JP2682158B2 - 自動車用フロントバンパ製作方法 - Google Patents

自動車用フロントバンパ製作方法

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JP2682158B2
JP2682158B2 JP20518689A JP20518689A JP2682158B2 JP 2682158 B2 JP2682158 B2 JP 2682158B2 JP 20518689 A JP20518689 A JP 20518689A JP 20518689 A JP20518689 A JP 20518689A JP 2682158 B2 JP2682158 B2 JP 2682158B2
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始 亀尾
直樹 内田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車用フロントバンパの製作方法に関
し、特にフロントバンパの下側に同フロントバンパの下
壁部の前縁から凸弯曲して後方へ延在する整流板をそな
えた自動車用フロントバンパの製作方法に関する。
〔従来の技術〕
従来のワンボックスカーにおけるフロントバンパを第
4図(側断面図)および第5図(側断面図)により説明
すると、フロントバンパ1は合成樹脂を成形加工して製
作され、車体2の前端部に取付けられ、このフロントバ
ンパ1の下方寄りに空気取入れ開口1aが、また上方寄り
にグリル開口1bが形成されるとともに、下壁部1cの下側
にこの下壁部1cの前縁から凸弯曲部1dを介して後方へ延
在する整流板10が下壁部1cと一体成形加工により設けら
れている。
符号3は、エンジンのラジエータを示しており、ワン
ボックスカーではラジエータ3が、第4図に示したよう
に、運転席の足置き部4の後側に、すなわちフロントバ
ンパ1から離れた位置に配置されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述のような従来のものでは、自動車の走
行中に外気がフロントバンパ1の下側から後方に流入す
るが、その流れは整流板10に沿って流れるため、矢印A
あるいは矢印Bで示したように、水平流や下降流となっ
て、ラジエータ3にはほとんど流入せず、その結果ラジ
エータ3の冷却に不都合をきたすという欠点がある。
その対策として、冷却風を矢印Cで示す方向、すなわ
ちラジエータ3の方向へ案内するために、整流板10の後
縁部に第4図に仮想線で示したような後方へ昇傾斜した
ラジエータ冷却風案内面10aを形成することが考えられ
る。
しかし冷却風案内面10aをこのように形成すると、冷
却風案内面10aの後縁部とフロントバンパ下壁部cの後
縁部との間の間隔l(第5図参照)が、整流板10と下壁
部1cとの間に形成される内部空間11(この内部空間11に
は成形時に内型が配設されている)の寸法よりも狭いた
め、フロントバンパの成形後にこの内部空間11から内型
の分離(取出し)が行なえないという問題点がある。
本発明は、このような問題点の解決をはかろうとする
もので、フロントバンパの下壁部の後縁と上記下壁部の
下側に形成される整流板の後縁との間を、成形後におけ
る内型の分離が行なえるように拡開させるとともに、上
記整流板の前方寄り内面に凹条を形成しておき、成形後
にこの凹条の部分で上記整流板を上方へ屈曲させて、同
整流板の後部に後方へ昇傾斜した冷却風案内面を形成し
た、自動車用フロントバンパ製作方法を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するために、本発明の自動車用フロ
ントバンパ製作方法は、合成樹脂製フロントバンパを成
形加工するに際し、同フロントバンパの下壁部の後縁と
同下壁部の前縁から凸弯曲して後方へ延在する整流板の
後縁との間を、成形後における内型の分離が行なえるよ
うに拡開させるとともに、上記整流板の前方寄り内面に
凹条を形成しておき、ついで上記整流板を上記凹条の部
分で上方へ屈曲させることにより、同整流板の後部に、
後方へ昇傾斜したラジエータ冷却風案内面を形成するこ
とを特徴としている。
〔作用〕
上述の本発明の自動車用フロントバンパ製作方法で
は、フロントバンパの下壁部の後縁と上記下壁部の下側
に形成される整流板の後縁との間を、成形後における内
型の分離が行なえるように拡開形状に成形されているの
で、成形後の内型の分離がスムーズに行なえる。
また、整流板の前方寄り内面に形成された凹条が成形
後における上記整流板のこの凹条部分での上方への屈曲
を容易にするので、上記整流板の後部寄りに後方へ昇傾
斜した冷却風案内面の形成が簡単に行なえる。
〔実 施 例〕 以下、図面により本発明の一実施例としての自動車用
フロントバンパ製作方法について説明すると、第1図は
その製作方法の中間段階におけるフロントバンパ下壁部
の側断面図、第2図はその製作方法に適した内型の要部
側断面図、第3図はその製作方法により製作されたフロ
ントバンパ下壁部の側断面図である。なお、第1〜3図
中第4,5図と同じ符号はほぼ同一の部材を示している。
この実施例の製作方法においても、フロントバンパ1
は、下壁部1cと、この下壁部1cの前縁から凸弯曲部1dを
介して下壁部1cの下側後方へ延在して後部に冷却風案内
面10aをそなえた整流板10とが合成樹脂を素材として一
体成形加工により製作される。
そして、この一体成形加工が、下壁部1cの後縁1c′と
整流板10の後縁10′との間を、整流板10と下壁部1cとの
間に内部空間11を形成するために用いられる内型(金
型)14がスムーズに分離できるようにし、上記両後縁間
の寸法Lを内型の最大寸法よりも大きくした、つまり上
記両部材の後縁間を拡開するように形成することができ
る金型(外型と内型)を用いて行なわれる。
さらに、内型14には、整流板10の前方寄り内面に凹条
12を形成するための凸条14aが突設されている。なおこ
の凸条14aはほぼ10゜の抜けこう配が設けられたものが
適している。
上述のような内型および外型を用いて成形することに
より、下壁部1cおよび整流板10として第1図に示した側
断面、すなわち下壁部の後縁と整流板の後縁との間を後
方にむけて拡開する形状に成形されたフロントバンパが
得られる。
このようにして得られた成形体を、整流板10を凹条12
の部分で上方へ屈曲して、下壁部1cの後端1c′と整流板
10の後端10′とを近接ないし接合してクリップ13で挟持
させることで、整流板10の後部に、後方へ昇傾斜したラ
ジエータ冷却風案内面10aを形成することができる。
上述の構成により、下壁部1cの下側に、この下壁部1c
の前縁から凸弯曲して後方に延在する整流板10が形成さ
れたフロントバンパ1の製作に際して、上記下壁部1cの
後端1c′と整流板10の後端10′との間が拡開状に形成さ
れているので、成形時に下壁部と整流板との間に配設さ
れる内型14を、成形後にスムーズに分離することができ
る。
また、整流板10の前方寄りの内面に凹条12が形成され
ているので、整流板10をこの凹条部分で上方へ容易に屈
曲することができ、整流板10の後部に、後方へ昇傾斜し
た冷却風案内面10aを簡単に形成することができる。
なお、この実施例により製作されたフロントバンパの
使用により、ラジエータ水温を、従来の場合(第4図に
示しフロントバンパの場合)に比べて、約3℃低下させ
ることができた。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明によれば、次のような効
果ないし利点が得られる。
(1)フロントバンパの下壁部の後縁と上記下壁部の下
側に形成される整流板の後縁との間を、成形後における
内型の分離が行なえるように拡開させて成形されている
ので、成形後の内型の分離がスムーズに行なえる。
(2)整流板の前方寄り内面に形成された凹条が、成形
後における上記整流板のこの凹条部分での上方への屈曲
を容易にするので、上記整流板の後部寄りに、後方へ昇
傾斜した冷却風案内面を簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の一実施例としての自動車用フロン
トバンパ製作方法を示すもので、第1図はその中間段階
におけるフロントバンパ下壁部の側断面図、第2図はそ
の製作方法に適した内型の要部側断面図、第3図はその
製作方法により製作されたフロントバンパ下壁部の側断
面図であり、第4,5図は従来の自動車用フロントバンパ
を示すもので、第4図はその側断面図、第5図はその下
壁部の側断面図である。 1……フロントバンパ、1a……空気取入れ開口、1b……
グリル開口、1c……下壁部、1d……凸弯曲部、2……車
体、3……ラジエータ、10……整流板、10a……冷却風
案内面、11……内部空間、12……凹条、13……クリッ
プ、14……内型、14a……凸条。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製フロントバンパを成形加工する
    に際し、同フロントバンパの下壁部の後縁と同下壁部の
    前縁から凸弯曲して後方へ延在する整流板の後縁との間
    を、成形後における内型の分離が行なえるように拡開さ
    せるとともに、上記整流板の前方寄り内面に凹条を形成
    しておき、ついで上記整流板を上記凹条の部分で上方へ
    屈曲させることにより、同整流板の後部に、後方へ昇傾
    斜したラジエータ冷却風案内面を形成することを特徴と
    する、自動車用フロントバンパ製作方法。
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