JP2694965B2 - 青果物の品質検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、青果物を選別して包装出荷する選果場等に
おいて好ましく用いられるもので、青果物の内部品質を
非破壊で検査することのできる青果物の品質検査装置に
関する ［従来の技術］ 従来、オンライン上即ちコンベア上で青果物に衝撃を
与えた際に生ずる振動波から青果物の空洞の程度や熟度
等を判定する装置としては、特開昭58−750号公報のも
のが公知である。

この公報の判定装置は、選別コンベアのチエンに等間
隔で取付けられたバケット上に西瓜を載せて搬送し、こ
の搬送路の途中の検査位置に西瓜が来たときコンベアを
一時停止させるか、或いはコンベアを一時停止させるこ
となく常時駆動するかして、該検査位置で打撃装置によ
り西瓜に打撃を与えて打音を発生させ、その音波（振動
波）を、西瓜に接触させた受波器でとらえて音波分析装
置で分析し、分析結果に基づいて空洞の程度や熟度等を
判定し、判定結果に対応する払い出し口でバケットを転
倒させて西瓜を落下排出するというものである。

一方、上記のような、バケットがコンベアチエンに取
付けられたバケットコンベアにより搬送方式では、払い
出し口（仕分け搬出部）でバケットを転倒させて青果物
を落下排出するので、落下衝撃で青果物を傷めることが
あり、このため、近年、傷み易い青果物を選別する選果
場等では、コンベア上でバケット（受皿）が拘束されず
フリーないわゆるフリートレイ（フリー受皿）による搬
送方式が用いられ、青果物を仕分け排出する際には、コ
ンベア上から青果物を受皿ごとに仕分け排出することに
より、青果物を傷めないようにすることが採用され周知
である（例えば、特開昭61−149282号公報参照）。

［発明が解決しようとする課題］ 一般に、受皿上の青果物に対して打撃装置（衝撃装
置）により衝撃を与え青果物が振動する振動波を受波器
（センサー）で検出して青果物の内部品質を検査する装
置においては、受皿上の青果物に対して衝撃装置及びセ
ンサーを常に所定の位置に正確に作用させること、及び
衝撃装置による衝撃以外の衝撃（振動）を青果物に与え
ず衝撃装置による青果物の振動波のみをセンサーでとら
えることが信頼性の高い検査結果を得る上で極めて重要
である。

しかし、従来公知の上記特開昭58−750号公報の判定
装置においては、コンベアを一時停止させることなく常
時駆動する場合には、走行するコンベアチエンの振動、
即ちコンベアの搬送振動がバケットを介して西瓜に伝わ
るので、受波器（センサー）が打撃装置（衝撃装置）で
与えた打撃による音波（振動波）のみをとらえることが
できないこと、及びコンベアの駆動中に打撃装置及び受
波器を作用させるので、これを西瓜に対して所定の位置
に作用させる上で難があることから、熟度等の判定結果
（検査結果）の信頼性が低いという問題があった。

又、上記公報の判定装置においては、搬送される西瓜
が検査位置に来たときコンベアを一時停止させる場合に
は、コンベアを搬送振動がなく該振動が西瓜に伝わらな
いこと、及び西瓜を載せたバケットを所定位置に停止さ
せ得ることから、上記問題は解消できるが、払い出し口
でバケットを転倒させて落下排出するので、青果物を傷
めるという問題あがった。

本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、青果物を
搬送する搬送方式としては、コンベア上で受皿がフリー
ないわゆるフリー受皿による搬送方式を採用した青果物
の品質検査装置にあって、搬送コンベアの搬送振動が青
果物に伝わることがないと共に、受皿上の青果物に対し
て常に所定の位置で衝撃を与え青果物の振動波を検出し
て得て、青果物の内部品質の検査結果の信頼性を高める
ことができる青果物の品質検査装置を提供することを目
的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的
手段を講じたものである。

即ち本発明は、青果物が載せられた受皿を搬送する搬
送コンベアと、 該搬送コンベアにより搬送されてくる青果物入り受皿
を、その上端部が前記搬送コンベアの搬送面の上方に突
出して該搬送面から持ち上げる一方、青果物の内部品質
検査が終了した際に該上端部が該搬送面の下方に降下し
てこの青果物入り受皿を該搬送面上に降ろすリフト装置
と、 該リフト装置によって持ち上げられた青果物入り受皿
を、左右一対のセンタリングアームが夫々該受皿の前側
後側から回動して所定の位置で挟持する位置決め装置
と、 該所定の位置で挟持された受皿上の青果物に対して衝
撃を与えてこの青果物が振動する振動波を検出し、この
振動波の検出結果に基づき当該青果物の内部品質を検査
する内部品質検査装置とを備えたことを特徴とする青果
物の品質検査装置の構成としたものである。

［作用］ 以上のように構成された本発明の青果物の品質検査装
置によれば、搬送コンベア上で搬送されてくる青果物入
り受皿が、内部品質を検査する部位に配設されたリフト
装置の位置に到達すると、この青果物入り受皿は、該リ
フト装置の上端部が搬送コンベアの搬送面の上方に突出
することにより、搬送コンベアの搬送面が持ち上げられ
て該搬送コンベアの搬送振動が伝わらないように静止待
機される。尚、このリフト装置により搬送面から持ち上
げられた青果物入り受皿は、該静止直前にその慣性によ
り、停止させるべき所定の位置（検査のための基準位
置）から若干前進してズレることがあるが、位置決め装
置の左右一対のセンタリングアームが夫々該受皿の前側
後側から回動することにより、該若干のズレがあっても
これが是正されて該所定の位置で挟持される。このよう
に青果物入り受皿が所定の位置で挟持されると、青果物
の内部品質を検査する内部品質検査装置が作動して受皿
上の青果物に対して衝撃を与えてこの衝撃により青果物
が振動する振動波を検出し、この振動波の検出結果に基
づき当該青果物の内部品質を検査する。従って、常に所
定の位置で、青果物に対して衝撃を与えることができる
と共にその振動波を検出することができる。このように
して青果物の内部品質検査が終了した青果物入り受皿
は、前記リフト装置の上端部が搬送コンベアの搬送面の
下方に降下することにより搬送コンベアの搬送面上に降
ろされて先方へ搬送される。

［実施例］ 以下、本発明の青果物の品質検査装置の一実施例につ
いて図面（第１図〜第17図）に基づいて説明する。

第１図および第２図において、先ず、主要部の概略を
説明する。１は青果物100を載せるための受皿。尚、青
果物としては例えば西瓜やメロン等が上げられる。２は
受皿１を搬送する搬送コンベア。201〜206は搬送コンベ
ア２の搬送路に沿ってそれぞれ配設されたステーション
であり、搬送路の途中で受皿１を一時停止させ予め設定
した作業をするようにしている。３は各ステーション20
1〜206に対応して設けられたリフト装置。４は位置決め
装置であり、予め設定したステーション（203,204,20
5）に設けられている。尚、本発明で言うリフト装置３
及び位置決め装置４はステーション204に設けられてい
るものを指している。５は受皿１に載せられた青果物10
0を軽く叩いたときの衝撃音（振動波）を検出し、この
振動波の検出結果に基づき当該青果物100の内部品質を
検査する内部品質検査装置であり、青果物100の大きさ
（高さ）を計測する計測装置51と、演算装置52と、制御
装置53と、振動波検出装置54と、波形解析演算処理装置
55との主要部分で構成されている。６は前記内部品質検
査装置５により検査された結果に基づく青果物100の選
別区分を後述の受皿１上に入力する選別区分入力装置で
ある。上記選別区分は、本実施例では等級と階級を示
す。等級は青果物100の内部品質検査の結果（程度）か
ら複数に区分することができる。また、階級は前記測定
装置51によって青果物100の大きさ（高さ）を計測した
データを基に大きさとしての階級を区分することができ
る。

実施例における各部について詳述すると、受皿１は、
第３図および第４図によく示す如く、載せられる青果物
100が受皿１の搬送中に転動しなようにするため、載せ
部が上方に突出させた三つの支持部材11により形成され
ている。この受皿１の上部の形状は図示に限定すること
なく青果物100の種類，形状によって青果物が安定して
載せられるように適宜な形状とすることが好ましい。12
は選別区分としての等級を表示するための等級表示部で
あり、青果物100の等級数（秀，優，良，並，外）に対
応して５個の表示スイッチ121〜125を備えると共に、他
の一個120を青果物100の内部品質に欠陥（空洞、ひび割
れ）があったことを示す表示スイッチとして備えてい
る。13は同じく受皿１の上部に設けられた階級表示部で
あり、10個の表示スイッチ130〜139を配設して10段階の
階級を表示する如く構成している。この等級および階級
の段階は一例として示すものであり、青果物100の選別
規格に合わせて適宜数設定することが好ましい。

この等級表示部12および階級表示部13に使用する表示
スイッチは、例えばトグル式，押しボタン式，レバー式
等の操作スイッチを操作してその変位にまたは変化によ
って等級、階級を表示する如く用いることができる。更
にまた、他の異なる方式として変化の対象に色を変化さ
せて表示することもできる。

前記搬送コンベア２は、受皿１を搬送するのに適合し
た幅のローラ21を進行方向に多数横架させたローラコン
ベアで構成されている。そして、このローラ21は、図示
しない駆動手段により受皿１を矢印（→）方向に搬送す
るように回転駆動している。またこの図示しない駆動手
段は振動，騒音の少ないベルト駆動方式を用いることが
好ましい。

また、この搬送コンベア２は図示した実施例において
は、ローラコンベアで構成したが、異なる他の方式とし
て例えば第５図の断面図に示す如くリフト装置３の両側
に、小幅ベルト22,22を張設した二条型のベルトコンベ
アや又は図示しない二条型トッププレート付のコンベア
チエンを張設して構成することもできる。

前記各ステーション201〜206は、前記搬送コンベア２
の搬送路の途中で該搬送コンベア２で搬送される受皿１
を一時停止させて夫々予め設定した作業をするための作
業エリアとしており、第１図及び第２図を参照して各ス
テーションで行う作業について説明する。

ステーション201は青果物100を受皿１上に人手または
機械的供給手段により供給するための青果物供給エリア
である。ステーション202は受皿１上の青果物100の外観
状態を目視検査して外観上の等級を判定する外観検査エ
リアである。ステーション203は青果物100の大きさ（高
さ）を計測する大きさ計測エリアである。ステーション
204は、青果物100に衝撃を与えた際に生ずる振動波を検
出して青果物100の内部品質を検査する内部品質検査エ
リアである。ステーション205は、青果物100の内部品質
検査に基づく等級を受皿１上の等級表示部12に入力する
選別区分入力エリアである。ステーション206は検査済
の青果物100入り受皿１を、次工程（図示せず）に合流
のタイミングをはかって送り出すための合流待ちエリア
である。

前記リフト装置３は、前記各ステーション201〜206に
対応して設けられ、第５図に示す如く、上端部31と上端
部31の下面にピストンロッドの先端部が取付けられたシ
リンダー32との主要部からなり、搬送コンベア２により
搬送されてくる受皿１、又は青果物100入り受皿１を、
上端部31が搬送コンベア２の搬送面（ローラ21又はベル
ト22等の上面によって形成される面）の上方に突出して
該搬送面から若干持ち上げて静止待機させる如く昇降式
に構成している。このリフト装置３は、搬送コンベア２
上で搬送される受皿１が当該ステーションに到達する
と、これを検出するセンサー（図示せず）からの信号に
よりシリンダー32が作動して当該ステーションに到達し
た受皿１又は青果物100入り受皿１を上記の如く上端部3
1が突出して搬送面から若干持ち上げて静止待機させる
如く作用する。従って、該静止待機する受皿１又は青果
物100入り受皿１には搬送コンベア２の搬送振動が伝わ
らないようになっている。尚、特に青果物100入り受皿
１は、静止する直前にはその慣性により、停止させるべ
き所定の位置から若干前進してズレることがあるが、後
述の位置決め装置４により、このズレは是正される。

前記位置決め装置４は、大きさ計測エリアとしてのス
テーション203と、内部品質検査エリアとしてのステー
ション204と、選別区分入力エリアとしてのステーショ
ン205にそれぞれ設けられている。この位置決め装置４
は、第６図によく示すように、左右一対のセンタリング
アーム41,41とピニオン42,42とラック43とシリンダー44
とが組み合わされて構成され、このシリンダー44のピス
トンロッドが伸縮動作することにより左右のセンタリン
グアーム41,41が開閉するようになっている。従ってこ
の位置決め装置４によれば、シリンダー44のピストンロ
ッドが伸長状態のときに左右のセンタリングアーム41,4
1が拡開されており、図示しない作動指令によってシリ
ンダー44が作動するとそのピストンロッドが縮退して左
右のセンタリングアーム41,41が夫々受皿１の前側、後
側から内向きに回動して受皿１を挟持する。これによ
り、前記リフト装置３により若干持ち上げられて静止し
ている青果物100入り受皿１が停止するべき所定の位置
から若干前進してズレていたとしても、このズレを是正
することができて該所定の位置である当該ステーション
の中央位置で受皿１を挟持することができる。従って、
この位置決め装置は、青果物100の内部品質を検査する
際やその検査に基づく選別区分を機械的に入力する際等
に、青果物100入り受皿１の位置を、常に同じ位置に位
置決めさせることができて、それぞれの装置を正確に作
用させることができる。

次に内部品質検査装置５について詳細に説明する。

前記計測装置51は、前記大きさ計測エリアとしてのス
テーション203に設けられており、第１図，第２図，第
７図を参照して説明する。尚、第７図は第１図Ａ−Ａに
沿った断面図である。

図において511はシリンダーであり、ピストンロッド5
12を下向きにしてその本体が取り付けられている。この
シリンダー511は、ピストンロッド512が伸縮する際に一
定移動量ごとにパルス（信号）を発生させるエンコーダ
513を組み合わせている。514a,514bはレーザー光電スイ
ッチであり、受皿１の進行方向と直角な横方向に左右一
対に配置していずれか一方のレーザー光電スイッチがレ
ーザービームを発生させ、他方のレーザー光電スイッチ
が該レーザービームを受光するうようになっている。51
5は上記レーザー光電スイッチ514a,514bが取り付けられ
た昇降アームであり、その上部が前記シリンダー511の
ピストンロッド512と連結されている。

この計測装置51は、前記位置決め装置４のセンタリン
グアーム41,41により青果物100入り受皿１が所定の位置
で挟持されて位置決めされると、前記シリンダー511の
ピストンロッド512が伸長動作して前記レーザー光電ス
イッチ514a,514bが青果物100の上方から所定の最下端位
置まで降下する。この降下の際に前記レーザー光電スイ
ッチ514のレーザービームを青果物100が遮っている間の
パルス数を後述する演算装置52が積算することにより青
果物100の大きさを算出することができる。また、図示
した実施例では昇降させるアクチュエータとしてシリン
ダーを用いて構成したが、これに特に限定するものでは
なく、他の異なる方式としてサーボモータ，パルスモー
ター等のアクチュエータを用いることもできる。

更に、この計測装置51は、第８図に示す如く公知のビ
ーム光線によるゲート方式を用いることができる。この
ようにすれば、青果物100が載せられた受皿１が当該ゲ
ートを通過する際に、該青果物100の大きさ（高さ）を
計測することができる。更にまた、この計測装置51は、
他の異なる方式としてカメラ装置（図示せず）を用いて
構成することもできる。

前記演算装置52は、前記計測装置51により青果物100
の大きさを計測したデータが入力されると、その結果に
基づいて青果物100の大きさを算出して大きさ信号521を
後述する制御装置53および波形解析演算処理装置55へ出
力すると共に、青果物100の内部検査のための振動波の
検査部位100Aを算出して検査部位信号522として制御装
置53へ出力する如く演算処理回路が構成されている。

前記青果物100の内部検査のための振動波の検査部位1
00Aは、青果物100の種類，形状，大きさ等に応じて例え
ばその青果物100の赤道部かまたは肩部を上げることが
できる。尚、図例では青果物100の赤道部を振動波の検
査部位100Aとして設定している。

制御装置53は、各装置のシリンダー等のアチュエータ
を駆動させる制御回路を有するもので、作動順序につい
ては後述の動作の説明で詳述する。

振動波検出装置54は、前記内部品質検査エリアとして
のステーション204に対応して設けられ、前記リフト装
置３の上端部31により搬送コンベア２の搬送面から若干
持ち上げられて前記位置決め装置４のセンタリングアー
ム41,41により所定の位置で挟持されて位置決めされた
受皿１上の青果物100に対し、一定の衝撃を与えてこの
青果物100が振動する振動波を検出し、該検出した振動
波の信号を後述する波形解析演算処理装置55へ出力する
もので下記のように構成されている。

即ち、541は振動波を検出するためのセンサーユニッ
トであり、第２図によく示すように、３台を青果物100
に周囲に配置する如くユニットベース543にそれぞれ設
けられ、青果物100の振動波を異なる所定位置から検出
するようにしている。この３台のセンサーユニット541
のそれぞれは、第９図によく示す如く振動波検出センサ
ー5411と位置感知センサー（図示せず）とこれらを青果
物100の検査部位100Aに向けて出没させるアクチュエー
タ5412とを組み合わせて構成されている。このアクチュ
エータ5412は前記ユニットベース543にその本体が取り
付けられている。図において5413は柔らかなゴムやスポ
ンジ等の弾性部材で形成される輪状のセンサーパッドで
あり、前記振動波検出センサー5411で振動波を検出する
際、青果物に接触して衝撃により青果物が揺動するのを
防止するように構成している。

尚、このセンサーユニット541は、図例では３台用い
ているが、この数は限定するものではない。

542は青果物100に対して一定の衝撃を与える衝撃ユニ
ットであり、前記ユニットベース543の一部に設けられ
ている。この衝撃ユニット542は、第９図に示す如くユ
ニットベース543の一部に取り付けられたアームベース5
421に、図では横方向へ延びる本体アーム5422の基部542
2aが支点ピン5423を介して軸支され、該本体アーム5422
の先端部5422bは該支点ピン5423を中心とする円軌道上
で所定の範囲回動するように構成されている。この回動
する本体アーム5422の先端部5422bには青果物100の上面
に接触するための柔らかな弾性部材で構成したローラ54
24が回動自在に軸支されている。5425は衝撃ヘッドであ
り、前記本体アーム5422の略中間部に軸支されたリング
5426を介してシリンダー5427のピストンロッドに連結さ
れ、該シリンダー5427のピストンロッドの伸長動作によ
り該衝撃ヘッド5425が図中の矢印（→）方向に振り出す
如く作用する。この衝撃ユニット542は、後述する昇降
装置544が非作動時（上昇位置）の場合には、前記アー
ムベース5421のストッパー部5421aに本体アーム5422の
一部が係止されて図中想像線で示す位置まで降下してい
る。

前記昇降装置544は、第１図によく示されている如
く、昇降シリンダー5441がそのピストンロッドを下向き
にしてフレーム5442に取り付けられている。そしてこの
昇降シリンダー5441のピストンロッドの先端には前記ユ
ニットベース543が連結されている。5443はユニットベ
ース543上で鉛直線の方向に設けられたガイドバーであ
り、フレーム5442に設けられたガイドブッシュ5444によ
り摺動可能に保持されている。5445は前記昇降シリンダ
ー5441に備えられたエンコーダ装置であり、昇降シリン
ダー5441の作動によって前記ユニットベース543が原点
位置（上昇端）から下方に移動したときの原点位置から
の移動量（信号）を検出するようにしている。また、こ
の昇降装置544は、昇降シリンダー5441の潜りにサーボ
モータ，パルスモータ等移動量を検出するアクチュエー
タ（いずれも図示せず）を用いて構成することもでき
る。

前記波形解析演算処理装置55は、CPUを内蔵した解
析，演算回路（図示せず）を有するもので、波形解析部
551と選別規格値設定部552とから構成され、この選別規
格値設定部522には内部品質に関連する各測定項目ごと
に複数段階の各規格値を設定入力するように構成されて
いる。

56は振動波検出センサー5411からの信号を増幅するア
ンプ、57はフィルターである。上記振動波検出センサー
5411で検出された振動波の信号は上記アンプ56,フィル
ター57を介して前記波形解析演算処理装置55へ入力され
るように回路が構成されている。

次に、前記内部品質検査装置５により検査された青果
物の内部品質検査に基づく青果物100の選別区分等級及
び階級を入力する選別区分入力装置６を第10図を参照し
て説明する。

図において、61は横（左右）方向に延びるリンクであ
り、前記受皿１の各表示スイッチにそれぞれ対応して設
けられ、その略中間部が支軸62を介してブラケット63に
それぞれ取り付けられている。そしてこのブラケット63
は前記搬送コンベア２のフレームに取り付けられてい
る。64はシリンダーであり、そのピストンロッド部が前
記リンク61の一側61aと連結され、該シリンダー64のピ
ストンロッドの伸長動作によって該リンク61の作動部61
b（左端部）が図中の想像線の位置まで回動する。これ
により受皿１上の表示スイッチを操作することができ
る。この選別区分入力装置６は、図示した例に限らず他
の方式をもって入力することもできる。例えば、図中の
リンクを介すことなくシリンダーのピストンロッドを直
接表示スイッチに接触させて入力する如く構成してもよ
い。

以上のように構成された青果物の品質検査装置の動作
について第11図に示す振動波検出工程を示すブロック図
を合わせて用いて説明する。

搬送コンベア２の上流側から搬送される空の受皿１が
青果物供給エリアとしてのステーション201に到達する
と、この受皿１はリフト装置３の上端部31により搬送コ
ンベア２の搬送面から若干持ち上げられて静止待機す
る。この待機する受皿１上には供給人より青果物100が
所定の姿勢で供給される。そして、制御装置53からの降
下指令によりリフト装置３の上端部31が搬送コンベア２
の搬送面の下方に降下することによって搬送コンベア２
上に降ろされた青果物100入り受皿１は、外観検査エリ
アとしてのステーション202まで搬送されて前記ステー
ション201と同様に上昇待機する。このステーション202
では等級判定人が受皿１上の青果物100の外観状態を目
視検査して当該青果物100の外観上の等級を判定し、判
定結果を受皿１上の等級表示部12のいずれか該当する等
級の表示スイッチ120〜125を操作して等級を表示する。
等級が表示された青果物100入り受皿１は前記同様に搬
送コンベア２上へ降ろされて大きさ計測エリアとしての
ステーション203へ搬送される。このステーション203へ
搬送された青果物100入り受皿１は、リフト装置３の上
端部31が搬送コンベア２の搬送路の上方に突出すること
により該搬送面から若干持ち上げられて静止待機する。
尚、この静止直前に青果物100入り受皿１は、その慣性
により、停止すべき所定の位置から若干前進してズレて
静止待機することがある。こうして静止待機する青果物
100入り受皿１には、位置決め装置４の左右一対のセン
タリングアーム41,41が夫々受皿１の前側、後側から内
向きにし回動して所定の位置で受皿１を挟持する。従っ
て、青果物100入り受皿１がその慣性により所定の位置
から若干ズレて静止待機していたとしても、このズレは
位置決め装置４の左右一対のセンタリングアーム41,41
によって是正され、受皿１は所定の位置で挟持されて位
置決めされる。こうして所定の位置へ位置決めされた受
皿１上の青果物100は、計測装置51によりその大きさが
計測されてその計測データが演算装置52へ出力される。
即ち、このステーション203では演算装置52が計測装置5
1のレーザー光電スイッチ514のレーザービームを青果物
100が遮っている間のパルス数をカウントしてこれを基
に青果物100の大きさ（高さ）を算出して大きさ信号521
を制御装置53および波形解析演算処理装置55へ出力する
と共に、当該青果物100の振動波の検査部位100Aを算出
して検査部位信号522を制御装置53へ出力する。この振
動波の検査部位100Aは、青果物の赤道部とした場合、西
瓜のように略球状のものは、前記算出した青果物大きさ
の1/2の位置を求めることから算出することができる。
一方、前記出力された大きさ信号521により選別区分入
力装置６が作動すると、受皿１の階級表示部13に対して
該当する階級の表示が行なわれる。

次いで、このステーション203での作業が終了して位
置決め装置４のセンタリングアーム41,41による挟持が
解除され、リフト装置３の上端部31が搬送コンベア２の
搬送面の下方に降下して該搬送面上に降ろされた後、内
部品質検査エリアとしてのステーション204へ搬送され
た青果物100入り受皿１は、先のステーション203と同様
に、リフト装置３の上端部31により搬送コンベア２の搬
送面から若干持ち上げられて静止待機し位置決め装置４
の左右一対のセンタリングアーム41,41により所定の位
置で挟持され位置決めされて待機する。該待機すると、
前記制御装置53から出力される検査部位信号522に基づ
いて振動波検出装置54の昇降装置544が作動して各セン
サーユニット541を該青果物100の検査部位100Aへ対応さ
せる。該ユニット541が検査部位100Aに対応すると、衝
撃ユニット542が作動して青果物100の衝撃部位100Bへ一
定の衝撃を与え、同時に該衝撃によって青果物100が振
動する振動波をセンサーユニット541で検出し、その振
動波の信号をアンプ56とフィルター57を介して波形解析
演算処理装置55へ出力する。

この波形解析演算処理装置55は、前記センサーユニッ
ト541から出力された振動波の信号と演算装置52から出
力された大きさ信号521とに基づいて波形解析部551でそ
の振動波の解析を行い、内部品質に係る各測定項目ごと
に選別規格値設定部552で演算処理する。

前記波形解析部551には、前記センサーユニット541か
ら出力された振動波の信号から、パワースペクトルによ
る周波数解析を行う回路と自己相関関数による波形解析
を行う回路とが備えられている。また、前記選別規格値
設定部522には第12図〜第16図に示す如く各測定項目ご
とに複数段階の各規格値を予め設定入力するように構成
されている。

即ち、P₁,P₂…P₅は内部品質に関する各測定項目であ
る。イ，ロ，ハ……タは各測定項目ごとに等級を区分す
るための規格値（区分値）である。a,b,c…ｗは上記各
規格値の範囲内に該当した設定値をどの等級に指定する
かの等級区分値である。この選別規格値設定部522は、
各測定項目ごとに上記規格値と等級区分値とを予め任意
に設定されるようになっている。

測定項目P₁については、周波数解析のパワースペクト
ルから得られる第１ピーク周波数と、前記大きさ信号52
1から得られる大きさに応じた係数とを乗じた値をP₁の
測定値としており、主として熟度等の判定に用いられ
る。

測定項目P₂については、パワースペクトルの第１ピー
ク周波数と第２ピーク周波数のパワーレベルの差の値を
P₂の測定値としており、測定項目P₃については、第１ピ
ーク周波数と第３ピーク周波数のパワーレベルの差の値
をP₃の測定値としており、これらの測定値は主として内
部品質の均一さの判定に用いられる。

測定項目P₄については、自己相関関数波形の周期ごと
のピーク点を結ぶ波形エリアの大きさの値をP₄の測定値
としており、主として空洞など内部欠陥の判定に用いら
れる。

測定項目P₅については、自己相関関数波形の時間軸基
準線と波形で囲まれる部分エリアを積算した値をP₅の測
定値としており、主として内部欠陥の判定に用いられ
る。

以上の如く各測定項目ごとにそれぞれ格付けされた区
分値より第17図に示す如く等級を総合判定してその等級
の出力信号58を選別規格値設定部552から出力する。即
ち、※印はそれぞれの測定項目（P₁〜P₅）ごとに格付け
されたそれぞれの区分値を示しており、この各項目ごと
に格付けされた区分値を比較してその中の最大値（最下
位）を総合判定の結果として等級を格付けする。図面で
は、（並級）を総合判定した結果としている。また、
その測定項目が予め指定した内部欠陥を検査する項目で
あったときには、内部欠陥有り信号581と等級信号582と
を合わせた出力信号58（581,582）を出力するようにし
ている。

ステーション204で内部品質検査が終了した青果物100
入り受皿１は、前記ステーション203におけると同様
に、搬送コンベアとの搬送面上に降ろされた後、次の選
別区分入力エリアとしてのステーション205へ搬送され
て、前記ステーション203,204におけると同様に、静止
待機すると共に、位置決め装置４の左右一対のセンタリ
ングアーム41,41により所定の位置で挟持された位置決
めされて待機する。そして、位置決めされた青果物100
入り受皿１に対して、前記出力された出力信号58に基づ
く等級が選別区分入力装置６により受皿１上の等級表示
部12に表示される。

従って、受皿１上の等級表示部12には、ステーション
202において先に人手によって外観状態から判定した外
観の等級と、上記内部品質検査による等級とが表示され
ることとなる。

次に、青果物100の選別区分が表示された受皿１は、
搬送コンベア２の搬送面上に降ろされて合流待ちのステ
ーション206へ搬送されて次工程の装置への合流するタ
イミングをはかる如く一時待機される。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば、青果物が載せら
れた受皿を搬送する搬送コンベアと、 該搬送コンベアにより搬送されてくる青果物入り受皿
を、その上端部が前記搬送コンベアの搬送面の上方に突
出して該搬送面から持ち上げる一方、青果物の内部品質
検査が終了した際に該上端部が該搬送面の下方に降下し
てこの青果物入り受皿を該搬送面上に降ろすリフト装置
と、 該リフト装置によって持ち上げられた青果物入り受皿
を、左右一対のセンタリングアームが夫々該受皿の前側
後側から回動して所定の位置で挟持する位置決め装置
と、 該所定の位置で挟持された受皿上の青果物に対し衝撃
を与えてこの青果物が振動する振動波を検出し、この振
動波の検出結果に基づき当該青果物の内部品質を検査す
る内部品質検査装置とを備えたことを特徴とする青果物
の品質検査装置の構成であるから、搬送コンベアにより
搬送されてくる青果物入り受皿は、リフト装置の上端部
が搬送コンベアの搬送面の上方に突出することにより搬
送面から持ち上げられて静止するので、搬送コンベアの
搬送振動が青果物に伝わらない上に、青果物入り受皿が
この静止直前にその慣性により、たとえ停止させるべき
所定の位置から若干前進してズレることがあっても、位
置決め装置の左右一対のセンタリングアームが夫々該受
皿の前側後側から回動することにより、該若干のズレが
是正されて所定の位置で挟持されるので、常に所定の位
置で、内部品質検査装置により、青果物に対して衝撃を
与えることができると共にその振動波を検出することが
できて、青果物の内部品質検査結果の信頼性を高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】 図面はいずれも本発明の一実施例を示すものである。 第１図は本発明装置の全体的構成を示す正面図、第２図
は同平面図、第３図および第４図は受皿を示す説明図、
第５図は搬送コンベアの他の実施例を示す説明図、第６
図は位置決め装置を示す説明図、第７図は第１図のＡ−
Ａ線に沿った断面図で測定装置の説明図、第８図は測定
装置の他の実施例を示す説明図、第９図は振動波検出装
置の部分詳細図、第10図は選別区分入力装置を示す説明
図、第11図は振動波検出工程を示すブロック図、第12図
〜第16図は選別規格値設定部の説明図、第17図は総合判
定方法を示す説明図である。 １……受皿、100……青果物 100A……検査部位、100B……衝撃部位 12……等級表示部、120〜125……表示スイッチ 13……階級表示部、130〜139……表示スイッチ ２……搬送コンベア、21……ローラ 22……小幅ベルト、201〜206……ステーション ３……リフト装置、31……上端部 32……シリンダー、４……位置決め装置 41……セタリングアーム、42……ピニオン 43……ラック、44……シリンダー ５……内部品質検査装置、51……計測装置 511……シリンダー、512……ピストンロッド 513……エンコーダー、514……レーザー光電スイッチ 515……昇降アーム、52……演算装置 521……大きさ信号、522……検査部位信号 53……制御装置、54……振動波検出装置 541……センサーユニット、5411……振動波検出センサ
ー 5412……アクチュエータ、5413……センサーパッド 542……衝撃ユニット、5421……アームベース 5421a……ストッパー部、5422……本体アーム 5423……支点ピン、5424……ローラ 5425……衝撃ヘッド、5426……リンク 5427……シリンダー、543……ユニットベース 544……昇降装置、5441……シリンダー 5442……フレーム、5443……ガイドバー 5444……ガイドブッシュ、5445……エンコーダ装置 55……波形解析演算処理装置、551……波形解析部 552……選別規格値設定部、56……アンプ 57……フィルター、58……出力信号 581……内部欠陥有り信号、582……等級信号 ６……選別区分入力装置、61……リンク 62……支軸、63……ブラケット 64……シリンダー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 吉秀 静岡県浜松市篠ケ瀬町630 株式会社マ キ製作所内 (56)参考文献 特開 昭58−750（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−91287（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】青果物が載せられた受皿を搬送する搬送コ
   ンベアと、 該搬送コンベアにより搬送されてくる青果物入り受皿
   を、その上端部が前記搬送コンベアの搬送面の上方に突
   出して該搬送面から持ち上げる一方、青果物の内部品質
   検査が終了した際に該上端部が該搬送面の下方に降下し
   てこの青果物入り受皿を該搬送面上に降ろすリフト装置
   と、 該リフト装置によって持ち上げられた青果物入り受皿
   を、左右一対のセンタリングアームが夫々該受皿の前側
   後側から回動して所定の位置で挟持する位置決め装置
   と、 該所定の位置で挟持された受皿上の青果物に対して衝撃
   を与えてこの青果物が振動する振動波を検出し、この振
   動波の検出結果に基づき当該青果物の内部品質を検査す
   る内部品質検査装置とを備えたことを特徴とする青果物
   の品質検査装置。