JP2687093B2 - 簡易装着用ネクタイの結び目 - Google Patents

簡易装着用ネクタイの結び目

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JP2687093B2
JP2687093B2 JP6051256A JP5125694A JP2687093B2 JP 2687093 B2 JP2687093 B2 JP 2687093B2 JP 6051256 A JP6051256 A JP 6051256A JP 5125694 A JP5125694 A JP 5125694A JP 2687093 B2 JP2687093 B2 JP 2687093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ネクタイを結ばなく
ても結んでいるように見せかけることができる簡易装着
用ネクタイの結び目に関する。
【0002】
【従来の技術】ネクタイを、結び目、前垂れ、首巻き帯
の各々の部分に分離し、それぞれ別個に製作した後、組
み合わせて一本のネクタイを締めているかのように見
せ、着脱を簡易ならしめるとともに、各部の交換により
意匠の変化を楽しむことのできる簡易装着用ネクタイが
種々知られている。
【0003】例えば、ネクタイを通す孔を有する逆三角
錘状の筒体からなるネクタイ締め具(実開昭53−23
609号公報、実開昭55−168027号公報)や、
更にその筒体にネクタイを止める止め具を備えた結び目
(実公昭52−2582号公報、実開昭53−8831
7号公報、)、あるいは筒体の両側湾曲部と正面とに通
し孔を設けたネクタイ締め補助具(実公昭52−252
96号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単に逆三角錘
状の筒体からなるものは、緩みやすいうえ、結び目の上
部が円弧状であるので、襟元に密着せず、シャツの襟元
を露出させてしまう。従って、頻繁にスタイルの美感を
損ねる。かといって、緩まないように止め具を備えたも
のは、重たくて使用時に疲れ易い。また、実公昭52−
25296号公報に記載のものは、ネクタイを3つの孔
に通すので、すべりが悪いうえ、手間数が実際のネクタ
イを通す場合とあまり変わらない。
【0005】この発明の第一の目的は、これら従来の疑
似ネクタイの課題を解決し、軽量で緩みにくく、襟元に
密着しうる簡易装着用ネクタイの結び目を提供すること
にある。第二の目的は、従来の疑似ネクタイよりも更に
実際のネクタイに似せた簡易装着用ネクタイを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
に、この発明の簡易装着用ネクタイの結び目は、可撓性
材料よりなり展開したときの正面視形状がほぼ四辺形で
あって、その下底辺を環状に湾曲させて両端を連結する
ことにより正面視形状が逆台形をなす胴部と、胴部の上
底辺に沿って且つ両端が上底辺よりはみ出すように長寸
状に設けられ、それらはみ出し部分が内側に巻かれてそ
れぞれ輪を形成している帯部とを備え、帯部の曲げ剛性
が胴部のそれよりも高いことを特徴とする。
【0007】ここで、望ましいのは、帯部のはみ出し部
分の内周面に突起が形成されているものである。同じく
望ましいのは、帯部の内側に、鉤又は鉤孔が設けられて
いるものである。なお、胴部及び帯部の露出面には、ネ
クタイ布地を貼ってもよいし、布地を貼らずにそれらの
素材自体に装飾をプリントしてもよい。帯部は、上記の
ように長寸状であればよく、その形状が帯状のもののほ
か、ひも状又は針金状でもよい。
【0008】
【作用】本発明の結び目は、通常の1本のネクタイ又は
結び目と別途に製作された前垂れ、後ろ垂れ及び後ろ垂
れと結合してその上方で二股に分かれた首布と組み合わ
せて用いられる。通常の1本のネクタイと組み合わせる
場合、本発明結び目の帯部に形成された一方の輪にネク
タイの後ろ垂れを通し、首に巻いた後、他方の輪に通
し、最後に結び目を襟元まで上げることにより、ネクタ
イを締めた格好となる。別途製作された前垂れ、首布及
び後ろ垂れと組み合わせる場合、前垂れを本発明結び目
の胴部の裏面に固定し、首布を上記の輪に通した後、結
び目を襟元まで上げることにより、ネクタイを結んだ格
好となる。前垂れを胴部に固定する手段としては、胴部
裏面に貼るか又は予め前垂れの上部と結び目の帯部とに
それぞれ鉤及び鉤孔を設けておいてそれらを掛け合わせ
るのがよい。鉤及び鉤孔を掛け合わせる場合、結び目と
他部との取り替えが可能となるので、洗濯が容易になる
他、意匠の変化を楽しむこともできる。
【0009】本発明の結び目は、主体となる胴部が例え
ば塩化ビニール樹脂等の可撓性材料よりなり、他に帯部
と布を備えるだけであるので、軽量である。そして、後
ろ垂れ又は首布を帯部両端の2つの輪に通して使用され
るので、緩みにくい。2つの輪の内周面に突起が形成さ
れていると、摩擦力が大きくなるので一層緩みにくい。
しかも、帯部の曲げ剛性が胴部のそれよりも高いから、
胴部の下底辺を環状に湾曲させても、上底辺の曲率は下
底辺の曲率よりも大きい。このため、胴部の上底辺は、
従来の逆三角錘形の結び目にみられるような円弧状では
なく、直線に近い楕円弧状となり、襟元に密着する。
【0010】次に、ネクタイの締め方にもいろいろある
が、幅の狭い後ろ垂れを固定し、それに顎の下で幅の広
い前垂れを交差させてできる輪に前垂れを通す点では全
て共通している。この点、本発明の結び目は、帯部両端
の輪がネクタイを締める際の前垂れの軌跡に類似してい
るので、疑似ネクタイであることを他人に見破られにく
い。
【0011】
【実施例】
−実施例1− 本発明の一実施例を図面とともに説明する。図1は、簡
易装着用ネクタイの結び目(以下、単に「結び目」とい
う)の胴部と帯部を組み合わせたところを示す斜視図、
図2は、結び目を製作する過程を示す図、図3は、結び
目の使用状態を示す背面図、図4は、同じく正面図であ
る。
【0012】結び目1は、胴部2、帯部3及び布4から
なる。胴部2は、塩化ビニール樹脂等の可撓性材料より
なり、0.2〜0.3mm程度の厚さで、展開したとき
の正面視形状がほぼ台形であって、その下底辺21を環
状に湾曲させて両端を止め具22で連結することにより
正面視形状が逆台形をなす。帯部3は、ブリキ板よりな
る帯状体であって、一長辺が胴部2の上底辺23に揃う
ように且つ両端が上底辺23よりはみ出すように胴部2
の裏面に接着され、それらはみ出し部分が内側に巻かれ
てそれぞれ輪31,31を形成している。布4は、通常
のネクタイ地よりなり、これら胴部2及び帯部3の露出
面に貼られている。
【0013】結び目1を製作する方法としては、先ず、
台形状に成形された胴部2と帯状に成形された帯部3と
を接着し、これに更に図2のように糊代を考慮した大き
さの布4を糊付けする。次に帯部3の両端を巻いてそれ
ぞれ輪31,31を形成する。そして、胴部2の下底辺
21を湾曲させ、両端を重ね合わせて止め具22を通し
て固定することによって、完成する。なお、止め具22
は、単に安全ピンでもよいし、鈎ホック、スナップボタ
ン又はマジックテープ(登録商標)でもよい。
【0014】結び目1を使用する際には、図3に示すよ
うに、別途製作したネクタイの前垂れPを胴部2の裏面
に糊等で固着し、後ろ垂れQ及びそれにY字状に縫合さ
れた2本の首布R,Rを胴部2の内側に通し、更に首布
R,Rの遊端をそれぞれ帯部3両端の輪31,31に通
す。
【0015】この状態を正面から眺めると、図4のよう
に実際にネクタイを締めた格好となる。特に、帯部3両
端の輪31,31がネクタイを締める際の前垂れPの軌
跡に類似しているので、疑似ネクタイであることを他人
に見破られにくい。そして、結び目1は、主体となる胴
部2が薄板状の塩化ビニール樹脂よりなり、他に帯部3
と布4を備えるだけであるので、軽量である。しかも、
首布R,Rがそれぞれ輪31,31に通されているの
で、適度に摩擦し、緩みにくい一方、締める際のすべり
もよい。更に、帯部3が胴部2よりも肉厚で、その曲げ
剛性が胴部2のそれよりも高いから、胴部2の下底辺2
1を環状に湾曲させても、上底辺23は、直線に近い楕
円弧状となる。このため、上底辺23が襟元に密着す
る。従って、カッターシャツの襟元が結び目1に隠れ、
体裁が良い。
【0016】帯部と胴部とは、上記のように特定される
ものであればよい。従って、それらを同一材料で一体成
形してもよいし、同一材料もしくは本例の如く異種材料
で別体成形した後、胴部の上底辺に沿って帯部を胴部の
裏面に接着してもよい。同一材料の場合、帯部を胴部よ
りも肉厚にすることにより、その剛性を胴部のそれより
高くすることができる。
【0017】−実施例2− 本発明の第二の実施例を図5及び図6とともに説明す
る。図5は、第二の実施例の帯部を示す斜視図、図6
は、図5のAA線に沿う断面図である。本例では、帯部
3の内側に、2つの鉤孔32,32が設けられているも
のである。その他は、実施例1と同様である。このよう
に鉤孔32,32を設けた場合、前垂れPに鉤S,Sを
付けておき、互いに掛け合わせることにより、前垂れP
又は汚れ易い結び目1が交換可能となり、洗濯が容易で
ある、意匠の変化を楽しむことができる、着用者の胴寸
に合う長さの前垂れPを選択できる等の多大の効果を有
する。なお、帯部3に鉤を設け、前垂れPに鉤孔を付け
ても同様の効果を生じる。
【0018】−実施例3− 本発明の第三の実施例を図7とともに説明する。図7
は、図5のBB線に沿う断面図である。本例では、帯部
3のはみ出し部分で形成された輪31,31の内周面に
環状の突起33,33が設けられているものである。そ
の他は、実施例1と同様である。このように突起33を
設けると、突起33が首布Rを係止するので、結び目1
が下がり難くなる。従って、緩みを防止できる。なお、
この突起の形状は、環状に限らない。要するに、輪3
1,31の内周面より内側に突出しておればよい。
【0019】−その他の例− 以上の例では、前垂れPと後ろ垂れQ及び首布Rとを別
体としたが、通常の1本のネクタイの後ろ垂れを、本発
明結び目の帯部に形成された一方の輪に通し、首に巻い
た後、他方の輪に通し、最後に結び目を襟元まで上げる
ことによっても、ネクタイを締めた格好となる。
【0020】また、上記の例では、帯部3両端のはみ出
し部分を閉じた輪状に形成したが、これに限らず、輪を
つぶしてもよいし、図8に示すように片口状に開いた馬
蹄形でもよい。輪をつぶした場合、首布が擦れて細くな
っても、使用中の滑りを防止することができる。帯部の
材質をバネ鋼とし、形状を馬蹄形にすれば、はみ出し部
分の弾力により首布の脱着が簡単になる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の結び目は、軽量
であるから装着していても疲れないし、襟元に密着して
緩み難く且つその外観が実際のネクタイの外観とあまり
違わないから、他人に気づかれにくい。また、型代があ
まりかからず、安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の簡易装着用ネクタイの結び目の胴
部と帯部を組み合わせたところを示す斜視図である。
【図2】第一実施例の結び目を製作する過程を示す図で
ある。
【図3】第一実施例の結び目の使用状態を示す背面図で
ある。
【図4】第一実施例の結び目の使用状態を示す正面図で
ある。
【図5】第二実施例又は第三実施例の結び目に用いる帯
部を示す斜視図である。
【図6】図5のAA線に沿って切断されたところをしめ
す断面図である。
【図7】図5のBB線に沿って切断されたところをしめ
す断面図である。
【図8】帯部の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1簡易装着用ネクタイの結び目 2胴部 21下底辺 22止め具 23上底辺 3帯部 31,31輪 32,32鉤孔 33,33突起 4布 P前垂れ Q後ろ垂れ R,R首布

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性材料よりなり展開したときの正面
    視形状がほぼ四辺形であって、その下底辺を環状に湾曲
    させて両端を連結することにより正面視形状が逆台形を
    なす胴部と、胴部の上底辺に沿って且つ両端が上底辺よ
    りはみ出すように長寸状に設けられ、それらはみ出し部
    分が内側に巻かれてそれぞれ輪を形成している帯部とを
    備え、帯部の曲げ剛性が胴部のそれよりも高いことを特
    徴とする簡易装着用ネクタイの結び目。
  2. 【請求項2】 前記胴部及び帯部の露出面に布が貼られ
    ている請求項1に記載の簡易装着用ネクタイの結び目。
  3. 【請求項3】 帯部のはみ出し部分の内周面に突起が形
    成されている請求項1又は2に記載の簡易装着用ネクタ
    イの結び目。
  4. 【請求項4】 帯部の内側に、鉤又は鉤孔が設けられて
    いる請求項1〜3に記載の簡易装着用ネクタイの結び
    目。
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