JP5889151B2 - シート山の積重ね搬送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シート山を搬送しながら積み重ねるシート山の積重ね搬送装置に関する。
段ボールシートを生産するコルゲータにおいては、シングルフェーサおよびダブルフェーサで生産された連続する一条の段ボール連続シートが、長手方向に沿ってスリッタで切断して複数条に分割された後、長手方向に直交する方向に沿ってカッタで切断して枚葉とされ、コルゲータの最下流のシートスタッカに送り込まれる。
シートスタッカは、上流側から送り込まれる枚葉の段ボールシートを順に積み上げ、段ボールシートが所定の高さに積み上がる毎に、その積み上がった状態の段ボールシート(以下、「シート山」という)を排出する。シートスタッカから排出されたシート山は、ストレージラインに送り込まれる。ストレージラインは、コルゲータにおける段ボールシートの生産スピードと、その後の製函ラインにおける段ボールシートの印刷や打抜きの処理スピードとの差を吸収するために、多数のシート山を滞留させるコンベヤラインである。
ところで、コルゲータで生産される段ボールシートは、カッタで切断して枚葉とする前に、スリッタで切断して複数条に分割される。そのため、コルゲータの最下流のシートスタッカで段ボールシートが積み上げられるとき、複数のシート山が、スリッタの切断ラインを介して隣接した状態で同時に形成される。そして、このシート山がシートスタッカから排出されるとき、シート山は、スリッタの切断ラインを介して隣接した状態のまま搬送される。
また、コルゲータでは、段ボールシートの寸法や原紙構成の異なる複数の生産ロットが連続して生産される。そして、この生産ロットが切り替わるとき、シートスタッカは、生産が完了したロットのシート山をその時点で積み上がった高さのまま排出し、次の生産ロットの段ボールシートは、新たなシート山として積み上げられる。
そのため、生産枚数の少ない小口の生産ロットが切り替わるとき、シートスタッカからは、スリッタの切断ラインを介して隣接する背の低い複数のシート山が排出される。また、生産枚数の多い大口の生産ロットにおいても、生産ロットの最初のうちは、シートスタッカから背の高いシート山が排出されるが、その後、生産ロットの最後のシート山が排出されるときに、そのシート山が背の低いものとなることがある。
このように、スリッタの切断ラインを介して隣接する背の低い複数のシート山がシートスタッカから排出されたとき、このシート山をそのままストレージラインに送り込むと、ストレージラインの限られたスペースを、枚数の少ないシート山で占有することになり、ストレージラインの占有効率が低下する。また、背の低いシート山をそのままストレージラインに送り込むと、ストレージラインで滞留するシート山の個数が多くなるため、シート山の一番下で傷や凹みを生じる段ボールシートの枚数も多くなり、段ボールシートのロス率が悪くなる。
そこで、従来においては、スリッタの切断ラインを介して隣接する背の低い複数のシート山がシートスタッカから排出されたときに、ストレージラインの占有効率や段ボールシートのロス率を改善するため、手作業で背の低い複数のシート山を背の高いシート山に積み直してシート山の数を減らす作業(以下「積み替え作業」という)を行なっていた。
特開2000−233831号公報
しかしながら、背の低いシート山であっても相当の重量があるため、シート山の積み替え作業は相当な体力を要する。しかも、この積み替え作業を行なう間もコルゲータは停止せずに運転し、次の生産ロットの段ボールシートが連続して生産されるので、次の生産ロットの最初のシート山がシートスタッカから排出されるまでの短時間で作業を完了させる必要がある。このように、シート山の積み替え作業は、作業者にとって労力の大きい作業であった。
そこで、本願の発明者は、スリッタの切断ラインを介して隣接する背の低い複数のシート山がシートスタッカから排出されたときに、作業者がその背の低い複数のシート山を積み替えて背の高いシート山にまとめる労力を無くすため、シートスタッカから排出された背の低い複数のシート山を積み重ねる装置をシートスタッカの出口に設置することを検討した。
ここで、複数のシート山を積み重ねることが可能な装置として、例えば、特許文献1の段積装置が知られている。この段積装置は、上流側コンベヤから昇降コンベヤに第1のシート山を受け入れ、次に、昇降コンベヤをシート山の高さに相当する分下降させ、その状態で、上流側コンベヤから昇降コンベヤ上の第1のシート山の上に第2のシート山を送り込み、最後に、昇降コンベヤを元の位置に上昇させて、上下に積み重なったシート山を下流側に送り出すものである(同文献の図6)。
しかし、この段積装置は、シート山を積み重ねるときにシート山の搬送の流れをいったん止める必要があるので、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムが長い。そのため、もし仮に、この段積装置をシートスタッカの出口に設置し、シートスタッカから排出された背の低い複数のシート山を段積装置で積み重ねようとした場合、次の生産ロットのシート山がシートスタッカから排出されるまでの間に、シート山の積み重ね動作が完了しないおそれがある。
そこで、本願の発明者は、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムを短くするにはどのようにすればよいかを検討し、その結果、上流側から受け入れたシート山の搬送の流れを止めないでシート山を搬送しながら積み重ねることができれば、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをきわめて短くすることができる点に着眼した。
この発明が解決しようとする課題は、短いサイクルタイムでシート山を積み重ねることが可能なシート山の積重ね搬送装置を提供することである。
上記課題を解決するために、搬送方向に隙間なく並ぶ複数のシート山を、シート山の両端部の下方にスペースを形成した状態で水平に搬送するコンベヤユニットと、
そのコンベヤユニットで搬送されるシート山の両端部の下方の前記スペースに配置される一対の第1爪と、
その一対の第1爪を、前記コンベヤユニットで搬送される複数のシート山のうちの第1のシート山の下方から前記コンベヤユニット上のシート山の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動させながら上昇させることにより、前記コンベヤユニット上のシート山の搬送を止めずに第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第1のシート山を前記コンベヤユニット上の第2のシート山の上に降ろすように前記一対の第1爪を移動させる第1爪駆動装置と、
を有する構成をシート山の積重ね搬送装置に採用した。
このようにすると、第1爪が第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げるときに、その持ち上げ動作は第1爪が前記コンベヤユニット上のシート山の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動しながら行なうので、コンベヤユニット上のシート山の搬送の流れを止めないでシート山を搬送しながら、第1のシート山を第2のシート山の上に積み重ねることが可能である。そのため、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムが短い。
前記一対の第1爪は、第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから静止させ、その持ち上げた第1のシート山の真下に第2のシート山がコンベヤユニットで搬送されるまで静止した状態で待機するように駆動することも可能であるが、このようにすると、第1のシート山を持ち上げてから第2のシート山の上に降ろすまでの時間が長くなる。
そこで、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをより効果的に短縮するため、前記一対の第1爪は、第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山を前記コンベヤユニット上の第2のシート山の上に降ろすまでの間に、第1のシート山を持ち上げた状態のまま前記コンベヤユニット上のシート山の搬送方向とは逆の方向に移動するように前記第1爪駆動装置で駆動すると好ましい。
このようにすると、第1爪が第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山を第2のシート山の上に降ろすまでにかかる時間が短くなるので、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをより効果的に短縮することが可能となる。
また、このとき、第1爪が第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山を第2のシート山の上に降ろすまでの第2のシート山の搬送距離が短くなるので、コンベヤユニットの長さをコンパクト化することができる。そのため、シートスタッカの出口の限られたスペースに設置するのに好適である。
また、前記一対の第1爪とは独立して移動可能に構成され、前記コンベヤユニットで搬送されるシート山の両端部の下方の前記スペースに配置される一対の第2爪と、
前記一対の第1爪が第1のシート山を第2のシート山の上に降ろした直後に、前記一対の第2爪を、第2のシート山の下方から前記コンベヤユニット上のシート山の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動させながら上昇させることにより、前記コンベヤユニット上のシート山の搬送を止めずに第2のシート山の下面を第3のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第2のシート山を前記コンベヤユニット上の第3のシート山の上に降ろすように前記一対の第2爪を移動させる第2爪駆動装置と、
を更に設けると好ましい。
このようにすると、コンベヤユニット上のシート山の搬送の流れを止めないでシート山を搬送しながら、上下に積み重なった状態の第1のシート山および第2のシート山を、第3のシート山の上に積み重ねることが可能である。
ここで、第1のシート山と第2のシート山と第3のシート山を積み重ねる方法として、第3のシート山を持ち上げて、その第3のシート山を上下に積み重なった状態の第1のシート山および第2のシート山の上に積み重ねる方法が考えられるが、このようにすると、第3のシート山を持ち上げるときに、2段分のシート山に相当する高さ(積み重なった状態の第1のシート山と第2のシート山の高さ)までシート山を持ち上げる必要があり、シート山を持ち上げるのに要する時間が長くなる。
そこで、上述のように、上下に積み重なった状態の第1のシート山および第2のシート山を持ち上げ、その第1のシート山および第2のシート山を、第3のシート山の上に積み重ねるようにすると、上下に積み重なった状態の第1のシート山および第2のシート山を持ち上げるときに、1段分のシート山に相当する高さ(第3のシート山の高さ)までシート山を持ち上げるだけで済み、シート山を持ち上げるのに要する時間が短くなる。そのため、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをより効果的に短縮することが可能となる。
また、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをより効果的に短縮するため、前記一対の第2爪は、第2のシート山の下面を第3のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第2のシート山を前記コンベヤユニット上の第3のシート山の上に降ろすまでの間に、第2のシート山を持ち上げた状態のまま前記コンベヤユニット上のシート山の搬送方向とは逆の方向に移動するように前記第2爪駆動装置で駆動されるようにすると好ましい。
このようにすると、第2爪が第2のシート山の下面を第3のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第2のシート山の真下に第3のシート山がコンベヤユニットで搬送されるまで静止した状態で待機する場合よりも、持ち上げた第2のシート山を第3のシート山の上に降ろすまでにかかる時間が短くなるので、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムをより効果的に短縮することが可能となる。また、第2爪が第2のシート山の下面を第3のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第2のシート山を第3のシート山の上に降ろすまでの第3のシート山の搬送距離が短くなるので、コンベヤユニットの長さをコンパクト化することができる。
さらに、前記一対の第1爪は、前記一対の第2爪が第2のシート山を第3のシート山の上に降ろすときに、前記コンベヤユニット上の第3のシート山の両端部の下方に位置するように第1爪駆動装置で駆動すると好ましい。
このようにすると、第2爪が第2のシート山を第3のシート山の上に降ろすときに、第1爪が第3のシート山の下方に待機しているので、第2のシート山を第3のシートの上に降ろした直後に、第1爪で第3のシート山を持ち上げて第4のシート山の上に積み重ねる動作を開始することが可能となる。
前記コンベヤユニットとしては、前記シート山の搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の分割コンベヤからなり、その各分割コンベヤは、シート山の下面に搬送面が接触する上昇位置と、シート山の下面から搬送面が離反する下降位置との間で昇降可能に構成され、前記各分割コンベヤのうちシート山の両端部の下方とその外側に位置する分割コンベヤを下降させることによりシート山の両端部の下方に前記スペースを形成するものを採用することができる。このようにすると、寸法の異なる複数種類のシート山に対応可能であり、さまざまな生産ロットに対応して寸法の異なるシート山を排出するシートスタッカの出口に設置するのに好適である。
この発明のシート山の積重ね搬送装置は、第1爪が、コンベヤユニット上のシート山の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動しながら、第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第1のシート山を前記コンベヤユニット上の第2のシート山の上に降ろすので、コンベヤユニット上のシート山の搬送の流れを止めないでシート山を搬送しながら、第1のシート山を第2のシート山の上に積み重ねることが可能である。そのため、シート山を積み重ねるために要するサイクルタイムが短い。
この発明の実施形態のシート山の積重ね搬送装置を組み込んだシート搬送装置を示す平面図 図1に示す積重ね搬送装置の拡大図 図2のIII−III線に沿った断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 図3の第1爪および第2爪の近傍の拡大図 図5のVI−VI線に沿った断面図 図5のVII−VII線に沿った断面図 図3の第1爪および第2爪の近傍の斜視図 (a)は、図2に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪が第1のシート山を持ち上げる直前の状態を示す図、(b)は(a)の側面図 (a)は、図2に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪が第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げた状態を示す図、(b)は(a)の側面図 (a)は、図2に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪が第1のシート山を第2のシート山の上に降ろした直後の状態を示す図、(b)は(a)の側面図 (a)は、図2に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第2爪が第2のシート山の下面を第3のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げた状態を示す図、(b)は(a)の側面図 (a)は、図2に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第2爪が第2のシート山を第3のシート山の上に降ろした直後の状態を示す図、(b)は(a)の側面図 図1に示すシート搬送装置に、搬送方向に沿った寸法の大きいシート山が送り込まれた状態を示す平面図 図14に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪および第2爪が第1のシート山を持ち上げる直前の状態を示す図 図14に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪および第2爪が、第1のシート山の下面を第2のシート山の上面よりも高い位置まで持ち上げた直後の状態を示す図 図14に示す積重ね搬送装置でシート山の積み重ね動作を行なう過程において、第1爪および第2爪が、第1のシート山を第2のシート山の上に降ろした直後の状態を示す図 仮にシート山を積み重ねたときに、積み重ねた後のシート山の高さが、通常時にシートスタッカから排出されるシート山の高さを超えてしまうときのシート山の高さを説明する図 図18に示すシート山を枚数の少ない小口バッチのシート山に分割し、その各小口バッチのシート山を、図1に示す積重ね搬送装置で積み重ねることで、少数の複数のシート山に積み替える過程を説明する図
図1に、この発明の実施形態のシート山の積重ね搬送装置を組み込んだシート搬送装置を示す。このシート搬送装置は、搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって順に直列に配置された上流側コンベヤ1、積重ね搬送装置2、下流側コンベヤ3からなる。
上流側コンベヤ1は、上流側コンベヤ1の入口(図1では上流側コンベヤ1の上端)が、図示しないシートスタッカの出口に接続するように配置される。上流側コンベヤ1は、シートスタッカからシート幅方向に排出された複数のシート山Sを受け入れて水平に搬送し、そのシート山Sを積重ね搬送装置2に送り出す。このとき、複数のシート山Sは、シート幅方向に隙間なく並んだ状態で搬送される。シート幅方向は、段ボールの段に平行な方向である。上流側コンベヤ1は、シートスタッカから排出されたシート山Sを搬送する際に、そのシート山Sの一番下の段ボールシートに傷や凹みがつくのを防止するため、ベルトコンベヤを採用している。
下流側コンベヤ3は、下流側コンベヤ3の出口(図1では下流側コンベヤ3の下端)が、図示しないストレージラインに接続するように配置される。下流側コンベヤ3は、積重ね搬送装置2から排出されたシート山Sを受け入れて水平に搬送し、そのシート山Sをストレージラインに送り出す。下流側コンベヤ3も、上流側コンベヤ1と同様、シート山Sの一番下の段ボールシートに傷や凹みがつかないようにベルトコンベヤを採用している。
図2に示すように、積重ね搬送装置2は、搬送方向に隙間なく並ぶ複数のシート山Sを上流側コンベヤ1から受け入れて水平に搬送するコンベヤユニット4と、コンベヤユニット4の左右両側に配置された一対のメインフレーム5と、この一対のメインフレーム5に支持された一対の第1爪駆動装置6Aおよび一対の第2爪駆動装置6Bと、この第1爪駆動装置6Aおよび第2爪駆動装置6Bでそれぞれ駆動される一対の第1爪7Aおよび第2爪7Bとを有する。コンベヤユニット4は、シート山Sの搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の分割コンベヤ8からなる。
図3に示すように、各分割コンベヤ8は、搬送方向に沿って延びるコンベヤフレーム9と、コンベヤフレーム9の前端に回転可能に設けられたヘッドプーリ10と、コンベヤフレーム9の後端に回転可能に設けられたテールプーリ11と、コンベヤフレーム9の下方に設けられたドライブプーリ12と、これらヘッドプーリ10とテールプーリ11とドライブプーリ12の間に巻き掛けられた搬送ベルト13と、コンベヤフレーム9を昇降駆動するコンベヤ昇降装置14とを有する。
ヘッドプーリ10とテールプーリ11は、搬送ベルト13に従動して回転する従動プーリである。ヘッドプーリ10とテールプーリ11は、コンベヤフレーム9が昇降したときにコンベヤフレーム9と一体に昇降するようにコンベヤフレーム9に支持されている。ヘッドプーリ10とテールプーリ11は、分割コンベヤ8ごとに一本ずつ設けられている。
ドライブプーリ12は、図2に示すコンベヤ駆動モータ15で回転駆動されるプーリであり、搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の分割コンベヤ8を一括して駆動するようにこれらの分割コンベヤ8に共通して一本設けられている。ドライブプーリ12は、固定位置で回転するようにコンベヤフレーム9とは独立して支持されており、コンベヤフレーム9が昇降しても、ドライブプーリ12は昇降しない。
図3に示すように、ドライブプーリ12の近傍には搬送ベルト13の送り出し側と引込側に一対のガイドプーリ16が設けられている。ガイドプーリ16は、ドライブプーリ12に対する搬送ベルト13の巻き掛け角を確保するプーリである。このガイドプーリ16もドライブプーリ12と同様コンベヤフレーム9とは独立して支持されている。ドライブプーリ12には、図示しない回転センサが設けられている。回転センサは、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送距離を検出する。ここで、ドライブプーリ12と搬送ベルト13の間の滑りを防止するため、ドライブプーリ12を歯付きプーリとし、このドライブプーリ12の歯に噛み合う形状の搬送ベルト13を採用すると好ましい。
コンベヤ昇降装置14は、各分割コンベヤ8を独立して昇降させることができるようにコンベヤフレーム9ごとに設けられている。また、コンベヤ昇降装置14は、コンベヤフレーム9の一端と他端にそれぞれ設けられている。コンベヤ昇降装置14としては、圧縮空気で上下に伸縮する空気圧シリンダを採用することができる。また、コンベヤフレーム9は、コンベヤフレーム9の一端と他端に設けられた昇降ガイド17で上下に移動可能に支持されている。
図4に示すように、各分割コンベヤ8は、コンベヤ昇降装置14の駆動によって、シート山Sの下面に搬送面(すなわち分割コンベヤ8の上面)が接触する上昇位置と、シート山Sの下面から搬送面が離反する下降位置との間で昇降可能である。分割コンベヤ8の昇降ストロークは50〜150mm程度の範囲で設定される。昇降ストロークを50mmよりも大きく設定することで、シート山Sの両端部の下面と、下降位置にある分割コンベヤ8の上面との間に第1爪7Aおよび第2爪7Bの挿入スペース52を確保することができる。昇降ストロークを150mmよりも小さく設定することで、上昇位置にある分割コンベヤ8の搬送面の高さを抑えることができるので、既設のシートスタッカから排出されるシート山Sの下面の位置に、上昇位置にある分割コンベヤ8の上面の高さを一致させることが容易となる。
図2、図3に示すように、メインフレーム5は、各分割コンベヤ8の前端と後端に設けられたリニヤガイド18で、シート山Sの搬送方向と直交する方向に移動可能に支持されている。また、各メインフレーム5には、メインフレーム5をシート山Sの搬送方向と直交する方向に移動させるメインフレーム駆動装置19が設けられている。
図2に示すように、メインフレーム駆動装置19は、コンベヤユニット4を間に挟むようにシート山Sの搬送方向と直交する方向に間隔をおいて配置された一対の回転軸20,21と、一方の回転軸20を駆動する電動モータ22と、回転軸20と一体に回転するスプロケット23と、他方の回転軸21に相対回転可能に装着されたスプロケット24と、これらのスプロケット23,24に巻き掛けられたチェーン25とからなる。チェーン25は、ブラケット26を介してメインフレーム5に連結されており、このチェーン25を電動モータ22の駆動力で走行させることにより、チェーン25に連結したメインフレーム5が、シート山Sの搬送方向と直交する方向に移動するようになっている。
以下、第1爪駆動装置6Aおよび第1爪7Aの構成について説明する。第2爪駆動装置6Bおよび第2爪7Bは、第1爪駆動装置6Aおよび第1爪7Aと同一構成(ただしシート山Sの搬送方向に向かって前後対称)であるため、第1爪駆動装置6Aおよび第1爪7Aに対応する部分に、同一の符号または末尾のアルファベットAをBに置き換えた符号を付して説明を省略する。
図5、図6に示すように、第1爪駆動装置6Aは、メインフレーム5に対してシート山Sの搬送方向に移動可能に設けられた搬送方向移動フレーム30Aと、搬送方向移動フレーム30Aに対して上下に移動可能に設けられた昇降ブラケット31Aと、昇降ブラケット31Aから突出位置と退避位置との間で水平に移動可能に設けられたアーム32Aとを有し、アーム32Aの先端に第1爪7Aが取り付けられている。
図3、図4に示すように、搬送方向移動フレーム30Aは、メインフレーム5に設けられた上下一対のリニヤガイド33でシート山Sの搬送方向に移動可能に支持されている。また、各搬送方向移動フレーム30Aには、搬送方向移動フレーム30Aをシート山Sの搬送方向に移動させる駆動装置34Aが設けられている。
図3、図4、図6に示すように、駆動装置34Aは、メインフレーム5に固定されたシート山Sの搬送方向と平行に延びる上下一対のラック35と、この各ラック35に噛み合うピニオン36と、ピニオン36と一体に回転するピニオン軸37と、このピニオン軸37を回転駆動する減速機付きの電動モータ38とからなる。
ピニオン軸37は、搬送方向移動フレーム30Aに回転可能に支持され、電動モータ38も、搬送方向移動フレーム30Aに支持されている。この電動モータ38の駆動力でピニオン36を回転させることにより、ピニオン36がラック35に噛み合いながらシート山Sの搬送方向と平行に移動し、このピニオン36と共に搬送方向移動フレーム30Aが移動するようになっている。
図5、図6に示すように、昇降ブラケット31Aは、搬送方向移動フレーム30Aに設けられたリニヤガイド39で上下方向に移動可能に支持されている。図3に示すように、搬送方向移動フレーム30Aには、昇降ブラケット31Aを上下方向に移動させる昇降駆動装置40Aが設けられている。
図3、図4に示すように、昇降駆動装置40Aは、上下に間隔をおいて配置された一対のプーリ41と、これらのプーリ41に巻き掛けられた伝動ベルト42と、一方のプーリ41を回転駆動する電動モータ43とからなる。伝動ベルト42は、昇降ブラケット31Aに連結されている。この上下に延びる伝動ベルト42を電動モータ43の駆動力で走行させることにより、伝動ベルト42に連結した昇降ブラケット31Aが昇降するようになっている。
図6に示すように、アーム32Aは、昇降ブラケット31Aに設けられたリニヤガイド44でシート山Sの搬送方向と直交する方向に移動可能に支持されている。また、昇降ブラケット31Aには、アーム32Aをシート山Sの搬送方向と直交する方向に進退させる進退駆動装置45Aが設けられ、この進退駆動装置45Aの駆動力で、アーム32Aが突出位置(アーム32Aの先端の第1爪7Aがシート山Sの下面に対向する位置)と退避位置(アーム32Aの先端の第1爪7Aがシート山Sと上下に重ならない位置)との間を水平に移動するようになっている。進退駆動装置45Aとしては、圧縮空気で伸縮する空気圧シリンダを採用することができる。
図8に示すように、アーム32Aの先端の第1爪7Aの上面には、シート山Sの下面を支持する水平な支持面46が設けられている。また、図6に示すように、第1爪7Aは、搬送方向移動フレーム30Aの正面よりも搬送方向移動フレーム30Bの側にずれて配置され、第2爪7Bは、搬送方向移動フレーム30Bの正面よりも搬送方向移動フレーム30Aの側にずれて配置され、これにより、第1爪7Aと第2爪7Bの両爪が、搬送方向移動フレーム30A,30Bが隣接する状態で搬送方向移動フレーム30A,30Bの中間点の正面に配置されるようになっている。
図4に示すように、搬送方向移動フレーム30Aには、シート押さえ47Aが昇降可能に設けられている。図5、図7に示すように、シート押さえ47Aは、搬送方向移動フレーム30Aに設けたリニヤガイド48で上下方向に移動可能に支持されている。図4に示すように、シート押さえ47Aは、上下一対のプーリ49に巻き掛けられた伝動ベルト50と一体に移動するように連結されており、上側のプーリ49に連結された電動モータ51を駆動することでシート押さえ47Aが昇降するようになっている。
上述した構成のシート搬送装置は、図示しないコルゲータの最下流のシートスタッカの出口に配置される。シートスタッカは、コルゲータで生産される枚葉の段ボールシートを順に積み上げ、段ボールシートが所定の高さ(一般に1.5m程度の高さ。これはAフルートの段ボールシートで300枚分の高さに相当する)に積み上がる毎にシート山Sを排出する。シート搬送装置は、シートスタッカから排出されるシート山Sを受け入れて搬送し、図示しないストレージラインに送り出す。
このシート搬送装置の動作例を説明する。まず、シートスタッカから、所定の高さに達した背の高いシート山Sが排出されたときの動作(すなわち、シート山Sの積み重ね動作を行なわないとき)を説明する。
図1に示すように、上流側コンベヤ1は、シートスタッカから排出された複数のシート山Sを、スリッタの切断ラインLを介して隣接した状態で搬送し、その状態のまま積重ね搬送装置2に送り出す。積重ね搬送装置2は、上流側コンベヤ1から受け入れた複数のシート山Sを搬送方向に隙間なく並んだ状態のまま水平に搬送し、シート山Sの積み替え動作を行なわずにそのままの状態で下流側コンベヤ3に送り出す。このとき、各分割コンベヤ8は、すべて上昇位置に上昇した状態でシート山Sを水平に搬送しつづけるように駆動させる。その後、下流側コンベヤ3は、積重ね搬送装置2から排出されたシート山Sを受け入れて水平に搬送し、そのシート山Sをストレージラインに送り出す。ここで、積重ね搬送装置2は、単にシート山Sを水平に搬送する通常のコンベヤとして機能する。
次に、シートスタッカから、所定の高さに達しない背の低いシート山Sが排出されたときの動作(すなわち、シート山Sの積み重ね動作を行なうとき)を説明する。
図1に示すように、上流側コンベヤ1は、シートスタッカから排出された複数のシート山Sを、スリッタの切断ラインLを介して隣接した状態で搬送し、その状態のまま積重ね搬送装置2に送り出す。ここで、積重ね搬送装置2は、第1のシート山Sが分割コンベヤ8に到達するまでの間に、図9(a)、(b)に示すように、シート山Sの両端部の下方とその外側に位置する分割コンベヤ8を下降させ、シート山Sの両端部の下方にスペース52を形成し、このスペース52に、第1爪7Aを移動させておく。
具体的には、第1爪7Aの高さが、下降位置にある分割コンベヤ8の搬送面とシート山の下面との間に挿入可能な高さとなるように、昇降駆動装置40Aで昇降ブラケット31Aを下降させた状態で、メインフレーム駆動装置19でメインフレーム5をシート山Sの搬送方向と直交する方向に移動させて、第1爪7Aをシート山Sの両端部の下方のスペース52に移動させる。このとき、第1爪7Aを取り付けたアーム32Aは、進退駆動装置45Aにより突出位置に前進させておく。また、搬送方向移動フレーム30A,30Bは、第1爪7A、第2爪7Bがシート山Sの搬送方向に直交する方向に並ぶように隣接させておき、第2爪7Bを取り付けたアーム32Bは、進退駆動装置45Bにより退避位置に後退させておく。
上流側コンベヤ1から分割コンベヤ8に第1のシート山Sが受け渡された後、図9(a)、(b)に示すように、シート押さえ47Aと47Bで第1のシート山Sの上面を押さえるとともに、第1爪7Aを、第1のシート山Sの下方から分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向と同方向に移動させながら上昇させて、図10(a)、(b)に示すように、第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げる。ここで、分割コンベヤ8は、第1のシート山Sを受け入れた後も分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送を止めずにシート山Sを水平に搬送しつづけるように駆動させる。この分割コンベヤ8上の第1のシート山Sを持ち上げるとき、第1のシート山Sが第2のシート山Sに干渉するのを回避するため、第1爪7Aは、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送速度と同一かそれよりも僅かに速い速度(例えばシート山Sの搬送速度の100〜110%の速度)でシート搬送方向に移動させる。この第1爪7Aのシート搬送方向の速度制御は、分割コンベヤ8のドライブプーリ12に設けられた回転センサの検出信号に基づいて行なう。このとき、搬送方向移動フレーム30Bは、搬送方向移動フレーム30Aとシート搬送方向に一体に移動させる。
図10(a)、(b)に示すように、第1爪7Aが第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げた後、図10(a)の矢印に示すように、第1爪7Aを、第1のシート山Sを持ち上げた状態のまま分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向とは逆の方向に移動させて、第1のシート山Sを第2のシート山Sの真上に位置決めする。この第1爪7Aのシート搬送方向の位置決めは、分割コンベヤ8のドライブプーリ12に設けられた回転センサの検出信号と、段ボールシートの幅寸法(すなわちシート山Sの搬送方向の長さ)とに基づいて行なう。このとき、搬送方向移動フレーム30A,30Bは、隣接した状態を保ったままシート山Sの搬送方向に一体に移動させる。これにより、第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろした直後に、第2爪7Bで第2のシート山Sを持ち上げて第3のシート山Sの上に積み重ねる動作を開始することが可能となる。
その後、図11(a)、(b)に示すように、持ち上げた第1のシート山Sを分割コンベヤ8上の第2のシート山Sの上に降ろす。すなわち、第1のシート山Sが第2のシート山Sの上方に位置する状態で、左右一対のアーム32Aを同時に進退駆動装置45Aで後退させることにより、第1のシート山Sの下面から第1爪7Aを退避させ、第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に載置する。第1爪7Aが第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろすまでの間に、第2爪7Bは、シート山Sの両端部の下方のスペース52に移動させておく。
ここで、第1爪7Aが第1のシート山Sの下面を持ち上げてから、その第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろすまでの間、第1爪7Aで持ち上げられた状態の第1のシート山Sには、水平方向の速度変化による慣性力がはたらくため、第1のシート山Sのバランスが崩れてしまう可能性がある。これに対し、この実施形態の積重ね搬送装置2は、第1爪7Aが第1のシート山Sの下面を持ち上げてから、その第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろすまでの間、シート押さえ47Aと47Bで第1のシート山Sの上面を押さえておくため、第1爪7Aで持ち上げられた状態の第1のシート山Sのバランスが崩れるのを防止することができる。
そして、第1爪7Aが第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろした直後に、図12(a)、(b)に示すように、第2爪7Bを、第2のシート山Sの下方から分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向と同方向に移動させながら上昇させて、第2のシート山Sの下面を第3のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げる。このとき、分割コンベヤ8は、第2爪7Bが第2のシート山Sを持ち上げた後も、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送を止めずにシート山Sを水平に搬送しつづけるように駆動する。第2爪駆動装置6Bは、第2爪7Bを分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送速度と同一かそれよりも僅かに速い速度でシート搬送方向に移動させる。この第2爪7Bのシート搬送方向の速度制御も、第1爪7Aと同様、分割コンベヤ8のドライブプーリ12に設けられた回転センサの検出信号に基づいて行なう。
第2爪7Bが第2のシート山Sの下面を第3のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げた後、図12(a)の矢印に示すように、第2爪7Bを、第2のシート山Sを持ち上げた状態のまま分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向とは逆の方向に移動させる。このとき、搬送方向移動フレーム30A,30Bは、隣接した状態を保ったままシート山Sの搬送方向に一体に移動させる。
その後、図13(a)、(b)に示すように、持ち上げた第2のシート山Sを分割コンベヤ8上の第3のシート山Sの上に降ろす。すなわち、第2爪7Bを取り付けた左右一対のアーム32Bを同時に進退駆動装置45Bで後退させることにより、第2のシート山Sの下面から第2爪7Bを退避させる。このとき、シート山Sの両端部の下方のスペース52に第1爪7Aが配置されるように第1爪駆動装置6Aで第1爪7Aを移動させておく。これにより、第2のシート山Sを第3のシート山Sの上に降ろした直後に、第1爪7Aで第3のシート山Sを持ち上げて第4のシート山Sの上に積み重ねる動作を開始することが可能となる。
以上のようにして、積重ね搬送装置2は、上流側コンベヤ1から受け入れた複数のシート山Sの搬送の流れを止めることなくシート山Sを搬送しながら、第1、第2、第3のシート山Sを積み重ねて背の高いシート山にし、そのシート山を下流側コンベヤ3に送り出す。下流側コンベヤ3は、積重ね搬送装置2から受け入れた背の高いシート山を水平に搬送し、ストレージラインに送り出す。
上記の積重ね搬送装置2は、分割コンベヤ8が、上昇位置と下降位置との間で昇降可能な複数の分割コンベヤ8からなるので、シート山Sの寸法に応じてシート山Sの両端部の下方とその外側に位置する分割コンベヤ8を下降させることにより、シート山Sの両端部の下方に、シート山Sの下面を持ち上げる第1爪7Aおよび第2爪7Bの配置スペースを確保することができる。そのため、寸法の異なる複数種類のシート山Sに対応可能であり、さまざまな生産ロットに対応して寸法の異なるシート山Sを排出するシートスタッカの出口に設置するのに好適である。
また、上記の積重ね搬送装置2は、第1のシート山Sを、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送の流れを止めないでシート山Sを搬送しながら、第2のシート山Sの上に積み重ね、更に、その上下に積み重なった状態の第1のシート山Sおよび第2のシート山Sを、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送の流れを止めないでシート山Sを搬送しながら、第3のシート山Sの上に積み重ねることが可能である。そのため、シート山Sを積み重ねるために要するサイクルタイムが短い。
また、上記の積重ね搬送装置2は、第1爪7Aと第2爪7Bとを交互に用いてシート山Sの積み替え動作をすることにより、3山以上連続するシート山Sも、その搬送の流れを止めないで積み重ねることが可能である。
ところで、第1爪7Aは、第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げてから静止させ、その持ち上げた第1のシート山Sの真下に第2のシート山Sが分割コンベヤ8で搬送されるまで静止した状態で待機するように駆動することも可能であるが、このようにすると、第1のシート山Sを持ち上げてから第2のシート山Sの上に降ろすまでの時間が長くなる。
これに対し、上記の積重ね搬送装置2は、第1爪7Aで第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山Sを分割コンベヤ8上の第2のシート山Sの上に降ろすまでの間に、第1のシート山Sを持ち上げた状態のまま分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向とは逆の方向に第1爪7Aを移動させるので、シート山Sを積み重ねるために要するサイクルタイムが短いものとなっている。
また、上記の積重ね搬送装置2は、第1爪7Aが第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山Sを第2のシート山Sの上に降ろすまでの第2のシート山Sの搬送距離が短いので、コンベヤユニット4の長さをコンパクト化することが可能である。そのため、シートスタッカの出口の限られたスペースに設置するのに好適である。
第1、第2、第3のシート山Sを積み重ねる方法として、第3のシート山Sを持ち上げて、その第3のシート山Sを、上下に積み重なった状態の第1のシート山Sおよび第2のシート山Sの上に積み重ねる方法が考えられるが、このようにすると、第3のシート山Sを持ち上げるときに、2段分のシート山Sに相当する高さ(積み重なった状態の第1のシート山Sと第2のシート山Sの合計高さ)まで持ち上げる必要があり、シート山Sを持ち上げるのに要する時間が長くなる。
これに対し、上記の積重ね搬送装置2は、上下に積み重なった状態の第1のシート山Sおよび第2のシート山Sを持ち上げ、その第1のシート山Sおよび第2のシート山Sを、第3のシート山Sの上に積み重ねるので、上下に積み重なった状態の第1のシート山Sおよび第2のシート山Sを持ち上げるときに、1段分のシート山Sに相当する高さ(第3のシート山Sの高さ)まで持ち上げるだけで済み、シート山Sを持ち上げるのに要する時間が短い。そのため、シート山Sを積み重ねるために要するサイクルタイムが効果的に短いものとなっている。
第1爪駆動装置6Aおよび第2爪駆動装置6Bには、図9〜図13に示すように、シート山Sを持ち上げたときに、そのシート山Sのバランスが崩れるのを防止するため、持ち上げたシート山Sの前後の側面を支持するガイド53A、53Bを設けることができる。ガイド53Aは、図9(a)、(b)に示すように、シート山Sが分割コンベヤ8上を移動するときにシート山Sとガイド53Aが干渉するのを防止するため、搬送方向移動フレーム30Aに対して上下に移動可能に設けられている。
ところで、図14に示すように、シート山Sの搬送方向に沿った寸法が大きい場合、そのシート山Sを一対の第1爪7Aだけで持ち上げると、持ち上げたシート山Sのバランスが崩れたり、持ち上げたシート山Sの一番下の段ボールシートが第1爪7Aの位置で折れたりするおそれがある。そこで、搬送方向に沿った寸法が大きいシート山Sの積み替え動作を行なうときは、図15〜図17に示すように、第1爪7Aと第2爪7Bの両方を同時に用いてシート山Sを持ち上げるようにすることができる。
すなわち、第1爪7Aと第2爪7Bを、分割コンベヤ8で搬送される複数のシート山Sのうちの第1のシート山Sの下方から分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送方向と同方向に移動させながら上昇させることにより、分割コンベヤ8上のシート山Sの搬送を止めずに第1のシート山Sの下面を第2のシート山Sの上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第1のシート山Sを分割コンベヤ8上の第2のシート山Sの上に降ろすように第1爪7Aと第2爪7Bを移動させるようにすることができる。
このようにすると、一つのシート山Sを、シート山Sの搬送方向に沿って離れた位置を第1爪7Aと第2爪7Bとで持ち上げるので、シート山Sの搬送方向に沿った寸法が大きいときでも、シート山Sをバランスよく安定して持ち上げることができ、また、シート山Sを持ち上げたときにそのシート山Sの一番下の段ボールシートが折れるのを防止することができる。
上記実施形態では、複数のシート山を単一のシート山に積み替える動作を説明したが、複数のシート山をそのシート山よりも少数の複数のシート山に積み替えることも可能である。以下説明する。
例えば、図18に示すように、シートスタッカから排出されるシート山Sの高さが、通常時にシートスタッカから排出されるシート山の所定高さ(例えば、Aフルートの段ボールシート300枚分の1.5mの高さ)には達しないが、仮にこれらのシート山Sを積み重ねて単一のシート山にしたときに、積み重ねた後のシート山の高さが上記所定高さを超えてしまうときがある。
このときは、上記シート山Sを、シート山Sよりも枚数の少ない小口バッチのシート山S,Sに分割し、その各小口バッチのシート山S,Sを積み重ねることで、シート山Sの数を減らすための積み替え動作が可能となる。
すなわち、まず、図19の右上に示すように、シート山Sよりも枚数の少ない小口バッチのシート山Sがシートスタッカに積み上がった時点で、そのシート山Sをシートスタッカから排出する(残りの段ボールシートは、新たなシート山Sとして積み上げる)。シート山Sの高さは、シート山Sを互いに積み重ねたときに上記所定高さを超えない高さに設定する。次に、シートスタッカから排出された小口バッチのシート山Sを、図1に示す積重ね搬送装置2で積み重ねて下流側コンベヤ3に送り込み、その後、下流側コンベヤ3上に待機させる。このとき、下流側コンベヤ3上のシート山Sは、図19の左上に示すように、単一のシート山を形成している。
ここで、小口バッチの各シート山Sの高さは、上記所定高さ(すなわち、通常時にシートスタッカから排出されるシート山の高さ)をシート山Sの山数(丁取り数)で割算した高さに設定する。これにより、小口バッチのシート山Sを積重ね搬送装置2で積み重ねたときに、その積み重ねた後のシート山Sの合計高さを、通常時にシートスタッカから排出されるシート山の高さに一致させることができる。つまり、ストレージラインに送り出すシート山の高さを通常時の高さに揃えることができる。
次に、図19の右下に示すように、シート山Sよりも枚数の少ない小口バッチのシート山Sをシートスタッカから排出する。このシート山S(すなわち、シート山Sを複数の小口バッチに分割したときの最終の小口バッチのシート山S)は、上記シート山Sの高さに一致もしくはそれよりも低い山となる。その後、シートスタッカから排出された小口バッチのシート山Sを、図1に示す積重ね搬送装置2で積み重ねて下流側コンベヤ3に送り込み、下流側コンベヤ3上で待機するシート山Sに合体させる。最後に、下流側コンベヤ3は、図19の左下に示すように、シート山Sが積み重なって形成された単一のシート山と、シート山Sが積み重なって形成された単一のシート山とを隣接した状態でストレージラインに送り出す。
以上のように、図18に示すシート山Sを、図19の右側に示すように、シート山Sよりも枚数の少ない小口バッチのシート山S,Sに分割して上記積重ね搬送装置2に送り込むことで、図18に示すシート山Sの山数よりも少数の複数のシート山(図19の左下参照)に積み替えることが可能となる。
2 積重ね搬送装置
4 コンベヤユニット
6A 第1爪駆動装置
6B 第2爪駆動装置
7A 第1爪
7B 第2爪
8 分割コンベヤ
52 スペース
S シート山

Claims (6)

  1. 搬送方向に隙間なく並ぶ複数のシート山(S)を、シート山(S)の両端部の下方にスペース(52)を形成した状態で水平に搬送するコンベヤユニット(4)と、
    そのコンベヤユニット(4)で搬送されるシート山(S)の両端部の下方の前記スペース(52)に配置される一対の第1爪(7A)と、
    その一対の第1爪(7A)を、前記コンベヤユニット(4)で搬送される複数のシート山(S)のうちの第1のシート山(S)の下方から前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動させながら上昇させることにより、前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送を止めずに第1のシート山(S)の下面を第2のシート山(S)の上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第1のシート山(S)を前記コンベヤユニット(4)上の第2のシート山(S)の上に降ろすように前記一対の第1爪(7A)を移動させる第1爪駆動装置(6A)と、
    を有するシート山の積重ね搬送装置。
  2. 前記一対の第1爪(7A)は、第1のシート山(S)の下面を第2のシート山(S)の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第1のシート山(S)を前記コンベヤユニット(4)上の第2のシート山(S)の上に降ろすまでの間に、第1のシート山(S)を持ち上げた状態のまま前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送方向とは逆の方向に移動するように前記第1爪駆動装置(6A)で駆動される請求項1に記載のシート山の積重ね搬送装置。
  3. 前記一対の第1爪(7A)とは独立して移動可能に構成され、前記コンベヤユニット(4)で搬送されるシート山(S)の両端部の下方の前記スペース(52)に配置される一対の第2爪(7B)と、
    前記一対の第1爪(7A)が第1のシート山(S)を第2のシート山(S)の上に降ろした直後に、前記一対の第2爪(7B)を、第2のシート山(S)の下方から前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送方向と同方向にシート山の搬送速度と同一かそれよりも速い速度で移動させながら上昇させることにより、前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送を止めずに第2のシート山(S)の下面を第3のシート山(S)の上面よりも高い位置まで持ち上げ、その持ち上げた第2のシート山(S)を前記コンベヤユニット(4)上の第3のシート山(S)の上に降ろすように前記一対の第2爪(7B)を移動させる第2爪駆動装置(6B)と、
    を更に有する請求項1または2に記載のシート山の積重ね搬送装置。
  4. 前記一対の第2爪(7B)は、第2のシート山(S)の下面を第3のシート山(S)の上面よりも高い位置まで持ち上げてから、その持ち上げた第2のシート山(S)を前記コンベヤユニット(4)上の第3のシート山(S)の上に降ろすまでの間に、第2のシート山(S)を持ち上げた状態のまま前記コンベヤユニット(4)上のシート山(S)の搬送方向とは逆の方向に移動するように前記第2爪駆動装置(6B)で駆動される請求項3に記載のシート山の積重ね搬送装置。
  5. 前記一対の第1爪(7A)は、前記一対の第2爪(7B)が第2のシート山(S)を第3のシート山(S)の上に降ろすときに、前記コンベヤユニット(4)上の第3のシート山(S)の両端部の下方に位置するように第1爪駆動装置(6A)で駆動される請求項3または4に記載のシート山の積重ね搬送装置。
  6. 前記コンベヤユニット(4)は、前記シート山(S)の搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の分割コンベヤ(8)からなり、その各分割コンベヤ(8)は、シート山(S)の下面に搬送面が接触する上昇位置と、シート山(S)の下面から搬送面が離反する下降位置との間で昇降可能に構成され、前記各分割コンベヤ(8)のうちシート山(S)の両端部の下方とその外側に位置する分割コンベヤ(8)を下降させることによりシート山(S)の両端部の下方に前記スペース(52)を形成する請求項1から5のいずれかに記載のシート山の積重ね搬送装置。
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