JP2015504842A - 特有のモルフォロジ、粒度、および気孔率を有する沈澱シリカの製造方法 - Google Patents

特有のモルフォロジ、粒度、および気孔率を有する沈澱シリカの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、それらの表面上に小さい一次シリカ粒子を有する大きい一次シリカ粒子のクラスターによって形成された沈澱シリカの製造方法であって、前記方法の工程の少なくとも1つで使用される酸が、少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%の濃度を有する硫酸、少なくとも90重量%の濃度を有する酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を有する硝酸、少なくとも75重量%の濃度を有するリン酸、少なくとも30重量%の濃度を有する塩酸からなる群から好ましくは選択される、濃酸である方法に関する。

Description

本発明は、粉末の、実質的に球形のビーズのまたは顆粒の形態で特に提供される、特有のモルフォロジ、特有の粒度および特有の気孔率を有する沈澱シリカの新規の製造方法に関する。
触媒担体として、活性物質用の吸収剤(特に、ビタミン(特にビタミンE)、塩化コリンなどの、たとえば食品中に使用される、液体用の担体)として、粘性化剤、テクスチャライジング剤もしくは凝固防止剤として、電池セパレーター要素として、または練り歯磨きもしくは紙用の添加剤として沈澱シリカを用いることは公知である。
沈澱シリカを、シリコーンマトリックス(たとえば、電気ケーブルを被覆するための)中でまたは、たとえば靴底、床仕上げ材、ガスバリア、難燃性材料ならびにまた空中ケーブルローラー、家庭電化製品用のシール、液体もしくはガスパイプ用のシール、ブレーキシステム・シール、被覆材料、ケーブルおよび伝動ベルトなどの、エンジニアリング構成部品用の、天然もしくは合成ポリマーを、特にエラストマー、とりわけジエンエラストマーをベースとする組成物中で強化充填材として用いることもまた可能である。
シリケートと希酸との間の沈澱反応を実施することによって、非典型的特性の、ポリマー組成物用の強化充填材として使用することができる、沈澱シリカを製造すること、さらに、それらのレオロジー的、機械的および動的特性、とりわけヒステリシス特性に関して特に、特性の非常に満足できる折衷をそれらにさらに提供することは、したがって公知である。
本発明の目的は、沈澱シリカの公知の製造方法の代替案を提供することである。
より好ましくは、本発明の目的の一つは、酸として、希酸を用いる最先端の製造方法と比べてとりわけ、沈澱反応に関して特に、向上した生産性を持ちながら、それらのモルフォロジ、それらの粒度およびそれらの気孔率および/またはそれらの強化特性に関してとりわけ、最先端のこれらの製造方法によって得られる沈澱シリカのそれらに似ている物理化学的特性および性質を有する沈澱シリカを得ることを可能にする方法を提供することにある。
本発明の別の目的は好ましくは、酸として、希酸を用いる最先端の製造方法と比べると特に、沈澱シリカの製造中に消費されるエネルギーの量および/または用いられる水の量を低減することを可能にする方法を、同時に、提供することにある。
特にこれらを目的として、本発明の主題は、それによってシリカの懸濁液が得られる、シリケートと少なくとも1つの酸との反応、次にこの懸濁液の分離および乾燥を含む、沈澱シリカの新規製造方法であって、シリケートと酸との反応が以下の一連の工程:
(i)2.5〜5.3のpHを示す、水性沈澱シリカ懸濁液が製造される工程、
(ii)前記水性沈澱シリカ懸濁液が、反応媒体のpHが2.5〜5.3に維持されるように、酸およびシリケートと接触させられる(混合される)工程
によって実施され、
この方法において:
− 濃酸が工程(i)で使用され、
および/または
− 工程(ii)で添加される酸が濃酸であり、
前記濃酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸によって形成される群から好ましくは選択される方法である。
有利には、濃酸は、濃硫酸、すなわち、少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸である。
このように、濃酸として、少なくとも1400g/l、特に少なくとも1650g/lの濃度を有する硫酸が使用されてもよい。
好ましくは、工程(ii)で使用される水性沈澱シリカ懸濁液は、工程(i)で、以下の方法で:
(1)シリケートと電解質とを含む初期容器ヒールが形成され、前記初期容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)が100g/l未満、特に80g/l未満であり、好ましくは、前記初期容器ヒールでの電解質の濃度が19g/l未満、特に18g/l未満、とりわけ17g/l未満、たとえば15g/l未満であり(一方、一般に6g/l超であり)、
(2)酸が、少なくとも約7、好ましくは7.5〜8.5の反応媒体のpHの値が得られるまで前記容器ヒールに添加され、
(3)酸およびシリケートが反応媒体に同時に添加され、
(4)シリケートの添加が、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2の反応媒体のpHの値が得られるまで、反応媒体への酸の添加を続行している間に停止されて製造される。
水性沈澱シリカ懸濁液のこの好ましい製造方法では、初期容器ヒールは電解質を含む。用語「電解質」は、通常認められているように本明細書では理解される、すなわち、それは、それが溶液にあるときに、分解してまたは解離してイオンまたは荷電粒子を形成する任意のイオン性または分子性物質を意味する。電解質として、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、特に出発シリケートの金属および酸の塩、たとえばケイ酸ナトリウムと塩酸との反応の場合には塩化ナトリウムまたは、好ましくは、ケイ酸ナトリウムと硫酸との反応の場合には硫酸ナトリウムの群からの塩が言及されてもよい。
工程(1)で、初期容器ヒールでの電解質の濃度は、0g/l超、たとえば8g/l超である。
工程(3)の同時添加は一般に、反応媒体のpHの値が常に工程(2)の終わりに達したものに等しい(±0.2以内まで)ような方法で実施される。
工程(4)の終わりに、得られた反応媒体(水性懸濁液)の熟成は、この工程(4)の終わりに得られたpHで、一般に攪拌しながら、たとえば2〜45分間、特に3〜30分間実施することができる。
工程(1)〜(4)は、一般に反応の全体として、一般に攪拌しながら実施される。
工程(1)、(2)、(3)および(4)(ならびに好ましくは工程(ii)および下に記載される任意選択の工程(iii))のすべては通常、75〜97℃、好ましくは80〜96℃で実施される。
本発明の方法の一履行によれば、工程のすべては一定の温度で実施される。本発明の方法の別の履行によれば、反応の終了時の温度は、反応の開始時の温度よりも高い:このように、反応の開始時(たとえば工程(1)および(2)中)の温度は好ましくは、75〜90℃に維持され、次に温度は、好ましくは90〜97℃の値まで上げられ、その値にそれは、反応の終わりまで、(たとえば工程(3)、(4)、実際に(ii)および任意選択的に(iii)の間ずっと)維持される。
本発明の製造方法では、
− (沈澱シリカ反応スラリーであることができる)水性沈澱シリカ懸濁液であって、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2、たとえば3.5〜5.1(実際に3.5〜5.0さえ)のpHを示す前記懸濁液が、
− 酸およびシリケートと、
反応媒体のpHが2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2、たとえば3.5〜5.1(実際に3.5〜5.0さえ)に維持されるように(特に維持されるような流量で)接触させられる(工程(ii))。
反応媒体の前記pHは、範囲2.5〜5.3、好ましくは範囲2.8〜5.2、たとえば3.5〜5.1(実際に3.5〜5.0さえ)内で変わることができるか、または好ましくはこれらの範囲にで(実質的に)一定のままである。
一般に、この工程(ii)で、水性懸濁液は、酸およびシリケートを水性沈澱シリカ懸濁液に添加することによって酸およびシリケートと接触させられる。
本発明の方法の一履行によれば、工程(ii)で、先ず酸が、次にシリケートが水性沈澱シリカ懸濁液に添加される。
しかし、本発明の方法の好ましい履行によれば、工程(ii)で、酸およびシリケートは、水性沈澱シリカ懸濁液に代わりに同時に添加され;好ましくは、この同時添加は、上述の範囲内で(実質的に)一定の値に反応媒体のpHを調整して実施される。
工程(ii)は通常、攪拌しながら実施される。
任意選択のその後の工程(iii)で、工程(ii)の終わりに得られた反応媒体に、アリカリ剤、好ましくはシリケートを添加することが可能であり、これは、4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8、たとえば5.0〜5.4の反応媒体のpHの値に達するまで行われる。
この工程(iii)は通常、攪拌しながら実施される。
工程(ii)および任意選択の工程(iii)は、一般に75〜97℃、好ましくは80〜96℃で実施される。
工程(ii)のまたは任意選択の工程(iii)の終わりに、得られた反応媒体の熟成を、特にこの工程(ii)の(または工程(iii)の)終わりに得られたpHで、一般に攪拌しながら、実施することが有利であり得る。この熟成は、たとえば、2〜30分、特に3〜20分続くことができ、かつ75〜97℃、好ましくは80〜96℃で、特に工程(ii)(または工程(iii))が実施された温度で実施することができる。それは好ましくは、酸の添加もシリケートの添加も含まない。
本発明の方法の代替形態(A)によれば、上に定義されたような濃酸は、工程(ii)でのみ使用される。
本発明の方法の代替形態(B)によれば、上に定義されたような濃酸は、工程(i)で使用される。
しかし、代替形態(B)の好ましい実施形態によれば、上に定義されたような濃酸は、工程(i)および(ii)の両方で使用される。
一方では、上に定義されたような濃酸が工程(ii)でのみ使用され(代替形態(A))、かつ他方では、酸が工程(i)で使用される場合には、工程(i)で用いられる酸は、希酸、有利には希硫酸、すなわち、80重量%よりもはるかに下の濃度、この場合には20重量%未満の(および一般に少なくとも4重量%の)、特に14重量%未満の、とりわけ最大でも10重量%の、たとえば5重量%〜10重量%の濃度を示す希硫酸である。
本発明の方法の代替形態(B)によれば、濃酸が工程(i)で使用される。
本発明の方法のこの代替形態(B)の一実施形態によれば、シリケートと酸との反応は、以下の一連の工程:
(i):
(1)シリケートと電解質とを含む初期容器ヒールが形成され、前記初期容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)が100g/l未満、特に80g/l未満であり、好ましくは、前記初期容器ヒールでの電解質の濃度が19g/l未満、特に18g/l未満、とりわけ17g/l未満、たとえば15g/l未満である(一方、一般に6g/l超である)工程、
(2)酸が、少なくとも約7の、好ましくは7.5〜8.5の、たとえば約8に等しい反応媒体のpHの値が得られるまで前記容器ヒールに添加される工程、
(3)酸およびシリケートが、特に、反応媒体のpHが少なくとも約7、好ましくは7.5〜8.5、たとえば約8に特に維持されるように(特に維持されるような流量で)反応媒体に同時に添加される工程、
(4)シリケートの添加が、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2、たとえば3.5〜5.1(実際に3.5〜5.0さえ)の反応媒体のpHの値が得られるまで、反応媒体への酸の添加を続行している間に停止される工程、
(ii)工程(4)の終わりに得られた水性懸濁液(反応媒体)が、反応媒体のpHが2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2、たとえば3.5〜5.1(実際に3.5〜5.0さえ)に維持されるように酸およびシリケートと接触させられる(混合される)工程
によって実施され、
この方法において、少なくとも工程(3)で、使用される酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸によって形成される群から好ましくは選択される濃酸である。
有利には、前記濃酸は、濃硫酸、すなわち、少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸である。
このように、濃酸として、少なくとも1400g/lの、特に少なくとも1650g/lの濃度を有する硫酸が使用されてもよい。
代替形態(B)のこの実施形態では、工程(2)、(4)および(ii)で使用される酸はそのとき、たとえば、希酸、有利には希硫酸、すなわち、80重量%よりもはるかに下の濃度、この場合には20重量%未満の(および一般に少なくとも4重量%の)、特に14重量%未満の、とりわけ最大でも10重量%の、たとえば5重量%〜10重量%の濃度を示す希硫酸であり得る。
しかし、好ましくは、代替形態(B)のこの実施形態では、工程(4)で使用される酸はまた、工程(3)でのように、上述のような濃酸である。
その文脈内で、工程(2)の全体で使用される酸はそのとき、たとえば、上記のような希酸であり得るし、この工程(2)の一部で、一般にこの工程(2)の第2および最後の部分で、使用される酸がまた上述のような濃酸であることが有利であり得る(工程(2)の他の部分で使用される酸は、たとえば、上記のような希酸である)。
したがって、この工程(2)で、反応媒体でのゲル点(物体のサイズの増加に特有な反応媒体の濁りの突然の増加に相当する)に達するまで用いられる酸はそのとき、上述のような希酸、有利には希硫酸(すなわち、80重量%よりもはるかに下の濃度、この場合には20重量%未満の、一般に14重量%未満の、特に最大でも10重量%の、たとえば5重量%〜10重量%の濃度を示す)であり得る。反応媒体でゲル点に達した後に用いられる酸は、それ自体、上述のような濃酸、有利には濃硫酸、すなわち、少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%の、特に90重量%〜98重量%の濃度を示す硫酸であり得る。
同様に、この工程(2)では、工程(2)の最初のx分に用いられる酸はそのとき、xが10〜25、好ましくは12〜22である状態で、上述のような希酸であり得るし、工程(2)の最初のx分後に用いられる酸は、xが10〜25、好ましくは12〜22である状態で、上述のような濃酸であり得る。
代替形態(B)のこの実施形態との関連で、工程(2)の全体で使用される酸はまた、上述のような濃酸、有利には濃硫酸、すなわち、少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%の、特に90重量%〜98重量%の濃度を示す濃硫酸であり得る。この使用の場合には、水は、特に工程(2)の前か工程(2)中かのいずれかに、初期容器ヒールに任意選択的に添加することができる。
代替形態(B)のこの実施形態では、上に定義されたような濃酸は、工程(i)でのみ使用される。工程(ii)では、希酸、有利には希硫酸、すなわち、80重量%よりもはるかに下の濃度、この場合には20重量%未満の(一般に少なくとも4重量%の)、特に14重量%未満の、とりわけ最大でも10重量%の、たとえば5重量%〜10重量%の濃度を示す希硫酸がそのとき使用される。
しかし、好ましくは、代替形態(B)のこの実施形態では、上に定義されたような濃酸が、工程(i)および(ii)の両方で使用される。
本発明による方法では、酸(濃酸もしくは希酸)として、酢酸、ギ酸もしくは炭酸などの、有機酸が、または、好ましくは、硫酸、硝酸、リン酸もしくは塩酸などの、無機酸が一般に使用される。
濃酸として、濃酢酸もしくは濃ギ酸が使用される場合には、それらの濃度は、少なくとも90重量%である。
濃酸として、濃硝酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも60重量%である。
濃酸として、濃リン酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも75重量%である。
濃酸として、濃塩酸が使用される場合には、その濃度は、少なくとも30重量%である。
しかし、非常に有利には、酸として、硫酸が使用され、上の説明に既に述べられたなどの濃度を示す濃硫酸がそのとき使用される。
一般に、濃酸が幾つかの工程で使用される場合には、同じ濃酸がそのとき使用される。
シリケートして、メタシリケート、ジシリケートなどの、任意の普通型のシリケート、および有利にはアルカリ金属シリケート、特にケイ酸ナトリウムもしくはカリウムがさらに使用されてもよい。
シリケートは、40〜330g/l、たとえば60〜300g/l、特に60〜260g/lの濃度(SiOとして表される)を示すことができる。
一般に、シリケートとして、ケイ酸ナトリウムが使用される。
ケイ酸ナトリウムが使用される場合には、後者は一般に、2.5〜4、たとえば3.2〜3.8のSiO/NaO重量比を示す。
任意選択の工程(iii)中に用いられるアルカリ剤は、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア溶液であり得る。好ましくは、このアルカリ剤はシリケート、特に工程(ii)中に使用されるようなシリケートである。
本発明による方法では、工程(ii)は、得られる沈澱シリカの特性のより良好な制御を可能にすることができる、高速ミキサーでまたは乱流の領域で実施することができる。
たとえば、工程(ii)で、先ず酸が、次にシリケートが、水性沈澱シリカ懸濁液に添加される場合には、前記シリケートは、高速ミキサーでまたは乱流の領域で水性沈澱シリカ懸濁液への酸の添加から生じた媒体と接触させることができる。
同様に、工程(ii)で、酸およびシリケートが、水性沈澱シリカ懸濁液に同時に添加される場合には、前記酸および前記シリケートは、高速ミキサーでまたは乱流の領域で水性沈澱シリカ懸濁液と接触させることができる。
好ましくは、高速ミキサーでまたは乱流の領域で得られた反応媒体は、好ましくは攪拌を受けている、反応器に供給され、その反応器で任意選択の工程(iii)がその後実施される。
工程(ii)で、対称のT字形もしくはY字形ミキサー(もしくはチューブ)、非対称のT字形もしくはY字形ミキサー(もしくはチューブ)、接線方向ジェットミキサー、Hartridge−Roughtonミキサー、ボルテックスミキサーまたは回転子−固定子ミキサーから選択される高速ミキサーが用いられてもよい。
対称のT字形もしくはY字形ミキサー(もしくはチューブ)は一般に、同じ直径の、中心チューブへ排出する、2つの対向チューブ(T字形チューブ)または180°未満の角度を形成する2つのチューブ(Y字形チューブ)からなり、中心チューブの直径は、2つの先行チューブのそれと同一であるかまたはそれよりも大きい。それらは、反応剤を注入するための2つのチューブが同じ直径および中心チューブに対して同じ角度を示すので、「対称」であると言われ、このデバイスは対称軸で特徴づけられる。好ましくは、中心チューブは、対向チューブの直径よりも約2倍大きい直径を示し;同様に、中心チューブ中の流体速度は好ましくは、対向チューブ中のそれの半分に等しい。
しかし、導入されるべき2つの流体が同じ流量を示さない場合には特に、対称のT字形もしくはY字形ミキサー(もしくはチューブ)よりもむしろ非対称のT字形もしくはY字形ミキサー(もしくはチューブ)を用いることが好ましい。非対称デバイスでは、流体の1つ(一般に、より低い流量の流体)は、より小さい直径の側管を用いて中心チューブへ注入される。側管は、中心チューブと一般に90°の角度を形成し(T字形チューブ);この角度は、他の流れに対して、並流システム(たとえば、45°の角度)または向流システム(たとえば、135°の角度)を与える、90°とは異なり得る(Y字形チューブ)。
高速ミキサーとして、対称のT字形デバイスに由来する、接線方向ジェットミキサー、Hartridge−Roughtonミキサーまたはボルテックスミキサー(もしくは沈澱分離装置)が好ましくは用いられる。
より具体的には、工程(ii)で、(a)そのいずれかを通って、一方では、シリケートが、かつ他方では、水性沈澱シリカ懸濁液への酸の添加から生じた媒体が、または、一方では、シリケートおよび酸が、かつ他方では、水性沈澱シリカ懸濁液が別々に(しかし同時に)入る、少なくとも2つの接線方向入口と、(b)それを通って反応媒体が、好ましくは前記ミキサーの後に直列に配置された反応器(容器)の方へ出て行く軸方向出口とを有するチャンバーを含む接線方向ジェット、Hartridge−Roughtonまたはボルテックス高速ミキサーが用いられてもよい。2つの接線方向入口は好ましくは、前記チャンバーの中心軸に対して対称的におよび対向して置かれる。
任意選択的に用いられる接線方向ジェット、Hartridge−Roughtonまたはボルテックスミキサーのチャンバーは、円形断面を一般に示し、好ましくは形状が円筒形である。
各接線方向入口チューブは、0.5〜80mmの内径dを示すことができる。
この内径dは、0.5〜10mm、特に1〜9mm、たとえば2〜7mmであり得る。しかし、特に工業的規模では、それは、好ましくは10〜80mm、特に20〜60mm、たとえば30〜50mmである。
任意選択的に用いられる接線方向ジェット、Hartridge−Roughtonまたはボルテックスミキサーのチャンバーの内径は、3d〜6d、特に3d〜5dであり得るし、たとえば4dに等しいものであり得るし;軸方向出口チューブの内径は、1d〜3d、特に1.5d〜2.5dであり得るし、たとえば2dに等しいものであり得る。
シリケートおよび酸流量は、たとえば、合流点で、反応剤の2つの流れが十分に乱流の領域で互いに接触するように決定される。
本発明による方法では、適切な場合には熟成がそれに続く、工程(ii)のまたは任意選択的に工程(iii)の終わりに、シリカスラリーが得られ、その後分離される(液/固分離)。
本発明による製造方法で実施される分離は通常、濾過、必要ならば、これに続く洗浄操作を含む。濾過は、任意の好適な方法によって、たとえばフィルタープレス、ベルトフィルターまたは真空フィルターを用いて実施される。
このように回収されたシリカ懸濁液(濾過ケーキ)は次に乾燥させられる。
この乾燥操作は、それ自体公知の任意の手段によって実施することができる。
好ましくは、乾燥操作は、噴霧化によって実施される。この目的のために、任意の種類の好適な噴霧器、特に回転、ノズル、液体圧力または二流体噴霧器が用いられてもよい。一般に、濾過がフィルタープレスを用いて実施される場合、ノズル噴霧器が用いられ、濾過が真空フィルターを用いて実施される場合、回転噴霧器が用いられる。
濾過ケーキは、特にその高い粘度のために、噴霧化を可能にする状態下に必ずしもあるわけではないことが指摘されるべきである。それ自体公知の方法で、ケーキは次に液状化操作にかけられる。この操作は、ケーキをコロイドまたはビーズ型のミルに通すことによって、機械的に実施することができる。液状化は一般に、アルミニウム化合物の、特にアルミン酸ナトリウムの存在下で、任意選択的に、上記などの、酸の存在下で実施される(後者の場合には、アルミニウム化合物および酸は一般に同時に添加される)。液状化操作は、その後乾燥させられるべき懸濁液の粘度を低くすることを特に可能にする。
乾燥操作がノズル噴霧器を用いて実施される場合、そのとき得ることができるシリカは通常、実質的に球形のビーズの形態で存在する。
乾燥操作の終わりに、回収された生成物は次に、ミリング工程にかけることができる。そのとき得ることができるシリカは一般に、粉末の形態で存在する。
乾燥操作が回転噴霧器を用いて実施される場合、そのとき得ることができるシリカは、粉末の形態で存在することができる。
最後に、上に示されたように乾燥させられた(特に回転噴霧器によって)またはミルにかけられた生成物は、たとえば、直接圧縮、湿式造粒(すなわち、水、シリカ懸濁液などの、バインダーを使っての)、押出または、好ましくは、乾式圧縮からなる集塊化工程に任意選択的にかけることができる。後者の技法が用いられる場合、圧縮を実施する前に、粉状生成物を、後者の中に含まれる空気を除去するためにそしてより一様な圧縮を提供するために脱気すること(前圧縮または脱ガスとも言われる操作)が賢明であると分かり得る。
この集塊化工程によってそのとき得ることができるシリカは一般に、顆粒の形態で存在する。
本発明による方法によって得られる、シリカ粉末、ならびにシリカビーズはこうして、たとえば、造粒または圧縮などの、従来型の造形操作によって特に、後者の操作が、これらの粉末またはこれらのビーズに本質的に付随する良好な特性を曖昧にする、実際に壊すことさえできる損傷を引き起こすことなく、簡単な、効果的な、かつ、経済的な方法で、顆粒へのアクセスを与えるという、とりわけ、利点を提供する。
一般に、本発明による方法は、国際公開第2009/112458号パンフレットに記載されているシリカの特性を有利にも示す、その表面に小さい一次シリカ粒子が存在する、大きい一次シリカ粒子の凝集体から形成されたシリカを得ることを可能にする。
本発明による製造方法の履行は、特に使用される濃酸が濃硫酸である場合に、希酸のみを使用する同一の方法によって得られるものよりも沈澱シリカが濃厚である懸濁液を、前記プロセス中に(工程(ii)のまたは任意選択の工程(iii)の終わりに)、得ることを、そしてこうして、意外にも、ポリマー(エラストマー)組成物に分散する良好な能力(分散性)を有する沈澱シリカの生成を伴いながら、特に沈澱反応で(すなわち、工程(ii)の終わりに)、沈澱シリカの生産性の増加(それは、たとえば、少なくとも10〜40%に達することができる)を得ることを可能にし;より一般的には、本発明による方法によって得られた沈澱シリカは、特有のモルフォロジ、特有の粒度および特有の気孔率を示し;さらに、それらは一般に、ポリマーに分散する良好な能力(分散性)を示す。それらは、それらの機械的、動的およびレオロジー的特性に関して特に、希酸のみを使用する同一の方法によって得られる沈澱シリカのそれらに匹敵する、特性の非常に満足できる折衷をこれらに与える。それらはまた、良好な強化/ヒストリシス特性折衷を得ることを有利にも可能にする。
有利には、使用される濃酸が濃硫酸である場合に特に、同時に、本発明による方法は、希酸のみを用いる同一の方法と比べて、関与する水の量の低減および濃酸の使用と関係がある発熱性のために、特に沈澱反応で(すなわち、工程(ii)の終わりに)、エネルギーの消費(たとえば、生蒸気の形態での)の節減(それは、たとえば、少なくとも20〜60%に達することができる)を可能にする。さらに、濃酸の使用は、特に酸の調製のために使用される水の量の低減により、反応のために必要とされる水の量を節約する(たとえば少なくとも20%だけ)ことを可能にする。
本発明による方法によって製造される沈澱シリカは、多数の用途に使用することができる。
それらは、たとえば、触媒担体として、ポリマー、とりわけエラストマー、もしくはシリコーン組成物中の、活性物質用の吸収剤(特に、ビタミン(特にビタミンE)、塩化コリンなどの、とりわけ食品中に使用される、液体用の担体)として、粘性化剤、テクスチャライジング剤もしくは凝固防止剤として、電池セパレーター要素として、または練り歯磨き、コンクリートもしくは紙用の添加剤として用いることができる。
しかし、それらは、天然もしくは合成ポリマーの強化に特に有利な用途を見いだす。
それらを、特に強化充填材として、使用することができるポリマー組成物は一般に、−150℃〜+300℃、たとえば−150℃〜+20℃の少なくとも1つのガラス遷移温度を好ましくは示す、1つ以上のポリマーもしくはコポリマーを、とりわけ1つ以上のエラストマー、特に熱可塑性エラストマーをベースとしている。
可能なポリマーとして、ジエンポリマー、特にジエンエラストマーが言及されてもよい。
上記のポリマー組成物をベースとする完成品の非限定的な例として、靴底、タイヤ、床仕上げ材、ガスバリア、難燃性材料ならびにまた空中ケーブルローラー、家庭電化製品用のシール、液体もしくはガスパイプ用のシール、ブレーキシステム・シール、被覆材料(とりわけケーブル被覆材料)、ケーブル、エンジンサポート、コンベヤーベルトおよび伝動ベルトなどの、エンジニアリング構成部品が言及されてもよい。
以下の実施例は、本発明を例示するものであるが、その範囲を限定するものではない。
実施例1(比較例)
以下のものを、プロペラによって攪拌するためのシステムをおよびジャケットによる加熱を備えた25リットルのステンレス鋼反応器へ導入する:
− 7.91リットルの都市用水、
− 3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比を示し、235g/lに等しい濃度を有する、4285グラムの水性ケイ酸ナトリウム、
− 134グラムの硫酸ナトリウム NaSO(電解質)。
容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)は、そのとき72g/lである。
この混合物を攪拌することによって均質化し、95℃にする。全反応を、攪拌しながら実施する(300回転/分、プロペラ攪拌)。
80g/lに等しい濃度の硫酸を、146g/分の流量で15分にわたって混合物へ導入する(すなわち、2192gの硫酸)。80g/lに等しい濃度の硫酸を続いて、438g/分の流量で約5分にわたって混合物へ導入する(すなわち、2153グラムの硫酸)。
酸性化が完了するとすぐに、80g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを8の値に維持するように調整された流量での、80g/lに等しい濃度の硫酸との、反応媒体への、10分にわたっての、同時導入を実施する。
10分の同時添加の終わりに、80g/lに等しい濃度の硫酸を、反応媒体のpHが4.7の値に達するまで80g/分の流量で導入する(すなわち、5分で414グラムの硫酸)。
60g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを4.7の値に維持するように調整された流量での、80g/lに等しい濃度の硫酸との、反応媒体への、29分にわたっての、同時導入を続いて実施する。
反応の終わりに、沈澱シリカ反応スラリーが得られ、それを95℃の温度で5分間攪拌し続ける。この熟成後に、沈澱シリカスラリーを、反応器を空にすることによって回収する。
このスラリーを濾過し、真空下に洗浄する。得られた濾過ケーキを、5リットルの都市用水で4回洗浄する。それをその後、水およびアルミン酸ナトリウム(0.3%のAl/SiO重量比)の存在下での機械的液状化によって再懸濁させる。生じたスラリー(10重量%の固形分)をその後、回転噴霧器を用いる噴霧化によって乾燥させる。
粉末形態で得られた沈澱シリカの特性は、そのとき以下の通りである:
− CTAB比表面積:158m/g
− 凝集体のメジアン径d50:98nm
− V(d5−d50)/V(d5−d100):0.83
− モード(Hgポロシメトリー):33nm
特にTEMによって、この沈澱シリカは、その表面に小さい一次シリカ粒子(spp)が存在する、大きい一次シリカ粒子(lpp)の凝集体から形成されていることが分かる。
実施例2
以下のものを、プロペラによって攪拌するためのシステムをおよびジャケットによる加熱を備えた25リットルのステンレス鋼反応器へ導入する:
− 7.91リットルの都市用水、
− 3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比および1.230±0.006に等しい密度d20を示し、235g/lの濃度を有する、4286グラムの水性ケイ酸ナトリウム、
− 134グラムの硫酸ナトリウム NaSO(電解質)。
容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)は、そのとき72g/lである。
この混合物を攪拌することによって均質化し、95℃にする。全反応を、攪拌しながら実施する(300回転/分、プロペラ攪拌)。
80g/lに等しい濃度の硫酸を、157.8g/分の流量で14分にわたって混合物へ導入する(すなわち、2191gの硫酸)。95%硫酸を続いて、反応媒体のpHが8の値に達するまで混合物へ導入する(すなわち、5分で34.5グラムの95%硫酸)。
酸性化が完了するとすぐに、80g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを8の値に維持するように調整された流量での、95%硫酸との、反応媒体への、10分にわたっての、同時導入を実施する。
10分の同時添加の終わりに、95%硫酸を、反応媒体のpHが4.8の値に達するまで導入する(すなわち、約8分で30グラムの硫酸)。
62.8g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを4.8の値に維持するように調整された流量での、95%の硫酸との、反応媒体への、27分にわたっての、同時導入を続いて実施する。
反応の終わりに、沈澱シリカ反応スラリーが得られ、それを95℃の温度で5分間攪拌し続ける。この熟成後に、沈澱シリカスラリーを、反応器を空にすることによって回収する。
このスラリーを濾過し、真空下に洗浄する。得られた濾過ケーキを、5リットルの都市用水で4回洗浄する。それをその後、水およびアルミン酸ナトリウム(0.3%のAl/SiO重量比)の存在下での機械的液状化によって再懸濁させる。生じたスラリー(10重量%の固形分)をその後、回転噴霧器を用いる噴霧化によって乾燥させる。
実施例1と比べると、以下が分かる:
− 28%の反応の生産性の増加(反応媒体の、SiOとして表される、最終濃度に関しておよび反応の継続時間を考慮に入れて)、
− 25%の反応での水消費の節減、
− 28%の反応でのエネルギー消費の節減。
粉末形態で得られた沈澱シリカの特性は、そのとき以下の通りである:
− CTAB比表面積:173m/g
− 凝集体のメジアン径d50:101nm
− V(d5−d50) /V(d5−d100):0.84
− モード(Hgポロシメトリー):28nm
特にTEMによって、この沈澱シリカは、その表面に小さい一次シリカ粒子(spp)が存在する、大きい一次シリカ粒子(lpp)の凝集体から形成されていることが分かる。
実施例3
以下のものを、プロペラによって攪拌するためのシステムをおよびジャケットによる加熱を備えた25リットルのステンレス鋼反応器へ導入する:
− 9.93リットルの都市用水、
− 3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比を示し、235g/lに等しい濃度を有する、4286グラムの水性ケイ酸ナトリウム、
− 134グラムの硫酸ナトリウム NaSO(電解質)。
容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)は、そのとき61g/lである。
この混合物を攪拌することによって均質化し、95℃にする。全反応を、攪拌しながら実施する(300回転/分、プロペラ攪拌)。
95%硫酸(1.65に等しい密度d20の)を、10.33g/分の流量で15分にわたって混合物へ導入する。95%硫酸を続いて、反応媒体のpHが8の値に達するまで混合物へ導入する(すなわち、5分で195グラムの硫酸)。
酸性化が完了するとすぐに、80g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを8の値に維持するように調整された流量での、95%硫酸との、反応媒体への、10分にわたっての、同時導入を実施する。
10分の同時添加の終わりに、95%硫酸を、反応媒体のpHが4.8の値に達するまで導入する(すなわち、7分で29.6グラムの硫酸)。
62.8g/分の流量での、235g/lの濃度を有するケイ酸ナトリウム溶液(3.55±0.12に等しいSiO/NaO重量比のおよび1.230±0.006に等しい密度d20の)と、反応媒体のpHを4.8の値に維持するように調整された流量での、95%の硫酸との、反応媒体への、27分にわたっての、同時導入を続いて実施する。
反応の終わりに、沈澱シリカ反応スラリーが得られ、それを95℃の温度で5分間攪拌し続ける。この熟成後に、沈澱シリカスラリーを、反応器を空にすることによって回収する。
このスラリーを濾過し、真空下に洗浄する。得られた濾過ケーキを、5リットルの都市用水で4回洗浄する。それをその後、水およびアルミン酸ナトリウム(0.3%のAl/SiO重量比)の存在下での機械的液状化によって再懸濁させる。生じたスラリー(10重量%の固形分)をその後、回転噴霧器を用いる噴霧化によって乾燥させる。
実施例1と比べて、以下が観察される:
− 28%の反応の生産性の増加(反応媒体の、SiOとして表される。最終濃度に関しておよび反応の継続時間を考慮に入れて)、
− 25%の反応での水消費の節減、
− 26%の反応でのエネルギー消費の節減。
粉末形態で得られた沈澱シリカの特性は、そのとき以下の通りである:
− CTAB比表面積:147m/g
− 凝集体のメジアン径d50:100nm
− V(d5−d50)/V(d5−d100):0.84
− モード(Hgポロシメトリー):31nm
特にTEMによって、この沈澱シリカは、その表面に小さい一次シリカ粒子(spp)が存在する、大きい一次シリカ粒子(lpp)の凝集体から形成されていることが分かる。

Claims (15)

  1. シリケートと少なくとも1つの酸との反応を含み、それによってシリカ懸濁液が得られた後に、この懸濁液の分離および乾燥を含むタイプの、沈澱シリカの製造方法であって、前記シリケートと酸性化剤との前記反応が、以下:
    (i)2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2のpHを示す、水性沈澱シリカ懸濁液が製造される工程、
    (ii)前記水性沈澱シリカ懸濁液が、反応媒体のpHが2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2に維持されるように、酸およびシリカと接触させられる工程
    によって実施され、
    前記方法において:
    濃酸が工程(i)で使用され
    および/または
    工程(ii)で添加される前記酸が濃酸であり、
    前記濃酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される方法。
  2. 前記水性沈澱シリカ懸濁液が酸およびシリケートと接触させられた後に、アルカリ剤、好ましくはシリケートが、前記反応媒体のpHを4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8の値まで上げるように、反応媒体に添加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(ii)で使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記水性懸濁液の製造の工程(i)が、以下:
    (1)シリケートと電解質とを含む初期容器ヒールが形成され、前記初期容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOとして表される)が100g/l未満であり、好ましくは、前記初期容器ヒールでの電解質の濃度が19g/l未満であり、
    (2)酸が、少なくとも約7、好ましくは7.5〜8.5の前記反応媒体のpHの値が得られるまで前記容器ヒールに添加され、
    (3)酸およびシリケートが前記反応媒体に同時に添加され、
    (4)前記シリケートの添加が、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2の前記反応媒体のpHの値が得られるまで、反応媒体への前記酸の添加を続行している間に停止される
    ことによって実施されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 濃酸が工程(i)で使用され、前記濃酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  6. 濃酸が工程(i)で使用され、かつ工程(ii)で使用される前記酸が濃酸であり、前記濃酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記水性懸濁液の製造の工程(i)が、以下:
    (1)シリケートと電解質とを含む初期容器ヒールが形成され、前記初期容器ヒールでのシリケートの濃度(SiOで表される)が100g/L未満であり、好ましくは、前記初期容器ヒールでの電解質の濃度が19g/L未満であり、
    (2)酸が、少なくとも約7、好ましくは7.5〜8.5の前記反応媒体のpHの値が得られるまで前記容器ヒールに添加され、
    (3)酸およびシリケートが前記反応媒体に同時に添加され、
    (4)前記シリケートの添加が、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜5.2の前記反応媒体のpHの値が得られるまで、反応媒体への前記酸の添加を続行している間に停止される
    ことによって実施され、
    前記方法において、少なくとも工程(iii)で、使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(3)および(4)で使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(2)の一部で、使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項7または8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(2)で、ゲル点に達した後に使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(2)で、前記工程の開始から出発して、x分後に使用される前記酸が、xが10〜25である状態で、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項9または10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程(2)で使用される前記酸が、少なくとも80重量%の、特に少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸、少なくとも90重量%の濃度を示す酢酸またはギ酸、少なくとも60重量%の濃度を示す硝酸、少なくとも75重量%の濃度を示すリン酸および少なくとも30重量%の濃度を示す塩酸からなる群から好ましくは選択される濃酸であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  13. 前記濃酸が、少なくとも80重量%の、好ましくは少なくとも90重量%の濃度を示す硫酸であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記濃酸が、90重量%〜98重量%の濃度を示す硫酸であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記乾燥が噴霧化によって実施されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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