JP2690439B2 - 沈降珪酸およびその製造方法 - Google Patents

沈降珪酸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、沈降珪酸およびその製
造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】合成的に製造された沈降珪酸は、長年歯
磨き剤の成分として重要な役割を演じている。沈降珪酸
は極めて純粋であり、毒物学的に危険がなく、歯磨きペ
ーストの他の含有物質、例えばグリセリン、ソルビトー
ル、増粘剤、清浄剤、着色剤および香料、場合によって
は可溶性弗素化合物に適合する。 【0003】合成沈降珪酸は、アルカリ珪酸塩溶液から
撹拌下に酸で沈殿を形成し、懸濁液を濾取し、洗浄し、
乾燥しかつ粉砕することによって製造される。沈降法
は、凝集相に関与することによって粒度、粒子形状およ
び粒子密度ならびに−硬さのような重要な特性を予め特
定することができる。 【0004】ところで、常法の沈降法で得られた、種々
の特性を有する沈降珪酸を懸濁相で混合して歯磨き剤中
で使用するための、極めて有効な沈降珪酸が得られるこ
とが判明した。 【0005】 【発明の構成】本発明の沈降珪酸は、次の物理的−化学
的特性値: 乾燥減量(DIN53198) 3〜7% 25℃での導電率(4%懸濁液) 250〜400μS pH値(5%、DIN53200) 6〜7 BET表面積(DIN66131) 220〜250m/g 圧縮密度(DIN53194) 80〜120g/l 巨大孔容積D>30nm 2.8〜4.0ml/g (Hg圧入法による) ガードナー吸油量 200〜220ml/100 保水力 77〜81% Cu摩耗量 8〜12mg RDA摩耗量 60〜80 REA摩耗量 60〜90 掻き傷 僅少 粘度 14000〜18000mPas (16%グリセリン/水1:1分散液中、 ヘリパスを有するスピンドルD) Fe分 70〜90ppm を有することを特徴としている。 【0006】本発明の前記沈降珪酸は、一方で、SiO
約5〜25g/l溶液を有する仕込みアルカリ珪酸塩
溶液から、反応媒体の沈降温度を80〜90℃に保ちつ
つ特定の溶液濃度および特定の供給速度を有する酸およ
びアルカリ金属珪酸塩溶液で珪酸を沈降させ、この際反
応成分を、(1)反応媒体の粘度を全沈降時間の少なく
とも30%の時間の間一様に低くする(初期粘度)よう
に供給し、(2)粘度が全沈降時間のほぼ50%の時点
でその最大に達するように供給し、(3)次に粘度が徐
々に低下して全沈降時間の100%の時点で初期粘度の
2倍値を下まわる値に下がる前に反応成分の供給を止め
るように操作して製造する原沈降珪酸懸濁液を硫酸で7
〜9のpH値に調整し、熱水で稀釈して沈降珪酸分10
〜30g/lおよび硫酸ナトリウムNaSO6〜2
0g/lとなし、80〜90℃に加熱し、前記pH値及
び液温を保ちつつ15〜180分の沈降時間に亘ってア
ルカリ金属珪酸塩、硫酸および場合により熱水を同時に
供給することによって40〜80g/lの沈降珪酸最終
濃度を調整し、該懸濁液を硫酸で酸性化して7未満のp
H値とすることによって研磨性沈降珪酸懸濁液を製造
し; 他方で、強酸性pH範囲で、好ましくは1.5〜2.5
のpH値で、水に溶解した、鉄と共に可溶な錯化合物を
形成する物質の仕込物に、水ガラスおよび酸溶液を同時
に供給して沈降を行うことによって別種の沈降珪酸懸濁
液を製造し; 前記両種の沈降珪酸懸濁液を相互に混合し、沈降珪酸を
濾取し、洗浄し、噴霧乾燥し、次いでエアジエットミル
で粉砕することによって製造することができる。 【0007】図3は、珪酸の全沈降時間(96分)にお
ける反応媒体の粘度変化の一般的時間的経過を示す。 【0008】粘度はアルカリ珪酸塩および硫酸の添加
(A点、時間0)からB点(約39分)に至るまでは実
質的に変化しない(A−Bの区間は全沈降時間の約40
%である)。B点から粘度は急傾斜で増大し、約11.
5目盛の最大値に達する(C点、約50分)。その後粘
度は約10分間この最大値に保たれている。 【0009】粘度は反応成分の添加開始後約60分(D
点)から急速に減少し始め、同添加開始後約65分〜約
80分で徐々に減少し、96分でE点に達する(全沈降
時間)。この点の粘度は約3.8目盛に等しく、初期粘
度の2倍値を下まわっている。 【0010】好ましくは、研磨性沈降珪酸懸濁液を大体
において西独国特許出願公開第3114493号、例1
0により製造する。他の沈降珪酸懸濁液は、好ましくは
西独国特許第1293138号により製造し、この際錯
生成料として、そこに記載された化合物、特に弗化ナト
リウムおよびオキサル酸を使用する。 【0011】本発明による沈降珪酸懸濁液の混合物を濾
過し、乾燥し、粉砕して得られた沈降珪酸は、歯磨き剤
において原沈降珪酸の同じ割合の乾燥混合物よりも有利
な特性を有する。 【0012】本発明による沈降珪酸は共力作用を示し、
所定の粘度効果または濃化効果の場合意外に高い研磨性
を生じるようになる。つまり粘度−研磨関係は意外にも
線形を呈しない(図1参照)。 【0013】本発明による沈降珪酸は有利には極めて容
易に製造することができる。それというのも固体分が既
知の場合には、適当な容量または重量測定により量を連
続的または回分的に正確に調整することができるからで
ある。さらに湿式法は有利にダスト問題も惹起しない。
また凝離現象も最小になっている。 【0014】湿潤混合物中で成分は乾燥混合物と異な
り、該成分の本性の一部を失うように思える。混合時、
特におそらく乾燥時には、小粒子と大粒子との相互作用
が起こり、小粒子が大粒子に付着するかまたは成長す
る。 【0015】水相中での相互凝集および浸透の種々の形
態も考慮することができる。 【0016】乾燥混合物と湿潤混合物との明瞭な相違は
先づ粉砕試料の粒度分布から明らかになる。種々の粘度
および密度を有する2種類の沈降珪酸の乾燥混合物は、
クールター計数器で測定すると予想通り2つの極大を示
し、相当の曲線は1つの隆起部分を有するが、同じ割合
で湿式混合した同一沈降珪酸の曲線は、完全になだらか
である(図2参照)。 【0017】もう一つの著しい相違点は、濃化作用であ
る。本発明による沈降珪酸はグリセリンと水とから成る
モデル混合物の粘度を明らかに乾燥混合物よりも増大さ
せない。 【0018】適度の濃化力を有する沈降珪酸は、高い充
填度、ひいては“十分な”特性を有するペーストの製造
を許す。 【0019】これに対して充填度の低いペーストは口中
で“空虚さ”または“水ぽっさ”を与える。 【0020】沈降珪酸の濃化作用は、歯磨ペースト材料
中に混入する際に十分発揮されなければならない。つま
りその後歯磨ペーストの流動学的特性の変化が起っては
ならない、それというのもこの変化によってチューブお
よび容器への注入およびそれからの排出が困難になるか
または全く不可能になるからである。 【0021】歯磨き剤は、原則的に、歯ブラシの剛毛と
歯表面との間に、歯の付着物を化学的に除去する被膜を
形成することによって、歯ブラシの清浄作用を補助する
かまたは増大させるべきである。 【0022】この能力は研磨性を有する薬剤によっての
みもたらされうる。 【0023】REA−摩耗能が同じならば、もちろんほ
とんど掻き傷を作らない沈降珪酸が好ましい。 【0024】本発明による沈降珪酸は、有利には中くら
いの高さの安定な粘度形成の要求を、高い研磨および清
浄作用と結合して深い掻き傷を回避する。 【0025】研磨性の測定は、抜取って放射性化した人
間の歯の露出した象牙質(RDA値)またはエナメル質
(REA値)について行う。ブラシによる試験歯の定義
した処理後に被検歯磨き剤の懸濁液(スラリー)の放射
能を測定する(後述)。 【0026】あるいは、被検懸濁液で銅板をブラッシン
グする際の同板の重量減少を測定してもよい。しかしこ
のようにして得られた値はRDAおよびREA値としば
しば比較することはできない。 【0027】特殊実験室で洗練された、例えば顕微鏡的
方法を用いて歯磨き剤の清浄および研磨作用が解明され
る、この場合多数のまたは深い掻き傷を惹起する試料を
除外する。このような試験を抜取った動物または人間の
歯について行う。 【0028】ある手段によってつくられた掻き傷の大き
さおよび数の印象が、限定的に処理された金属板(例え
ば銅摩耗量の測定の際得られる)の顕微鏡的または立体
顕微鏡的観察の際すでに得られる。 【0029】沈降珪酸には、濃化性および保護的清浄お
よび研磨作用の他に、現代の健康上の理由から重金属含
分に対する高い純粋性が期待されている。さらに高い鉄
分は、部分的に色透明に調整された歯磨ペーストの変色
をもたらす。すなわちインジゴチンで青色に着色したペ
ーストは、鉄を含む珪酸によって帯緑色の不快な色を呈
することもある。 【0030】ところが本発明により、或る種の珪酸を選
択すると湿式混合法により著しく鉄分の低い極めて純粋
な生成物が得られることが判明した。 【0031】 【実施例】沈降珪酸懸濁液の固体分(沈降珪酸分)を次
のように測定する: 20℃に冷却した沈殿珪酸懸濁液250mlを、磁性吸
引濾過器(φ120mm)で濾過し、次に濾餅を水50
0mlで洗浄して電解質を少なくする。同濾餅を105
℃で一定重量になるまで乾燥する。 【0032】例 1(比較例) 研磨性沈降珪酸を、西独国特許出願公開第311449
3号明細書、例10により製造する。但しこの明細書と
異る点は、仕込沈降物に対して全水量が与えられてお
り、従って沈降の間水の供給が省略され、60分の沈降
時間が100分に延長されることである。 【0033】120 lのゴム被覆沈降容器で、熱水7
3 lおよび珪酸ナトリウム(密度=1.353g/m
l;モジュール:SiO:NaO=3.46)5.
25lを撹拌下に85℃に加熱する。このアルカリ性仕
込沈降物中に、次の90分の間、撹拌しかつ85℃の温
度を保ちつつ、珪酸ナトリウム(密度=1.353g/
ml、モジュール:SiO:NaO=3.46)1
6.5 lを11.0 l/hで、濃硫酸(96%)
1.448 lを0.965 l/hで供給する。反応
媒体の粘度がその最大を経てから初期粘度の2倍値を下
まわる値に下がる前に反応成分の供給を止める。 【0034】このようにして得られた沈降珪酸懸濁液を
次に、濃硫酸(96%)で8.5のpH値に調整する。
この調整は酸の供給を1.25 l/hで数分間続ける
ことによって行う。このようにして得られた沈降珪酸懸
濁液は85g/lの固体分を有している。同懸濁液のN
SO分は55g/lである。 【0035】90分の全沈降時間の間、容器内容物を数
回回転させる循環ホンプで強力に剪断する。装置の調整
および剪断条件に関する詳細なデータに関しては、西独
国特許第1767332号明細書中の、特に第8欄、第
31〜68行に次のような記載がある: “公知の標準的沈降装置に対する補助として、沈降容器
中に取付けられているか又は循環導管を介して連続的に
ジスパーゲイター(Dispergator)およびポ
ンプとして動作する分散装置を備えている沈降装置を使
用する。分散ポンプの送出能力はバッチ(約100
l)の全沈降容積に適合されている。8000rpmで
3kWの出力を有する駆動モーターを備えた分散ポンプ
を使用する。同ポンプの送出能力は水に対して2000
kg/hである。従って処理周期は20 (h−1)で
ある。” 【0036】このように製造した原沈降珪酸懸濁液を、
水で沈降珪酸分13g/lおよびNaSO8.5g
/lに調整する。この懸濁液16.06 lを120
lのゴム被覆沈降容器で撹拌下に85℃に加熱する。こ
の温度および8.5のpH値を保ちつつ、100分間、
水ガラス溶液(密度ρ=1.353g/mlモジュー
ル:SiO:NaO=3.46)23.1 lを2
31.0ml/minの速度で、硫酸(96%)1.9
4 lを19.4ml/minの速度で沈降珪酸懸濁液
に供給する。次に沈降珪酸懸濁液を硫酸(96%)で約
3.5のpH値に調整する。得られた沈降珪酸懸濁液は
92.0g/lの固体分を有している。 【0037】濾取および洗浄によって得られた沈降珪酸
は、表1に記載した物理的−化学的特性値を有してい
る。 【0038】例 2(比較例) 西独国特許第1293138号明細書例1により鉄の少
ない沈降珪酸を製造する。 【0039】木製羽根撹拌機(直径20cm、高さ6c
m、90rpm)を有する30 l容円筒状木製容器
に、水18.5 lを仕込む。)水を耐酸性鋼から成る
蒸気蛇管で直接85℃に加熱する。仕込物中で弗化ナト
リウム25gおよびオキサル酸6.25gを溶かす。 【0040】さて、撹拌しかつ2.0のpH値を保ちな
がら、市販のソーダ水ガラス(NaO:SiOのモ
ル比=1:3.36、密度ρ=1.34)5.45 l
および硫酸(96%)0.55 lを相互に対向する位
置から90分間で導入する。 【0041】生じる懸濁液をさらに約30分間撹拌す
る。次に吸引濾過器で公知のようにして濾過し、懸濁液
容量に対して2倍量の水で洗浄し、噴霧乾燥し、エアジ
エットで粉砕する。 【0042】例 3 沈降珪酸分92.0g/lを有する例1による研磨性珪
酸懸濁液18.5mを、沈降珪酸分83.8g/lを
有する例2(西独国特許第1293138号明細書例
1)により得られる鉄の少ない沈降珪酸懸濁液40.0
と混合する(1:2の重量比に相当する)。 【0043】さらに加工するために、この混合懸濁液の
沈降珪酸をフイルタープレスで分離する。フイルタープ
レスペースト中の沈降珪酸分は23%である。洗浄し、
噴霧乾燥したペーストをエアジエットミルで粉砕する。
得られた沈降珪酸は、表1に記載した物理的−化学的特
性値を有している。 【0044】 【表1】【0045】例 4 濃化および清浄性を有する鉄の少ない沈降珪酸を製造す
るために、例2(西独国特許第1293138号(=D
47633)明細書例1)により製造した鉄の少ない珪
酸の懸濁液を、本明細書の例1により製造した研磨性珪
酸の懸濁液と特定の割合で混合する。表2は、それぞれ
の重量割合で該混合物の鉄分が比較可能な乾燥混合物よ
りも低いことを示す。 【0046】 【表2】【0047】本明細書に記載してある物理的−化学的特
性値は次のように測定する:乾燥減量 、DIN53198による導電率 (25℃、4%懸濁液) 4.0gの試料を150mlのビーカーで完全脱塩水5
0mlと一緒に加熱し、撹拌下に1分間煮沸する。次に
該懸濁液を100mlのフラスコ中に移し、冷却し、印
まで完全脱塩水を入れる。導電率を25℃で、市販測定
装置、例えば“ヴイセンシヤフトリッヒ−テヒニッシエ
ン・ヴエルクシュッテッテン(Wissenschaf
tlich−Technischen Werksta
etten=WTW)”製導電率計LF530型を用い
て測定する。 【0048】pH値、5%水性分散液中、DIN532
00による。 【0049】BET表面積、DIN66131による。 【0050】試料を100℃で窒素で洗浄する。容積の
測定を、液状窒素の温度(−195.8℃)で純窒素を
用いて行う。 【0051】圧縮密度、DIN53194による。 【0052】試料の前処理なしに検査を行う。 【0053】巨大孔容積 D>30nm、Hg圧入法に
よる。 【0054】カルロ・エルバ・ストラメンタジオーネ
(Carlo Erba Stramentazion
e)社製水銀圧ポロシメーター、200シリーズを用い
て測定を行う。 【0055】ガードナー−コールマン(Gardner
−Coleman)吸油量 ASTM:D1483−60による。 【0056】保水力 保水力とは、沈降珪酸懸濁液を絞り、電解質の少なくな
るまで洗浄した際、プレスペースト中に含有されている
水分のことである。測定のために、プレスペースト25
0gを105℃で一定重量になるまで乾燥する。 【0057】計算: 粒度分布 クールター計数器(Coulter Counter)
/100μm毛管による。測定はクールター・エレクト
ロニース(Coulter Electronies)
GmbH社製クールター計数器TA II型を用いて行
う。 【0058】10%グリセリン分散液中でのCu摩耗量
の測定 a)グリセリン分散液の製造 グリセリン(無水、極めて純粋Ph Eur、BP U
SP)密度=1.26g/ml、ダルムシユタット在メ
ルク(Merck)社製)153gをポリエチレンビー
カー(250ml)を入れる。へらを用いて沈降珪酸1
7gを注意深く混入する。次に混合物を羽根撹拌機(直
径5.2cm)を用いて1500rpmで12分間均質
化する。 【0059】b)摩耗量測定 摩耗量の測定は、次の出版物から公知の摩耗試験装置で
行う:(1)プフレングル(Pfrengle):フエ
ッテ,ザイフエン,アンシュトリッヒミッテル(Fet
te,Seifen,Anstrichmitte
l),63(5)(1961)、445〜451頁“ア
ブラジオーン・ウント・ライニングスクラフト・フオン
・プツツケルパー・イン・ツアーンパステン(Abra
sion und Reinigungskraft
von Putzkoerper in Zahnpa
sten)”;(2)A.レング(Reng)、F.ダ
ニイ(Dany):パルフューメリー・ウント・コスメ
チック(Parfuemerie und Kosme
tiK)59(2)(1978)、37〜45頁“アン
ヴエンドウングステヒニッシエ・プリューフング・フオ
ン・ツアーンパステン(Anwendungstech
nische Pruefung von Zahnp
asten)”。この測定のために、試験装置の6個の
トラフをそれぞれ均質分散液(グリセリン−珪酸分散
液)20mlで被覆する。6個の平面研磨ナイロンブラ
シが50,000回の往復行程で5時間で6個のCu板
(電解液−銅)に生ぜしめる摩耗量を示差秤量によって
測定する。摩耗性を計算する場合には、得られた測定値
から平均値をとる。摩耗量(摩耗性)はCu mgで記
載する。 【0060】RDA摩耗量、REA摩耗量 RDA(Radioactive Dentin Ab
rasivity=放射性象牙質摩耗性)試験は次のよ
うに行う:予め抜取った人間の歯の歯根象牙質を中性子
照射によって放射性にする。同歯根(8個)をV−8ク
ロスーブラッシングマシン(V−8 Cross−Br
ushing Machine)に固定する。ブラッシ
ングは、試料(歯磨き剤)スラリーの入ったプラスチッ
ク(又はガラス)管内でナイロンブラシが固定された歯
根上を前後に往復運動する(1000回)ことによって
行われる。これによって試料スラリーは放射性になる。
次にスラリーを管から取出し、乾燥する(60〜70
℃)。試料中の放射能をガイガー−ミュラー計数管で測
定する。これによって得られた原データ(カウント数)
から所定の試料のRDAは次の方程式から計算される: またREA(Radioactive Enamel
Abrasivity)試験法も同様に行われる。但し
エナメル質(enamel)は象牙質よりも硬いのでブ
ラシの往復運動は4500回行われる点が異なる[詳細
はJournal of Dental Resear
ch、55(4)、563(1976)を参照された
い]。 【0061】掻き傷は顕微鏡で視覚的に測定する。 【0062】粘度の測定 16%グリセリン/水分散液(混合物1:1)で、ブル
ックフイールド粘度計RTV(ヘリパスを有するスピン
ドル10)を用い、10rpmで測定する 1)試料混合物 珪酸 48g グリセリン 126g (約87%、極めて純粋 ph Eur.BP.密度=1.23g/ml、 ダルムシュタット在メルク(Merk)社製) 蒸留水 126g 珪酸に関して16%の分散液 300g 2)測定準備 研磨性珪酸を、400ml容ビーカー(フラット型)の
グリセリン/水混合物中にガラス棒で撹拌しながら手で
導入し(1分)、24時間放置する。その後粘度を測定
する。 【0063】3)測定 粘度測定は、同ビーカーでブルックフイールド粘度計
(ヘリパスを有するスピンドル10)を用いて10rp
mで行なう。 【0064】4)計算 読取った目盛値×係数=粘度(mPas)。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による沈降珪酸の粘度(横軸)と摩耗量
との関係を示すグラフである。 【図2】2種類の沈降珪酸の乾燥混合物および湿潤混合
物の粉砕試料の粒度分布を示すグラフである。 【図3】珪酸の全沈降時間における反応媒体の粘度変化
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター ナウロート ドイツ連邦共和国 ヴエツセリング ゲ ルマヌスシユトラーセ 8

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.次の物理的−化学的特性値: 乾燥減量(DIN53198) 3〜7% 25℃での導電率(4%懸濁液) 250〜400μS pH値(5%、DIN53200) 6〜7 BET表面積(DIN66131) 220〜250m/g 圧縮密度(DIN53194) 80〜120g/l 巨大孔容積D>30nm 2.8〜4.0ml/g (Hg圧入法による) ガードナー吸油量 200〜220ml/100g 保水力 77〜81% Cu摩耗量 8〜12mg RDA摩耗量 60〜80 REA摩耗量 60〜90 掻き傷 僅少 粘度 14000〜18000mPas (16%グリセリン/水1:1分散液中、 ヘリパスを有するスピンドルD) Fe分 70〜90ppm を有することを特徴とする沈降珪酸。 2.次の物理的−化学的特性値: 乾燥減量(DIN53198) 3〜7% 25℃での導電率(4%懸濁液) 250〜400μS pH値(5%、DIN53200) 6〜7 BET表面積(DIN66131) 220〜250m/g 圧縮密度(DIN53194) 80〜120g/l 巨大孔容積D>30nm 2.8〜4.0ml/g (Hg圧入法による) ガードナー吸油量 200〜220ml/100g 保水力 77〜81% Cu摩耗量 8〜12mg RDA摩耗量 60〜80 REA摩耗量 60〜90 掻き傷 僅少 粘度 14000〜18000mPas (16%グリセリン/水1:1分散液中、 ヘリパスを有するスピンドルD) Fe分 70〜90ppm を有する沈降珪酸を製造するに当り、一方でSiO
    5〜25g/l溶液を有する仕込みアルカリ珪酸塩溶液
    から、反応媒体の沈降温度を80〜90℃に保ちつつ特
    定の溶液濃度および特定の供給速度を有する酸およびア
    ルカリ金属珪酸塩溶液で珪酸を沈降させ、この際反応成
    分を、(1)反応媒体の粘度を全沈降時間の少なくとも
    30%の時間の間一様に低くする(初期粘度)ように供
    給し、(2)粘度が全沈降時間のほぼ50%の時点でそ
    の最大に達するように供給し、 (3)次に粘度が徐々
    に低下して全沈降時間の100%の時点で初期粘度の2
    倍値を下まわる値に下がる前に反応成分の供給を止める
    ように操作して製造する原沈降珪酸懸濁液を硫酸で7〜
    9のpH値に調整し、熱水で稀釈して沈降珪酸分10〜
    30g/lおよび硫酸ナトリウムNaSO6〜20
    g/lとなし、80〜90℃に加熱し、前記pH値及び
    液温を保ちつつ、15〜180分の沈降時間に亘ってア
    ルカリ金属珪酸塩、硫酸および場合により熱水を同時に
    供給して40〜80g/lの沈降珪酸最終濃度を調整
    し、該懸濁液を硫酸で酸性化して7未満のpH値にする
    ことによって研磨性沈降珪酸懸濁液を製造し; 他方で、強酸性pH値範囲で水に溶解した、鉄と共に可
    溶な錯化合物を形成する物質の仕込物に水ガラスおよび
    酸溶液を同時に供給して沈降を行うことによって別の種
    類の沈降珪酸懸濁液を製造し; 前記両種の沈降珪酸懸濁液を相互に混合し、沈降珪酸を
    濾取し、洗浄し、噴霧乾燥し、次にエアジエットミルで
    粉砕することを特徴とする前記沈降珪酸の製造方法。
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