JP2773544B2 - ラジエータグリル - Google Patents

ラジエータグリル

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JP2773544B2
JP2773544B2 JP4136274A JP13627492A JP2773544B2 JP 2773544 B2 JP2773544 B2 JP 2773544B2 JP 4136274 A JP4136274 A JP 4136274A JP 13627492 A JP13627492 A JP 13627492A JP 2773544 B2 JP2773544 B2 JP 2773544B2
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radiator
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耕司 中尾
大一郎 川島
幸一 年永
知明 小宮山
暁夫 返町
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,剛性に優れ軽量,外観
良好で,また脱型容易な,ラジエータグリルに関する。
【0002】
【従来技術】図22〜図25に示すごとく,自動車の前
部エンジンルーム,トランクルームを覆うボンネット8
(フード)は,フードヒンジ,ロック(図示略)を介し
て,開閉可能にボディー81に取付けられている。とこ
ろで,上記ボンネット8には,前開きタイプのものと,
後開きタイプのものがある。
【0003】上記前開きタイプのボンネット8には,図
22,図23に示すごとく,その前端部がラジエータグ
リル9と分離したセパレートタイプのものである。この
タイプにおいては,ラジエータグリル9は,ボディー8
1側に取付け固定されている。
【0004】一方,図24,図25に示すごとく,上記
ボンネット8には,その前端部において,ラジエータグ
リル9が一体的に取付けられた一体タイプのものがあ
る。このタイプにおいては,ボンネット8の開閉時に,
ラジエータグリル9がボンネット8と一緒に昇降して,
これらが一体に開閉することになる。また,ラジエータ
グリル9の後方においては,リインフォース(図示略)
が取付けられ,まわり込ませて剛性を保つようにされて
いる。
【0005】上記ラジエータグリル9,特にセパレート
タイプのものは,変形防止及びヒケ発生防止のために,
図26に示すごとく,リブ95を後側の略中央部に有す
る。また,ラジエータグリル9は,上記リブ95の両側
に空隙部90が設けてある。かかるラジエータグリル9
を作製するに当たっては,図27に示す金型7を用い
る。該金型7は,上記空隙部90を形成するための凸部
710を有する可動型71と,固定型72とよりなる。
可動型71と固定型72との間には,ラジエータグリル
9を成形するためのキャビティ73を有する。また,図
28に示すごとく,可動型71は上記凸部710の間に
は,リブ95形成用の凹部712を有する。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来技術
には,次の問題点がある。即ち,上記可動型71は,上
記凸部710,710を有するため構造が複雑になる。
また,そのため,成形品の形状によっては上記凸部71
0があるため,強度が不足してラジエータグリル9を成
形した後における脱型が困難な場合がある。また,上記
リブ95の形成によって,ラジエータグリル9の変形は
ある程度防止できるが,これのみによっては剛性等の機
械強度が充分でない。
【0007】一方,ヒケ発生防止のために,金型7に多
点ゲート(図示略)を用いる場合がある。しかしなが
ら,この場合は,各ゲート間にウエルドが発生し,ラジ
エータグリルの外観を損なうことがある。ここでウエル
ドとは,分流していた溶融樹脂が合流する時に生じるス
ジムラのことである。また,前記リブ95は,ラジエー
タグリル9における外観意匠にとって,余り好ましいも
のではない。
【0008】更に,上記ボンネット8がラジエータグリ
ル9が一体的に取付けられた一体タイプのものにおいて
は,図25に示すごとく,ボンネット8を開けるとき,
ラジエータグリル9の下段部94を,G方向より持ち上
げてボンネット8とラジエータグリル9とを一体的に開
放する。そのため,ラジエータグリル9の下段部94に
は,局部的に荷重がG方向より加わることになる。その
結果,下段部が変形したり,破損することがある。
【0009】また,ラジエータグリル9の後方には,補
強用のリンフォースが取付けられているため,車両の軽
量化の要望に反し車体が重くなる。本発明は,かかる従
来の問題点に鑑みてなされたもので,ボンネットの開閉
時にラジエータグリルが変形したり破損することなく,
剛性に優れ,かつ軽量,外観良好で,また脱型容易な,
ラジエータグリルを提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】本発明は,格子部とその周囲に形成
したフレーム部とを有すると共に,自動車のボンネット
に固定されて該ボンネットと共に開閉される樹脂製のラ
ジエータグリルであって,該ラジエータグリルは少なく
ともその下部フレームに中空部を有しており,また上記
中空部は射出成形時に樹脂中に加圧流体を注入すること
により成形してなり, また,上記下部フレームの後部に
は,その後方へ突出する補強用リブを一体形成し,
つ,上記中空部形成部分の外周には,該中空部形成部分
の長手方向に沿って凹状又は凸状のレリーフを設けてな
ることを特徴とするラジエータグリルにある。本発明に
おいて最も注目すべきことは,ラジエータグリルは,
なくともその下部フレームに中空部(図3,図4参照)
を有し,また下部フレームの後部には補強用リブを一体
形成してなり(図7,図8参照),かつ上記中空部形成
部分の外周にはレリーフ(図10参照)を設けてなる
とである。
【0011】格子部としては,例えば,実施例1に示す
ごとく,横バーと縦リブとが格子状に直交した態様(図
1)がある。また,実施例4に示すごとく,横バーのみ
(図5),実施例5に示すごとく,縦リブのみ(図6)
などの態様がある。フレーム部としては,例えば上部フ
レームと,下部フレームと,これらを連結する連結フレ
ームとよりなる。上部フレームは,上面部,上端部を有
する態様(図7,図8)がある。
【0012】上記格子部,フレーム部の全体は,例えば
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹
脂,ポリプロピレン(PP)樹脂,ポリカーボネート
(PC)樹脂,アクリロニトリルエチレンプロピレンジ
エンラバースチレン(AES)樹脂等を用いて射出成形
する。中空部は,射出成形に当たり,上記ABS,P
P,PC,AES等の樹脂部に対し,窒素ガス等の気体
又は水等の液体の加圧流体を注入して形成する。中空部
は,例えば上部フレーム(図2),下部フレーム(図
3),上部フレーム及び下部フレーム(図4),横バー
(図5)及び縦リブ(図6)等の格子部,上面部(図
7)及び上端部(図8)等の端部において,形成するこ
とが好ましい。
【0013】また,中空部形成部分の外周には,実施例
5に示すごとく,中空部の長手方向に沿ってレリーフ
(図10)を形成することが好ましい。これにより,中
空部形成部分に,ヒケを発生することがない。また,実
施例11に示すごとく,中空部の外周部分には,メッキ
を施すことが好ましい。これにより,中空部の剛性が一
層向上する。また,実施例8に示すごとく,例えば上記
下部フレームの後方(意匠面とは反対側)にリブを設け
ることが好ましい。これにより,下部フレームの剛性が
一層向上する。
【0014】上記射出成形としては,実施例10に示す
ごとく,例えば複数のゲートを設け,そのゲートからの
樹脂,ガスの注入のタイミングを遅らせるディレード成
形を用いることが好ましい。これにより,例えばまず上
記格子部を成形し,次にフレーム部を成形して,更に該
フレーム部に中空部を形成していくという方法を採るこ
とができる。本方法によれば,中空部にウェルドライン
を生じない。
【0015】また,他の射出成形方法としては,実施例
9に示すごとく,例えば中空部以外の中実部を先に射出
成形し,次に中空部を形成する,二色成形方法又はイン
サート成形方法を用いることが好ましい。これにより,
加圧流体は,流動又は収縮する樹脂中に注入され,中空
部形成部分の位置制御が容易となる。
【0016】
【作用及び効果】本発明のラジエータグリルは自動車の
ボンネットに固定されてボンネットと共に開閉される形
式のものである。そして,該ラジエータグリルにおいて
は,少なくとも下部フレームに,射出成形時に樹脂中に
加圧流体を注入することにより形成した中空部を有して
いる。これにより,中空部を形成した下部フレームが剛
性に優れ,かつ軽量となる。また,上記下部フレームに
はその後部に補強用リブを一体形成している。そのた
め,下部フレームの強度が向上する。 また,ラジエータ
グリルは,その開放時には下部フレームを持ち上げ,一
方閉止時にはその下部フレームが一時的ではあるが強く
車体に衝突する。そのため,特に下部フレームに高い剛
性と強度が要求される。本発明のラジエータグリルは,
上記のごとく,その下部フレームが上記中空部によって
剛性が高くなり また上記補強用リブによってその強度
が高くなっている。そのため,上記要求を満たすことが
できる。 また,下部フレームにはその長手方向に沿って
レリーフを設けている。そのため,中空部形成時にその
外周にヒケを発生することがない。それ故,ラジエータ
グリルの表面外観の意匠性が向上する。また,上記中空
部は,ラジエータグリルを成形する際に金型内にある樹
脂中に上記加圧流体を注入することにより成形する。そ
のため,上記のごとく,ラジエータグリルの表面にウエ
ルドラインの発生がなく,見栄えが良い。また,中空部
形成部分の位置制御が容易となる。
【0017】即ち,この点について詳述すれば,例え
ば,部フレームの断面係数が増加し,剛性が向上す
る。また,部フレームの中空部は,中実部に比して軽
量となり,樹脂材料等の節約になる。上記のように
フレームの断面係数が増加する理由は,部フレームが
中実部であった従来品においては,開断面であったが,
本発明では中空部となり閉断面になる。そのため,中空
部を有する部フレームにおいては,断面剛性が向上す
ることになるものと考えられる。このことは,他の中空
部形成部分においても同様である。
【0018】それ故,本発明のラジエータグリルは,上
下方向の荷重に対して変形したり破損を生ずることがな
い。また,金型内にある固化前の樹脂の中に加圧流体を
注入して,中空部を形成するため,樹脂は金型面に均一
に押し付けられる。そのため,ラジエータグリルの表面
にウエルドラインが発生せず,見栄えが良くなる。ま
た,中空成形を行うため,比較的構造が簡単な金型を用
いることができ,脱型が容易になる。以上のごとく,本
発明によれば,特に下部フレームにおける剛性,強度に
優れ,ボンネットの開閉時においてラジエータグリルが
変形したり破損することがなく,かつ軽量,外観良好
で,また脱型容易な,ラジエータグリルを提供すること
ができる。
【0019】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかるラジエータグリルにつき,図
1,図2を用いて説明する。本例のラジエータグリル
は,図2に示すごとく,フレーム部2の上部フレーム2
1には,中空部210が形成されている。図2は,図1
のA−A線矢視断面図であって,図1は本例のラジエー
タグリルの全体正面図である。
【0020】ラジエータグリルは,図1に示すごとく,
格子部1とその周囲に形成したフレーム部2とを有す
る。中空部210は,射出成形時において,上部フレー
ム21を構成する樹脂内に,加圧流体としての窒素ガス
等を注入して形成したものである。また,中空部210
は,肉厚さが平均して約3mmであり,後述するごと
く,従来例の上部フレームに比し約45%も剛性が向上
している。
【0021】格子部1は,図1,図2に示すごとく,横
バー11と,これと直交する縦リブ12とよりなる。フ
レーム部2は,同図に示すごとく,上部フレーム21と
下部フレーム22とこれらを両端部で連結する連結フレ
ーム23とよりなる。このうち,上記上部フレーム21
のみに中空部210が形成され,その他の部分は中実部
よりなる。なお,上部フレーム21は,図2に示すごと
く,斜め後方に突出した上面部212を有する。また,
上記下部フレーム22は,後方に開口部221を有す
る。
【0022】ラジエータグリルは,ABS樹脂を用いた
射出成形品よりなる。そして,ラジエータグリルの表面
には,後述する実施例11に示すごとく,クロームメッ
キが施してある。また,ラジエータグリルは,後述する
実施例9に示すごとく,二色成形機(図11)を用いて
射出成形する。その他は,前記従来例と同様である。
【0023】次に作用効果につき説明する。本例のラジ
エータグリルにおいては,図2に示すごとく,上記上部
フレーム21に中空部210が形成してあるため,特に
該上部フレーム21は剛性に優れかつ軽量である。これ
は,上部フレーム21の断面係数が増すことになるから
である。
【0024】上記上部フレーム21の断面係数が増加す
る理由は,従来の上部フレーム21が中実部よりなり開
断面であったものが,中空部210となり閉断面にな
る。そのため,中空部210を有する上部フレーム21
においては,断面剛性が向上することになるものと考え
られる。なお,具体的には,後述する実施例11で示す
ごとく,45〜50%も剛性が向上する(図19)。
【0025】それ故,ラジエータグリルは,上下方向の
荷重に対して変形したり,破損を生ずることがなく,剛
性に優れることになる。以上のごとく,本例によれば,
ボンネット8(図22)の開閉時において,ラジエータ
グリルは著しい変形がなく,剛性感がある。また,ラジ
エータグリルは,従来例のごとく,リンフォースの補強
を必要としないため,その分だけ軽量となる。
【0026】実施例2 本例は,図3に示すごとく,上記実施例1における上部
フレーム21の中空部210に代えて,下部フレーム2
2にも中空部220を形成したものである。中空部22
0は,下部フレーム22の射出成形時において,溶融し
たABS樹脂内に加圧窒素ガスを注入して形成したもの
である。中空部22は,実施例1における上部フレーム
21の中空部210と同様に,肉厚が平均して約3mm
よりなり,従来例のそれに比し約45〜50%剛性が向
上している。
【0027】これにより,特に下方方向より加わる荷重
(図25参照)に対して,変形したり破損することな
く,剛性に優れる。また,ウエルドを生じないため,外
観良好で見栄えが良くなる。一方,上部フレーム21
は,図3に示すごとく,後方側において,開口部211
を有する。また,斜め方向に突出した上面部212を有
する。その他は,上記実施例1と同様である。また,実
施例1と同様の効果を得ることができる。
【0028】実施例3 本例は,図4に示すごとく,フレーム部2の全体に,中
空部を形成したものである。即ち,図1に示した上部フ
レーム21,連結フレーム23,下部フレーム22の全
てに環状に中空部210,220を形成してある。中空
部210は,上記実施例1における上部フレーム21に
形成した,上記中空部210と同様のものである。
【0029】そのため,中空部210の肉厚は,平均し
て約3mmであり,従来例のラジエータグリルに比し約
45〜50%も剛性が向上している。また,下部フレー
ム22及び連結フレーム23における,中空部220及
び230も同様である。その他は,上記実施例2と同様
である。それ故,本例によれば,フレーム部2の全体が
剛性に優れ,かつ軽量となる。また,実施例1及び2と
同様の効果を得ることができる。
【0030】実施例4 本例は,図5に示すごとく,実施例1における格子部1
に代えて,横バー11に中空部110を形成したもので
ある。また,格子部1における縦リブ12をなくしてあ
る。その他は,実施例1と同様である。中空部110
は,肉厚さが平均して約3mmであり,従来例における
横バーに比し約45〜50%も剛性が向上している。な
お,中空部10は,横バー11の射出成形時において,
横バー11を構成するABS樹脂中に加圧窒素ガスを注
入して形成したものである。また,フレーム部2は,実
施例1と同様に上部フレーム21が中空部210を有し
ている。
【0031】本例においては,上記横バー11の射出成
形時に,格子部1としては横バー11のみを射出成形す
れば良い。そのため,横バー11の射出成形時において
は,その樹脂の流れが良くなる。これは,従来例におけ
る格子部の射出成形時には樹脂が薄肉部を流れるため,
中実部の横バーには樹脂が流れにくくなりウェルドライ
ン(溶融樹脂合流すじ)を生じていた。ところが,本例
においては,横バー11には樹脂が短時間内に流れ易く
なるため,ウェルドラインを生じなくなったことによ
る。
【0032】それ故,本例によれば,ウェルドマークを
生じなく,見栄えが良く,しかも剛性に優れた横バー1
1を有する,ラジエータグリルを得ることができる。ま
た,ラジエータグリルには縦リブがなく横バー11が中
空部110を有するため,軽量でコストが安くなる。そ
の他,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0033】実施例5 本例は,図6に示すごとく,実施例3における格子部1
に代えて,縦リブ12に中空部120を形成したもので
ある。また,格子部1における横バー11をなくしてあ
る。また,フレーム2の全体に中空部210,220を
有する。その他は,実施例3と同様である。縦リブ12
の中空部120は,肉厚さが平均して約3mmであり,
従来例の縦リブに比し約45〜50%も剛性が向上して
いる。なお,中空部120は,縦リブ12の射出成形時
において,この縦リブ12を構成するABS樹脂中に,
加圧窒素ガスを注入して形成したものである。
【0034】本例においては,上記縦リブ12の射出成
形時に,格子部1としては縦リブ12のみを射出成形す
れば良い。そのため,射出成形時においては,その樹脂
の流れが良くなる。そのため,実施例4における横バー
11の場合と同様に,縦リブ12にウェルドラインを生
じない。
【0035】それ故,本例によれば,見栄えが良く,し
かも剛性に優れた縦リブ12を有する,ラジエータグリ
ルを得ることができる。また,ラジエータグリルには,
横バーがなく,縦リブ12が中空部120を有する。そ
のため,軽量でコストが安くなる。その他,実施例3と
同様の効果を得ることができる。
【0036】実施例6 本例は,図7に示すごとく,実施例1における上部フレ
ーム21の上面部212に,中空部2120を形成した
ものである。その他は,実施例1と同様である。中空部
2120は,図7に示すごとく,上部フレーム21の端
部において,斜め後方に突出した上面部212の射出成
形時に形成したものである。これにより,上部フレーム
21及び上面部の剛性が向上し,軽量となる。
【0037】なお,上面部212を射出成形するに当た
っては,従来法のごとく多点ゲートを有する金型を用い
るのではなく,上面部形成部分の中央部に設けられた1
点のゲート3を有する金型(図示略)を用いる。その理
由は,従来法のごとく,多点ゲートを有する金型を用い
て射出成形すれば,上部フレーム21の表面にウェルド
ラインを生ずる場合があるからである。そこで,本例に
おいては,1点のゲート3により樹脂及び中空部形成用
の加圧窒素ガスを注入する金型を用いて射出成形し,ラ
ジエータグリルを製造する。なお,下部フレーム22
は,その後方に突出するリブ222を有する。該リブ2
22は,後述する実施例12に示すごとく,補強材とし
て設けたものである。
【0038】これにより,上部フレーム21及び上面部
212の表面には,ウェルドラインを生じないため,見
栄えの良いラジエータグリルを得ることができる。それ
故,本例によれば,剛性に優れ軽量で見栄えの良い,上
部フレーム21及び上面部212を有するラジエータグ
リルを得ることができる。その他,実施例1と同様の効
果を得ることができる。
【0039】実施例7 本例は,図8,図9に示すごとく,上記実施例6におけ
る上面部212の中空部2120に代えて,上端部21
3に中空部2130を形成したものである。また,図8
に示すごとく,上端部213の両端部において,水平翼
状に突出した上端部翼部214を有する上部フレーム2
1としたものである。その他は,実施例6と同様であ
る。
【0040】中空部2130は,上端部213を構成す
る樹脂内に加圧窒素ガスを注入して形成したものであ
る。なお,図9に示すごとく,上端部213は,後方に
突出する上リップ2131及び下リップ2132を有す
る。なお,下部フレーム22は,上記実施例6のラジエ
ータグリルと同様に,その後方に突出するリブ222を
有する。
【0041】そのため,中空部2130を有する上部フ
レーム21は,剛性に優れ,かつ軽量であると共に,ウ
ェルドラインを生じないため見栄えが良い。それ故,本
例によれば,剛性に優れ軽量で見栄えが良い,上部フレ
ーム21及び上端部213を有するラジエータグリルを
得ることができる。その他,実施例6と同様の効果を得
ることができる。
【0042】実施例8 本例は,図10に示すごとく,実施例1における上部フ
レーム21の中空部形成部分の外周に,レリーフ215
を形成したものである。その他は,実施例1と同様であ
る。レリーフ215は,図10に示すごとく,凹状溝よ
りなり,中空部210の長手方向Nに沿って形成してあ
る。レリーフ215の幅は,約0.5mmである。
【0043】レリーフ215を形成する理由は,従来,
ラジエータグリルの肉厚部等の平面又は曲面部(例え
ば,曲率半径が40mm以上)に中空部を形成すると,
ヒケを生ずる場合が多い。ここで,ヒケとは,成形品表
面のへこみのことである。例えば上記中空部の肉厚部と
立ち面とにおいて,樹脂が射出成形中に部分的に肉厚に
なり収縮率が大きくなった場合に生じ易い。
【0044】そこで,上記中空部210の局面部におい
て,射出成形時に樹脂が衝突し合う部分,即ち中空部形
成部分の外周で中空部210の長手方向Nに沿って,凹
状又は凸状のレリーフ215を形成しておく。これによ
り,上記中空部210の外周においては,ヒケを生ずる
ことがなく,見栄えが良くなる。これは,レリーフ21
5を形成した部分が,肉ヌスミ効果又は肉盛り効果を有
することになるからである。
【0045】ここで,肉ヌスミ効果又は肉盛り効果は,
成形品表面を局部的に薄肉軽量化又は肉厚化し,他の部
分とは光沢等のチクスチャーが若干変わることである。
それ故,本例によれば,中空部210の外周表面の見栄
えが良くなり,剛性に優れ軽量な,ラジエータグリルを
得ることができる。その他,実施例1と同様の効果を得
ることができる。なお,上記レリーフは,ラジエータグ
リルの外に,自動車の外装用部品,例えばバンパー,バ
ックパネル,サイドモール(プロテクタ)等に形成する
こともできる。
【0046】実施例9 本例は,図11〜図14に示すごとく,上記実施例3に
かかるラジエータグリルを,二色成形法により射出成形
するものである。二色成形法は,図11に示すごとく,
二色成形機4を用いて行う。この二色成形機4は,回動
軸部41と,これに装着した回動型42と,格子部成形
型43と,フレーム部成形型44と,これらに樹脂を供
給するホッパー432,442と,スクリュー431,
441とよりなる。
【0047】本例においては,図11,図13に示すご
とく,回動型42及び格子部成形型43を用いて,まず
金型内に樹脂を注入して格子部1を射出成形する。次
に,図11,図14に示すごとく,回動軸部41を反転
させた後,回動型42及びフレーム部成形型44を用い
て,格子部1の周囲のキャビティ内に樹脂を注入してフ
レーム部2を射出成形する。この時,図14に示すごと
く,金型のゲート51,52より,フレーム成形用の溶
融樹脂内に加圧窒素ガスを注入する。その後,金型より
成形品としてのラジエータグリルを取出す。
【0048】これにより,フレーム部2に中空部21
0,220を有するラジエータグリルを,間欠的又は連
続的に射出成形することができる。また,反転後も金型
内に格子部1がそのままの状態でフレーム部2が射出成
形されるため,中空部210の位置制御の精度が向上す
る。それ故,本例によれば,ラジエータグリルを生産性
良く,また中空部210を精度良く,効率的に得ること
ができる。
【0049】実施例10 本例は,図15〜図18に示すごとく,上記実施例3に
かかるラジエータグリルを,ディレード成形法により射
出成形するものである。ディレード成形法においては,
図15に示すごとく,まず格子部1をキャビティ50内
で射出成形する。この時,樹脂(図示略)は,格子部1
の略中央にあるゲート部55より注入する。次に,図1
6に示すごとく,格子部形成後,同じ金型(図18)内
において,上記キャビティ50内にもフレーム部形成用
の樹脂6を注入して,格子部1の周囲にフレーム部2を
射出成形する。この時,樹脂6は,格子用樹脂注入用の
ゲート55とは異なる位置の,フレーム部形成用の上方
及び下方中央部にある,ゲート部56,57より注入す
る。
【0050】次いで,図17に示すごとく,上記ゲート
部56,57より,加圧窒素ガス62を樹脂6内に注入
する。この時,フレーム部2においてゲートの位置を同
じくして樹脂6及び加圧窒素ガス62を注入しているた
め,中空部210は,位置精度良く,射出成形すること
ができる。即ち,図18に示すごとく,金型5内におい
て,格子部1とその周囲に形成したフレーム部2とを有
するラジエータグリルを連続的に,位置精度良く,得る
ことができる。
【0051】実施例11 本例は,図19,図20に示すごとく,実施例2にかか
るラジエータグリルの表面にメッキを施したものであ
る。メッキは,湿式メッキ法により,クロームメッキを
施す。ここで注目すべきことは,このメッキを施すに当
たり,図20に示すごとく,下部フレーム22を射出成
形する時に生じたトンネルゲート226の開口部は,加
熱溶融してシール部2261を施しておくことである。
【0052】この加熱溶融により,効率良く迅速に,ト
ンネルゲート226の開口部を密封することができる。
また,上記シール部2261より,メッキ液が下部フレ
ーム22の中空部220内に侵入することがない。ま
た,上記開口部の近傍において,トンネルゲート226
を除去後に,凹部を生じて見栄えが悪くなることはな
い。なお,トンネルゲート226は,メッキ後に切除す
ることなくそのまま付けておくこともできる。
【0053】更に,注目すべきことは,図19に示すご
とく,ラジエータグリルにはクロームメッキを施してあ
るため,次に示すごとく,剛性に優れていることであ
る。即ち,図19において,まず本例にかかるラジエー
タグリルPにつき荷重F20kgfを加えた時の撓みT
は,約3mmである。これに対し,一般成形品でメッキ
を施した比較例のラジエータグリルQは,約4.5mm
である。また,荷重F25kgfを加えた時の撓みT
は,本例のラジエータグリルPが約4mmであるのに対
し,比較例のラジエータグリルQが約5.8mmであ
る。
【0054】それ故,本例のラジエータグリルPは,比
較例のラジエータグリルQに対して4/3〜5.8/3
倍,即ち45〜50%も剛性が向上していることが知ら
れる。なお,参考例としてメッキを施さない中空部を有
するラジエータグリルRと,メッキを施さない一般成形
品のラジエータグリルSにつき,荷重F20kgfを加
えた時の撓みTは,ラジエータグリルRが約6mm,ラ
ジエータグリルSが9mmである。
【0055】それ故,ラジエータグリルの中空部にメッ
キを施すことにより,約2倍も剛性が向上していること
が知られる。また,一般成形品のラジエータグリルSに
対しては,本例のラジエータグリルPが約3倍も剛性が
向上していることが知られる。以上のごとく,本例によ
れば,剛性に優れた,ラジエータグリルを得ることがで
きる。
【0056】実施例12 本例は,図21に示すごとく,上記実施例2,実施例3
にかかるラジエータグリルにおける下部フレーム22の
後方側Gに,リブ222を設けたものである。その他
は,実施例2,実施例3と同様である。下部フレーム2
2は,図21に示すごとく,中空部220を有し,前方
側Fに意匠面223を有する。
【0057】本例においては,この意匠面223とは反
対側の後方側Gにおいて,上記リブ222を設けてある
ので,下部フレーム22の強度を更に高めることができ
る。また,リブ22は後方側にあるため,外観上支障も
ない。それ故,本例のラジエータグリルにおける,下部
フレーム22は,実施例2,実施例3のラジエータグリ
ルに比し,一層強度に優れている。その他,実施例2,
実施例3と同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にかかるラジエータグリルの正面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】実施例2にかかるラジエータグリルの断面図。
【図4】実施例3にかかるラジエータグリルの断面図。
【図5】実施例4にかかるラジエータグリルの一部切欠
斜視図。
【図6】実施例5にかかるラジエータグリルの一部切欠
斜視図。
【図7】実施例6にかかるラジエータグリルの斜視図。
【図8】実施例7にかかるラジエータグリルの斜視図。
【図9】実施例7にかかるラジエータグリルの中空部の
拡大断面図。
【図10】実施例8にかかるラジエータグリルの斜視
図。
【図11】実施例9における,二色成形機の概要説明
図。
【図12】実施例9における,ラジエータグリルの正面
図。
【図13】実施例9における,格子部の正面図。
【図14】実施例9における,キャビティ内に格子部を
セットした状態の金型の平面図。
【図15】実施例10における,ディレード成形におい
て,キャビティ内に格子部を成形した状態を示す平面
図。
【図16】図15に続く,キャビテヤィ内の格子部の外
周に樹脂を射出した状態を示す平面図。
【図17】図16に続く,フレーム用樹脂内に加圧流体
を注入した状態を示す平面図。
【図18】実施例10における,金型の平面図。
【図19】実施例11における,荷重Fと撓みTとの関
係を示すグラフ。
【図20】実施例11にかかるラジエータグリルの要部
斜視図。
【図21】実施例12にかかるラジエータグリルの要部
斜視図。
【図22】従来のラジエータグリルの使用状態を示す斜
視図。
【図23】図22のB−B線矢視断面図。
【図24】従来のラジエータグリルの別の態様の使用状
態を示す斜視図。
【図25】図24のC−C線矢視断面図。
【図26】従来の他のラジエータグリルの態様を示す斜
視図。
【図27】従来の他のラジエータグリルを作製するため
の金型の断面図。
【図28】図27の金型における可動型の平面断面図。
【符号の説明】
1...格子部, 11...横バー, 110...中空部, 12...縦リブ, 120...中空部, 2...フレーム部, 21...上部フレーム, 210...中空部, 212...上面部, 2120...中空部, 213...上端部, 2130...中空部, 215...レリーフ, 22...下部フレーム, 220...中空部, 50...キャビティ, 55,56,57...ゲート,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 大一郎 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 年永 幸一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 小宮山 知明 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 返町 暁夫 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑 1番地 豊田合成株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−44228(JP,A) 特開 平3−224851(JP,A) 実開 昭60−127260(JP,U) 実開 昭53−120043(JP,U) 実開 平1−144151(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 19/00 - 19/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子部とその周囲に形成したフレーム部
    とを有すると共に,自動車のボンネットに固定されて該
    ボンネットと共に開閉される樹脂製のラジエータグリル
    であって,該ラジエータグリルは少なくともその下部フ
    レームに中空部を有しており, また上記中空部は射出成形時に樹脂中に加圧流体を注入
    することにより成形してなり, また,上記下部フレームの後部には,その後方へ突出す
    る補強用リブを一体形成し, かつ,上記中空部形成部分の外周には,該中空部形成部
    分の長手方向に沿って凹状又は凸状のレリーフを設けて
    ることを特徴とするラジエータグリル。
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