JP2683750B2 - カテーテル用バルーン - Google Patents

カテーテル用バルーン

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    • A61M2025/105—Balloon catheters with special features or adapted for special applications having a balloon suitable for drug delivery, e.g. by using holes for delivery, drug coating or membranes

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、病気の予防、診断、治療等の医療行為に使
用するカテーテル用バルーンに係わる、より詳しくは、
薬物を生体管壁等へ供給し得るカテーテル用バルーンに
関する。
＜従来の技術＞ 心臓血栓の治療等において、血管狭窄部を拡張した
り、レーザー照射により病変部を破壊したりするのにバ
ルーンを先端部に備えたバルーンカテーテルが使用され
ている。
例えばレーザー照射方式により血栓部位の検出及びそ
の治療を行う場合、先ず、バルーンカテーテルを血管内
に挿入し、血栓部位を検出しようとする生体管位置にお
いてバルーンを膨らませて血管内壁に固定バルーンを当
接させ、カテーテルを血管内壁に固定すると共に、止血
する。次いで、検出用の内視用光ファイバをカテーテル
管内に挿入してそれらの先端部を検出位置に導くと共
に、血液置換用の透明なフラッシュ液を検出位置に送り
込んで血栓部位の有無を診る。血栓部位が存在すると診
断した場合は、内視を中止して、前記内視用光ファイバ
をレーザー導光用ファイバと入れ替えて、レーザー光を
血栓部位に照射してこれを光化学的、或いは熱的に破壊
する。
＜発明が解決しようとする課題＞ しかしながら、固定バルーンにより例えば止血する場
合、血管の内壁に固定バルーンが当接するため、その内
壁を形成する血管内皮細胞が、破壊したり、剥離したり
し易い。特に剥離した場合は、剥離部位に血栓ができ易
い。これでは却って新たな病変部位を生みだすことにな
る。
また、固定バルーンが血管の内壁を摩擦してこれに刺
激を与えるので、「スパスム」という血管の断続的な痙
攣がしばしば起ることがある。
本発明は、以上の事情に鑑みなされたものであって、
その目的とするところは、安全に医療処置することがで
き、しかも医療処置後に新たな病変部位が生じたりする
ことのないカテーテル用バルーンを提供するにある。
＜課題を解決するための手段＞ 上記目的を達成するために、本発明者等は鋭意研究を
重ねた結果、バルーン自体に薬物供給能を付与すればよ
いとの知見を得た。
即ち請求項１記載の発明に係るカテーテル用バルーン
は、担持した薬物を徐々に放出し得る薬物担持物質を含
有することを特徴とする。また請求項２記載の発明に係
るカテーテル用バルーンは、請求項１記載のバルーンに
おいて、バルーン内の薬物を徐々にバルーン外へ放出し
得る孔を有することを特徴とする。
＜作用＞ 上記請求項１記載の発明に係るカテーテル用バルーン
において、カテーテルに装着したバルーンを体腔内に挿
入して膨らませると、バルーンは体腔の内壁に当接或い
は近接する。そうすると、バルーンは担持していた薬物
を徐々に放出し、該薬物により患部の治療等がなされ
る。
また、上記請求項２記載の発明に係るカテーテル用バ
ルーンにおいて、カテーテルに装着したバルーンを体腔
内に挿入して膨らませると、バルーンは体腔の内壁に当
接或いは近接する。そうすると、バルーンはバルーン内
の薬物を徐々にバルーン外に放出し、該薬物により患部
の治療等がなされる。
＜実施例＞ 以下、本発明の実施例について図に基づいて説明す
る。
第１図は、本発明に係るバルーンが装着されているバ
ルーンカテーテルの模式的断面図であり、同図（ａ）は
膨らむ前の状態を示し、また同図（ｂ）は膨らんだ後の
状態を示す。図において、（２）はカテーテルであり、
カテーテル（２）の先端部周面にはバルーン（１）が装
着されている。バルーン（１）の膨脹時、バルーン膜の
腔壁に臨む部分は、薬物を一時的に担持して徐々に放出
するような物質、例えばイオン結合、水素結合等により
薬物を担持した高分子物質や多孔質シリカに薬物を混練
したもの等を素材として形成されており、またその装着
部及びその近傍（図中、黒塗り部分）は、バルーン
（１）を膨脹可能にするために伸縮性に富んだ素材、例
えばシリコンゴム等の弾性体にて形成されている。
担持される薬物としては、抗血栓性・血管内皮細胞保
護性を有するヘパリン、強心作用・血管弛緩作用（治療
後に血管が収縮するのを防止する働き）を有する例えば
ニトログリセリン等の硝酸系の薬剤、血管弛緩作用を有
するβ遮断薬及びCa拮抗剤、組織プラスミノーゲンアク
チベータ、ウロキナーゼ等の血栓溶解作用を有する線溶
剤等が挙げられる。
バルーン膜に用いられる高分子物質としては、摩擦に
より血管内皮細胞を損傷することがないように、摩擦係
数の小さいものが好ましく、例えば延伸PTFE（ポリテト
ラフルオロエチレン）、塩化ビニル、延伸ポリエチレン
等が挙げられる。
以上のようなバルーンカテーテルを用いて医療措置を
する場合の方法について、血栓部位の検出及び治療を例
として説明する。
先ず、バルーンカテーテルを血管内に挿入し、血栓部
位を検出しようとする生体管位置においてバルーンを膨
らませて血管内壁にバルーン膜を当接させ、カテーテル
を血管内壁に固定すると共に、止血する。次いで、検出
用の内視用光ファイバをカテーテル管内に挿入してそれ
らの先端部を検出位置に導くと共に、血液置換用の透明
なフラッシュ液を検出位置に送り込んで血栓部位の有無
を診る。血栓部位が存在すると診断された場合は、内視
を中止して、前記内視用光ファイバをレーザー導光用フ
ァイバと入れ替えて、レーザー光を血栓部位に照射して
これを光化学的、或いは熱的に破壊する。
上記バルーンカテーテルの使用法は従来と相違すると
ころは無いが、本発明に係るバルーンカテーテルを用い
た場合は、レーザー治療後の治療部にバルーンが当接し
て、摩擦による損傷が生じてもバルーンからの投薬によ
り血栓等の病変部位が再発することを抑止することがで
きる。
なお、上記の実施例では、バルーン膜が伸縮性を有す
る弾性体部分と、薬剤を担持して徐々に放出する部分と
に別けて構成されているものについて説明したが、本発
明はかかる構成のバルーンに限定されずバルーン膜全体
を伸縮性と担持・徐放性とを兼備する物質で構成しても
よい。
また、上記の実施例では、レーザー照射方式による治
療に用いる場合について説明したが、機械的方式、例え
ば血管狭窄部の拡張治療を行なう場合にも、本発明に係
るバルーンを使用し得ることは、勿論である。
この場合には、止血や血管狭窄部の拡張治療におい
て、たとえ摩擦による損傷が生じても、バルーンからの
投薬により損傷部位をすばやく治癒することができる。
また、バルーン膜に微小な挿通孔を設け、この微小孔
により、バルーン内に収容した酸素含有量の高い生理食
塩水をバルーン外に放出する場合には、止血による酸素
の欠乏を防止でき、血管を保護することができる。
＜発明の効果＞ 本発明に係るカテーテル用バルーンは、上述のように
それ自体が薬物供給能を有するように構成されているの
で、安全な医療を可能にすると共に、医療処置後の新た
な病変部位の発生を抑止する等、本発明は種々の優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第１図（ａ）（ｂ）は、本発明に係るバルーンが装着さ
れたバルーンカテーテルの模式的断面図である。 （１）……バルーン、（２）……カテーテル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上宮 崇文 大阪府大阪市此花区島屋１丁目１番３号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 丹羽 真一郎 大阪府大阪市此花区島屋１丁目１番３号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 米国特許4423725（ＵＳ，Ａ)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】担持した薬物を徐々に放出し得る薬物担持
    物質を含有することを特徴とするカテーテル用バルー
    ン。
  2. 【請求項２】バルーン内の薬物を徐々にバルーン外へ放
    出し得る孔を有する請求項１記載のカテーテル用バルー
    ン。
  3. 【請求項３】前記薬物担持物質が高分子物質である請求
    項１または２記載のカテーテル用バルーン。
  4. 【請求項４】前記薬物担持物質が多孔性シリカである請
    求項１または２記載のカテーテル用バルーン。
  5. 【請求項５】前記薬物担持物質がイオン結合または水素
    結合により薬物を担持する請求項1,2,3または４記載の
    カテーテル用バルーン。
  6. 【請求項６】バルーン膜の少なくとも一部が伸縮性を有
    する弾性体からなる請求項1,2,3,4または５記載のカテ
    ーテル用バルーン。
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