法によって前記一対の外端縁に面取り加工が施されたことを特徴とするコネクティングロッド。
- 前記外端縁は、前記孔軸線上の点を半径中心とした略円弧形状を有することを特徴とする請求項2に記載のコネクティングロッド。
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