JP5952860B2 - 鉄系金属用耐食層 - Google Patents

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本発明は、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する鉄系金属用の耐食層に関する。より詳細には、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する鉄系金属の長期使用におけるフクレを防止する外面耐食層に関する。
外面に金属溶射によって形成された防食層を有する鉄系金属は、従来から様々な分野で使用されており、特に耐食性が要求される上下水道管など地中に埋設して使用する鉄系金属管などに用いられている。このような外面の金属溶射には、亜鉛が使用されるものが多く、そのほか、亜鉛−アルミニウム合金や、亜鉛−アルミニウム擬合金などが知られている。これらの溶射層は、腐食性環境中で自身が犠牲陽極となり腐食生成物を生み出し、これが素地鉄系金属の腐食に対する保護層としてはたらくメカニズムを有する。
さらに近年これらの亜鉛系溶射層のさらなる耐食性の向上を目的に、亜鉛とケイ素含有アルミニウムとの擬合金溶射が開発され、従来の亜鉛溶射や亜鉛−アルミニウム擬合金溶射に比べて腐食生成物が緻密化し、強固な保護層を形成し、さらに優れた耐食性が得られること、それにより耐食寿命の延長が可能となったことが報告されている(特許文献1)。
特開2012−149336号公報
しかしながら、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する鉄系金属は、その外面に塗装を行った場合、耐久性試験において塗装のフクレが生じることがあった。水道管には多くの規制があり、様々な試験を通過する必要があり、その1つに長期間の耐久性を調べるための複合サイクル腐食試験(CCT)がある。しかしながら、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する塗装では、防食層にフクレが生じることがあり、その改良が望まれていた。フクレとは、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜の腐食反応により出現し、通常内部は空洞になっている。
そこで、本発明は、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射層を有する鉄系金属において、塗装後の塗膜のフクレの発生を抑えることができる耐食層を提供することを課題とする。また、本発明は、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射層を有する鉄系金属において、塗装後の塗膜のフクレの発生を抑えることができる耐食方法を提供することも課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討した結果、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する鉄系金属において、最外面層として特定のガラス転移温度および数平均分子量を有するアクリル系樹脂を用いることにより、塗膜のフクレを防止し、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、鉄系金属用の耐食層であって、(a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜層とその上に(b)一次塗料被膜層とを有し、最外層に(c)ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂被膜層を有することを特徴とする。
本発明の鉄系金属用耐食層は、さらに(a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜層に封孔処理がなされていることが好ましい。
本発明の鉄系金属用耐食層は、(b)一次塗料被膜層が、アクリル系樹脂塗料の樹脂被膜層であることが好ましい。
本発明は、上記鉄系金属用耐食層を施した鉄系金属または鋳鉄管に関する。
本発明は、鉄系金属の耐食方法において、鉄系金属の外面に、(1)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金を溶射し、溶射被膜層を形成する工程、(2)前記溶射被膜層の外側にアクリル系樹脂塗料を塗装し、アクリル系樹脂被膜の一次塗料被膜層を形成する工程、および(3)前記一次塗料被膜層の外側に、ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂を含む塗料を塗装し、アクリル樹脂被膜の最外層を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の鉄系金属の耐食方法においては、さらに、溶射被膜層に封孔処理を施す工程を含むことが好ましい。
本発明の鉄系金属の耐食方法においては、鉄系金属が鋳鉄管であることが好ましい。
本発明によれば、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を有する鉄系金属の耐食性、とりわけ塗装後の塗膜のフクレを防止することができる。
実施例1(a)および比較例1(b)の耐食層の施された鋳鉄管の複合サイクル試験120日目の写真である。
本発明の鉄系金属用耐食層は、(a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜層とその上に(b)一次塗料被膜層とを有し、最外層に(c)ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂被膜層を有することを特徴とする。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により測定されたものである。また、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出したポリスチレン換算の値である。
((a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射)
本発明における金属溶射被膜は、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜である。亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜は、亜鉛線材とケイ素を3〜14質量%含有するアルミニウム合金線材とを溶射することにより形成することができる。亜鉛の代わりに、アルミニウムを含有する亜鉛合金を用いた擬合金溶射被膜も本発明の範囲内である。これらの溶射は、特開2012−149336号公報に詳細に説明されている。亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜に使用するケイ素含有アルミニウム合金線材は、ケイ素を3〜13質量%含有するものがより好ましく、5〜13質量%が最も好ましい。13質量%より多いと溶射線材が硬くなり、溶射作業に影響を及ぼす傾向がある。また、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜の膜厚は、鉄系金属の種類や、溶射材料の種類、得られる金属部材の用途によって適宜設定することができるが、たとえば、水道管用の鋳鉄の場合、おおよそ200g/m2〜400g/m2が好ましく、260g/m2〜300g/m2がより好ましい。
(鉄系金属)
本発明において、鉄系金属とは、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射が有効である鉄系の金属、たとえば、鋳鉄、鋼などを意味し、鋳鉄管、特に上下水道管に使用される鋳鉄管が好適に使用される。
((b)一次塗料被膜層)
本発明の鉄系金属用耐食層は、亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射に、一次塗装がなされ、一次塗装被膜層が形成されている。一次塗装は、樹脂成分に必要に応じて顔料や分散剤、表面調整剤などの各種添加剤を含有する塗料により行われる。樹脂成分としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂など金属塗装、特に鉄系金属の塗装に一般に用いられているものであれば特に限定されるものではない。水道管に使用する場合には、たとえば日本水道協会規格JWWA K 139「水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料」に規定されている塗料を好適に用いることができる。
そのなかでも、一次塗料が、アクリル系樹脂塗料などの水分透過性の比較的高い塗料である場合、従来の上塗り塗装では、塗膜にフクレが生じやすいため、より本発明の効果を発揮することができる。また、最外層である(c)アクリル系樹脂被膜層との相溶性の観点からも、一次塗料は、アクリル系樹脂塗料であることが最も好ましい。
(最外層の(c)アクリル系樹脂被膜層(上塗り塗料被膜層))
本発明の鉄系金属用耐食層のアクリル系樹脂被膜層には、ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂を含む上塗り塗料を好適に用いることができる。樹脂成分であるアクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体であり、上述の通り、金属塗装、特に鉄系金属の塗装に一般に用いられているものであれば特に限定されるものではない。水道管に使用する場合には、たとえば日本水道協会規格JWWA K 139「水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料」に規定されている塗料を好適に用いることができる。また、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル系のアクリル樹脂が、十分に効果が確認されている点から最も好適に使用される。
上塗り塗料中のアクリル系樹脂のガラス転移温度は、50〜80℃の範囲内にあれば、特に問題なく使用することができるが、より高温での耐腐食性が必要な場合には、さらに55℃以上であることが好ましく、密着性の点を考慮すればさらに75℃以下であることが好ましい。また、上塗り塗料中のアクリル樹脂の数平均分子量は、25,000〜60,000の範囲であれば、特に問題なく使用することができるが、塗装作業性の点を考慮すれば、50,000以下であることが好ましい。
その他、本発明の鉄系金属用耐食層の亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜には、通常の封孔処理が施されていることが好ましい。
封孔処理としては、一次塗料と同様のアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂成分に、コロイダルシリカなどの無機化合物、表面調整剤などの添加剤を含む水系処理液による処理が挙げられる。
(溶剤)
本発明の鉄系金属用耐食層を構成する各塗料被膜層、すなわち(b)一次塗料被膜層および(c)アクリル系樹脂被膜層(上塗り塗料被膜層)の調製には、通常金属塗料に用いられる一般的な溶剤を使用することができる。具体的には、たとえば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタンなどの炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
(顔料)
本発明の鉄系金属用耐食層においては、顔料を一次塗料、上塗り塗料に充分な着色性を付与するために配合することができる。具体的には、二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック(たとえば、商品名 MA100、三菱化学(株)製など)、シアニンブルー、シアニングリーンなどの着色顔料;炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、クレーなどの体質顔料;燐酸亜鉛、燐酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウムなどの防錆顔料などが挙げられる。これらは単独で使用しても良く、必要により2種以上を混合して使用しても良い。
(添加剤)
本発明の鉄系金属用耐食層を構成する各塗料被膜層、すなわち(b)一次塗料被膜層および(c)アクリル系樹脂被膜層(上塗り塗料被膜層)には、通常金属塗料に一般的に用いられる各種添加剤を使用することができる。具体的には、シリコーンや有機高分子からなる消泡剤;シリコーンや有機高分子からなる表面調整剤;アマイドワックス、有機ベントナイトなどからなる粘性調整剤(タレ止め剤);シリカ、アルミナなどからなる艶消し剤;ポリカルボン酸塩などからなる分散剤;ベンゾフェノンなどからなる紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系などの酸化防止剤;ワックスなど、公知の添加剤を挙げることができる。これらは必要により単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の鉄系金属用耐食層の各塗料被膜層に用いられる各塗料の製造には塗料製造に慣用されている設備を使用する。製造方法は特に限定されないが、たとえば市販の樹脂成分に顔料、添加剤(顔料分散剤、粘性調整剤等)、溶剤などを添加した後、ロールミル、SGミル、ディスパーなどで分散処理することによって所望の塗料が得られる。
本発明の鉄系金属用耐食層に用いられる各塗料を塗布する方法は特に限定されないが、刷毛塗装、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、浸漬塗装、シャワーコート塗装などの方法で塗布される。
一次塗料被膜層およびアクリル樹脂被膜の最外層の厚さは、塗装処理される鉄系金属の用途により適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。たとえば上下水道に用いられる鋳鉄管の場合、おおよそ10μm〜100μmの範囲で適宜設定することができる。
また、本発明の態様の1つとして、鉄系金属の外面に、(1)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金を溶射し、溶射被膜層を形成する工程、(2)前記溶射被膜層の外側にアクリル系樹脂塗料を塗装し、アクリル系樹脂被膜の一次塗料被膜層を形成する工程、および(3)前記一次塗料被膜層の外側に、ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂を含む塗料を塗装し、アクリル樹脂被膜の最外層を形成する工程を含むことを特徴とする鉄系金属の耐食方法があるが、この鉄系金属の耐食方法に用いられる溶射被膜層、一次塗料被膜層およびアクリル樹脂被膜の最外層は、いずれも上述の鉄系金属用耐食層についての説明が適用される。
実施例および比較例において使用した成分の詳細をつぎに示す。
<亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射>
亜鉛と、ケイ素を12%含有するアルミニウムとの擬合金溶射
<封孔処理>
クリモトコートTSブロック(アクリル系樹脂13.5質量%、アモルファスシリカ13.0質量%、添加剤0.5質量%、水73質量%を含むアモルファスシリカ系封孔処理剤:大日本塗料株式会社製)
<一次塗装>
クリモトコートWRグレー(アクリル系樹脂44.0質量%、着色・体質顔料43.0質量%、添加剤3.0質量%、水10質量%を含むラテックス系塗料:大日本塗料株式会社製)
<上塗り塗装>
アクリル樹脂
上塗り塗料組成物A
アクリディック WYL−567(DIC株式会社製):メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル系共重合体、Tg:69℃、数平均分子量(Mn):32,000
上塗り塗料組成物B
アクリディック WYL−588(DIC株式会社製):メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル系共重合体、Tg:47℃、数平均分子量(Mn):20,000
数平均分子量(Mn)は、以下の条件で測定した。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
製造例1:上塗り塗料の製造
上塗り塗料を表1の組成により攪拌して製造した。
実施例1および比較例1
呼び径100のダクタイル鋳鉄管に亜鉛−ケイ素含有アルミニウムを260g/m2で溶射して、鋳鉄管上に亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜を形成した。得られた亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜上に、封孔処理を100g/m2で施し、一次塗装としてクリモトコートWRグレーを膜厚60μmでスプレーにより塗布し、乾燥させた。製造例にて調製した上塗り塗料組成物AまたはBのいずれかを膜厚20μmでスプレーもしくは刷毛により塗布し、乾燥させた。ここでは、上塗り塗装組成物Aを塗布したものを実施例1、上塗り塗装組成物Bを塗布したものを比較例1とした。乾燥後、鋳鉄管を150×90mmの瓦状試験片に切り出し、試験面以外を液状エポキシ樹脂塗料などで塗装し、乾燥させた。その後、試験片表面に0.3×50mmのX状の傷を付けた。
試験例
実施例1および比較例1で得られた試験片について、複合サイクル試験(CCT)を行い、白錆、赤錆、フクレの有無などの塗膜外観を評価した。
複合サイクル試験
実施例1および比較例1で得られた試験片を、JIS K 5600−7−9(2006)サイクル腐食試験方法サイクルAに準拠して、120日間複合サイクル試験を行った。塗膜外観を以下の基準で目視判定した。結果を図1に示す。
実施例1ではクロスカット部以外には特に大きな変化は見られず、クロスカット部に白錆が見られるのみであった。一方、比較例1では、クロスカット部周辺に広くフクレが見られ、さらには、赤錆も観察された(図1中矢印で示す)。
これらの結果から、本発明の亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜に特定のアクリル系樹脂被膜層を最外層に組み合わせた実施例1では、フクレをほぼ完全に抑制できることがわかる。

Claims (6)

  1. (a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜層とその上に(b)一次塗料被膜層とを有し、最外層に(c)ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂被膜層を有し、(a)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金溶射被膜層に封孔処理がなされていることを特徴とする鉄系金属用耐食層。
  2. (b)一次塗料被膜層が、アクリル系樹脂塗料の樹脂被膜層である請求項記載の鉄系金属用耐食層。
  3. 請求項1または2記載の耐食層が施された鉄系金属。
  4. 請求項1または2記載の耐食層が施された鋳鉄管。
  5. 鉄系金属の外面に、
    (1)亜鉛−ケイ素含有アルミニウム擬合金を溶射し、溶射被膜層を形成する工程、
    (1a)前記溶射被膜層に封孔処理を施す工程、
    (2)前記溶射被膜層の外側にアクリル系樹脂塗料を塗装し、アクリル系樹脂被膜の一次塗料被膜層を形成する工程、および
    (3)前記一次塗料被膜層の外側に、ガラス転移温度(Tg)50〜80℃、数平均分子量25,000〜60,000のアクリル系樹脂を含む上塗り塗料を塗装し、アクリル樹脂被膜の最外層を形成する工程
    を含むことを特徴とする鉄系金属の耐食方法。
  6. 鉄系金属が鋳鉄管である請求項記載の耐食方法。
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