JP5733667B2 - 外面溶射管 - Google Patents

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本発明は、外面に金属溶射によって形成された防食層を有する鋳鉄製または鋼製の外面溶射管に関する。
外面に金属溶射によって形成された防食層を有する鋳鉄製または鋼製の外面溶射管は、幅広く使用されており、特に耐食性が要求される埋設用途等によく使用される。このような外面溶射管には、その防食層として亜鉛の溶射層を有するものが多いが、より耐食性の高いものとして、亜鉛とアルミニウムの合金や擬合金の防食層を有するものがある。アルミニウムを含む防食層の防食性能が亜鉛単独の防食層よりも高いのは、アルミニウムが亜鉛のイオン化による溶出を抑制するためである。
上記亜鉛とアルミニウムの擬合金の防食層は、亜鉛とアルミニウムをそれぞれ単独で同時に溶射して亜鉛層とアルミニウム層を混成したもので、亜鉛とアルミニウムの合金を溶射して形成したものよりも防食性能が優れるとされ、コスト面でも有利である(特許文献1参照。)。また、その防食性能の向上を図るために、擬合金を形成するアルミニウムにマグネシウムを添加したものもある。
このような亜鉛とアルミニウムとの擬合金や、亜鉛とマグネシウム含有アルミニウム合金との擬合金(以下、まとめてZn−Al系擬合金と記す。)の防食層を有する外面溶射管は、埋設環境でも優れた耐食性を示す。しかし、近年、さらなる耐食性の向上による長寿命化が求められるようになってきている。
特開平10−264301号公報
本発明の課題は、外面にZn−Al系擬合金の防食層を有する鋳鉄製または鋼製の外面溶射管の耐食性を一層向上させることである。
上記の課題を解決するために、本発明者らはZn−Al系擬合金の防食層について研究を重ね、その結果、従来の防食層では、腐食性環境中で発生する腐食生成物が腐食に対する保護層として働くが、擬合金を形成するアルミニウムにケイ素(Si)を適量添加すると、腐食生成物が緻密化し、強固な保護層となって耐食性をさらに高めることを見出した。
そこで、本発明は、外面に金属溶射によって形成された防食層を有する鋳鉄製または鋼製の外面溶射管において、前記防食層を、亜鉛層とケイ素を含有するアルミニウム合金層とを混成した擬合金層としたのである。
上記の構成によれば、腐食性環境中で防食層表面に発生する腐食生成物が、長期間剥離することなく腐食に対する保護層として働くので、従来のZn−Al系擬合金の防食層を有するものよりも優れた耐食性を得ることができる。
また、前記擬合金層を形成する亜鉛層を、アルミニウムを含有する亜鉛合金層に代えることもできる。このようにすれば、亜鉛層と前記アルミニウム合金層とで擬合金層を形成した場合と同等の優れた耐食性が得られる。
上述したように、本発明は、外面溶射管の外面の防食層を、亜鉛層またはアルミニウムを含有する亜鉛合金層とケイ素を含有するアルミニウム合金層とを混成した擬合金層とすることにより、腐食性環境中で防食層表面に安定した腐食生成物が生じるようにしたので、従来のZn−Al系擬合金の防食層を有するものよりも管の耐食性を向上させ、耐食寿命を延長することができる。
本発明の第1の実施形態の外面溶射管は、鋳鉄管または鋼管の外面に、金属溶射によって亜鉛層とケイ素を12mass%含有するアルミニウム合金層とが混じり合った擬合金層(防食層)を形成したものである。
以下、上記第1実施形態の外面溶射管の耐食性を確認するために行った第1の耐食試験について説明する。その試験片は、サンドブラスト処理を施した150mm×70mm×1.6mmの軟鋼板に、直径1.6mmの亜鉛線材とケイ素を12mass%含有するアルミニウム合金の線材を体積比1:1でアーク溶射して、130g/mの擬合金層を形成したものを用いた(実施例1)。
また、比較例として、防食層を亜鉛層(比較例1)、亜鉛とアルミニウムの擬合金層(比較例2)、亜鉛とマグネシウムを5mass%含有するアルミニウム合金との擬合金層(比較例3)とする試験片を作製した。その作製方法は、実施例の場合と溶射用の金属線材(溶射線材)の材質が異なるだけで、同じ溶射方法でほぼ同量の防食層が形成されるようにした。
そして、各試験片の中央部に一辺が50mmのクロスカットを下地に達するように入れた後、各試験片に対して、JIS K5600−7−9に規定されるサイクル腐食試験(サイクルA:塩水噴霧2hr→乾燥4hr→湿潤2hrのサイクルを繰り返す)を行い、赤錆発生までの日数を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 0005733667
表1から、実施例1では、赤錆発生までの日数が各比較例に比べて非常に長く、従来のZn−Al系擬合金の防食層を形成した比較例2、3の2倍以上の耐食性を有していることがわかる。また、試験後の各試験片の表面を観察したところ、比較例2、3では腐食生成物の剥離が多く見られたのに対し、実施例1の腐食生成物は安定して試験片表面に存在していた。
次に、第2および第3の実施形態について説明する。第2実施形態の外面溶射管は、第1実施形態の擬合金層を形成するアルミニウム合金層のケイ素含有量を5mass%としたものである。一方、第3実施形態の外面溶射管は、第2実施形態の擬合金層を形成する亜鉛層を、アルミニウムを15mass%含有する亜鉛合金層に代えたものである。
上記第2、第3の実施形態についても、前述の第1の耐食試験とほぼ同じ方法で第2の耐食試験を行った。ただし、この第2耐食試験では、サイクル腐食試験の途中で週1回試験片を塩水に漬けて電位測定を行うようにしたので、試験片として第1実施形態に相当するものも用意し、各実施形態で耐食性の比較ができるようにした。その試験片の構成を表2に示す。
Figure 0005733667
表2に示す各試験片のうち、実施例2〜4が第1実施形態、実施例5〜7が第2実施形態、実施例8が第3実施形態にそれぞれ相当する。実施例2は、第1耐食試験の実施例1と同じ溶射線材を用いて擬合金層の溶射量を増やしたものである。同様に、比較例4は、第1耐食試験の比較例2と同じ溶射線材を用い、溶射量を増やしたものである。また、実施例2〜4および実施例5〜7では、それぞれ溶射線材の直径を変えることにより擬合金層の組成を変化させている。そして、各試験片の擬合金層の溶射量を260g/mとした場合と325g/mとした場合について、第1耐食試験と同じサイクル腐食試験を行い、赤錆発生までの日数を測定した。その測定結果を、擬合金層の溶射量および組成から求められる溶射皮膜厚と合わせて、表3および表4に示す。
Figure 0005733667
Figure 0005733667
表3、4から、第2耐食試験の各実施例の赤錆発生までの日数は、比較例4に比べて非常に長くなっていることがわかる。なお、実施例8では、赤錆が発生しない状態の日数が52日に達し、他の実施例と同等の耐食性を有していることが確認された時点で試験を中止している。また、この第2耐食試験の条件の範囲では、各実施例で溶射量が同じ場合は、溶射皮膜厚やアルミニウム合金層のケイ素含有量と赤錆発生までの日数(耐食性)との間に相関がないこと、同一実施例(溶射線材の条件が同じ)で溶射量を変えた場合は、溶射量が多い(溶射皮膜厚が厚い)方が耐食性が高くなることもわかる。
そして、表1と表3、4とで、溶射線材の条件が同じものどうし、すなわち実施例1と実施例2あるいは比較例2と比較例4を比べると、実施例2が実施例1よりも、また比較例4が比較例2よりも、それぞれ赤錆発生までの日数が長くなっている。これは、第2耐食試験では第1耐食試験よりも溶射量が多いこと、および前述のように週1回の塩水浸漬を実施したことによるものと考えられる。
上記の第1および第2の耐食試験の結果から、各実施形態の外面溶射管は、従来のZn−Al系擬合金の防食層を有するものよりも格段に優れた耐食性を有し、極めて耐食寿命の長いものとなることが確認された。

Claims (1)

  1. 外面に金属溶射によって形成された防食層を有する鋳鉄製または鋼製の外面溶射管において、前記防食層が、亜鉛層またはアルミニウムを含有する亜鉛合金層とケイ素を含有するアルミニウム合金層とを混成した擬合金層であることを特徴とする外面溶射管。
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