JPH06102500B2 - 板材の移載切断装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、石綿スレートのグリーンシートなど板材をコ
ンベアからテーブルに移載しつつ切断する装置に関する
ものである。

［背景技術］ 石綿スレートのグリーンシートなど板材は、抄造装置で
抄造した板をコンベア上で養生してコンベア上からテー
ブル上に移載し、そしてパレットなどに乗せて次工程な
どに送られるが、取り扱い易い大きさに板材を分割する
必要があるためにコンベアからテーブルへと板材を移載
する際に板材を切断する必要がある。そこでこのように
コンベアからテーブルへと移載しつつ板材を切断する装
置として種々のものが提供されており、例えば第６図に
示すものがある。すなわち第６図の装置はローラコンベ
アなどコンベア２とリフト７付きのテーブル３との間に
フェルトなど帯を懸架したベルトコンベア８を配設し、
コンベア２の上方からテーブル３の上方にかけてレール
９を取り付けてレール９のほぼ中央部の下側にベルトコ
ンベア８の上面に臨むようにして回転駆動されるカッタ
ー５を設け、さらにコンベア２とカッター５との間でレ
ール９に沿って走行駆動される走行台車10と、カッター
５とテーブル３との間でレール９に沿って走行駆動され
る走行台車11とをそれぞれレール９に取り付け、この各
走行台車10、11にそれぞれ上下駆動される取り出し用の
バキュームキャリアー12と積載用のバキュームキャリア
ー13とを取り付けて形成されている。このものにあっ
て、鉄板などキャリア板14の上に乗せられてコンベア２
によって搬送された板材１が取り出し用のバキュームキ
ャリアー12の下側まで来ると、このバキュームキャリア
ー12が下降してバキュームキャリアー12の下面に板材１
を吸着して持ち上げ、走行台車10の移動によって板材１
をベルトコンベア８上に移載させ、そしてベルトコンベ
ア８の走行に伴ってベルトコンベア８上を移動する間に
板材１はカッター５によって切断される。このように切
断された板材１は積載用のバキュームキャリアー13に吸
着されてベルトコンベア８からテーブル３上へと移載さ
れる。このようにして板材１をコンベア２からテーブル
３へと移載しつつ板材１の切断がなされるようにしたも
のである。しかしながらこのものでは、バキュームキャ
リアーとして取り出し用のもの12と積載用のもの13との
２台が必要になり、しかもコンベア２とテーブル３との
間にベルトコンベア８を設置する必要があり、装置が大
掛かりで複雑になると共に設置スペースを大きく取ると
いう問題があった。そこで第７図に示すような装置も提
供されている。この装置は、バキュームキャリアー15は
１台だけを設け、ベルトコンベアを設けないようにした
ものであるが、その代わりにバキュームキャリアー15を
設ける走行台車16に回転駆動されるカッター５を取り付
けるようにしてある。そしてこのものにあっては、バキ
ュームキャリアー15をコンベア２とテーブル３との間を
移動させることによってコンベア２上の板材１をテーブ
ル３へと移載させるものであるが、バキュームキャリア
ー15をテーブル３側からコンベア２側へと移動させる際
の走行台車16の走行によってカッター５でキャリア板14
に乗せられてコンベア２上にある板材１を切断するよう
にしたものである。従ってこのものでは、１台のバキュ
ームキャリアーのみを用い、ベルトコンベアを必要とせ
ず、板材１をコンベア２からテーブル３へと移載しつつ
切断することができ、装置をコンパクトにすることがで
きる。しかしこのものにあっては、走行台車16にカッタ
ー５が取り付けてあるために走行台車16が重くなり、レ
ール９に沿って走行台車16を走行させる際の速度が遅く
なって、生産能率が低下するという問題がある。

［発明の目的］ 本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであり、装置
をコンパクトに形成することができ、しかも生産能率が
低下するようなおそれがない板材の移載切断装置を提供
することを目的とするものである。

［発明の開示］ しかして本発明に係る板材の移載切断装置は、板材１が
搬送されるコンベア２と、板材１が積載されるテーブル
３と、コンベア２の上方とテーブル３の上方との間で往
復移載駆動される走行台車６と、走行台車６の下側に上
下駆動自在に取り付けられ下面に板材１を吸着してコン
ベア２からテーブル３へと移載するバキュームキャリア
ー４と、コンベア２とテーブル３との間においてバキュ
ームキャリアー４の移動高さよりも下方に配設され、バ
キュームキャリアー４の下面に吸着されてコンベア２か
らテーブル３へと移動される板材１を切断するカッター
５とを具備して成ることを特徴とするものであり、装置
をこのように構成することによって上記目的を達成する
ようにしたものであって、以下本発明を実施例により詳
述する。

コンベア２は第２図のようにローラ18を両側の水平架材
19間に回転自在に取り付けてローラコンベアとして形成
されるもので、このコンベア２の側方には第１図のよう
にテーブル３が配置してある。テーブル３は第３図のよ
うにリフト７によって昇降されるようにしてある。また
コンベア２の上方とテーブル３の上方との間には、支柱
20によって支持される架枠21に取り付けられた一対の平
行なレール９が設けてある。走行台車６は両側に車輪22
を取り付けて形成され、この車輪22をレール９に沿って
転動させることで走行台車６はコンベア２上とテーブル
３上との間で走行移動するようにしてある。そして第２
図に示すようにモータ23によって一対のスプロケット軸
24、25のうち一方のスプロケット軸24を回転駆動させる
ようにし、この両スプロケット軸24、25のスプロケット
26と走行台車６との間にチェーン27を取り付けてあり、
モータ23の駆動によって走行台車６は走行されるように
してある。バキュームキャリアー４は第４図（ａ）
（ｂ）のように走行台車６の走行方向と平行に、すなわ
ちレール９に平行な案内溝28を下面に複数条設けて形成
され、内部を中空にして下面に第５図のように多数の吸
引口29が設けてある。また案内溝28内にはナイロンなど
のブラシ30が案内溝28の上底面より下方へ向けて垂下さ
れるように設けてあり、案内溝28はブラシ30で充填され
るようにしてある。このバキュームキャリアー４は走行
台車６の下側に伸縮自在な吊り具31によって上下動自在
に取り付けられるものであり、走行台車６にシリンダー
32を取り付け、このシリンダー32に結合したワイヤー33
を滑車34を介してバキュームキャリアー４に結合させ、
シリンダー32の作動によってワイヤー33でバキュームキ
ャリアー４を引き上げたり降ろしたりしてバキュームキ
ャリアー４を上下駆動できるようにしてある。そして上
記架枠21には第１図のように吸引用ブロワー35が取り付
けてあり、吸引用ブロワー35に接続されるダクト36がバ
キュームキャリアー４の上面に接続してある。さらに、
第１図のようにコンベア２とテーブル３との間には基台
37に支持されたモータ38によって回転駆動される丸刃の
カッター５が配置してあり、このカッター５は上記バキ
ュームキャリアー４の各案内溝28に対応する位置にて配
置されるものである。

しかして、石綿スレートのグリーンシートなど板材１は
鉄板などキャリア板14に載置された状態でコンベア２に
よって搬送されるが、レール９の下方にまで来るとスト
ッパなどによって停止される。そしてバキュームキャリ
アー４が走行台車６によってコンベア２上方にて板材１
の上に移動し、バキュームキャリアー４を下動させてバ
キュームキャリアー４を板材１の上面に接触させる。す
るとバキュームキャリアー４内は吸引用ブロワー35によ
って減圧状態にあり、下面の吸引口29による吸引力で板
材１はバキュームキャリアー４の下面に吸着される。次
にバキュームキャリアー４を上動させ、さらに走行台車
６の走行によってバキュームキャリアー４をテーブル３
側へと移動させる。このときバキュームキャリアー４は
その下面がカッター５の上端より若干下側になる位置ま
で上動されるもので、バキュームキャリアー４をテーブ
ル３側へ移動させる際にバキュームキャリアー４の移動
に伴ってバキュームキャリアー４の下面の板材１はカッ
ター５によって切断される。このとき第５図に示すよう
にカッター５は上端がバキュームキャリアー４の案内溝
28内に挿入された状態で板材１に対する切断をおこなう
が、案内溝28内にはブラシ30が設けられているために、
案内溝28部分で板材１はブラシ30によって上面を押さえ
られ、カッター５による圧力で板材１が案内溝28内へと
屈曲されることを防止できることになり、バリが出るこ
となく切断面を美しくできかつ切断精度を良好にできる
と共に粉塵の発生も抑えることができることになる。こ
のようにカッター５によって複数片に切断された板材１
を下面に吸着するバキュームキャリアー４は走行台車６
によってテーブル３の上方へ移動され、そしてバキュー
ムキャリアー４を下動させて板材１をテーブル３の上の
パレット39上に載置させた状態で吸引ブロワー35を停止
させてバキュームキャリアー４による板材１への吸着を
解除し、こののちにバキュームキャリアー４を上動させ
る。このようにして板材１をコンベア２からテーブル３
へと移載しつつ切断する１つのサイクルが終了し、以下
同様にして順次板材１をコンベア２からテーブル３へと
移載しつつ切断をおこなう。そしてテーブル３上に所定
枚数の板材１が移載されると第１図のようにフォークリ
フトのフォーク40をパレット39に差し込んで板材１を次
工程に搬送するものである。

尚、上記実施例にあってはコンベア２としてローラコン
ベアを用いるようにしたが、ベルトコンベアを用いるよ
うにしてもよく、このようなベルトコンベアを用いるよ
うにすれば板材１をキャリア板14に乗せた状態で搬送す
るような必要はない。この点第７図の装置ではコンベア
２上の板材１をカッター５で切断するためコンベア２と
してベルトコンベアを用いることはできない。また上記
実施例ではカッター５はバキュームキャリアー４の案内
溝28内に上端を収められた状態で板材１に対する切断を
おこなうために、カッター５の破損やバキュームキャリ
アー４の消耗が生じないことになる。この点第６図のも
のではカッター５がベルトコンベア８の上面に接触する
ことになるため、カッター５の破損やベルトコンベア８
の消耗が激しく生じることになる。

［発明の効果］ 上述のように本発明にあっては、コンベアの上方とテー
ブルの上方との間で往復移動駆動される走行台車の下側
に上下駆動自在にバキュームキャリアーを取り付け、バ
キュームキャリアーの下面に吸着した板材をコンベアか
らテーブルへと移載する際に、コンベアとテーブルとの
間に配設されたカッターで板材を切断するようにしてあ
るので、１台のバキュームキャリアーによって板材を移
載しつつ切断することができるものであり、従来のよう
に２台のバキュームキャリアーを用いたりコンベアとテ
ーブルとの間に板材を移動させるためのベルトコンベア
を用いたりする必要がなく、装置をコンパクトにするこ
とができるものである。しかも従来のように走行台車に
カッターを取り付けるような必要がなく、走行台車の走
行速度が遅くなるようなことなく生産能率が低下するこ
とがないものである。ちなみに第７図に装置では板材の
移載サイクルは12秒／サイクルであるが、本発明におい
ては８秒／サイクルに短縮することができる。また、上
記のようにバキュームキャリアーの下面に吸着された板
材をバキュームキャリアーの移動高さよりも下方に配設
されたカッターで切断するにあたって、切断の際に発生
する切断屑は板材の下方へ落下、切断屑が板材の表面や
バキュームキャリアーに付着することが少なくなって、
切断屑による異物不良が発生することを低減することが
できると共に、バキュームキャリアーの吸引部分に切断
屑が侵入し難くてバキュームキャリアーによる板材の吸
着に支障を来すことを低減できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の一部切欠正面図、第２図は
同上の平面図、第３図は同上の側面図、第４図（ａ）
（ｂ）は同上におけるバキュームキャリアーの正面図と
底面図、第５図は同上のバキュームキャリアーの一部の
拡大断面図、第６図は従来例の概略正面図、第７図は他
の従来例の概略正面図である。 １は板材、２はコンベア、３はテーブル、４はバキュー
ムキャリアー、５はカッターである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】板材が搬送されるコンベアと、板材が積載
   されるテーブルと、コンベアの上方とテーブルの上方と
   の間で往復移動駆動される走行台車と、走行台車の下側
   に上下駆動自在に取り付けられ下面に板材を吸着してコ
   ンベアからテーブルへと移載するバキュームキャリアー
   と、コンベアとテーブルとの間においてバキュームキャ
   リアーの移動高さよりも下方に配設され、バキュームキ
   ャリアーの下面に吸着されてコンベアからテーブルへと
   移動される板材を切断するカッターとを具備して成るこ
   とを特徴とする板材の移載切断装置。