JP2679354B2 - 非線形光学材料およびその製造方法 - Google Patents
非線形光学材料およびその製造方法Info
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- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/35—Non-linear optics
- G02F1/355—Non-linear optics characterised by the materials used
- G02F1/3551—Crystals
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は非線形光学効果を利用した光デバイスに用い
る非線形光学材料およびその製造方法に関するもので、
とくにスパッタ法により半導体微粒子をドープして作製
する非晶質薄膜に関する。
る非線形光学材料およびその製造方法に関するもので、
とくにスパッタ法により半導体微粒子をドープして作製
する非晶質薄膜に関する。
従来の技術 従来、この種の技術としては、例えばジャーナル オ
ブ オプティカル ソサエティ オブ アメリカ第73巻
第647頁(Journal of Optical Society of Ameriac 73,
647(1983))に記載されているCdSXSe1-Xをホウケイ酸
ガラスにドープしたカットオフフィルタガラスを非線形
光学材料に用いるものがある。このカットオフフィルタ
ガラスはCdSXSe1-Xとホウケイ酸ガラス材料を白金ルツ
ボに入れ、1600℃程度の高温で溶融して作製している。
ブ オプティカル ソサエティ オブ アメリカ第73巻
第647頁(Journal of Optical Society of Ameriac 73,
647(1983))に記載されているCdSXSe1-Xをホウケイ酸
ガラスにドープしたカットオフフィルタガラスを非線形
光学材料に用いるものがある。このカットオフフィルタ
ガラスはCdSXSe1-Xとホウケイ酸ガラス材料を白金ルツ
ボに入れ、1600℃程度の高温で溶融して作製している。
また、ジャーナル オブ アプライド フィジックス
第63巻第957頁(Journal of Applied Physics 63,957
(1988))に開示されているようなCdS微粒子ドープ薄
膜ガラスがある。この薄膜ガラスはターゲットにコーニ
ング社製7059ガラスと、CdSとを用い高周波マグネトロ
ンスパッタリング法により、7059ガラス中にCdSを2〜
4重量%分散させたものである。
第63巻第957頁(Journal of Applied Physics 63,957
(1988))に開示されているようなCdS微粒子ドープ薄
膜ガラスがある。この薄膜ガラスはターゲットにコーニ
ング社製7059ガラスと、CdSとを用い高周波マグネトロ
ンスパッタリング法により、7059ガラス中にCdSを2〜
4重量%分散させたものである。
発明が解決しようとする課題 このような半導体微粒子ドープガラスの製造方法で
は、つぎのような2つの課題があった。
は、つぎのような2つの課題があった。
(1)溶融法を用いた場合:CdSXSe1-Xとホウケイ酸ガラ
スを1600℃以上の高温で溶融してカットオフフィルタガ
ラスを作製するために、CdSXSe1-Xなどの半導体微粒子
の表面が雰囲気ガスやホウケイ酸ガラスと反応して酸化
など化学変化をおこす。このために半導体組成の制御が
極めて難しいものとなる。さらに、ホウケイ酸ガラス中
にCdSXSe1-Xを2〜4重量%以上均一に分散させること
も困難である。
スを1600℃以上の高温で溶融してカットオフフィルタガ
ラスを作製するために、CdSXSe1-Xなどの半導体微粒子
の表面が雰囲気ガスやホウケイ酸ガラスと反応して酸化
など化学変化をおこす。このために半導体組成の制御が
極めて難しいものとなる。さらに、ホウケイ酸ガラス中
にCdSXSe1-Xを2〜4重量%以上均一に分散させること
も困難である。
(2)スパッタリング法を用いた場合:酸化物であるガ
ラス中に半導体微粒子を分散して作製するので(1)の
場合と同様に半導体表面が酸化され易くなる。また、ガ
ラス薄膜の形成時間がかかり、とくに、スパッタリング
速度の小さなSiO2ガラスの薄膜を形成する場合は厚膜を
形成するのが困難であった。
ラス中に半導体微粒子を分散して作製するので(1)の
場合と同様に半導体表面が酸化され易くなる。また、ガ
ラス薄膜の形成時間がかかり、とくに、スパッタリング
速度の小さなSiO2ガラスの薄膜を形成する場合は厚膜を
形成するのが困難であった。
本発明は、半導体微粒子表面を変化させずにドープし
た非線形光学材料と、この非線形光学材料を高速で堆積
できる製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
た非線形光学材料と、この非線形光学材料を高速で堆積
できる製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、半導体微粒子
が、前記半導体より大きな禁制帯幅を有する窒化物ある
いは炭化物のいずれかからなる非晶質薄膜中に均一に多
量にドープした構造を有する非線形光学材料を作製した
ものである。また、半導体と前記半導体より大きな禁制
帯幅を有する窒化物または炭化物のいずれかを用いて非
晶質薄膜を作製する場合に、前記半導体のターゲット
と、前記非晶質薄膜の構成物のターゲットをそれぞれ別
に設けて、スパッタリング法によって半導体微粒子を非
晶質薄膜中に分散させて半導体ドープ非晶質薄膜を作製
したものである。
が、前記半導体より大きな禁制帯幅を有する窒化物ある
いは炭化物のいずれかからなる非晶質薄膜中に均一に多
量にドープした構造を有する非線形光学材料を作製した
ものである。また、半導体と前記半導体より大きな禁制
帯幅を有する窒化物または炭化物のいずれかを用いて非
晶質薄膜を作製する場合に、前記半導体のターゲット
と、前記非晶質薄膜の構成物のターゲットをそれぞれ別
に設けて、スパッタリング法によって半導体微粒子を非
晶質薄膜中に分散させて半導体ドープ非晶質薄膜を作製
したものである。
作用 本発明の非線形光学材料は半導体微粒子を半導体より
大きな禁制帯幅を有する窒化物あるいは炭化物のいずれ
かの非晶質薄膜中にドープした構造を有しているため
に、半導体粒子表面が酸化されることがない。また、半
導体と前記半導体より大きな禁制帯幅を有する窒化物ま
たは炭化物のいずれかの非晶質薄膜を作製する場合、前
記半導体材料のターゲットと前記非晶質薄膜の構成材料
のターゲットをそれぞれ別に設けて、スパッタリング法
を用いて堆積させるので、半導体微粒子を非晶質薄膜中
に高濃度で濃度分布が均一にドープした薄膜を作製する
ことが可能であるため、半導体微粒子をドープした非晶
質薄膜非線形光学材料を容易に再現性よく得ることがで
きる。
大きな禁制帯幅を有する窒化物あるいは炭化物のいずれ
かの非晶質薄膜中にドープした構造を有しているため
に、半導体粒子表面が酸化されることがない。また、半
導体と前記半導体より大きな禁制帯幅を有する窒化物ま
たは炭化物のいずれかの非晶質薄膜を作製する場合、前
記半導体材料のターゲットと前記非晶質薄膜の構成材料
のターゲットをそれぞれ別に設けて、スパッタリング法
を用いて堆積させるので、半導体微粒子を非晶質薄膜中
に高濃度で濃度分布が均一にドープした薄膜を作製する
ことが可能であるため、半導体微粒子をドープした非晶
質薄膜非線形光学材料を容易に再現性よく得ることがで
きる。
実施例 本発明の非晶質薄膜材料には窒化物あるいは炭化物が
好ましく、とくに窒化ホウ素,窒化アルミニウム,窒化
チタン,窒化ケイ素,炭化ホウ素,炭化チタンまたは炭
化ケイ素を用いると半導体物質微粒子の分散性が良好と
なり、より好ましい。
好ましく、とくに窒化ホウ素,窒化アルミニウム,窒化
チタン,窒化ケイ素,炭化ホウ素,炭化チタンまたは炭
化ケイ素を用いると半導体物質微粒子の分散性が良好と
なり、より好ましい。
非晶質薄膜中に分散させる半導体微粒子としては、Cu
Clなどの金属塩化物、あるいは、Cds,CdSe,CdO,CdTe,Zn
Se,ZnO,ZnTe,HgTe,CdSSe,HgCdTeなどのII−VI族化合物
半導体、あるいはGaAs,GaN,GaP,GaSb,InAs,InP,InSb,Ga
AlAs,InAlAsなどのIII−V族化合物半導体、あるいはS
i、Ge族のIV族半導体が好ましい。
Clなどの金属塩化物、あるいは、Cds,CdSe,CdO,CdTe,Zn
Se,ZnO,ZnTe,HgTe,CdSSe,HgCdTeなどのII−VI族化合物
半導体、あるいはGaAs,GaN,GaP,GaSb,InAs,InP,InSb,Ga
AlAs,InAlAsなどのIII−V族化合物半導体、あるいはS
i、Ge族のIV族半導体が好ましい。
以下本発明の実施例について説明する。
実施例1 本実施例で用いたスパッタ装置の構成を第1図に示
す。図に示すように、半導体のターゲット1,窒化物のタ
ーゲット2,基板3およびそれぞれのターゲットに供給す
る高周波電源4および5によって、スパッタ装置6は構
成されている。半導体材料は金属塩化物のCuClまたはII
−VI半導体のCdSXSe1-X(X=0.1)、窒化物は窒化ケイ
素、基板は石英ガラスを用いた。スパッタガス7として
アルゴンを用いて、圧力を5Paにした。ターゲットに供
給した高周波電力はターゲット1には20W、ターゲット
2には250Wであった。膜厚30μmの半導体をドープした
非晶質薄膜を0.5mm厚の石英ガラス基板上に形成した
後、300℃の電気炉中で1時間加熱してCuClまたはCdSXS
e1-Xの結晶を成長させた。薄膜中へのCuClのドープ量は
20重量%であり、粒子径は4〜6nmであった。またCdSXS
e1-Xのドープ量は18重量%であり、粒子径は5〜9nmで
あった。上記の半導体材料をドープしていない窒化ケイ
素薄膜の光吸収スペクトルの測定から、薄膜の光学的禁
制帯幅は4.5eVであり、上記2種の半導体材料の禁制帯
幅は、それぞれ3.2eVおよび2.46eVとなり、それぞれの
半導体材料のバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2
種の半導体材料をドープした窒化ケイ素非晶質薄膜の吸
収スペクトルから得られた禁制帯幅は、それぞれの材料
のバルクの値に比べ0.5eおよび0.4eVブルーシフトして
いることから、半導体材料が量子ドツトとなっているこ
とがわかった。
す。図に示すように、半導体のターゲット1,窒化物のタ
ーゲット2,基板3およびそれぞれのターゲットに供給す
る高周波電源4および5によって、スパッタ装置6は構
成されている。半導体材料は金属塩化物のCuClまたはII
−VI半導体のCdSXSe1-X(X=0.1)、窒化物は窒化ケイ
素、基板は石英ガラスを用いた。スパッタガス7として
アルゴンを用いて、圧力を5Paにした。ターゲットに供
給した高周波電力はターゲット1には20W、ターゲット
2には250Wであった。膜厚30μmの半導体をドープした
非晶質薄膜を0.5mm厚の石英ガラス基板上に形成した
後、300℃の電気炉中で1時間加熱してCuClまたはCdSXS
e1-Xの結晶を成長させた。薄膜中へのCuClのドープ量は
20重量%であり、粒子径は4〜6nmであった。またCdSXS
e1-Xのドープ量は18重量%であり、粒子径は5〜9nmで
あった。上記の半導体材料をドープしていない窒化ケイ
素薄膜の光吸収スペクトルの測定から、薄膜の光学的禁
制帯幅は4.5eVであり、上記2種の半導体材料の禁制帯
幅は、それぞれ3.2eVおよび2.46eVとなり、それぞれの
半導体材料のバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2
種の半導体材料をドープした窒化ケイ素非晶質薄膜の吸
収スペクトルから得られた禁制帯幅は、それぞれの材料
のバルクの値に比べ0.5eおよび0.4eVブルーシフトして
いることから、半導体材料が量子ドツトとなっているこ
とがわかった。
実施例2 実施例1と同様なスパッタ装置6を用いて、ケイ素の
ターゲット2と窒素ガスとの反応によって窒化ケイ素の
非晶質薄膜を形成しながら、半導体ドープ非晶質薄膜を
試作した。スパッタガス7としては窒素とアルゴンの混
合ガスを用い、それぞれ3Pa,2Paにした。半導体材料の
ターゲット1は金属塩化物のCuClまたはII−VI半導体の
CdSXSe1-X(X=0.1)にした。ターゲット1には40W、
ターゲット2には100Wの高周波電力を供給した。膜厚20
μmの半導体ドープ非晶質薄膜を0.5mm厚の石英ガラス
基板上に形成した後、300℃の電気炉中で1時間加熱しC
uClまたはCdSXSe1-Xの結晶を成長させた。薄膜中へのCu
Clのドープ量は20重量%であり、粒子径は4〜6nmであ
った。またCdSXSe1-Xのドープ量は18重量%であり、粒
子径は5〜9nmであった。上記の半導体材料をドープし
ない場合の窒化ケイ素薄膜の吸収スペクトルの測定から
薄膜の光学的禁制帯幅は5eVであり、上記2種の半導体
の禁制帯幅は、それぞれ3.2eV、および2.5eVとなり、そ
れぞれのバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2種の
半導体をドープした炭化ケイ素非晶質薄膜の上記2種の
半導体をドープした非晶質薄膜の吸収スペクトルから得
られた禁制帯幅はそれぞれのバルクの値に比べ0.4eVお
よび0.35eVブルーシフトしていることから半導体材料が
量子ドツトとなっていることがわかった。
ターゲット2と窒素ガスとの反応によって窒化ケイ素の
非晶質薄膜を形成しながら、半導体ドープ非晶質薄膜を
試作した。スパッタガス7としては窒素とアルゴンの混
合ガスを用い、それぞれ3Pa,2Paにした。半導体材料の
ターゲット1は金属塩化物のCuClまたはII−VI半導体の
CdSXSe1-X(X=0.1)にした。ターゲット1には40W、
ターゲット2には100Wの高周波電力を供給した。膜厚20
μmの半導体ドープ非晶質薄膜を0.5mm厚の石英ガラス
基板上に形成した後、300℃の電気炉中で1時間加熱しC
uClまたはCdSXSe1-Xの結晶を成長させた。薄膜中へのCu
Clのドープ量は20重量%であり、粒子径は4〜6nmであ
った。またCdSXSe1-Xのドープ量は18重量%であり、粒
子径は5〜9nmであった。上記の半導体材料をドープし
ない場合の窒化ケイ素薄膜の吸収スペクトルの測定から
薄膜の光学的禁制帯幅は5eVであり、上記2種の半導体
の禁制帯幅は、それぞれ3.2eV、および2.5eVとなり、そ
れぞれのバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2種の
半導体をドープした炭化ケイ素非晶質薄膜の上記2種の
半導体をドープした非晶質薄膜の吸収スペクトルから得
られた禁制帯幅はそれぞれのバルクの値に比べ0.4eVお
よび0.35eVブルーシフトしていることから半導体材料が
量子ドツトとなっていることがわかった。
なお、本実施例では半導体ドープ窒化ケイ素非晶質薄
膜であったが、上記以外の窒化ホウ素,窒化アルミニウ
ム,窒化チタンについても半導体材料をドープすること
によりブルーシフトしていることが観察できた。
膜であったが、上記以外の窒化ホウ素,窒化アルミニウ
ム,窒化チタンについても半導体材料をドープすること
によりブルーシフトしていることが観察できた。
また、本実施例では窒化ケイ素非晶質薄膜を作製する
場合に窒素ガス(N2)を用いたが、アンモニアガス(NH
3)でもよい。
場合に窒素ガス(N2)を用いたが、アンモニアガス(NH
3)でもよい。
実施例3 実施例1と同様なスパッタ装置6を用いて、ケイ素の
ターゲット2と炭化水素の反応によって炭化ケイ素の非
晶質薄膜を形成しながら半導体材料をドープし、半導体
ドープ非晶質薄膜を試作した。スパッタガス7としては
メタンガス(CH4)とアルゴンガスを用い、それぞれの
圧力を3Paと2Paにした。半導体材料のターゲット1は、
III−V半導体のGaAsまたはII−VI半導体のCdTeにし
た。ターゲット1には40W、ターゲット2には250Wの高
周波電力を供給した。膜厚20μmの半導体ドープ非晶質
薄膜を0.5mm厚の石英ガラス基板上に形成した後、300℃
の電気炉中で1時間加熱しGaAsまたはCdTeの結晶を成長
させた。薄膜中へのGaAsのドープ量は20重量%であり、
粒子径は4〜6nmであった。またCdTeのドープ量は24重
量%であり粒子径は5〜9nmであった。上記の半導体材
料をドープしていないの炭化ケイ素薄膜の吸収スペクト
ルから、薄膜の光学的禁制帯幅は2.5eVであり、上記2
種の半導体の禁制帯幅はそれぞれ1.4eVおよび1.5eVとな
りバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2種の半導体
をドープした炭化ケイ素非晶質薄膜の吸収スペクトルか
ら得られた禁制帯幅はそれぞれバルクの値に比べ0.5eV
および0.4eVブルーシフトしていることから、半導体材
料が量子ドツトとなっていることがわかった。
ターゲット2と炭化水素の反応によって炭化ケイ素の非
晶質薄膜を形成しながら半導体材料をドープし、半導体
ドープ非晶質薄膜を試作した。スパッタガス7としては
メタンガス(CH4)とアルゴンガスを用い、それぞれの
圧力を3Paと2Paにした。半導体材料のターゲット1は、
III−V半導体のGaAsまたはII−VI半導体のCdTeにし
た。ターゲット1には40W、ターゲット2には250Wの高
周波電力を供給した。膜厚20μmの半導体ドープ非晶質
薄膜を0.5mm厚の石英ガラス基板上に形成した後、300℃
の電気炉中で1時間加熱しGaAsまたはCdTeの結晶を成長
させた。薄膜中へのGaAsのドープ量は20重量%であり、
粒子径は4〜6nmであった。またCdTeのドープ量は24重
量%であり粒子径は5〜9nmであった。上記の半導体材
料をドープしていないの炭化ケイ素薄膜の吸収スペクト
ルから、薄膜の光学的禁制帯幅は2.5eVであり、上記2
種の半導体の禁制帯幅はそれぞれ1.4eVおよび1.5eVとな
りバルクの値とほぼ同じ値になった。上記2種の半導体
をドープした炭化ケイ素非晶質薄膜の吸収スペクトルか
ら得られた禁制帯幅はそれぞれバルクの値に比べ0.5eV
および0.4eVブルーシフトしていることから、半導体材
料が量子ドツトとなっていることがわかった。
炭化ケイ素非晶質薄膜では上記半導体材料以外にCdS
e,ZnTe,HgTe,HgCdTeなどのII−VI半導体材料,GaSb,InA
s,InP,InSb,GaAlAs,InAlAsなどのIII−V族化合物半導
体材料、あるいはSi,GeなどのIV族半導体材料もドープ
することができた。
e,ZnTe,HgTe,HgCdTeなどのII−VI半導体材料,GaSb,InA
s,InP,InSb,GaAlAs,InAlAsなどのIII−V族化合物半導
体材料、あるいはSi,GeなどのIV族半導体材料もドープ
することができた。
なお、本実施例では半導体ドープ炭化ケイ素非晶質薄
膜であったが、上記以外の炭化ホウ素、炭化チタンにつ
いても半導体をドープするとブルーシフトすることを観
察できた。
膜であったが、上記以外の炭化ホウ素、炭化チタンにつ
いても半導体をドープするとブルーシフトすることを観
察できた。
また、本実施例では炭化ケイ素非晶質薄膜を作製する
場合にメタンガス(CH4)を用いたが、例えばエタンガ
ス(C2H6)など他の炭化水素ガスでもよい。
場合にメタンガス(CH4)を用いたが、例えばエタンガ
ス(C2H6)など他の炭化水素ガスでもよい。
実施例4 実施例1および2に示した方法により作製したCuClド
ープおよびCdSXSe1-X(X=0.1)ドープ窒化ケイ素非晶
質薄膜を用い、光双安定素子を作製した。
ープおよびCdSXSe1-X(X=0.1)ドープ窒化ケイ素非晶
質薄膜を用い、光双安定素子を作製した。
この光双安定素子の石英ガラス基板側から波長530nm
のレーザ光(N2光励起色素レーザ光)をスポット径5μ
mで入射した。
のレーザ光(N2光励起色素レーザ光)をスポット径5μ
mで入射した。
つぎに入射光の強度と出射光の強度の関係を25℃にて
測定したところ、第2図に示す双安定特性を示した。
測定したところ、第2図に示す双安定特性を示した。
実施例5 実施例3に示した方法により作製したGaAsドープおよ
びCdTeドープ炭化ケイ素非晶質薄膜を用い、光双安定素
子を作製した。
びCdTeドープ炭化ケイ素非晶質薄膜を用い、光双安定素
子を作製した。
この素子の石英ガラス基板側から波長600nmのレーザ
光(N2光励起色素レーザ光)をスポット径5μmで入射
した。
光(N2光励起色素レーザ光)をスポット径5μmで入射
した。
つぎに入射光の強度と出射光の強度の関係を25℃にて
測定したところ、第2図に示すような双安定特性を示し
た。
測定したところ、第2図に示すような双安定特性を示し
た。
発明の効果 本発明は半導体材料を分散した窒化物または炭化物の
うちいずれかの非晶質薄膜、あるいは半導体材料と非晶
質薄膜との構成材料のターゲットをそれぞれ設けて、ス
パッタリング法によって半導体材料の微粒子を非晶質薄
膜中に高濃度に均一にドープすることにより、大きな非
線形光学特性を有する薄膜を得ることが可能で、その応
用として光双安定素子などを作製することができる。
うちいずれかの非晶質薄膜、あるいは半導体材料と非晶
質薄膜との構成材料のターゲットをそれぞれ設けて、ス
パッタリング法によって半導体材料の微粒子を非晶質薄
膜中に高濃度に均一にドープすることにより、大きな非
線形光学特性を有する薄膜を得ることが可能で、その応
用として光双安定素子などを作製することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例で用いたスパッタ装置の概略構
成図、第2図は本発明の半導体材料をドープした非晶質
薄膜を用いた双安定素子の光双安定特性図である。 1……半導体材料のターゲット、2……炭化物または窒
化物のターゲット、3……基板。
成図、第2図は本発明の半導体材料をドープした非晶質
薄膜を用いた双安定素子の光双安定特性図である。 1……半導体材料のターゲット、2……炭化物または窒
化物のターゲット、3……基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−65930(JP,A) 特開 平3−212625(JP,A) 特開 平3−120519(JP,A) 特開 平1−153553(JP,A)
Claims (7)
- 【請求項1】半導体材料微粒子を、前記半導体材料より
大きな禁制帯幅を有する窒化物あるいは炭化物のいずれ
かの非晶質薄膜中に分散させた非線形光学材料。 - 【請求項2】窒化物として、窒化ホウ素、窒化アルミニ
ウム,窒化チタンまたは窒化ケイ素のうち少なくとも一
つを用いた請求項1記載の非線形光学材料。 - 【請求項3】炭化物として、炭化ホウ素、炭化チタンま
たは炭化ケイ素のうち少なくとも一つを用いた請求項1
記載の非線形光学材料。 - 【請求項4】半導体材料微粒子を前記半導体材料より大
きな禁制帯幅を有する窒化物または炭化物のいずれかの
非晶質薄膜中に分散させた非線形光学材料の作製におい
て、前記半導体材料のターゲットと前記非晶質薄膜の構
成材料のターゲットをそれぞれ別に設けて、スパッタリ
ング法によって半導体材料の微粒子を前記非晶質薄膜中
に分散させて半導体ドープ非晶質薄膜を作製する非線形
光学材料の製造方法。 - 【請求項5】半導体材料のターゲットと前記半導体材料
より大きな禁制帯幅を有する窒化物または炭化物のいず
れかのターゲットをそれぞれ別に設けて、スパッタリン
グ法によって半導体材料微粒子を非晶質薄膜中に分散さ
せて半導体ドープ非晶質薄膜を作製する請求項4記載の
非線形光学材料の製造方法。 - 【請求項6】窒化物のうち窒素を除く構成材料のターゲ
ットを用い、スパッタリングガス中に窒素またはアンモ
ニアのうち少なくとも一つを含ませてスパッタリングを
行い、窒化物の非晶質薄膜を作製する請求項4記載の非
線形光学材料の製造方法。 - 【請求項7】炭化物のうち炭素を除く構成材料のターゲ
ットを用い、スパッタリングガス中に炭化水素を含ませ
てスパッタリングを行い、炭化物の非晶質薄膜を作製す
る請求項4記載の非線形光学材料の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2097973A JP2679354B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 非線形光学材料およびその製造方法 |
US08/289,125 US5455431A (en) | 1990-04-13 | 1994-08-11 | Nonlinear optical materials and their manufacturing method |
US08/332,469 US5464991A (en) | 1990-04-13 | 1994-10-31 | Nonlinear optical materials and their manufacturing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2097973A JP2679354B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 非線形光学材料およびその製造方法 |
Publications (2)
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