JP2681708B2 - 竪型粉砕機の粉砕ローラ補修装置 - Google Patents

竪型粉砕機の粉砕ローラ補修装置

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JP2681708B2
JP2681708B2 JP17833390A JP17833390A JP2681708B2 JP 2681708 B2 JP2681708 B2 JP 2681708B2 JP 17833390 A JP17833390 A JP 17833390A JP 17833390 A JP17833390 A JP 17833390A JP 2681708 B2 JP2681708 B2 JP 2681708B2
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crushing roller
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求 羽野
哲美 調
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は竪型粉砕機の粉砕ローラ補修装置に係り、特
に粉砕ローラの摩耗欠損部を肉盛溶接により補修するた
めの改良された補修装置に関する。
【従来の技術】
石灰石やスラグ、セメント原料などを細かく粉砕して
粉体にするため、従来から回転テーブルと粉砕ローラと
を備えた竪型粉砕機が広く用いられている。 この従来の粉砕機は、円筒状ケーシングの下部に垂直
軸回りに回転駆動される円盤状の回転テーブルを設け、
このテーブルの上面の半径方向に沿って油圧などにより
圧接されて従動回転される複数個の粉砕ローラをテーブ
ル円周方向に等分する箇所に設けた構造となっている。
粉砕ローラの基端は回転テーブルに対して接離できるよ
うに枢着されて上下方向に揺動できるように取り付けら
れ、また油圧シリンダによってテーブル上面に押圧して
テーブル上に供給される原料への粉砕圧力を与えるよう
にしている。 このような竪型粉砕機においては、継続して運転する
ことにより粉砕ローラやテーブルライナの摩耗は避けら
れないものとなっている。これを倣置すると粉砕能力の
低下をきたすばかりでなく、粉砕ローラやテーブルライ
ナを交換しなければならなくなり、取替費用が大きくな
るため、従来から定期的に粉砕ローラの摩耗欠損部を肉
盛溶接によって補修することによって行われている。 従来の粉砕ローラの補修方法は、作業者がミルハウジ
ングの内部に入り込み、粉砕ローラの円周方向の一部を
最初の補修箇所として所定幅の肉盛溶接を施し、次いで
ローラを手で回転して次の補修領域に移して同様に所定
幅の溶接を施すようにして、最終的に全周の補修を行う
ようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の補修方法では、粉砕ローラの円
周方向に沿う同じ幅の部分を何度も肉盛溶接するため、
ローラ本体を局部的に加熱することになり、歪が発生し
たり、母材に与える熱の影響で材質的に脆くなる問題が
あった。また、肉盛溶接はローラ本体の円周方向で部分
的に行われるため、溶接継ぎ目が発生し、運転時に振動
が発生し、粉砕性能を低下させてしまう問題もあった。
また、当然のことながら、粉砕ローラを手で回しながら
の作業であるため、作業効率が悪いという問題もあっ
た。 本発明は、上記従来の問題点に着目し、粉砕ローラに
補修作業による熱的悪影響が発生しないようにでき、か
つ作業効率の良い補修方法および装置を提供することを
目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る竪型粉砕機
の粉砕ローラ補修装置は、回転テーブルとこのテーブル
上にて押圧され従動回転する粉砕ローラによって前記テ
ーブル上に供給された原料の粉砕をなす竪型粉砕機にお
ける前記粉砕ローラの摩耗面を肉盛溶接によって補修す
る装置であって、前記粉砕ローラの表面に対向して配置
される溶接トーチをローラ面に沿ってガイドする倣い手
段に取り付けるとともに、粉砕ローラと回転テーブルの
間に装着され回転駆動手段を介して前記粉砕ローラに転
接可能な駆動ローラが設けられた回転駆動装置を備え、
この回転駆動装置には前記回転テーブルを支承面とし前
記駆動ローラと粉砕ローラを圧接させるジャッキアップ
手段を設けた構成としたものである。
【作用】
上記構成によれば、補修対象の粉砕ローラを回転テー
ブル面から離反させて粉砕ローラが自由回転できるよう
にしておき、ローラホイールの側方に配置したキャプス
タンとローラホイールとの間にワイヤを巻き掛ける。キ
ャプスタンは回転駆動手段により回転駆動されるため、
粉砕ローラにはワイヤを通じて回転を与えることが可能
となる。溶接トーチによる肉盛溶接作業に際して粉砕ロ
ーラを回転駆動し、トーチをローラ本体の表面に沿って
軸方向に倣い移動させて補修が行われる。粉砕ローラの
回転は肉盛溶接が可能な程度に減速させ、溶接トーチを
ローラ面に沿って軸方向に移動させる。これにより形成
される溶接ビードは相互に密着した連続線としてローラ
の補修面に形成される。このため、溶接に伴う熱の影響
はローラ本体の円周方向の全体に均一に与えられ、局部
的に加熱状態となることがない。しかも、溶接ビードは
ローラ周方向で切られることがないので、溶接継ぎ目が
なくなり、補修後の粉砕ローラ表面は平滑となって粉砕
作業が全く支障がなくなるのである。もちろん、補修に
際して粉砕ローラを逐次手で回す作業が不要となり、作
業効率が大幅に改善することができる。
【実施例】
以下に本発明に係る竪型粉砕機の粉砕ローラの補修方
法および装置の具体的実施例を図面を参照して詳細に説
明する。 竪型粉砕機は、ハウジング10の下部に垂直軸回りに回
転駆動される円盤状の回転テーブル12を設け、この回転
テーブル12の上面の半径方向に沿って油圧などにより圧
接されて摺動回転される複数個の粉砕ローラ14を回転テ
ーブル円周方向に等分する箇所に設けた構造となってい
る。粉砕ローラ14の基端は回転テーブル12に対して接離
できるように枢着されて上下方向に揺動できるように、
水平軸16を中心として揺動できるアーム18に連結され、
これは更にアーム18を介して油圧シリンダ20に連結され
ている。したがって、油圧シリンダ20を収縮させること
によって粉砕ローラ14を回転テーブル12の上面に押圧
し、回転テーブル12上に供給された原料への粉砕圧力を
与えるようにしている。原料はハウジング10に設けた投
入シュート21から回転テーブル12上に供給されるように
なっており、投入された原料は回転テーブル12の回転に
よって粉砕ローラ14との噛み込み部に供給され、粉砕ロ
ーラ14による圧下力を受けて粉砕される。 このような粉砕機における粉砕ローラ14は、円錐台状
に形成されたローラ本体22の大径側部分の100mm程度の
幅に摩耗欠損が発生しやすい。このような摩耗欠損部を
補修するために、ローラ本体22への肉盛溶接をなす溶接
トーチ24とローラ本体22の回転駆動装置26が設けられて
いる。 まず、粉砕ローラ14は回転体としてのローラ本体22を
有しているが、これにはホイール28が後端部に一体的に
設けられ、これを回転軸30に回転自在になるように取付
けている。回転軸30は後方に延長されて軸受けアーム32
に支持され、軸受けアーム32が前記した水平軸16を中心
として回転するアーム18に連結されている。前記軸受け
アーム32はハウジング10の開口を覆うカバーケース34に
貫通されて取付けられ、粉砕ローラ14を粉砕位置に設定
したときにハウジング10の開口を蓋して密閉するように
している。また、ローラ本体22の前面には本体径より小
径のフロントリング36が張り出し形成されて本体22との
間に段差38を形成している。そして、フロントリング36
にはフロントカバー40を取付け、軸受け部分を密閉する
ようにしている。 このように構成された粉砕ローラ22において、前記回
転駆動装置26は第3図に具体的に示したように回転テー
ブル12と粉砕ローラ22の間に位置して設置されるように
なっている。すなわち、回転駆動装置26は回転テーブル
12上に設置されるベース42を有しており、このベース42
上には減速機44を付帯したモータ46を据え付けている。
また、ベース42には減速機44の出力軸に対面するように
ローラ支持プレート48が立設され、プレート48の裏面に
は水平配置された一対の駆動ローラ50を回転自在に取付
け、かつローラ面をプレート48の上縁から突出させるよ
うに取付けている。駆動ローラ50は回転軸をプレート48
に貫通させてチェーンスプロケット52を取付け、同様に
前記減速機の出力軸に取付けたチェーンスプロケット54
との間に掛け回されたチェーン56によって回転伝達を受
け、モータ46の駆動により同一方向へに共同回転するよ
うになっている。 更に、上記のように回転駆動源を備えたベース42の下
面側にはジャッキアップ手段が設けられている。これは
第3図に示すように、前記ベース42の下面側にこれと平
行に昇降基台58を配置し、ベース42と当該昇降基台58の
間にエアバッグ60を介装するとともに、昇降基台58の下
部に油圧ジャッキ62を取付けて構成されている。前記エ
アバッグ60はベース42の下面に配置され、また油圧ジャ
ッキ62は同様に昇降基台58の四隅に取付けられている。 このようなジャッキアップ手段を備えた回転駆動装置
26は、使用に際して、予め粉砕ローラ14を引起こすこと
によって離反したローラ本体22のフロントリング36と回
転テーブ12との間の隙間に挿通するようにして使用され
る。すなわち、隙間に挿通した後に、ジャッキアップす
ることによって一対の駆動ローラ50を前記フロントリン
グ36に当接させ、モータ46を回転させることによてロー
ラ本体22を回転駆動させるのである。 一方、前記カバーケース34の台座3Aには溶接トーチ24
が取付けられており、これは溶接トーチ24をローラ本体
22の表面に沿ってガイドする倣い手段64に取り付けられ
ている。これは図示のように、台座34Aに立設された支
柱66を有し、これをローラ本体22の外表面と平行となる
ように延長したガイドシャフト68を取付けたものある。
溶接トーチ24はガイドシャフト68に取付けられて移動可
能とされ、ローラ表面との間隙を一定に保ってローラ軸
方向に移動できるようにしている。実施例では溶接トー
チ24を手動で位置移動するようにしているが、ガイドシ
ャフト68をスクリュウロッドとして溶接トーチ24をねじ
嵌合させ、ガイドシャフト68を手動もしくは駆動回転さ
せて移動させるようにすることも可能である。 このように構成された補修装置に用いた補修作業は次
のように行なわれる。 まず、油圧シリンダ20を駆動して粉砕ローラ14をテー
ブル12面から離して、第1図に示したように、定位置を
保持させて固定する。そして、粉砕ローラ14の離反によ
って生じたテーブル12との間の隙間に回転駆動装置26を
搭載したベース42を挿入する。このとき、一対の駆動ロ
ーラ50の両者がローラ本体22前端面との間に段差38を形
成するフロントリング36の側面に対向するように位置決
めをなして配置する。この配置が完了した後に、エアバ
ッグ60にエア源から空気を送給し、所定の圧力まで高め
る。次いで、油圧ジャッキ62に作動し、回転テーブル12
を支承面として昇降基台58を上昇させる。これにより上
部に搭載された回転駆動装置26は全体的に上昇し、駆動
ローラ50がフロントリング36の外周面に当接される。当
接状態ではベース42と昇降基台58との間に介装されたエ
アバッグ60がクッション作用をなし、粉砕ローラ14への
無理な負荷をかけることが防止される。 その後、溶接トーチ24と倣い手段64を台座34Aに据え
付け、溶接作業を待機状態とする。この準備が終了した
後、モータ46を駆動することにより、その回転は減速機
44、駆動ローラ50を介してローラ本体22が回転する。こ
の回転数は溶接トーチ24の能力にもよるが、ローラ本体
22の周速度が30cm/min程度となるような低速回転となう
ように設定すればよい。このようにローラ本体22の回転
を行なった状態で、溶接トーチ24をローラ本体22の大径
側の縁部から円周方向の肉盛溶接を行ない、1周したら
溶接ビード幅だけピット移動させつつ、ガイドシャフト
68に案内させてローラ本体22の外面に沿わせてローラ軸
方向に移動させることにより連続肉盛溶接を施すのであ
る。 このように、本実施例によれば、ローラ本体22を連続
回転させつつ、溶接トーチ24をローラ本体22の表面に沿
わせて軸方向に移動させることで補修作業を行なうこと
ができるので、ローラ本体22が局部的に過熱状態となる
ことが防止され、熱歪の発生や母材の脆弱化を阻止する
ことができる。また、溶接ビートはローラ本体22の周方
向で切れることがないので、ローラ表面を平滑にするこ
とができ、従来のごとく補修部分間の段差に起因するガ
タツキを防止でき、粉砕能力の低下を来すことがなくな
る。特に、従来では手で粉砕ローラ14を回転しながら行
なっていたため1個の粉砕ローラ14の補修にまる1日要
していたものが、ほぼ1/3の時間で補修作業を完了する
ことができ、大幅に作業効率を改善することができた。 なお、上記実施例ではベース42と昇降基台58の間にエ
アバッグ60を配置したが、これは昇降基台58の下部に配
置し、油圧ジャッキ62をベース42と昇降基台58の間に取
付けるようにしてもよい。
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、溶接トーチに
よる肉盛溶接作業に際して粉砕ローラを回転駆動しつ
つ、トーチをローラ本体の表面に沿って軸方向に倣い移
動させて補修が行われるので、溶接ビードは相互に密着
した連続線としてローラの補修面に形成させることが可
能となり、溶接に伴う熱の影響はローラ本体の円周方向
の全体に均一に与えられ、局部的に過熱状態となること
がない。しかも、溶接ビードはローラ周方向で切られる
ことがないので、溶接継ぎ目がなくなり、補修後の粉砕
ローラ表面は平滑となって粉砕精度を低下させることが
なくなり、かつ補修に際して粉砕ローラを逐次手で回す
作業が不要となり、作業効率を大幅に改善することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例に係る補修装置を組み付けた竪型粉砕機
の要部断面図、第2図は同要部正面図、第3図はジャッ
キアップ手段の取付けた回転駆動装置の斜視図である。 10……ハウジング、12……回転テーブル、14……粉砕ロ
ーラ、22……ローラ本体、24……溶接トーチ、26……回
転駆動装置、28……ローラホイール、34……カバーケー
ス、42……ベース、44……減速機、46……モータ、50…
…駆動ローラ、58……昇降基台、60……エアバッグ、62
……油圧ジャッキ、64……倣い手段、68……ガイドシャ
フト。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転テーブルとこのテーブル上にて押圧さ
    れ従動回転する粉砕ローラによって前記テーブル上に供
    給された原料の粉砕をなす竪型粉砕機における前記粉砕
    ローラの摩耗面を肉盛溶接によって補修する装置であっ
    て、前記粉砕ローラの表面に対向して配置される溶接ト
    ーチをローラ面に沿ってガイドする倣い手段に取り付け
    るとともに、粉砕ローラと回転テーブルの間に装着され
    回転駆動手段を介して前記粉砕ローラに転接可能な駆動
    ローラが設けられた回転駆動装置を備え、この回転駆動
    装置には前記回転テーブルを支承面とし前記駆動ローラ
    と粉砕ローラを圧接させるジャッキアップ手段を設けた
    ことを特徴とする竪型粉砕機の粉砕ローラ補修装置。
JP17833390A 1990-07-05 1990-07-05 竪型粉砕機の粉砕ローラ補修装置 Expired - Lifetime JP2681708B2 (ja)

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