JP2690177B2 - 着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材及び被覆方法 - Google Patents

着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材及び被覆方法

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JP2690177B2 JP2192391A JP19239190A JP2690177B2 JP 2690177 B2 JP2690177 B2 JP 2690177B2 JP 2192391 A JP2192391 A JP 2192391A JP 19239190 A JP19239190 A JP 19239190A JP 2690177 B2 JP2690177 B2 JP 2690177B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、着色ポリオレフィン樹脂の溶射による重防
食鋼材及びその被覆方法に関するものである。
[従来の技術] 従来の鋼管杭のポリオレフィン樹脂被覆重防食鋼材の
ポリオレフィン樹脂被覆層の色はほとんど黒色であるた
め、標識保全及び美観の維持が十分でなく鋼製構造物と
して、周辺の環境と不調和になる傾向があった。そのた
め、鋼材の長期防食性を有していながら製品としてのイ
メージが悪く、需要家からの着色化の要求は増加傾向で
ある。これらの要求に対し、特開昭61-172737号公報に
開示されたものがあり、これはポリオレフィン樹脂重防
食被覆層の上にウレタンプライマーを塗布し、その上に
着色顔料を含有するウレタン塗料、アクスルウレタン塗
料、アクリル塗料、アルキド塗料、アクリルエマルジョ
ン塗料、塩化ビニル塗料及び合成樹脂調合ペイントを塗
装することを特徴とするポリオレフィン樹脂の塗装方法
である。このように従来の着色ポリオレフィン被覆重防
食鋼材はポリオレフィン樹脂の上に異なる成分の着色塗
料を塗装した鋼材であった。
[発明が解決しようとする課題] 前述のポリオレフィン樹脂の上に異なる成分の着色塗
料を塗装するという方法では、薄膜塗装(数十μm)の
ため小さな外部応力でも着色塗膜が損傷しポリオレフィ
ン樹脂が露出しやすく、長期にわたって美観を維持する
ことが困難であった。
また一方、従来のポリオレフィン樹脂の溶射は火炎に
よる酸化劣化が激しく、特に着色ポリオレフィン樹脂で
は、物性の低下のみならず皮膜が変色し美観を大きく損
なうという問題があった。
そこで、本発明は、 着色ポリオレフィンの溶射火炎による酸化劣化防止 着色ポリオレフィンと黒色ポリオレフィンとの密着性
確保 を満足する被覆方法により長期わたって十分な美観を維
持する着色ポリオレフィン被覆重防食鋼材を提供するこ
とを目的としている。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は黒色ポリオレフィン樹脂の防食被
覆層の外表面を予熱した後、着色ポリオレフィン樹脂を
溶射してなる着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材及びそ
の被覆方法である。
以下に、本発明における着色ポリオレフィン溶射重防
食鋼材及びその被覆方法について具体的に説明する。
本発明における着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材の
断面図を第1図に示す。図において、1は鋼材、2は下
地処理層、3は黒色ポリオレフィン樹脂の防食被覆層、
4は着色ポリオレフィン層である。鋼材1の被覆面をシ
ョットブラスト、グリットブラスト、サンドブラスト等
により清浄化した後、クロム酸系の化成処理を施すか、
有機系プライマー層を形成させるか、もしくはクロム酸
系の化成処理を施した後有機系プライマー層を形成させ
る等の下地処理を施す。下地処理層2が硬化後、その上
に黒色ポリオレフィン樹脂の防食被覆層3を被覆する。
該黒色ポリオレフィン防食被覆層3の外表面を予熱後、
その上に着色ポリオレフィン層4を溶射する。
上記の下地処理層2としては、黒色ポリオレフィン樹
脂の防食被覆層3との密着性にすぐれたものであれば、
特に限定はない。また防食被覆層3も防食性に優れた黒
色ポリオレフィン樹脂であればその以上の限定はない。
着色ポリオレフィン層4と防食被覆層3との密着のため
には充分な濡れ性が必要であり、着色ポリオレフィン層
4を溶射する直前に防食被覆層3を予熱する必要があ
る。予熱温度は、黒色ポリオレフィン樹脂と着色ポリオ
レフィン樹脂との濡れがよく、かつ黒色ポリオレフィン
樹脂が熱劣化しない程度、すなわち80〜200℃がよい。
着色ポリオレフィン樹脂に求められる性質は、溶射時
の炎による物性の低下が少なく溶射後も充分な機械強度
を有すること、溶射時の炎による変色が少ないこと、黒
色ポリオレフィン樹脂との濡れがよく接着力が高いこと
等である。
まず、物性の低下を防止するためには、25重量%を越
えるエチレン−αオレフィン共重合体を含有すべきであ
る。このエチレン−αオレフィン共重合体は、エラスト
マー性を有するもので特にエチレン−ブテン−1共重合
体が望ましい。また上記エチレン−αオレフィン共重合
体の他にポリオレフィンとエチレン−αオレフィン共重
合体との相溶性を高めるためと共に、熱脆化を防止する
等の目的で線状低密度ポリエチレン等を含有してもよ
い。
変色も含めた炎による酸化防止のためには、適切な酸
化防止剤を添加することが必要であり、それにより物性
も確保される。酸化防止剤としては、溶射皮膜に残存し
悪影響をおよぼさないことが必要であり、そのためには
低融点で溶射時に消費されるものを含有すべきである。
好ましくは、融点が100℃以下のもので例えば2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−
4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−
エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等
が良好である。添加量は酸化防止剤の種類によって多少
異なるが通常500〜5000ppmの範囲が望ましい。
上記の他に、本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、各種添加剤を添加してもかまわない。
溶射条件は、着色ポリオレフィンが充分溶融し且つ変
色等の酸化劣化が生じないことが必要である。
特に、空気とプロパンガスとの混合ガスによって炎を
燃焼させ、溶射炎の中に冷却気体ゾーンを設けた粉体溶
射装置(特公昭63-31719号公報)を用いた場合以下の条
件を満たすべきである。
(a)燃焼空気圧/プロパン圧=2.5〜5.5好ましくは3.
5〜4.5 (b)冷却気体圧/プロパン圧=2.0〜6.0好ましくは4.
0〜5.5 (c)鋼材からノズル先端までの距離=300〜1000mm好
ましくは450〜700mm (d)粉体吐出量=80〜400g/分好ましくは150〜250g/
分 また、着色ポリオレフィン層の膜厚は特に限定はない
が黒色ポリオレフィン層の隠蔽、耐衝撃性等を考慮する
と80μ程度以上が望ましい。
冷却気体は空気でも良いが、溶射炎による酸化劣化を
最小限に抑えるためには窒素もしくは不活性ガスの方が
望ましい。
[実施例] 以下、本発明を実施例に従って具体的に説明するが、
本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
第1表には、実施例−1〜4及び比較例−1〜7の溶
射着色粉体、溶射条件及び皮膜品質を示す。
鋼板(寸法150×75×6mm)の表面をショットブラスト
によりSA2 1/2に処理し、エポキシ系プライマーを膜厚3
0μmに塗布した後、黒色ポリオレフィン樹脂を膜厚2.5
mmに溶射し硬化した後、各種条件にて着色ポリオレフィ
ン樹脂をノズル距離450〜700mmにて膜厚80μmに溶射し
た。溶射装置は、プロパンと空気との混合気体を燃焼さ
せ炎の中に冷却気体ゾーンを設けた粉体溶射装置(小野
田セメント(株)製CT-300)を用いた。上記方法で得ら
れた試験片についてウエザオメーター促進試験を実施し
5000時間経過後の色差を測定した。また40℃、3%塩水
浸漬試験を実施し5000時間経過後の黒色ポリオレフィン
皮膜と着色ポリオレフィン皮膜との密着性を1mmゴバン
目試験にて評価した。
また一方上記各種条件での着色ポリオレフィン溶射皮
膜を取り、伸び、引張強度、耐ストレスクラッキング性
(ESC)、酸化誘導期を測定した。
第1表の実施例−1は基準条件、実施例−2は着色粉
体成分を本発明の範囲内で変更したもの、実施例−3は
冷却気体を窒素にしたもの、実施例−4は着色粉体を赤
色にしたものであるが、いずれも良好な外観及び物性を
示している。第1表の比較例−1及び2は着色粉体成分
中のエチレン−αオレフィン共重合体を少なくしたも
の、比較例−3は着色粉体成分中に低融点酸化防止剤を
添加しないものであるが、実施例−1と比較し物性が悪
くなり、比較例−3については着色皮膜の変色が大き
い。比較例−4及び5はプロパンガス圧を変更したもの
であるが、プロパンガス圧が大きすぎると物性の低下及
び着色皮膜の変色、プロパンガス圧が小さすぎると物性
の低下及び溶融不良が見られる。比較例−6は着色粉体
吐出量を多くしたもの、比較例−7は予熱温度を低くし
たものであるが、どちらも物性の低下及び溶融不良が起
こる。
[発明の効果] 本発明により、防食性とともに耐退色性、密着性に優
れ、長期にわたり美観を保有する鋼製構造物を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材の
被覆構成図である。 1……鋼材、2……下地処理層 3……黒色ポリオレフィン防食被覆層 4……着色ポリオレフィン層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂を防食被覆層とする重
    防食鋼材において、前記防食被覆層の上に着色ポリオレ
    フィン粉体を溶射してなることを特徴とする着色ポリオ
    レフィン溶射重防食鋼材。
  2. 【請求項2】着色ポリオレフィン粉体として、25重量%
    を越えるエチレン−αオレフィン共重合体及び低融点の
    酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1記載の
    着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂を防食被覆層とする重
    防食鋼材の被覆方法において、前記防食被覆層を80〜20
    0℃に予熱した後、燃焼空気圧/プロパン圧=2.5〜5.
    5、冷却気体圧/プロパン圧=2.0〜6.0、鋼材からノズ
    ルまでの距離=300〜1000mm、粉体吐出量=80〜400g/分
    の条件にて着色ポリオレフィン粉体を溶射することを特
    徴とする着色ポリオレフィン溶射重防食鋼材の被覆方
    法。
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