JP2687079B2 - 用紙積み増し移動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙により包装された用
紙を積み増して移動する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、物品を積み増して移動する装置と
しては、特開昭５３−１４５２７６号公報に公表されて
いるように、積み増しされた箱状物品の下部を一対のク
ランプ装置により把持して、コンベヤの上に降ろし、そ
のコンベヤにより移動するようにした物品積み増し移動
装置が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の物品積み増
し移動装置の場合は、固い箱状容器の積み増し移動はで
きるが、紙により包装された用紙等の剛性のない物品を
移動することはできないという欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前述の問題を有利に解決
するために、本発明の用紙積み増し移動装置において
は、上部固定フレーム１に取付られた巻上機２により昇
降フレーム３を昇降自在に支持し、その昇降フレーム３
に第１横行フレーム４および第２横行フレーム５を横行
移動自在に取付け、前記第１横行フレーム４に、垂直な
支承用側板７と用紙６の底面を支承する底板８とが取付
けられ、前記第２横行フレーム５に、用紙６の他側面を
押圧する押圧用側板９が取付けられ、前記第１横行フレ
ーム４および第２横行フレーム５の下方に、それらの横
行フレームの横行方向に移動する搬送コンベヤ１０を設
ける。

【０００５】

【実施例】図１ないし図１２は本発明の実施例の装置を
示すものであって、建築物の天井１１に上部固定フレー
ム１がＨ形鋼からなる支持部材１２を介して固定され、
前記上部固定フレーム１に、減速機付き電動機からなる
巻上機２が固定され、前記上部固定フレーム１における
左右方向の中間部に、前後方向に延長する回転軸１３が
取付けられ、前記巻上機２の出力軸１４に固定された駆
動スプロケット１５と、前記回転軸１３に固定された従
動スプロケット１６とにわたって伝動チェーン１７が巻
掛けられ、上部固定フレーム１の左右両側に設けられた
ドラム軸１８に、ドラム１９および従動スプロケット２
０が固定され、前記回転軸１３に固定された駆動スプロ
ケット２１とにわたって伝動チェーン２２が巻掛けら
れ、前記各ドラム１９から繰り出されたワイヤロープ２
３は、昇降フレーム３に連結され、前記巻上機２を正転
運転または逆転運転すると、昇降フレーム３が上昇移動
または下降移動される。

【０００６】前記昇降フレーム３に左右方向に延長する
２本のレール２４が平行状態で固定され、第１横行フレ
ーム４の前後両側に固定された２つのガイド部材２５
と、第２横行フレーム５の前後両側に固定された２つの
ガイド部材２６とは、前後２本のレール２４に摺動自在
に嵌合され、かつ減速機付き電動機からなる第１駆動装
置２７により回転される第１螺杆２８は、昇降フレーム
３により軸受を介して回転自在に支承され、その第１螺
杆２８に、第１横行フレーム４に固定された第１雌ねじ
部材２９が螺合され、前記第１駆動装置２７を正転運転
または逆転運転すると、第１横行フレーム４が左側また
は右側に向かって横行移動される。

【０００７】減速機付き電動機からなる第２駆動装置３
０により回転される第２螺杆３１は、昇降フレーム３に
より軸受を介して回転自在に支承され、その第２螺杆３
１に第２横行フレーム５に固定された第２雌ねじ部材３
２が螺合され、前記第２駆動装置３０を正転運転または
逆転運転すると、第２横行フレーム５が左側または右側
に向かって横行移動される。

【０００８】前記底板８における前部に、光電スイッチ
からなる多数のセンサー３３が左右方向に間隔をおいて
固定され、かつ第２横行フレーム５の前部の下部にセン
サー３３を作動させるＬ形のストライカ３４が固定さ
れ、前記底板８の上面に多数の空気噴射具３５が前後方
向および左右方向に間隔をおいて設けられている。

【０００９】前記底板８における第２横行フレーム５と
反対側の端部は、垂直な支承用側板７を介して第１横行
フレーム４に連結され、前記底板８の前後両側部分と第
１横行フレーム４とは、前後両側の側板３６を介して連
結され、前記第２横行フレーム５における第１横行フレ
ーム４の側に、前後方向に延長する垂直上に位置する押
圧側板３７が固定され、かつ前記第２横行フレーム５に
おける第１横行フレーム４と反対側に、前記押圧側板３
７に平行な押圧用側板９が固定されている。

【００１０】前記昇降フレーム３を安定状態で昇降移動
させるために、Ｘ状の複数のリンク式伸縮装置３８にお
ける一方の上部リンク３９の上端部が、上部固定フレー
ム１に対しピン４０により枢着され、他方の上部リンク
４１の上端部に取付けられたローラは、上部固定フレー
ム１に固定された左右方向に延長している上部ガイド部
材４２の溝に嵌合されている。また前記リンク式伸縮装
置３８における一方の下部リンク４３の下端部は、昇降
フレーム３に対しピン４４により枢着され、他方の下部
リンク４５の下端部に取付けられたローラは、昇降フレ
ーム３に固定されて左右方向に延長している下部ガイド
部材４６の溝に嵌合されている。

【００１１】前記第１横行フレーム４および第２横行フ
レーム５の下方において、左右方向に延長する２本の中
間の搬送コンベヤ１０がコンクリート製床上に設けら
れ、前記搬送コンベヤ１０の搬入側の端部に、前後方向
に延長する２本の搬入コンベヤ４７が、左右方向に間隔
をおいて設けられ、前記搬送コンベヤ１０の搬出側の端
部に、前後方向に延長する２本の搬出コンベヤ４８が、
左右方向に間隔をおいて設けられている。

【００１２】前記２本の搬入コンベヤ４７の間に、２本
の搬送コンベヤ１０の間に対向する位置において、用紙
昇降用受台４９が設けられ、前記２本の搬出コンベヤ４
８の間に、２本の搬送コンベヤ１０の間に対向する位置
において用紙昇降用受台５０が設けられ、前記用紙昇降
用受台４９，５０は、減速機付き電動機からなる昇降用
駆動装置５１により回転される２本の回動軸５２と、各
回動軸５２の両端部に固定された偏心回転体５３と偏心
回転体５３により昇降移動される用紙受台５４とにより
構成されている。

【００１３】図１３はパレット５５の上に紙で包装され
た多数の用紙６を載置した状態を示している。

【００１４】次に前記実施例の装置を使用して用紙６の
積み増し移動を行なう場合について説明する。まず図１
５に示すように、第２横行フレーム５の押圧用側板９お
よび押圧側板３７を、搬送コンベヤ１０上の用紙６の上
方の外側に位置するように配置する。

【００１５】次に図１６に示すように、巻上機２によ
り、昇降フレーム３およびこれによって支持されている
第１横行フレーム４と第２横行フレーム５とを下降し
て、底板８を搬送コンベヤ１０の上に載置し、かつ押圧
用側板９および押圧側板３７を用紙６の左右の両側面に
対向させる。

【００１６】次に図１７に示すように、第２駆動装置３
０を運転して第２横行フレーム５を左側に移動させと共
に、前記用紙６を押圧用側板９により左側に押圧してそ
の用紙６を底板８の上に載置する。この時、用紙６の左
側端が底板８の空気噴射具３５に右側から順次到達した
毎に、空気噴射具３５からの空気の噴射を開始し、第２
横行フレーム５の左側移動が停止するまで継続する。こ
の空気の噴射により、用紙６と底板８との摩擦抵抗が軽
減される。

【００１７】次に図１８に示すように、巻上機２を巻上
運転して、昇降フレーム３とこれにより支持されている
第１横行フレーム４および第２横行フレーム５とを上昇
移動させる。

【００１８】次に図１９に示すように、第１駆動装置２
７および第２駆動装置３０を運転して、用紙６を支持し
ている第１横行フレーム４および第２横行フレーム５を
右側に移動させ、かつ他の用紙６をパレット５５に載置
した状態で、搬送コンベヤ１０に載置して、第１横行フ
レーム４の底板８により支持されている用紙６の下方に
位置させる。

【００１９】次に図２０に示すように、巻上機２を巻下
げ運転して、用紙６を支持している第１横行フレーム４
の底板８の下面を、搬送コンベヤ１０上の用紙６の上面
に近接させる。

【００２０】次に図２１に示すように、第１駆動装置２
７を運転して、第１横行フレーム４および底板８を左側
に移動させ、底板８に載置されていた用紙６を、搬送コ
ンベヤ１０に載置されている用紙６の上に降ろして、用
紙６の積み増しを終了し、その積み増した用紙６を搬送
コンベヤ１０および搬出コンベヤ４８により移動する。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、上部固定フレーム１に
取付られた巻上機２により昇降フレーム３を昇降自在に
支持し、その昇降フレーム３に第１横行フレーム４およ
び第２横行フレーム５を横行移動自在に取付け、前記第
１横行フレーム４に、垂直な支承用側板７と用紙６の底
面を支承する底板８とが取付けられ、前記第２横行フレ
ーム５に、用紙６の他側面を押圧する押圧用側板９が取
付けられ、前記第１横行フレーム４および第２横行フレ
ーム５の下方に、それらの横行フレームの横行方向に移
動する搬送コンベヤ１０を設けたので、紙により包装さ
れた用紙を、簡単な手段によって容易に積み増して移動
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る用紙積み増し移動装置を
示す縦断正面図である。

【図２】本発明の実施例に係る用紙積み増し移動装置を
示す平面図である。

【図３】本発明の実施例に係る用紙積み増し移動装置を
示す側面図である。

【図４】図１のＡーＡ線断面図である。

【図５】本発明の実施例に係る用紙積み増し移動装置を
示す縦断側面図である。

【図６】図５の一部を拡大して示す縦断側面図である。

【図７】第１横行フレームを示す平面図である。

【図８】第１横行フレームと第２横行フレームのＬ形部
材との関係をを示す側面図である。

【図９】図７のＢーＢ線断面図である。

【図１０】図７のＣーＣ線断面図である。

【図１１】図１０の一部を拡大して示す縦断側面図であ
る。

【図１２】第２横行フレームを示す平面図である。

【図１３】パレットに載置された包装用紙を示す斜視図
である。

【図１４】搬送コンベヤの平面図である。

【図１５】用紙積み増し装置の下部の搬送コンベヤ上に
パレットおよび用紙を載置した状態を示す正面図であ
る。

【図１６】第１横行フレームおよび第２横行フレームを
下降した状態を示す正面図である。

【図１７】用紙を第１横行フレームの底板の上に載置し
た状態を示す正面図である。

【図１８】用紙を載置した第１横行フレームと第２横行
フレームとを吊上げた状態を示す正面図でである。

【図１９】用紙を載置した第１横行フレームを搬送コン
ベヤ上の用紙の上方に横行移動した状態を示す正面図で
である。

【図２０】第１横行フレームにより支持されている用紙
を搬送コンベヤ上の用紙の上に接近させた状態を示す正
面図でである。

【図２１】第１横行フレームにより支持されていた用紙
を搬送コンベヤ上の用紙の上に降ろした状態を示す正面
図でである。

【符号の説明】

１ 上部固定フレーム ２ 巻上機 ３ 昇降フレーム ４ 第１横行フレーム ５ 第２横行フレーム ６ 用紙 ７ 支承用側板 ８ 底板 ９ 押圧用側板 １０ 搬送コンベヤ １１ 天井 １２ 支持部材 １３ 回転軸 １４ 出力軸 １５ 駆動スプロケット １６ 従動スプロケット １７ 伝動チェーン １８ ドラム軸 １９ ドラム ２０ 従動スプロケット ２１ 駆動スプロケット ２２ 伝動チェーン ２３ ワイヤロープ ２４ レール ２５ ガイド部材 ２６ ガイド部材 ２７ 第１駆動装置 ２８ 第１螺杆 ２９ 第１雌ねじ部材 ３０ 第２駆動装置 ３１ 第２螺杆 ３２ 第２雌ねじ部材 ３３ センサー ３４ ストライカ ３５ 空気噴射具 ３６ 側板 ３７ 押圧側板 ３８ リンク式伸縮装置 ３９ 上部リンク ４０ ピン ４１ 上部リンク ４２ 上部ガイド部材 ４３ 下部リンク ４４ ピン ４５ 下部リンク ４６ 下部ガイド部材 ４７ 搬入コンベヤ ４８ 搬出コンベヤ ４９ 用紙昇降用受台 ５０ 用紙昇降用受台 ５１ 昇降用駆動装置 ５２ 回動軸 ５３ 偏心回転体 ５４ 用紙受台 ５５ パレット

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部固定フレーム１に取付られた巻上機
   ２により昇降フレーム３を昇降自在に支持し、その昇降
   フレーム３に第１横行フレーム４および第２横行フレー
   ム５を横行移動自在に取付け、前記第１横行フレーム４
   に、垂直な支承用側板７と用紙６の底面を支承する底板
   ８とが取付けられ、前記第２横行フレーム５に、用紙６
   の他側面を押圧する押圧用側板９が取付けられ、前記第
   １横行フレーム４および第２横行フレーム５の下方に、
   それらの横行フレームの横行方向に移動する搬送コンベ
   ヤ１０を設けた用紙積み増し移動装置。