JP2681688B2 - 耐熱プラスチック瓶 - Google Patents

耐熱プラスチック瓶

Info

Publication number
JP2681688B2
JP2681688B2 JP8559189A JP8559189A JP2681688B2 JP 2681688 B2 JP2681688 B2 JP 2681688B2 JP 8559189 A JP8559189 A JP 8559189A JP 8559189 A JP8559189 A JP 8559189A JP 2681688 B2 JP2681688 B2 JP 2681688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene terephthalate
bottle
polymer
resin
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8559189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02269639A (ja
Inventor
修 木代
孝之 金井
俊明 川澄
直樹 雪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8559189A priority Critical patent/JP2681688B2/ja
Publication of JPH02269639A publication Critical patent/JPH02269639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2681688B2 publication Critical patent/JP2681688B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は果汁飲料等の充填時に熱殺菌を必要とする内
容物の容器に適した耐熱プラスチック瓶に関するもので
ある。
詳しくは、口栓部等の耐熱性を必要とする部分に、エ
チレングリコール残基、テレフタル酸残基とビスフェノ
ールA残基を構成単位とするポリマー樹脂を使用するこ
とを特徴とするものであり、果汁飲料等の瓶容器として
有用である。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレート製二軸延伸ブロー瓶は、
衛生性、保香性、耐圧力性、軽量性等の優れた性質を具
備しているために、炭酸飲料、生ビール、調味料、化粧
品等に極めて広範囲に利用されている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート樹脂のガ
ラス転移温度が70℃程度であり、また、ブロー成形にお
いて生じた歪みが残っているため、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂の耐熱性が低く、この物性上の欠点は、と
くに、口栓部の耐熱性不良となって現れ、例えば、65℃
以上では使用すると、熱殺菌時又はブロー成形時に口栓
部が変形する不良品ができて栓による封口ができなくな
ることがある。
これを解決するために、瓶銅部を高熱で熱処理しなが
ら成形し、口栓部分を結晶化度を促進して口栓部の耐熱
性を向上させることが広く行われている。
また、他の方法としては、口栓部に耐熱性の環体を被
着し、二軸延伸ブロー成形することにより、口栓部の耐
熱性を向上させる方法(特開昭63−41号公報)などがあ
る。
一方、このような問題の解決方法の1つに瓶用の樹脂
全体の耐熱性を向上させる方法がある。
すなわち、ポリエチレンテレフタレートに芳香族ポリ
エステルを溶融ブレンドしたポリマーアロイや容器が提
案されているが、この場合はガスバリヤー性の低下や成
形性の低下及び多くの場合に透明性の低下等の欠点があ
った。
一方、耐熱性樹脂との多層複合化によって瓶体を構成
する提案もあり、芳香族ポリエステルとポリエチレンテ
レフタレートから成る樹脂組成物を用いた多層ボトルが
知られている。
すなわち、特開昭62−77908号公報や特開昭62−20892
4号公報などにおいては、多層構造の表面側のスキン層
にポリエチレンテレフタレート樹脂を用い、内面側のコ
ア層にポリアリレートとポリエチレンテレフタレートの
樹脂組成物を用いてプレフォームを一旦成形し、これを
ブロー成形してボトルを製造する方法が開示されてい
る。
これらの公報には、コア層の樹脂組成物のブレンド成
分はポリアリレートと記載されているが、ポリアリレー
トとして実際に検討されているものはビスフェノール
A、テレフタル酸及びイソフタル酸残基から成るポリマ
ーのみであり、コア層に該ポリマー(芳香族ポリエステ
ル)とポリエチレンテレフタレートの樹脂組成物を用い
るプレフォームを製造して瓶を製造しているが、溶融粘
度又はガラス転移温度に、スキン層とコア層の厚さによ
って決まる制限条件を必要とした。
例えば、特開昭62−77908号公報ではコア層のポリア
リレートとポリエチレンテレフタレートの樹脂組成物の
溶融粘度が低すぎても高すぎてもプレフォームのコア層
が不均一になり、熱水充填時の容積変化も大きい。
また特開昭62−208924号公報では、プレフォームのス
キン層とコア層及び胴部の厚みによって決まる2種のガ
ラス転移温度の差を限定して、しかもブロー成形時の表
面温度を制御して行う必要があった。
これらはいずれも相溶性が悪いために起こる現象であ
ると考えられる。
一方、瓶底部は延伸倍率が低いため、瓶胴部のように
は二軸延伸による結晶化処理による強化がされないの
で、この部分も耐熱性の強化を行う必要があるが、従来
は、リブ構造にしたり、肉厚を厚くしたりして耐熱性及
び耐圧性を高める方法が行われている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、口栓部の結晶化処理は、常圧下での耐
熱性は確かに改善されるが、瓶の口栓部の寸法精度を維
持するのが難しいので栓の嵌合又はブロー成形時の口栓
の保持が困難になる。
また、高温に長時間維持する結晶化処理は成形サイク
ルが長くなり生産性が低い上、物性の点でも炭酸飲料用
瓶の場合のような圧力下で加熱処理には弱い欠点があ
る。
一方、口栓部に耐熱性の環体を被着し、二軸延伸ブロ
ー成形する方法も、耐熱性の環体を予め成形して、金型
内にインサートする操作が煩雑で、やはり成形サイクル
が長くなり、また、環体と本体の接着性も良くない欠点
がある。
また、瓶用樹脂全体の耐熱性を向上させる方法は、芳
香族ポリエステルをブレンドする方法は、ガスバリヤ性
の低下となり、芳香族ポリエステルを積層する複合材料
は、成形条件が困難という欠点がある。
本発明は、製造効率がよく、殺菌熱処理に耐える耐熱
性の優れた瓶容器を提供することを目的とするものであ
る。
また、所望により、延伸倍率の低い底部の耐熱性をリ
ブ構造なしの簡単な構造により向上させた軽量の瓶を提
供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、このような状況下における口栓部等の
耐熱性を改良するため、鋭意研究の結果、瓶のブロー成
形の前段階で、主たる使用材料樹脂であるポリエチレン
テレフタレート樹脂と相溶性がある耐熱性の優れた樹脂
組成物を必要部分にのみ射出したブロー成形用プレフォ
ームを製造し、これを用いて瓶をブロー成形により製造
し、口栓部等の耐熱性を改善することに成功した。
すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹
脂を主体とするプラスチック瓶において、該瓶の口栓部
及び所望により底部に、ポリエチレンテレフタレート樹
脂及びエチレングリコール残基、テレフタル酸残基とビ
スフェノールA残基を構成単位とするポリマー樹脂とか
らなる樹脂組成物を使用することを特徴とする耐熱プラ
スチック瓶を提供するものである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明瓶に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレン
テレフタレートの構成単位の一部を置換した構造(例え
ば、テレフタル酸の一部をイソフタル酸に置換した構
造)のポリエチレンテレフタレート系樹脂であり、必要
に応じて、公知の添加剤、例えば、短繊維ガラスファイ
バー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、離型
剤、帯電防止剤、分散剤及び染顔料等の着色剤をポリエ
ステル製造時のいずれかの段階で添加したものでもよ
く、成形加工前に、いわゆるマスターバッチ処方で添加
したものも使用することができる。
本発明瓶は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主
体としたものであり、場合によっては、少量の他の樹脂
をブレンドして使用することができる。
本発明は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主体
とする瓶の口栓部に耐熱性樹脂組成物を用いる点に特徴
があるが、その耐熱樹脂組成物として、瓶の主材料であ
るポリエチレンテレフタレート樹脂と3種の単量体残基
すなわちエチレングリコール残基、テレフタル酸残基と
ビスフェノールA残基を構成単位とする三元重縮合ポリ
マー(以下本三元重縮合ポリマーという)との樹脂組成
物(以下本樹脂組成物という)を使用するものである。
とくに、口栓部等の強化用の本樹脂組成物の成分とし
て、本三元重縮合ポリマーをブレンドしたことが本発明
の重要な特徴である。
この本三元重縮合ポリマー成分により、口栓部等の耐
熱性を向上させ、また、ポリエチレンテレフタレート成
分により口栓部等と他の部分との射出成形時の異種溶融
樹脂間の接合部分の強度の低下を防止している。
本樹脂組成物に用いる三元重縮合ポリマーの構成単位
であるエチレングリコール残基、テレフタル酸残基及び
ビスフェノールA残基の組成比は、エチンレングリコー
ル単位10〜35モル%、テレフタル酸単位45〜55モル%、
ビスフェノールA単位40〜15モル%の範囲で使用するこ
とができる。
特にエチレングリコール単位12〜30モル%、ビスフェ
ノールA単位20〜38モル%が好ましい。
エチレングリコールが10モル%未満のときは相溶性が
悪化する上に、溶融加工性が悪化するので好ましくな
い。
35モル%を超えるときは耐熱性が低下して好ましくな
い。
テレフタル酸残基の使用量は概ねエチレングリコール
残基とビスフェノールA残基の和に等しいことが好まし
い。
本三元重縮合ポリマーの溶液粘度は後で定義するη
inhで0.3〜0.6が好ましく、0.35〜0.57がより好まし
く、特に0.4〜0.53が好ましい。
本三元重縮合ポリマーの製造法としては、例えば、エ
フ.エル.ハム(F.L.Hamb),ジャーナル オブ ポリ
マー サイエンス,Vol.10,3217(1972)記載の方法や、
特開平1−26630号公報による方法で製造することがで
きる。
また、このポリマーは、オリゴエチレンテレフタレー
トとテレフタル酸とビスフェノールAと無水酢酸を添加
し、アセチル化を行い、その後、減圧下で昇温して重縮
合して製造することができ、また、テレフタル酸とビス
フェノールAと無水酢酸を添加し、アセチル化を行った
後、オリゴエチレンテレフタレートを添加し、その後減
圧下で昇温して重縮合させても製造することができる。
さらに、アセチル化の後で(昇温前に)減圧や窒素ガ
ス流下(N2フロー、N2バブリング)により余剰の無水酢
酸や酢酸を系外に留去させておいて、好適に製造するこ
とができる。
以上のような製造方法の外に、本三元重縮合ポリマー
は、種々の公知の技術手法により製造したものを使用す
ることができる。
本三元重縮合ポリマーは相溶性や成形加工性の点で、
予めポリエチレンテレフタレートとの樹脂組成物にして
おくことが好ましい。
本三元重縮合ポリマーは、主鎖の構成単位のベンゼン
核は総てパラ体であるためパラ体であるポリエチレンテ
レフタレートと非常に相溶しやすいという第一の特徴が
あり、また、エチレングリコール残基であるにもかかわ
らず当該瓶に要求される耐熱性を十分充足しており、か
えって、エチレングリコール残基が有ることによって成
形加工性に優れたものになり、成形条件が制約されない
利点が本発明の第二の特徴である。
本三元重縮合ポリマーとポリエチレンテレフタレート
との樹脂組成物の製造は従来からの既知の方法で混練す
ることができる。
その方法としては溶液混練、溶融混練等があるが、経
済性の点で溶融混練が好ましい。混練法としては一軸押
し出し機、二軸押し出し機等があるが、このポリマーは
ポリエチレンテレフタレートとの相溶性が非常によいの
で一軸押し出し機により容易に混練することができる。
この場合の混練温度は260〜340℃で行うことができ
る。特に290〜330℃で混練するのが好ましい。260℃よ
り低いときはポリエチレンテレフタレートが溶融せず、
340℃より高いときは溶融粘度が低くなりすぎ取り扱い
が困難となり、好ましくない。
本三元重縮合ポリマーとポリエチレンテレフタレート
との樹脂組成物のそれぞれの組成比率は、三元重縮合ポ
リマーが50〜95重量%、ポリエチレンテレフタレートが
5〜50重量%が好ましい。
本三元重縮合ポリマー量が50重量%未満のときは耐熱
性の向上が小さくなる。
ポリエチレンテレフタレートが5重量%未満では、口
栓部等の本三元重縮合ポリマー部分と他の部分との相溶
性が悪くなるうえ、成形性も悪くなる。
とくに、本三元重縮合ポリマー量が55〜90重量%が好
ましく、さらに60〜80重量%が特に好ましい。
ここで用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂は
プラスチック瓶本体に使用するものと同一が望ましい
が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であれば好適に
使用することができ、その固有粘度がηinh=0.6〜1.
1、好ましくは、0.7〜1.0のものを使用することができ
る。
本三元重縮合ポリマーとポリエチレンテレフタレート
とから形成された樹脂組成物のηinhは0.35〜0.7、好ま
しくは、0.4〜0.6のものを使用することができる。
本発明による耐熱プラスチック瓶の製造方法として
は、2台の射出成形機を用いて、2種の樹脂を別々に可
塑化し、金型の同一キャビティ内に、2種の樹脂を逐次
に射出し、口栓部及び所望により底部が上記樹脂組成物
から成り、他の部分がポリエチレンテレフタレート樹脂
から成る円筒形状のプレフォームを成形して、これを二
軸延伸ブロー成形して瓶を製造することができる。
該プレフォームを共射出する際のポリエチレンテレフ
タレート樹脂と本樹脂組成物の溶融温度は、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂では260〜290℃、本樹脂組成物は
260〜340℃の範囲で射出成形することができる。
とくに、口栓部に又は口栓部と底部に本樹脂組成物を
射出するためには、本樹脂組成物は300〜340℃の温度が
好適である。
その時の溶融粘度は103sec-1でのせん断速度で、100
〜10000ポイズが好ましい。とくに、300〜6000ポイズが
好ましく、さらに、300〜2000ポイズがより好ましい。
このような条件でプレフォームを製造すると共射出し
ても胴部は、スキン層とコア層の多層構造になっていな
い。
これをボトルにしたとき両樹脂の接着性は非常に良好
になっており、後で述べるテストにも耐えることができ
る。
これは本樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹
脂の相溶性が非常によいことに起因している。
本発明において、口栓部は本樹脂組成物単体であれば
好ましいが、瓶本体のポリエチレンテレフタレートとの
多層構造を形成しても効果はある。さらに瓶底部にも本
樹脂組成物を用いると、瓶底部の耐熱性が向上する他
に、ホットランナーを用いて射出成形する際ホットラン
ナー内に滞留している次のショットの材料を本樹脂組成
物にすることができるため、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂が混合することなく口栓部での本樹脂組成物の割
合を高めることができる。
[実施例] 〈測定方法〉 ・ポリマーの対数粘度ηinhは、フェノール/テトラク
ロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用い、0.5g/dlの
濃度、30℃で測定したときの測定時間をt、溶媒のみの
測定時間をt0としたとき より算出した値である。
・ポリマーの溶融粘度は、島津製作所フローテスターCF
T−500型でL/D=10のダイを使用し所定の温度で測定し
た。
・ポリマーのガラス転移温度は、デュポン社製DSC9900
型示差走査熱量計を使用し、窒素気流中、昇温速度20℃
/minの条件で測定した。
・エチレングリコール/テレフタル酸/ビスフェノール
A残基から成るポリマーとポリエチレンテレフタレート
樹脂との相溶性は示差熱分析(DSC)から判定した。
・本樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹脂のボ
トルとしての相溶性はボトル断面を切り取り、接着の状
況から判定した。
さらに、口栓部に実際に栓をし、栓部に力を加えたと
きの接着状況から判断した。
・本樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹脂のボ
トルとしての接着性は、ボトル成形時に胴体での剥離が
なく、かつ、96℃の水を口部までいっぱいに満たし、機
械的にキャッピングしても、胴体及び口栓部で剥離がな
いものを良好と判定した。
・本樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹脂のボ
トルとしての耐熱性は、96℃の水を口部までいっぱいに
充填後、機械的にキャッピングし、10分間逆さに静置
し、室温まで冷やしたのち測定して、口栓部で収縮率が
2%以下かつ口栓部の変形がないものを良好と判定し
た。
参考例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管
に、オリゴエチレンテレフタレート19.20g(0.10モ
ル)、テレフタル酸16.6g(0.10モル)を仕込み、減圧
−窒素置換して窒素を満たし、重合管をシールした。
窒素導入口から窒素ガスを流入し、系内から系外に窒
素ガスが流出するようにした(以下N2フローと呼ぶ)。
N2フローの状態で系内が275℃になるまで昇温を行
い、撹拌を開始した。系内温度が275℃の到達したら、
このまま2時間保ち、オリゴエチレンテレフタレートの
アシドリシスを行った。
アシドリシス終了後、ビスフェノールA68.40g(0.30
モル)を添加した。この際、内温がビスフェノールAの
融点156℃以下にならないように制御して、これを添加
した。
次にテレフタル酸33.2g(0.20モル)を添加し、内温
が160℃になった時、N2シール状態で窒素ガス導入口か
ら無水酢酸73.44g(0.72モル)滴下した。
このとき内温は145℃であった。この状態で1時間撹
拌し、アセチル化を行った。アセチル化終了後、N2フロ
ーで内温を140℃から320℃まで昇温した。
内温が320℃になった後、この温度下で徐々に減圧し
ながら(最終的には28mmHgの真空状態とする)78分間重
合を行って、撹拌を止め、重合管内をN2にて復圧し重合
を停止した。
生成物は重合管底部より、ロッドとして抜き出すこと
ができる。
得られたポリマーは淡黄色透明であり、対数粘度η
inhは0.46(dl/g)であった。
またガラス転移温度は157℃であり、DSC測定曲線から
は結晶化点(Tc)又は融解点(Tm)のピークは認められ
ず非晶性のポリマーであることを確認した。
参考例2 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管
と、テレフタル管41.50g(0.25モル)、ビスフェノール
A57.0g(0.25モル)を仕込み、減圧−窒素置換後に重合
管をシールした。
無水酢酸61.20g(0.60モル)を系内に一気に注入し、
140℃まで昇温した後140℃で1時間保持してアセチル化
を行った。次に30分間で系内を20mmHgまで減圧にして、
その状態で15分間保ち、系内の過剰の無水酢酸および酢
酸を除去した。
ついで、系内を直ちにN2で常圧に復圧し、オリゴエチ
レンテレフタレート48.00g(0.25モル)を10分間で添加
した。
次に再び系内を20分間を300mmHgの減圧状態にした。
この際、最終的に内温が300℃になるように昇温を開
始した。そして、内温が300℃になるまで常に300mmHgの
状態に保持し、撹拌を行った。
内温が300℃になった時、徐々に減圧しながら(最終
的には0.09mmHgの高真空状態とする)5時間重合を行っ
た。その後撹拌を止め、重合管内をN2にて復圧し、重合
を停止した。
生成物は重合管底部より、ロッドとして抜き出すこと
が可能であった。
得られたポリマーは淡黄色透明であり、対数粘度η
inhは0.45(dl/g)であった。
またガラス転移温度は129℃であり、DSC測定曲線から
は結晶化点(Tc)又は融解点(Tm)のピークは認められ
ず非晶性のポリマーであった。
参考例3 参考例1の方法で得たポリマー2,100gとポリエチレン
テレフタレート(ηinh=0.73(dl/g))1,400gを十分
乾燥させ、よく混ぜた後、混練機または押出機を使用し
て320℃で溶融混練を行った。
得られたポリマーは淡黄色透明であり、対数粘度η
inhは0.44(dl/g)であった。
またガラス転移温度は106℃であり、DSC測定曲線から
は結晶化点(Tc)又は融解点(Tm)のピークは認められ
ず非晶性のポリマーであった。
参考例4 参考例2の方法で得たポリマー3,200gとポリエチレン
テレフタレート(ηinh=0.73(dl/g))800gを十分乾
燥させ、よく混ぜた後、混練機を使用して溶融混練を行
った。混練温度は320℃であった。
得られたポリマーは淡黄色透明であり、対数粘度η
inhは0.46(dl/g)であった。
またガラス転移温度は105℃であり、DSC測定曲線から
は結晶化点(Tc)又は融解点(Tm)のピークは認められ
ず非晶性のポリマーであった。
実施例1 日精エーエスビー(株)製多層二軸延伸ブロー機ASB5
0THを使用し、主シリンダーで対数粘度0.73(dl/g)の
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(日本ユニペ
ット(株)製RT543C(商品名))を、副シリンダーで参
考例3により得られた樹脂組成物を強化用樹脂組成物と
して口栓部に使用し、プレフォームを成形し、引続き同
機により、温度105℃のブロー金型内で二軸延伸ブロー
成形を実施し、重量60g、内容量1.5の耐熱瓶を得た。
そのときの成形条件及びボトルの耐熱性評価結果は第
1表に示す。
また、得られたボトルの口栓部は淡黄色透明であり、
ボトル本体は無色透明であった。
以上のように、得られたボトルのポリエチレンテレフ
タレート(PET)と参考例3の樹脂組成物との接着性及
び口栓部の耐熱性は良好であった。
なお、プレフォームで胴部(プレフォームのほぼ中
央)の断面を肉眼で見たところ、スキン−コア構造は存
在しなかった。
実施例2 実施例1と同様にして、参考例4で得た樹脂組成物を
口栓部及び底部の強化用樹脂組成物として使用して実施
例1と同じ条件で成形して、同様に評価した。
結果は、第1表に示した。シリンダー温度260〜330℃
の範囲で、密着性及び耐熱性は良好であることを示して
いる。
また、得られたボトルの口栓部は淡黄色透明であり、
ボトル本体は無色透明であった。
なお、プレフォームで胴部(プレフォームのほぼ中
央)断面を肉眼で見たところスキン−コアの構造は存在
しなかった。
比較例1 ηinh=0.45dl/g(ガラス転移温度Tg=180℃)のポリ
アリレート樹脂(テレフタル酸/イソフタル酸/ビスフ
ェノールA=50/50/100のモル比の構成単位からなるポ
リマー)1,800g及びPET(ηinh=0.73(dl/g))1,800g
とを十分乾燥させ、よく混ぜた後、二軸混練機(東芝機
械PCM30)を使用して溶融混練した。
得られた樹脂組成物は淡黄色透明であり、対数粘度η
inhは0.49(dl/g)であった。
またガラス転移温度は112℃であり、DSC測定曲線には
小さな結晶化点(Tc)及び融解点(Tm)のピークがあ
り、若干の結晶性を有することが分かった。
この樹脂組成物を口栓部に使用して、実施例1と同様
に成形、評価した。
結果を第1表に示した。
また、得られたボトルの口栓部は淡黄色透明であり、
ボトル本体は無色透明であった。
以上から、外見は実施例1又は2と同様なボトルが得
られたが、接着性に劣ることが判明した。その結果、耐
熱性にも悪影響を及ぼすことも判った。
なお、プレフォームで胴部(プレフォームのほぼ中
央)の断面を肉眼で見たところ、スキン−コア構造は存
在しなかった。
また、実施例1と比較例1の接着性は、PETと相溶性
が良いか悪いかの差に帰因していると考えられる。つま
り、ポリマー構造を考えると実施例1ではオリゴエチレ
ンテレフタレート であるのに対し、比較例1ではIPA がオリゴエチレンテルフタレートの代わりに入ってい
る。ポリマーの構造から考えれPETとの相溶性は実施例
1の方が良いということは明白である。
また、これを裏付けることは、DSCのグラフから分か
る。つまり、同じ混練温度で混練しても、実施例1で使
用したポリマーにはTc、Tmがないのに対し(第1図)、
比較例1で使用したポリマーには結晶化点(Tc)、融解
点(Tm)が存在している(第2図)。比較例1のTc及び
Tmはポリアリレートに基づくものであり、PETとの相溶
性が十分ではなかったと考えられる。
[発明の効果] 本発明によれば、耐熱性に優れたプラスチック瓶を得
ることができるので、例えば、高温殺菌を必要とするジ
ュースなどの瓶及び圧力のかかる炭酸飲料用瓶として使
用する場合の耐熱に十分耐える上、製造方法が簡単で、
容器の成形サイクルが短くて製造効率が非常に高い利点
があり、この容器分野に広く利用できて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1のポリマーの示差熱分析(DSC)の
測定曲線であり、第2図は比較例1のポリマーの同測定
曲線である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレート樹脂を主体と
    するプラスチック瓶において、該瓶の口栓部に、ポリエ
    チレンテレフタレート樹脂及びエチレングリコール残
    基、テレフタル酸残基とビスフェノールA残基を構成単
    位とするポリマー樹脂とからなる樹脂組成物を使用する
    ことを特徴とする耐熱プラスチック瓶。
  2. 【請求項2】ポリエチレンテレフタレート樹脂を主体と
    するプラスチック瓶において、該瓶の口栓部及び底部
    に、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びエチレングリ
    コール残基、テレフタル酸残基とビスフェノールA残基
    を構成単位とするポリマー樹脂とからなる樹脂組成物を
    使用することを特徴とする耐熱プラスチック瓶。
  3. 【請求項3】エチレングリコール残基、テレフタル酸残
    基とビスフェノールA残基を構成単位とするポリマーの
    構成単位の組成比がエチレングリコール残基10〜35モル
    %、テレフタル酸残基45〜55モル%、ビスフェノールA
    残基40〜15モル%であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の耐熱プラスチック瓶。
JP8559189A 1989-04-04 1989-04-04 耐熱プラスチック瓶 Expired - Fee Related JP2681688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8559189A JP2681688B2 (ja) 1989-04-04 1989-04-04 耐熱プラスチック瓶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8559189A JP2681688B2 (ja) 1989-04-04 1989-04-04 耐熱プラスチック瓶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02269639A JPH02269639A (ja) 1990-11-05
JP2681688B2 true JP2681688B2 (ja) 1997-11-26

Family

ID=13863061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8559189A Expired - Fee Related JP2681688B2 (ja) 1989-04-04 1989-04-04 耐熱プラスチック瓶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2681688B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02269639A (ja) 1990-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2556246B2 (ja) 耐熱性ポリエステル容器及びその製法
EP0998512B2 (en) Large polyester containers and method for making same
JP2681688B2 (ja) 耐熱プラスチック瓶
JP3594379B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP3430637B2 (ja) ポリエステル容器及びその製造方法
JP2863570B2 (ja) 共重合ポリエチレンテレフタレートおよびその用途
JPH02269637A (ja) 耐熱プラスチック瓶
JP2723140B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法ならびにこの組成物の用途
JP2723136B2 (ja) 高延伸成形用ポリエステル樹脂組成物およびその用途
JPH0464284B2 (ja)
JP2650579B2 (ja) 熱固定延伸ブロー成形容器の製造方法
JP3046084B2 (ja) 紫外線遮断性に優れた中空成形体および食品包装容器
JP2681687B2 (ja) 耐熱プラスチック瓶
JP2872358B2 (ja) 中空成形体
JP2741919B2 (ja) 中空成形体
JP3790046B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3666997B2 (ja) ポリエステル製耐熱ボトル
JPH106386A (ja) ポリエステル製中空成形体
JPH02269636A (ja) 耐熱プラスチック瓶
JPH09208711A (ja) 熱可塑性ポリエステル予備成形体及び成形体
JP3808631B2 (ja) ポリエステルボトルの製造方法
JP4140991B2 (ja) ポリエステル樹脂製ボトル
JP2635170B2 (ja) 中空成形体
JP2883438B2 (ja) 飽和ポリエステル製ボトルおよびその製造方法
JPH1121435A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees