JP2681818B2 - 複合工作機械のターンテーブル装置 - Google Patents

複合工作機械のターンテーブル装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は位置決め時及びクランプ時の割出し精度の
変化をなくした複合工作機械のターンテーブル装置に関
する。
〔従来の技術〕 従来この種の複合工程機械に設けられたターンテーブ
ルには、第８図に示すように割出し機構を有していて、
ターンテーブルａ上に取付けられたワーク（図示せず）
の割出しを次のように行うようになっている。
割出しに当ってまずＣ軸クランプシリンダｂを矢印ｃ
方向へ動作させて、ターンテーブルａを駆動するメイン
ギヤｄに連動されたウオームホイールｅにウオームｆを
押付けてバックラッシュを除去し、この状態でＣ軸割出
しモータｇにより上記ウオームｆ、ウオームホイールｅ
を介してメインギヤｄを回転することにより、ターンテ
ーブルａ上のワークの割出しを行っている。
また割出し後はＣ軸ロックシリンダｈによりクサビ部
材ｉを動作させて、ウオームｆの軸方向の動きを係止す
ることにより、ターンテーブルａを割出し位置にクラン
プしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし上記従来の割出し機構は、駆動系の途中にウオ
ームｆ及びウオームホイールｅが存在するため、これら
ウオーム及びウオームホイールf,eを潤滑するのに粘度
の高い潤滑油を必要として拘束運転時発熱の原因とな
り、その結果熱によってターンテーブルａが熱変位して
加工精度を低下させる不具合があった。
また正確に割出し位置を位置決めしても、割出し後Ｃ
軸ロックシリンダｈによりクサビ部材ｉを動作させてク
ランプする際、クサビ部材ｉをウオームｆの軸線方向へ
押付けるため、位置決め時とクランプ時で割出し精度が
変化するなどの不具合もあった。
この発明は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で、位置決め時とクランプ時の割出し精度の変化をなく
した複合工作機械のターンテーブル装置を提供しようと
するものである。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
この発明は上記目的を達成するために、割出し機構を
備えた複合工作機械のターンテーブル装置において、タ
ーンテーブルの駆動系と割出し機構の駆動系を別に設
け、かつターンテーブル駆動系により割出し機構の駆動
系にトルクを付与してバックラッシュを除去した状態で
割出し機構の駆動系によりターンテーブルを回転させて
割出しを行うと共に、上記ターンテーブルの主軸近傍
に、該主軸に固着されたディスクと、このディスクを挟
着することにより上記主軸をクランプするピストンより
なるクランプ機構を設けたもので、割出し機構の駆動系
のバックラッシュを除去した状態でターンテーブルの割
出しが行えるため、割出し精度が向上すると共に、ター
ンテーブルの駆動系を使用して割出し機構の駆動系にト
ルクを付与し、バックラッシュを除去するための補助駆
動系を必要としない。
また割出し機構の回転軸に、ターンテーブルの回転角
を検出する回転角検出器を設けると共に、ターンテーブ
ルの割出し後、割出し機構の駆動系のバックラッシュを
除去した状態でターンテーブルの主軸をクランプするク
ランプ機構と別に、上記回転軸をクランプするクランプ
手段を設けたことから、主軸に対して増速された回転軸
側でターンテーブルの回転角が検出でき、これによって
精度の高い回転角の検出が可能になると共に、ターンテ
ーブル割出し後、割出し機構の駆動系のバックラッシュ
を除去した状態で主軸及び回転軸を同時にクランプする
ことにより、バックラッシュにより回転軸がずれること
がないため、回転角が狂う心配もない。
さらに割出し機構のウオーム駆動系とミッション駆動
系の潤滑系を分離し、ウオーム駆動系を粘度の高い潤滑
油で、そしてミッション駆動系を粘度の低い潤滑油で潤
滑することにより、加工時の発熱を低減させることもで
きる。
〔実 施 例〕
この発明は一実施例を図面を参照にして詳述する。
第１図は複合工作機械を示すもので、ヘッド１上にＸ
軸方向へ移動自在なＸ軸テーブル２が設けられていて、
このＸ軸テーブル２上にＣ軸方向へ回転自在なターンテ
ーブル３が設置されている。
なお、４はコラム５前面にＺ軸方向に移動自在に取付
けられたスピンドルヘッド、６は自動工具交換装置を示
す。
一方上記ターンテーブル３は中心部が主軸８に固定さ
れている。
上記主軸８はラジアルベアリング９及びスラストベア
リング10によりＸ軸テーブル２に回転自在に支承されて
いると共に、上記主軸８の下端部にはクランプ機構11が
設けられている。
上記クランプ機構11は主軸８に固着されたディスク11
aの上下に、これを挟入するようピストン11bが設けられ
ていて、これらピストン11bによりディスク11aを挟着す
ることにより主軸８を介してターンテーブル３をクラン
プするようになっており、各ピストン11bは油圧シリン
ダ11c内に収容されていて、油圧により動作するように
なっている。
また上記主軸８の中間部には、メインギヤ12が固着さ
れていて、このメインギヤ12に変速機15の出力ギヤ15h
が噛合されている。
上記変速機15はターニングモータ16と上記メインギヤ
12の間に介在されてターンテーブル３の変速を行うもの
で、ターニングモータ16の回転は無端ベルト17を介して
入力軸15aへ入力されるようになっている。
上記入力軸15aにはスプライン係合されたギヤ15bが設
けられていて、このギヤ15bに中間軸15cに設けられた変
速ギヤ15dが噛合されて、これらギヤ15b,15dの間で変速
が行えるようになっている。
上記中間軸15cには別にギヤ15eが設けられていて、こ
のギヤ15eに出力軸15fに設けられたギヤ15gが噛合さ
れ、この出力軸15fに設けられた上記出力ギヤ15hと上記
メインギヤ12が噛合されて、ターニングモータ16により
メインギヤ12を介してターンテーブル３が回転されるよ
うになっている。
一方図中20は割出し機構で、サーボモータよりなるＣ
軸割出しモータ21を有しており、このＣ軸割出しモータ
21によりギヤ22,23を介してウオーム24が回転されるよ
うになっている。
上記ウオーム24の軸24a端部には第５図に示すように
ディスク25が固着されていて、このディスク25を挟むよ
うに一対のピストン26が設けられている。上記ピストン
26は油圧シリンダ26a内に収容されていて、油圧シリン
ダ26a内に供給された油圧によりディスク25を挟着する
ことにより、ウオーム軸24aをロックするようになって
いる。
また上記ウオーム24には回転軸28に固着されたウオー
ムホイール29が噛合されている。
上記ウオーム24及びウオームホイール29は高粘度の潤
滑油が収容されたギヤケース30内に収容されていると共
に、回転軸28の上端部はギヤ31,32,33を介してメインギ
ヤ12に連動されている。
そして回転軸28の下端にはタイミングベルト34を介し
てポテンショメータなどの回転角検出器35に接続されて
いて、この回転角検出器35によりターンテーブル３の回
転角が検出できるようになっている。
なお図中37はオイルシールで、これらオイルシール37
により、ウオーム24、ウオームホイール29用の高粘度潤
滑油と、割出し機構20のミッション41に設けられたピニ
オンギヤ38や回転軸28を支承する軸受け39を潤滑する低
粘度の潤滑油とを分離して、ターニング時の撹拌による
抵抗の増加を低減するようになっている。
次に作用を説明すると、ターンテーブル３をインデッ
クステーブルとして使用して、ターンテーブル３上の図
示しないワークの位置割出しを行う場合、まず第６図に
示すようにターニングモータ16によりメインギヤ12を介
してターンテーブル３を回転させながら回転検出器35に
よりターンテーブル３の回転角を検出し、同時にＣ軸割
出しモータ21の原点位置を割出して両信号が一致したと
ころで油圧によりピストン52を下動させてミッション41
のピニオンギヤ38をウオームホイール29に固着されたギ
ヤ44に噛合させ、Ｃ軸割出しモータ21の回転が回転軸28
へ伝達できるようにする。
そしてこの状態でターニングモータ16の出力トルクを
例えば10％に制限した状態でＣ軸割出しモータ21と反対
方向に回転させてターンテーブル３を矢印Ａ方向へ回転
するか、第７図に示すようにＣ軸割出しモータ21と同じ
方向によりこれより若干早い速度で回転させてターンテ
ーブル３を矢印Ｂ方向へ回転し、Ｃ軸割出しモータ21の
駆動系のバックラッシュを除去した状態でターンテーブ
ル３を回転させてターンテーブル３の位置決めを行う。
その後バックラッシュの除去された状態で主軸８下端
のディスク11aを上下方向よりピストン11bで挟着して主
軸８をクランプし、同時にウオーム軸24aの端部に設け
られたディスク25をピストン26で挟着してウオーム軸24
aをクランプする。
これによってターンテーブル３を正確かつ強固に位置
決め位置に固定することができると共に、従来のように
ウオーム軸24aを軸方向へ押圧することがないので、ク
ランプ時位置ずれを生じることもない。
なお上記実施例ではターンテーブル３の主軸８と割出
し機構の回転軸28を割出し機構20の駆動系のバックラッ
シュを除去した状態で同時にクランプしているが、それ
は次の理由による。
すなわちこの発明ではターンテーブル３の回転軸の検
出精度を上げるため、主軸８に対して増速された割出し
機構20の回転軸28側に回転角検出器35を設けている。
またターンテーブル３の主軸８側に回転角検出器35を
設けた場合、主軸近傍に回転角検出器35を設けるための
スペースを必要としてターンテーブルの高さが必要以上
に高くなり、その結果周辺装置の高さもこれに合せて高
くしなければならないため、装置全体が大型となってコ
ストアップを招くと共に、ターンテーブル３の主軸８
は、ワークを重切削する際振動が発生するため、主軸８
に回転角検出器35を設けると振動により回転角検出器35
が早期に劣化したり、故障する不具合が発生する。
さらに主軸８はベット１のほぼ中央に位置しているた
め、主軸８に回転角検出器35を設置するとメンテナンス
性が著しく低下する。
以上の理由からこの発明では割出し20の回転軸28に回
転角検出器35を接続している。
従ってターンテーブル３の割出し後主軸８をクランプ
した際割出し機構20の回転軸28がバックラッシュにより
回転して回転角検出器35の検出値に狂いが生じるため、
主軸８をクランプした際同時に回転軸28もクランプして
検出値が狂うことを防止するようにしたものである。
〔発明の効果〕
この発明は以上詳述したように、ターンテーブルの割
出しを行うＣ軸割出し駆動系とターンテーブルの駆動系
を別個に設けて、割出し時ターンテーブル駆動系により
割出し機構の駆動系にトルクを付与しながらＣ軸割出し
駆動系で割出しを行うようにしたことから、割出し機駆
動系のバックラッシュを除去した状態でターンテーブル
の割出しが行えるため、高精度の割出しが可能になる。
またターンテーブルの回転駆動系により割出し機構の
駆動系にトルクを付与してバックラッシュを除去するこ
とから、バックラッシュを除去するためだけの駆動系を
別に設ける必要がなく、これによって駆動系の簡素化及
び小型化が図れるため、装置全体の小型化も可能とな
り、装置全体の小型化及び低価格も図れるようになる。
さらに主軸に対して増速された割出し機構の回転軸よ
りターンテーブルの回転角を検出するようにしたことか
ら、ターンテーブルの回転角が高精度で検出できると共
に、ターンテーブルの割出し後、割出し機構の駆動系の
バックラッシュを除去した状態で主軸及び回転軸を同時
にクランプするようにしたことから、バックラッシュに
より回転角検出器の検出値が狂うなどの不具合も生じな
い。
さらにＣ軸割出し駆動系に設けられたウオーム機構と
ミッションの潤滑系を分離して、ミッション系に粘度の
低い潤滑油を使用したことから、加工中潤滑油が発熱し
てターンテーブルに燃変位を発生させたり、加工精度を
低下させるなどの不具合も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の一実施例を示し、第１図は複合工作機
構の概略斜視図、第２図はターンテーブル駆動系及び割
出し機構の系統図、第３図はこの装置の断面図、第４図
はＣ軸割出しモータ付近の断面図、第５図はウオーム軸
クランプ手段の断面図、第６図及び第７図は作用説明
図、第８図は従来の説明図である。 ３はターンテーブル、８は主軸、20は割出し機構。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】割出し機構を備えた複合工作機械のターン
    テーブル装置において、ターンテーブル３の駆動系と割
    出し機構20の駆動系を別に設け、かつターンテーブル駆
    動系により割出し機構20の駆動系にトルクを付与してバ
    ックラッシュを除去した状態で割出し機構20の駆動系に
    よりターンテーブル３を回転させて割出しを行うと共
    に、上記ターンテーブル３の主軸８近傍に、該主軸に固
    着されたディスク11aと、このディスク11aを挟着するこ
    とにより上記主軸８をクランプするピストン11bよりな
    るクランプ機構11を設けたことを特徴とする複合工作機
    械のターンテーブル装置。
  2. 【請求項２】割出し機構20の回転軸28に、ターンテーブ
    ル３の回転角を検出する回転角検出器35を設けると共
    に、ターンテーブル３の割出し後、割出し機構20の駆動
    系のバックラッシュを除去した状態でターンテーブル３
    の主軸８をクランプするクランプ機構11と別に、上記回
    転軸28をクランプするクランプ手段を設けてなる請求項
    １記載のターンテーブル装置。
  3. 【請求項３】上記割出し機構20のウオーム駆動系とミッ
    ション駆動系の潤滑系を分離し、ウオーム駆動系を粘度
    の高い潤滑油で、そしてミッション駆動系を粘度の低い
    潤滑油で潤滑してなる請求項１記載のターンテーブル装
    置。
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