JP3675899B2 - 樹脂成形品のボス保持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の車体に取付けられる樹脂成形品に一体成形されて、車体への取付け時において取付部として用いられるボスの保持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車等の車体にあっては、その車体の外観、見栄え等を良くするための手段として、モールと称する一種の装飾部材を車体に取付けることが一般的手段である。
【0003】
現在一般的に使用されているモール材は、合成樹脂による成形品であって、その表面には例えばアルミ蒸着等を施して金属調の美観を持たらし、そのモール部材の車体への取付けによって車体の美観及び高級感を得ることを期待している。
【0004】
かかる合成樹脂製モール材において設けられている車体への取付部構造の従来例としては、例えば実公平5−39528号公報で示されるものがある。
【0005】
この従来例で開示されている合成樹脂製モール材は、図5で示したように、長尺のモール本体1の裏側適宜位置に、そのモール本体1を車体に固定するときに用いるボス部2を、そのモール本体1と一体に突設せしめている。
【0006】
このように、ボス部2をモール本体1と一体に樹脂成形する成形手段では、ボス部2とモール本体1との接合部の断面積が大きいと、そのモールの樹脂成形時において、上記ボス部突設位置に対応するモール表面位置に、ボス部の冷却硬化時に生じるヒケ(窪み)が発生し、これが原因でモールの成形品質が低下されるという不具合が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記従来例では、そのヒケの発生を抑制して、品質を高めるために図6で示すようなボス部構造がある。つまりこのボス部構造は、モール本体の特にその裏側面において結合するボス部端面との結合部面積が可及的小さくなるような形状とするため、そのモール本体1の裏側と、ボス部2との間に空胴部3を形成し、さらにはモール本体1の頂壁面4には、土手部5を保形する透孔部6を一体形成している。
【0008】
そして、上記モールの樹脂成形時においては、前記の空胴部3及び土手部5を成形するためには、離型時にX1,X2方向へ移動する雄型、雌型の外に、Y方向へスライドさせて透孔部6を成形する第1のスライド型と前記空胴部3を形成するため、上記第1のスライド型のスライド方向とは交叉方向であるZ方向へスライドさせる第2のスライド型等が必要となり、これが原因で型費が嵩むことは勿論のこと、上記雄型、雌型のX1,X2方向の移動操作の他に上記複数のスライド型をY方向及びZ方向に操作するための複雑な型閉め、又は型開き工程が増加して型設備が複雑化して設備費が高くなるという不具合があった。
【0009】
さらに従来のモール構造にあっては、ヒケ部の発生を抑えるために、ボス部2の端面と、モール本体1の裏面との間に空胴部3を形成して、そのボス部端面とモール本体裏面との接合断面形状が、ボス部外周円弧とボス部中心点から可及的離れた位置にある弦とにより囲まれた略半円形状の小面積に設定されているのでそのボス部裏面とモール本体端面との結合強度が弱く、これが原因でモール本体とボス部との間で、充分な結合強度が得られていないという不具合もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる従来の不具合に着目してなされたもので、取付ボス部を一体に設ける樹脂成形品を成形するに当り、その樹脂成形品の上記ボス部の成形対応部において、ヒケ部を生じることのない良質の樹脂成形品を製作することを第1の目的としている。
【0011】
また上記良質の樹脂成形品を製作するに使用するスライド型を削減して、その型費及び成形設備、さらには成形工程の簡素化を図り、経済性に優れた樹脂成形品を得ることを第2の目的としている。
【0012】
上記の各目的を達成するための本発明の手段は、正面壁(14)と上側壁(15)と下側壁(16)とからなる断面略U字状の長尺の成形品本体部(17)の該上側壁(15)の適宜個所に、取付け用のボス部(18)を、前記正面壁(14)に直交しかつ後方へ突出するように一体成形してなる樹脂成形品において、一端面が前記正面壁の裏面と面一であり、かつ前記正面壁(14)に略平行に前記成形品本体部(17)の内外方向に移動する1個のスライド型を使用することにより、前記正面壁(14)の裏面と該裏面に対向する前記ボス部(18)の端面と前記上側壁(15)と前記下側壁(16)の裏面との間に、前記正面壁(14)と下面壁(16)に直交する断面薄型の縦リブ(22)を設けて、前記成形品本体部(17)と前記ボス部(18)との結合強度を向上し、前記成形品本体部表面のヒケの発生を防止することを特徴とする樹脂成形品のボス保持構造にある。
【0013】
【作用】
この発明によれば、成形品本体部の裏面とボス部端面とを連結する縦リブが、断面薄型であって、そのリブと成形品本体部との結合断面積を小さく設定していることから、その成形品本体部の表面に、リブの熱収縮時におけるヒケを生じることはない。
【0014】
また上記縦リブは、一端面が前記正面壁の裏面と面一であり、かつ前記正面壁(14)に略平行に前記成形品本体部(17)の内外方向に移動する1個のスライド型を使用することにより成形することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳細に説明する。
【0016】
本実施例の樹脂成形品は図1で示されるように、自動車のトランクフニッシャ11の背面に設けられているナンバープレート取付凹部12の開口周縁部に取付けられる方形枠型のモール13であって、このモール13は合成樹脂製であって、一般的にはその表面に例えばアルミニウム蒸着等を行うことで金属調の美観と外観を高めている。
【0017】
図1におけるA−A線断面構造は、図2、図4で示されるように、長尺帯状に延びる正面壁14と、この正面壁14の一対の辺縁より後方向へ形成される一対の上側壁15,下側壁16とからなる断面略U字形のモール本体部17と、このモール本体部17の上側壁15の長手方向に沿う適宜個所に一体形成されているボス部18を有している。このボス部18は、モール13を、前記トランクフニッシャ11へねじ止めするために使用されるものであって、このボス部18の中心軸線上には、スクリューねじ19の螺着孔20が形成されている。
【0018】
特に図3で明らかなように、モール本体部17には、各ボス部18に対応して、そのボス部18とモール本体部17との結合力を高めるための縦リブ22が形成されているが、この縦リブ22は、正面壁14の裏面と、上側壁15及び下側壁16の裏面との間に亘って一体形成されており、またその縦リブ22は正面壁14の反対側辺縁の一部で前記ボス部18の端面を受けるようにして、ボス部18と一体に結合されている。さらに縦リブ22は、該リブ22のモール本体部17との結合部におけるヒケの発生を抑制するために、そのリブ22と正面壁14との結合断面が長辺(a)及び短辺(b)とからなる断面薄型の長方形に設定されている。
【0019】
また、この断面長方形の縦リブ22は、一端面が前記正面壁の裏面と面一で、上下方向に移動する1個のスライド型を使用することにより、前記正面壁(14)の裏面とその裏面に対向する前記ボス部(18)の端面と前記上側壁(15)と前記下側壁(16)の裏面との間に、前記正面壁(14)に直交し上下方向に伸びるように設けられている。21は、前記正面壁14の裏面と面一となる開口縁23を有して前記上側壁15に貫通形成されている型抜き穴であり、この型抜き穴21は、前記縦リブ22を成形するために用いられるスライド型(図示せず)を型抜きすることにより開口される。
【0020】
すなわち、上記モール13を樹脂成形するには、不図示の雄型と雌型とからなる一対の成形型の他に縦リブ22を成形するための一つのスライド型を組合せ、そのモール13の樹脂成形後の成形品(モール)の離型工程は、図4で示すように雄型と雌型とをX1,X2方向へ型開きし、さらにスライド型をY方向へ引き抜くことによりモール13が得られるものである。
【0021】
このように本実施例のモール構造によれば、モール本体17の上側壁15には、その長手方向適宜個所に、取付け用のボス部(18)を、前記正面壁(14)に直交しかつ後方へ突出するように一体成形し、さらにそのボス部18とモール本体部17との結合力を高めるために、ボス部18の端面と、モール本体部17の正面壁14及び下側壁16の裏面との間を、縦リブ22を介して結合しているものであり、そのモール本体部17とボス部18とを結合する縦リブ22は、その結合部の断面形状が薄型長方形となるように設定されていて、その結合部面積が小さいために、そのモール本体部17の縦リブ22との結合部において、モール成形冷却時にヒケを生じることがなく良質のモールを生産することができる。
【0022】
また上記縦リブ22は、雄型、雌型の他に一端面が前記正面壁の裏面と面一であり、かつ前記正面壁(14)に略平行に前記成形品本体部(17)の内外方向に移動する1個のスライド型との組合せ、つまり3つの型部材によって成形することができるので、従来例に比較してスライド型の数を減らすことができ経済性に優れたモールを成形することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明は、樹脂成形品本体部の正面壁裏面とボス部端面とを結合する縦リブの正面壁裏面との結合断面が薄型となるように設定されていることから、樹脂成形本体部とボス部端面との結合強度を確保しながら、樹脂成形される成形品の正面壁において、ヒケを生じることがなく、良質の樹脂成形品が得られる。
かつ樹脂成形品本体とボス部との結合強度を高めることができるという効果があり
【0024】
また、上記縦リブは、一端面が前記正面壁の裏面と面一であり、かつ前記正面壁(14)に略平行に前記成形品本体部(17)の内外方向に移動する1個のスライド型を使用することにより、前記正面壁(14)の裏面と該裏面に対向する前記ボス部(18)の端面と前記上側壁(15)と前記下側壁(16)の裏面との間に、前記正面壁(14)と下面壁(16)に直交するように設けたものであるから、型数の削減及び型閉、型開工数の削減等によって、経済性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の樹脂成形品の取付態様を示す説明図。
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図。
【図3】本発明実施例のボス保持構造部を示した要部斜視図。
【図4】図3におけるB−B線断面図。
【図5】従来の構造を示した斜視図。
【図6】従来のモール構造におけるボス保持構造部を示した要部斜視図。
【符号の説明】
11…トランクフニッシャ 12…凹部
13…モール 14…正面壁
15…上側壁 16…下側壁
17…モール本体部 18…ボス部
19…スクリューねじ 20…螺着孔
21…型抜き穴 22…縦リブ
23…開口縁
Claims (1)
- 正面壁(14)と上側壁(15)と下側壁(16)とからなる断面略
U字状の長尺の成形品本体部(17)の該上側壁(15)の適宜個所に、取付け用のボス部(18)を、前記正面壁(14)に直交しかつ後方へ突出するように一体成形してなる樹脂成形品において、
一端面が前記正面壁の裏面と面一であり、かつ前記正面壁(14)に略平行に前記成形品本体部(17)の内外方向に移動する1個のスライド型を使用することにより、前記正面壁(14)の裏面と該裏面に対向する前記ボス部(18)の端面と前記上側壁(15)と前記下側壁(16)の裏面との間に、前記正面壁(14)と下面壁(16)に直交する断面薄型の縦リブ(22)を設けて、前記成形品本体部(17)と前記ボス部(18)との結合強度を向上し、前記成形品本体部表面のヒケの発生を防止することを特徴とする樹脂成形品のボス保持構造。
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