JP2689207B2 - 湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼 - Google Patents
湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼Info
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- JP2689207B2 JP2689207B2 JP4331651A JP33165192A JP2689207B2 JP 2689207 B2 JP2689207 B2 JP 2689207B2 JP 4331651 A JP4331651 A JP 4331651A JP 33165192 A JP33165192 A JP 33165192A JP 2689207 B2 JP2689207 B2 JP 2689207B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性の優れた鋼に係
り、さらに詳しくは、例えば自動車や船舶等の内燃機関
の排気系統において優れた耐食性を有する鋼に関する。
り、さらに詳しくは、例えば自動車や船舶等の内燃機関
の排気系統において優れた耐食性を有する鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車を中心とする内燃機関の排
気系統には、内面あるいは外面からの腐食を抑制するた
めに普通鋼にアルミニウムメッキや亜鉛メッキを施した
鋼が使用されてきた。環境汚染を抑制するために排気ガ
ス浄化の目的で触媒等が排気系統に具備されたために、
こうしたメッキ鋼材では耐食性が充分ではなくなり、鋼
素地の耐食性向上を目的として5〜10%のCrを含有
させた鋼が、特開昭63−143240号公報や特開昭
63−143241号公報で提案されている。しかし、
近年の車両の使用期間および保証期間の延長に伴なっ
て、さらにCrを18%程度まで含有させ、あるいはさ
らにMoを添加した高級ステンレス鋼が排気系統に多く
使用されている。しかし、このような高級ステンレス鋼
であっても孔食状の局部腐食が発生する場合があるな
ど、耐食性は必ずしも充分ではない。また、こうした高
級ステンレス鋼はCrやMoを多量に含有するために加
工性が悪く、排気系部材のような複雑な形状を形成する
ためには、製造に非常な困難を伴い、製造工程が著しく
複雑になるために加工コストも高くなるという難点があ
り、しかも素材コストが高い。
気系統には、内面あるいは外面からの腐食を抑制するた
めに普通鋼にアルミニウムメッキや亜鉛メッキを施した
鋼が使用されてきた。環境汚染を抑制するために排気ガ
ス浄化の目的で触媒等が排気系統に具備されたために、
こうしたメッキ鋼材では耐食性が充分ではなくなり、鋼
素地の耐食性向上を目的として5〜10%のCrを含有
させた鋼が、特開昭63−143240号公報や特開昭
63−143241号公報で提案されている。しかし、
近年の車両の使用期間および保証期間の延長に伴なっ
て、さらにCrを18%程度まで含有させ、あるいはさ
らにMoを添加した高級ステンレス鋼が排気系統に多く
使用されている。しかし、このような高級ステンレス鋼
であっても孔食状の局部腐食が発生する場合があるな
ど、耐食性は必ずしも充分ではない。また、こうした高
級ステンレス鋼はCrやMoを多量に含有するために加
工性が悪く、排気系部材のような複雑な形状を形成する
ためには、製造に非常な困難を伴い、製造工程が著しく
複雑になるために加工コストも高くなるという難点があ
り、しかも素材コストが高い。
【0003】上記の排気系統を代表として、一般にCr
をある程度含有する鋼では環境が厳しくなると局部腐食
が発生し易く、これに対する手段として腐食に対する抵
抗を向上させるためには、さらにCrあるいはMoの含
有量を増加させるのが極めて一般的な技術手段であっ
た。
をある程度含有する鋼では環境が厳しくなると局部腐食
が発生し易く、これに対する手段として腐食に対する抵
抗を向上させるためには、さらにCrあるいはMoの含
有量を増加させるのが極めて一般的な技術手段であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑みて、内燃機関の排気系統などの腐食環境に対する
抵抗が大きく、かつ低コストの鋼を提供することを目的
としている。
に鑑みて、内燃機関の排気系統などの腐食環境に対する
抵抗が大きく、かつ低コストの鋼を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために、排気系統をはじめとする腐食環境に
おいて優れた耐食性を有する鋼を開発すべく、種々の観
点から検討してきた。まず、本発明者らは排気系統の腐
食環境について検討し、内燃機関排気系統の腐食は排気
ガス中に含まれる塩化物、硫酸イオン等が80〜150
℃に加熱された環境において起こることを見出した。さ
らに、該腐食環境において耐食性を向上させる手段を種
々検討した結果、従来のステンレス鋼とは全く逆に、C
rを5.5〜9.9%に低減し、Alを0.3〜3.0
%添加した鋼が排気系統をはじめとする腐食環境で非常
に優れた耐食性を示すことを見出した。さらに本発明者
らはより優れた鋼を提供すべく検討を続けた結果、Cr
を5.5〜9.9%、Alを0.3〜3.0%含有する
鋼のCおよびNを低減すると耐食性の改善と加工性の向
上に効果があること、脱酸および強化元素としてはSi
およびMnが適切であること、上記の鋼にCu、Mo、
Sb、Niを単独あるいは組み合わせて添加するとより
優れた耐食性が得られることを見出した。
を達成するために、排気系統をはじめとする腐食環境に
おいて優れた耐食性を有する鋼を開発すべく、種々の観
点から検討してきた。まず、本発明者らは排気系統の腐
食環境について検討し、内燃機関排気系統の腐食は排気
ガス中に含まれる塩化物、硫酸イオン等が80〜150
℃に加熱された環境において起こることを見出した。さ
らに、該腐食環境において耐食性を向上させる手段を種
々検討した結果、従来のステンレス鋼とは全く逆に、C
rを5.5〜9.9%に低減し、Alを0.3〜3.0
%添加した鋼が排気系統をはじめとする腐食環境で非常
に優れた耐食性を示すことを見出した。さらに本発明者
らはより優れた鋼を提供すべく検討を続けた結果、Cr
を5.5〜9.9%、Alを0.3〜3.0%含有する
鋼のCおよびNを低減すると耐食性の改善と加工性の向
上に効果があること、脱酸および強化元素としてはSi
およびMnが適切であること、上記の鋼にCu、Mo、
Sb、Niを単独あるいは組み合わせて添加するとより
優れた耐食性が得られることを見出した。
【0006】本発明は主に上記の知見に基づいてなされ
たものであり、本発明の第1発明が要旨とするところ
は、重量%で、 Si:0.01%以上1.2%未満、 Mn:0.1〜1.5%、 Cr:5.5〜9.9%、 Al:0.3〜3.0% を含有し、 Cを0.02%以下、 Pを0.03%以下、 Sを0.01%以下、 Nを0.02%以下 に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなることを
特徴とする湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼。
たものであり、本発明の第1発明が要旨とするところ
は、重量%で、 Si:0.01%以上1.2%未満、 Mn:0.1〜1.5%、 Cr:5.5〜9.9%、 Al:0.3〜3.0% を含有し、 Cを0.02%以下、 Pを0.03%以下、 Sを0.01%以下、 Nを0.02%以下 に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなることを
特徴とする湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼。
【0007】第2発明が要旨とするところは、第1発明
の鋼に付加成分としてさらに、重量%で、 Cu:0.90〜3.0%、 Mo:0.05〜2.0%、 Sb:0.01〜0.5%、 Ni:0.01〜2.0% の1種または2種以上を含有する鋼にある。
の鋼に付加成分としてさらに、重量%で、 Cu:0.90〜3.0%、 Mo:0.05〜2.0%、 Sb:0.01〜0.5%、 Ni:0.01〜2.0% の1種または2種以上を含有する鋼にある。
【0008】第3発明が要旨とするところは、第1発明
あるいは第2発明の鋼に付加成分としてさらに、重量%
で、希土類元素:0.001〜0.1%、 Ca:0.
0005〜0.03%の1種または2種を含有する鋼に
ある。
あるいは第2発明の鋼に付加成分としてさらに、重量%
で、希土類元素:0.001〜0.1%、 Ca:0.
0005〜0.03%の1種または2種を含有する鋼に
ある。
【0009】
【作用】以下に本発明において各成分の範囲を限定した
理由を述べる。 Si: SiはCrを5.5%以上含有する鋼に脱酸剤
および強化元素としての添加が有効であるが、含有量が
0.01%未満ではその脱酸効果が充分ではなく、1.
2%以上を含有するともはやその効果は飽和している上
に加工性を低下させるので、含有量範囲を0.01%以
上1.2%未満に限定する。
理由を述べる。 Si: SiはCrを5.5%以上含有する鋼に脱酸剤
および強化元素としての添加が有効であるが、含有量が
0.01%未満ではその脱酸効果が充分ではなく、1.
2%以上を含有するともはやその効果は飽和している上
に加工性を低下させるので、含有量範囲を0.01%以
上1.2%未満に限定する。
【0010】Mn: Mnは鋼の脱酸剤として必要で
0.1%以上を含有させる必要があるが、1.5%を超
えて含有させてもその効果はもはや飽和しているばかり
か、過剰にMnを含有させると加工性が低下するので上
限含有量は1.5%とする。 Cr: Crは耐食性を確保するために5.5%以上を
含有させることが必要であるが、9.9%を超えて含有
させてもいたずらにコストを増すばかりか、加工性が低
下するので上限含有量は9.9%とする。
0.1%以上を含有させる必要があるが、1.5%を超
えて含有させてもその効果はもはや飽和しているばかり
か、過剰にMnを含有させると加工性が低下するので上
限含有量は1.5%とする。 Cr: Crは耐食性を確保するために5.5%以上を
含有させることが必要であるが、9.9%を超えて含有
させてもいたずらにコストを増すばかりか、加工性が低
下するので上限含有量は9.9%とする。
【0011】Al: Alは本発明において耐食性を確
保するためにCrと並んで重要な元素であって、前述の
通りAlの含有量が0.3%未満では孔食の発生を抑制
する効果が充分ではなく、一方、3.0%を超えて添加
するとその効果は飽和するのに対して加工性を低下させ
るものであるから、Alの含有量は0.3〜3.0%に
限定する。
保するためにCrと並んで重要な元素であって、前述の
通りAlの含有量が0.3%未満では孔食の発生を抑制
する効果が充分ではなく、一方、3.0%を超えて添加
するとその効果は飽和するのに対して加工性を低下させ
るものであるから、Alの含有量は0.3〜3.0%に
限定する。
【0012】C、N: CおよびNは鋼板の加工性を低
下させる上に、CはCrと炭化物を生成して耐食性を低
下させるので、またNは靱性を低下させるので、Cおよ
びN量は少ない方が望ましく、上限含有量は、いずれも
0.02%とし、いずれも少ないほど好ましい。 P: Pは多量に存在すると靱性を低下させるので少な
い方が望ましく、上限含有量は0.03%とする。
下させる上に、CはCrと炭化物を生成して耐食性を低
下させるので、またNは靱性を低下させるので、Cおよ
びN量は少ない方が望ましく、上限含有量は、いずれも
0.02%とし、いずれも少ないほど好ましい。 P: Pは多量に存在すると靱性を低下させるので少な
い方が望ましく、上限含有量は0.03%とする。
【0013】S: Sも多量に存在すると耐孔食性を低
下させるので少ない方が望ましく、上限含有量は0.0
1%とする。 以上が本発明が対象とする耐食性に優れた鋼の基本的成
分であるが、本発明においては必要に応じてさらに以下
の元素を添加して特性を一段と向上させた鋼も対象とし
ている。
下させるので少ない方が望ましく、上限含有量は0.0
1%とする。 以上が本発明が対象とする耐食性に優れた鋼の基本的成
分であるが、本発明においては必要に応じてさらに以下
の元素を添加して特性を一段と向上させた鋼も対象とし
ている。
【0014】Cu: CuはCrを5.5%以上含有
し、Alを0.3%以上含有する鋼に0.05%以上添
加すると全面腐食に対する抵抗を向上させる効果がある
が、3.0%を超えて添加しても効果が飽和するばかり
か熱間加工性を低下させるので上限含有量は3.0%と
する。 Mo: MoはCrを5.5%以上含有し、Alを0.
3%以上含有する鋼に0.05%以上添加すると孔食の
発生と成長を抑制する効果があるが、2.0%を超えて
添加しても効果が飽和するばかりか加工性を低下させる
ので上限含有量は2.0%とする。
し、Alを0.3%以上含有する鋼に0.05%以上添
加すると全面腐食に対する抵抗を向上させる効果がある
が、3.0%を超えて添加しても効果が飽和するばかり
か熱間加工性を低下させるので上限含有量は3.0%と
する。 Mo: MoはCrを5.5%以上含有し、Alを0.
3%以上含有する鋼に0.05%以上添加すると孔食の
発生と成長を抑制する効果があるが、2.0%を超えて
添加しても効果が飽和するばかりか加工性を低下させる
ので上限含有量は2.0%とする。
【0015】Sb: SbもCrを5.5%以上含有
し、Alを0.3%以上含有する鋼に0.01%以上添
加すると孔食および全面腐食に対する抵抗を向上させる
効果があるが、0.5%を超えて添加すると熱間加工性
を低下させるので上限含有量は0.5%とする。 Ni: NiはCrを5.5%以上含有し、Alを0.
3%以上含有する鋼に0.01%以上添加すると孔食を
抑制する効果があるが、2.0%を超えて添加しても効
果が飽和するばかりか熱間加工性を低下させるので上限
含有量は2.0%とする。
し、Alを0.3%以上含有する鋼に0.01%以上添
加すると孔食および全面腐食に対する抵抗を向上させる
効果があるが、0.5%を超えて添加すると熱間加工性
を低下させるので上限含有量は0.5%とする。 Ni: NiはCrを5.5%以上含有し、Alを0.
3%以上含有する鋼に0.01%以上添加すると孔食を
抑制する効果があるが、2.0%を超えて添加しても効
果が飽和するばかりか熱間加工性を低下させるので上限
含有量は2.0%とする。
【0016】希土類元素(REM)、Ca: 希土類元
素およびCaは熱間加工性の向上と耐孔食性の改善に効
果のある元素であるが、添加量が希土類元素では0.0
01%未満、Caでは0.0005%未満ではその効果
が充分ではなく、希土類元素では0.1%を超えて、C
aでは0.03%を超えて添加すると、それぞれ粗大な
非金属介在物を生成して逆に熱間加工性や耐孔食性を劣
化させるので、上限含有量は希土類元素では0.1%、
Caでは0.03%とした。なお、本発明において希土
類元素とは原子番号が57〜71番および89〜103
番の元素およびYを指す。
素およびCaは熱間加工性の向上と耐孔食性の改善に効
果のある元素であるが、添加量が希土類元素では0.0
01%未満、Caでは0.0005%未満ではその効果
が充分ではなく、希土類元素では0.1%を超えて、C
aでは0.03%を超えて添加すると、それぞれ粗大な
非金属介在物を生成して逆に熱間加工性や耐孔食性を劣
化させるので、上限含有量は希土類元素では0.1%、
Caでは0.03%とした。なお、本発明において希土
類元素とは原子番号が57〜71番および89〜103
番の元素およびYを指す。
【0017】本発明において提案する鋼は、内燃機関の
排気系統に使用するに際して、まず鋼板として製造した
後にそれをプレス等で所定の形状に成形し、さらに加工
・溶接して製品として製造しても良いし、鋼板を、例え
ば電縫鋼管等としてまず鋼管の形状にした後に2次加工
および溶接等によって製品に使用しても良く、その他の
プロセスも含めて本発明で限定する組成および元素の組
み合わせを有する鋼は、いずれも本発明の対象とすると
ころであって、コストや既存製造設備の制約等によって
最適な製品製造工程を選択することができ、どの製造工
程を選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱
するものではない。また、本発明において提案する鋼は
内燃機関の排気系統の他、塩化物や硫酸イオン等を含有
する水溶液が高温に曝されたり、加熱・冷却が繰り返さ
れる環境等、種々の腐食環境に適用することができる。
排気系統に使用するに際して、まず鋼板として製造した
後にそれをプレス等で所定の形状に成形し、さらに加工
・溶接して製品として製造しても良いし、鋼板を、例え
ば電縫鋼管等としてまず鋼管の形状にした後に2次加工
および溶接等によって製品に使用しても良く、その他の
プロセスも含めて本発明で限定する組成および元素の組
み合わせを有する鋼は、いずれも本発明の対象とすると
ころであって、コストや既存製造設備の制約等によって
最適な製品製造工程を選択することができ、どの製造工
程を選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱
するものではない。また、本発明において提案する鋼は
内燃機関の排気系統の他、塩化物や硫酸イオン等を含有
する水溶液が高温に曝されたり、加熱・冷却が繰り返さ
れる環境等、種々の腐食環境に適用することができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
1、表2(表1のつづき−1)、表3(表1のつづき−
2)に成分を示す鋼を溶製し、熱延、冷延等の通常の鋼
板製造工程によって肉厚1mmの鋼板とし、850℃に
て焼鈍を施した。次にこれらの鋼板から幅50mm、長
さ70mmの試験片を採取して、腐食試験に供した。腐
食試験は、硫酸イオン100ppm、塩化物イオン10
0ppm、重炭酸イオン500ppmをアンモニウム塩
の形で添加した水溶液50cm3 中に試験片を半分まで
浸漬し、試験容器ごと130℃の雰囲気に保持して試験
溶液が完全に蒸発・揮散することを20回繰り返す試験
とした。これは自動車排気系の腐食条件を模擬したもの
である。試験結果を表1〜3に併せて示した。なお最大
腐食深さが◎は測定した最大の腐食深さが0.2mm以
下、○は0.3mm以下、×は0.3mm超であったこ
とをそれぞれ示している。
1、表2(表1のつづき−1)、表3(表1のつづき−
2)に成分を示す鋼を溶製し、熱延、冷延等の通常の鋼
板製造工程によって肉厚1mmの鋼板とし、850℃に
て焼鈍を施した。次にこれらの鋼板から幅50mm、長
さ70mmの試験片を採取して、腐食試験に供した。腐
食試験は、硫酸イオン100ppm、塩化物イオン10
0ppm、重炭酸イオン500ppmをアンモニウム塩
の形で添加した水溶液50cm3 中に試験片を半分まで
浸漬し、試験容器ごと130℃の雰囲気に保持して試験
溶液が完全に蒸発・揮散することを20回繰り返す試験
とした。これは自動車排気系の腐食条件を模擬したもの
である。試験結果を表1〜3に併せて示した。なお最大
腐食深さが◎は測定した最大の腐食深さが0.2mm以
下、○は0.3mm以下、×は0.3mm超であったこ
とをそれぞれ示している。
【0019】表1〜3から明らかなように、本発明例で
あるNo.1〜36は排気環境という非常に厳しい腐食
環境であっても良好な耐食性を示しているのに対して、
比較例であるNo.37〜49は耐食性に劣ることがわ
かる。
あるNo.1〜36は排気環境という非常に厳しい腐食
環境であっても良好な耐食性を示しているのに対して、
比較例であるNo.37〜49は耐食性に劣ることがわ
かる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は自動車等の
内燃機関の排気系統での耐食性に優れた鋼を低コストで
提供することを可能としたものであり、産業の発展に貢
献するところ極めて大である。
内燃機関の排気系統での耐食性に優れた鋼を低コストで
提供することを可能としたものであり、産業の発展に貢
献するところ極めて大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 Si:0.01%以上1.2%未満、 Mn:0.1〜1.5%、 Cr:5.5〜9.9%、 Al:0.3〜3.0% を含有し、 Cを0.02%以下、 Pを0.03%以下、 Sを0.01%以下、 Nを0.02%以下 に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなることを
特徴とする湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼。 - 【請求項2】 付加成分としてさらに、重量%で、 Cu:0.90〜3.0%、 Mo:0.05〜2.0%、 Sb:0.01〜0.5%、 Ni:0.01〜2.0% の1種または2種以上を含有する請求項1記載の湿潤耐
食性の優れた内燃機関排気系用鋼。 - 【請求項3】 付加成分としてさらに、重量%で、 希土類元素:0.001〜0.1%、 Ca:0.0005〜0.03% の1種または2種を含有する請求項1または2記載の湿
潤耐食性の優れた優れた内燃機関排気系用鋼。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2297292 | 1992-02-07 | ||
JP4-22972 | 1992-02-07 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05279791A JPH05279791A (ja) | 1993-10-26 |
JP2689207B2 true JP2689207B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=12097486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4331651A Expired - Lifetime JP2689207B2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-12-11 | 湿潤耐食性の優れた内燃機関排気系用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689207B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4441295B2 (ja) * | 2004-03-15 | 2010-03-31 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性および切削性に優れた溶接用高強度鋼および溶接用高強度鋼板の製造法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59179758A (ja) * | 1983-03-30 | 1984-10-12 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | 自動車排気系部材用高耐食性クロム鋼 |
JPH02213449A (ja) * | 1989-02-13 | 1990-08-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ごみ焼却廃熱ボイラ管用高耐食鋼 |
JP2620809B2 (ja) * | 1989-02-18 | 1997-06-18 | 新日本製鐵株式会社 | 耐高温高塩化物イオン濃度湿潤高圧炭酸ガス環境腐食性、耐応力腐食割れ性の優れた高強度マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 |
JPH03158436A (ja) * | 1989-11-16 | 1991-07-08 | Nippon Steel Corp | 海浜耐候性構造用鋼 |
-
1992
- 1992-12-11 JP JP4331651A patent/JP2689207B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05279791A (ja) | 1993-10-26 |
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