JPH05150278A - 非線形光学材料およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学材料およびその製造方法

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JPH05150278A
JPH05150278A JP31774991A JP31774991A JPH05150278A JP H05150278 A JPH05150278 A JP H05150278A JP 31774991 A JP31774991 A JP 31774991A JP 31774991 A JP31774991 A JP 31774991A JP H05150278 A JPH05150278 A JP H05150278A
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nitride
glass
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fine particles
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JP31774991A
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Masaru Yoshida
勝 吉田
Yoshio Manabe
由雄 真鍋
Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体微粒子表面が酸化されず、深い順位か
らの発光が少く、非線形光学特性の優れた非線形光学材
料ならびにその製造方法を提供する。 【構成】 窒化珪素のターゲット2をスパッタリング
し、次に半導体のターゲット1をスパッタリングし、再
び窒化珪素のターゲット2をスパッタリングして半導体
微粒子の外側全面を窒化珪素で被覆する。続いて石英ガ
ラスのターゲット3をスパッタリングして石英ガラスを
堆積させる。この一連の操作を繰り返すことにより、窒
化珪素でその全面をおおわれた半導体微粒子を分散させ
た膜厚30μmの石英ガラス薄膜を0.5mm 厚の石英ガラ
ス基板4上に形成する。その薄膜を400℃の電気炉中
で1時間加熱してCdS結晶を成長させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学効果を利用し
た光デバイスに用いるための非線形光学材料およびその
製造方法に関するものであり、とくに半導体微粒子をガ
ラス中に分散させた半導体微粒子分散ガラス材料および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、例えばジ
ャーナル オブ オプティカル ソサエティ オブ ア
メリカ第73巻第647 頁(Journal of Optical Society of
America 73, 647(1983)) に記載されているCdSX
1-X をホウケイ酸ガラスにド−プしたカットオフフィ
ルタガラスを非線形光学材料に用いるものがある。この
カットオフフィルタガラスはCdSX Se1-X とホウケ
イ酸ガラス材料を白金ルツボに入れ1600℃程度の高
温で溶融し作製している。
【0003】また、ジャーナル オブ アプライド フ
ィジックス 第63巻 第957 頁(Journal of Applied Ph
ysics 63, 957(1988))に開示されているようなCdS 微粒
子分散ガラス薄膜がある。このガラス薄膜はタ−ゲット
にコ−ニング社製Ba含有ホウケイ酸ガラス“7059ガラ
ス”と、CdS とを用い高周波マグネトロンスパッタリン
グ法により、“7059ガラス”中にCdS を2〜4重量%分
散させたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような半導体微粒
子分散ガラスでは、つぎのような課題があった。 (1)溶融法を用いた場合:CdSX Se1-X とホウケ
イ酸ガラスを1600℃以上の高温で溶融してカットオ
フフィルタガラスを作製するために、CdSX Se1-X
などの半導体微粒子の表面が雰囲気ガスやホウケイ酸ガ
ラスと反応して酸化など化学変化をおこす。このために
半導体組成の制御が極めて難しいものとなる。また蛍光
スペクトルでは、深い準位からの発光がみられており、
この場合発光の緩和時間が非常に遅いものとなり光スイ
ッチやメモリー等、高速応答が必要な光デバイスなどに
適用できず実用的ではない。この原因の一つとしては、
ガラスと半導体微粒子の界面に複合欠陥が存在するため
と考えられる。
【0005】(2)スパッタリング法を用いた場合:ガ
ラスターゲットの上にそれより小さい面積の半導体ター
ゲットを積層して、両者を同時にスパッタすることによ
って酸化物であるガラス中に半導体微粒子を作製するの
で(1)と同様に半導体表面が酸化され易くなる。また
この様なスパッタリング法では半導体微粒子の粒径を制
御することが難しい。
【0006】本発明は、半導体微粒子表面が酸化され
ず、深い順位からの発光が少く、非線形光学特性の優れ
た非線形光学材料、ならびに半導体微粒子表面が酸化さ
れず、半導体微粒子の粒径を揃えてガラス中に半導体微
粒子を分散させる事ができ、深い順位からの発光が少
く、非線形光学特性の優れた非線形光学材料の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の非線形光学材料は、半導体微粒子の外側表面
を前記半導体材料より大きな禁制帯幅を有する窒化物の
非晶質薄膜で被覆した微粒子をガラス中に分散させてな
る非線形光学材料である。
【0008】前記構成においては、半導体微粒子の大き
さが電子および正孔が量子準位を形成する大きさ以下で
ある事が好ましい。更に、前記構成に於いては、窒化物
の非晶質薄膜の厚みが半導体微粒子の粒径よりも小さい
事が好ましい。
【0009】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
は、基板上に窒化物材料、半導体材料、窒化物材料、ガ
ラス材料をこの順で堆積させる操作をくり返すことによ
り、半導体微粒子の外側表面を前記半導体材料より大き
な禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜でおおった微粒
子をガラス中に分散させる事からなる。
【0010】更に前記方法に於いては、半導体材料のタ
ーゲット、窒化物材料のターゲット、ガラスターゲット
をそれぞれ別に設け、スパッタリング法により基板上に
窒化物材料、半導体材料、窒化物材料、ガラス材料をこ
の順で堆積させる操作をくり返す方法が好ましい。
【0011】更にまた、前記方法に於いては、半導体材
料のターゲット、窒化物のうちで窒素を除く構成材料の
ターゲット、ガラスターゲットをそれぞれ別に設けたス
パッタリング法を用いて、スパッタリング用ガス中に窒
素またはアンモニアのうち少なくとも一つを含ませてス
パッタリングを行うことにより基板上に窒化物材料、半
導体材料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で堆積させ
る操作をくり返すことが好ましい。
【0012】
【作用】上記課題を解決するために本発明の非線形光学
材料は、半導体微粒子の外側表面を前記半導体材料より
大きな禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜で被覆した
微粒子をガラス中に分散させているので、半導体表面が
ガラスと接していないためにその表面が酸化されること
がない。従って、非線形光学特性の優れた非線形光学材
料が提供できる。
【0013】また、半導体微粒子の大きさが電子および
正孔が量子準位を形成する大きさ以下である好ましい態
様とすることにより、量子サイズ効果による光学非線形
性の増大が期待できる。
【0014】更に、窒化物の非晶質薄膜の厚みが半導体
微粒子の粒径よりも小さくした好ましい態様とすること
により、窒化物は禁制帯幅が比較的小さいが、その障壁
的影響を少なくして、半導体微粒子をガラス材料に分散
させた場合と同様の量子サイズ効果を具現できる。
【0015】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
は、基板上に窒化物材料、半導体材料、窒化物材料、ガ
ラス材料をこの順で堆積させる操作をくり返すことによ
り、容易に半導体微粒子の外側表面を前記半導体材料よ
り大きな禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜でおおっ
た微粒子をガラス中に分散させる事ができ、半導体表面
の酸化を防いで半導体微粒子をガラス中に分散させる事
ができる。従って、非線形光学特性の優れた非線形光学
材料の製造方法が提供できる。
【0016】更に前述した様に、半導体材料のターゲッ
ト、窒化物材料のターゲット、ガラスターゲットをそれ
ぞれ別に設け、スパッタリング法により基板上に窒化物
材料、半導体材料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で
堆積させる操作をくり返す好ましい方法によれば、微粒
子の粒子径を揃えることが可能となり、また、ガラス中
に多量の半導体微粒子をドープすることができる方法を
提供でき、従って、より非線形光学特性の優れた非線形
光学材料の製造が可能となる。
【0017】更にまた、前述した様な、半導体材料のタ
ーゲット、窒化物のうちで窒素を除く構成材料のターゲ
ット、ガラスターゲットをそれぞれ別に設けたスパッタ
リング法を用いて、スパッタリング用ガス中に窒素また
はアンモニアのうち少なくとも一つを含ませてスパッタ
リングを行うことにより基板上に窒化物材料、半導体材
料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で堆積させる操作
をくり返す好ましい方法によれば、窒化物の非晶質薄膜
を反応性スパッタリングにより、直接合成しながら堆積
出来るので、不純物が少なく、品質のよい窒化物の非晶
質薄膜とすることができ、不純物による非線形光学特性
への影響を少くすることができ、非線形光学特性のより
一層優れた非線形光学材料の製造が期待出来る。
【0018】
【実施例】本発明で用いられる窒化物の非晶質材料とし
ては、用いる半導体材料より大きな禁制帯幅を有する窒
化物の非晶質薄膜を形成できるものであればよく、具体
的には、窒化ほう素,窒化アルミニウム,窒化チタン,
窒化珪素を用いると半導体微粒子の分散性が良好となり
好ましい。また、用いる半導体材料より大きな禁制帯幅
としては、0.1eV以上大きいことが好ましい。
【0019】半導体微粒子として用いられる材料には特
に制限がなく、CuClなどの金属塩化物、あるいはCdS,Cd
Se,CdTe,ZnS,ZnSe,ZnTe,HgTe, CdSx Se1-x (Xは
0〜1の数)などのII−VI族化合物半導体、あるいはGa
As,GaN,GaP,GaSb,InAs,InP,InSb,Alx Ga1-x As
(Xは0〜1の数),Alx In1-x As(Xは0〜1
の数)などのIII −V族化合物半導体、あるいはSi、Ge
等のIV族半導体が好ましい。
【0020】これらの半導体微粒子の粒子径は用いる半
導体の種類によって異なるが、通常0.5〜50nm程
度が好ましく、より好ましくは3〜20nm程度であ
り、特にその半導体のボーア半径以上の大きさであっ
て、電子および正孔が量子準位を形成する大きさ以下で
あることが好ましい。
【0021】またマトリックスとして用いられるガラス
材料としては石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス
など透明なガラス材料であればとくに制限はない。これ
らのガラス材料中に分散する半導体微粒子の外側表面を
前記半導体材料より大きな禁制帯幅を有する窒化物の非
晶質薄膜で被覆した微粒子の量は、一般的には多いほど
好ましく、例えば、全体の重量に対して、通常0.1〜
40重量%程度、より好ましくは、5〜20重量%程度
である。
【0022】スパッタリングは特に限定するものではな
いが、通常0.1〜30Pa程度の減圧下でスパッタガ
スとしてArやHeなどの不活性ガスを用いて行うこと
ができる。
【0023】また、窒化物のうちで窒素を除く構成材料
のターゲットを用いて、スパッタリング用ガス中にさら
に窒素またはアンモニアのうち少なくとも一つを含ませ
てスパッタリングを行う反応性スパッタリングにより窒
化物の非晶質薄膜を形成する場合には、ArやHeなど
の不活性ガスに対して、用いる窒素またはアンモニアガ
スは、流量比で5:1〜1:1程度が好ましい。圧力
は、通常0.1〜30Pa程度の減圧下で反応性スパッ
タリングを行うのが好ましい。
【0024】以下本発明を具体的実施例を挙げて、更に
詳細に説明する。 実施例1 本実施例で用いたスパッタ装置の概略断面の構成図を図
1に示す。図1に示すように、半導体材料のターゲット
1,窒化物材料のターゲット2,ガラスターゲット3,
基板4およびターゲットに供給する高周波電源5,6,
7によって、スパッタ装置は構成されている。それぞれ
のターゲットと基板の間にはシャッター9、10、11
が配置されており、シャッター9、10、11を制御す
ることにより、基板4に堆積させる材料を制御すること
ができる。各ターゲット材料として、半導体材料として
はCdS(禁制帯幅:2.4eV)、窒化物材料として
は窒化珪素(禁制帯幅:4eV)、ガラスとしては石英
ガラスを用い、基板4には石英ガラスを用いた。スパッ
タガス導入口8からアルゴンガスを導入して、圧力を1
Paにした。なお、12はガス排気口であり、真空ポン
プ(図示せず)に連結されている。
【0025】ターゲット1には30W、ターゲット2お
よび3に250Wの高周波電力を供給した。まず窒化珪
素のターゲット2をスパッタリングして、基板4の全面
を窒化珪素で被覆した。この時の窒化珪素の膜厚は2n
mとした。次に半導体のターゲット1をスパッタリング
して窒化珪素の薄膜上に半導体微粒子を堆積させた。こ
の時、半導体微粒子の大きさが、3〜5nmになるよう
にシャッター9の時間を調整した。時間のおおまかな値
としては数10秒程度とした。再び窒化珪素のターゲッ
ト2をスパッタリングして窒化珪素を堆積させ、半導体
微粒子の外側全面を窒化珪素で被覆した。この時の窒化
珪素の膜厚は2nmとした。続いて石英ガラスのターゲ
ット3をスパッタリングして石英ガラスを堆積させた。
石英ガラスの膜厚は5nmとした。この一連の操作を繰
り返すことにより、窒化珪素でその全面をおおわれた半
導体微粒子を分散させた膜厚30μmの石英ガラス薄膜
を0.5mm 厚の石英ガラス基板4上に形成した。その薄膜
を400℃の電気炉中で1時間加熱してCdS結晶を成
長させた。
【0026】薄膜中のCdSのドープ量は20重量%で
あり、粒子径は3〜5nmであった。CdSのバルクの
禁制帯幅は2.4eV であり、CdS微粒子を分散させたガ
ラス薄膜の禁制帯幅は、0.3eV ブルーシフトしているこ
とから、半導体材料が量子ドットとなっていることがわ
かった。
【0027】励起光325nmでの蛍光スペクトルを測
定したところ、窒化珪素で被覆していない試料にくらべ
て深い準位の発光は格段に小さく、半導体微粒子を窒化
珪素で被覆した効果が顕著に現れた。
【0028】実施例2 実施例1と同様のスパッタ装置を用いて、珪素のターゲ
ット2と窒素ガスの反応によって窒化珪素の非晶質薄膜
を形成させた。ターゲット1の半導体材料にはCdS
(禁制帯幅:2.4eV)、ターゲット3のガラスには
石英ガラスを用い、基板4には石英ガラスを用いた。ス
パッタガス導入口8よりアルゴンガスを流して、圧力を
1Paにし、珪素のターゲット2をスパッタリングする
ときに窒素を導入して、窒素の圧力を0.5Paにし
た。ターゲット1に30W、ターゲット2および3に2
50Wの高周波電力を供給した。まず、窒素を導入しな
がら珪素のターゲット2をスパッタリングして基板の全
面を窒化珪素(禁制帯幅:4eV)で被覆した。この時
の窒化珪素の膜厚は2nmとした。
【0029】次に半導体のターゲット1をスパッタリン
グして窒化珪素の薄膜上に半導体微粒子を堆積させた。
この時、半導体微粒子の大きさが、3〜5nmになるよ
うにシャッター9の時間を調整した。再び窒素を導入し
ながら珪素のターゲット2をスパッタリングして窒化珪
素を堆積させ、半導体微粒子の外側表面を窒化珪素で被
覆した。この時の窒化珪素の膜厚は2nmとした。
【0030】続いて石英ガラスのターゲット3をスパッ
タリングして石英ガラスを堆積させた。石英ガラスの膜
厚は2nmとした。この一連の操作を繰り返すことによ
り、窒化珪素でその全面をおおわれた半導体微粒子を分
散させた膜厚30μmの石英ガラス薄膜を0.5mm 厚の石
英ガラス基板上に形成した。その薄膜を400℃の電気
炉中で10時間加熱してCdSの結晶を成長させた。薄
膜中のCdSのドープ量は15重量%であり、粒子径は
3〜5nmであった。CdSのバルクの禁制帯幅は2.4e
V であり、CdS微粒子を分散させたガラス薄膜の禁制
帯幅は、0.35eVブルーシフトしていることから、半導体
材料が量子ドットとなっていることがわかった。
【0031】励起光325nmでの蛍光スペクトルを測
定したところ、窒化珪素で被覆していない試料にくらべ
て深い準位の発光は格段に小さく、半導体微粒子を窒化
珪素で被覆した効果が顕著に現れた。
【0032】なお、本実施例では窒化物として窒化珪素
を用いたが、上記以外の窒化ほう素,窒化アルミニウ
ム,窒化チタンについても同様の効果があった。また、
本実施例では窒化珪素薄膜を作製する場合に窒素ガス
(N2 )を用いたが、アンモニアガス(NH3 )でもよ
い。
【0033】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料は、半導体表面
とガラスが接していないため、半導体微粒子が酸化され
ることがなく、量子サイズ効果により大きな非線形光学
特性を有する非線形光学材料を提供することができる。
【0034】また、半導体微粒子の大きさが電子および
正孔が量子準位を形成する大きさ以下である好ましい態
様とすることにより、量子サイズ効果による光学非線形
性の増大が期待できる。
【0035】更に、窒化物の非晶質薄膜の厚みが半導体
微粒子の粒径よりも小さくした好ましい態様とすること
により、半導体微粒子をガラス材料に分散させた場合と
同様の量子サイズ効果を具現できる。
【0036】また、本発明の非線形光学材料の製造方法
によれば、容易に半導体微粒子の外側表面を前記半導体
材料より大きな禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜で
おおった微粒子をガラス中に分散させる事ができ、半導
体表面の酸化を防いで半導体微粒子をガラス中に分散さ
せる事ができる。従って、非線形光学特性の優れた非線
形光学材料の製造方法が提供できる。
【0037】更に前述した様に、半導体材料のターゲッ
ト、窒化物材料のターゲット、ガラスターゲットをそれ
ぞれ別に設け、スパッタリング法により基板上に窒化物
材料、半導体材料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で
堆積させる操作をくり返す好ましい方法によれば、微粒
子の粒子径を揃えることが可能となり、また、ガラス中
に多量の半導体微粒子をドープすることができる方法を
提供でき、従って、より非線形光学特性の優れた非線形
光学材料の製造が可能となる。
【0038】更にまた、前述した様な、半導体材料のタ
ーゲット、窒化物のうちで窒素を除く構成材料のターゲ
ット、ガラスターゲットをそれぞれ別に設けたスパッタ
リング法を用いて、スパッタリング用ガス中に窒素また
はアンモニアのうち少なくとも一つを含ませてスパッタ
リングを行うことにより基板上に窒化物材料、半導体材
料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で堆積させる操作
をくり返す好ましい方法によれば、窒化物の非晶質薄膜
を反応性スパッタリングにより、直接合成しながら堆積
出来るので、不純物が少なく、品質のよい窒化物の非晶
質薄膜とすることができ、不純物による非線形光学特性
への影響を少くすることができ、非線形光学特性のより
一層優れた非線形光学材料の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いたスパッタ装置の概略
断面構成図である。
【符号の説明】
1 半導体材料のターゲット 2 窒化物材料のターゲット 3 ガラスターゲット 4 基板 5、6、7 高周波電源 8 スパッタリングガス導入口 9、10、11 シャッター 12 ガス排気口
フロントページの続き (72)発明者 三露 常男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体微粒子の外側表面を前記半導体材
    料より大きな禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜で被
    覆した微粒子をガラス中に分散させてなる非線形光学材
    料。
  2. 【請求項2】 半導体微粒子の大きさが電子および正孔
    が量子準位を形成する大きさ以下である請求項1記載の
    非線形光学材料。
  3. 【請求項3】 窒化物の非晶質薄膜の厚みが半導体微粒
    子の粒径よりも小さい請求項1または2記載の非線形光
    学材料。
  4. 【請求項4】 基板上に窒化物材料、半導体材料、窒化
    物材料、ガラス材料をこの順で堆積させる操作をくり返
    すことにより、半導体微粒子の外側表面を前記半導体材
    料より大きな禁制帯幅を有する窒化物の非晶質薄膜でお
    おった微粒子をガラス中に分散させた非線形光学材料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体材料のターゲット、窒化物材料の
    ターゲット、ガラスターゲットをそれぞれ別に設け、ス
    パッタリング法により基板上に窒化物材料、半導体材
    料、窒化物材料、ガラス材料をこの順で堆積させる操作
    をくり返すことからなる請求項4記載の非線形光学材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 半導体材料のターゲット、窒化物のうち
    で窒素を除く構成材料のターゲット、ガラスターゲット
    をそれぞれ別に設けたスパッタリング法を用いて、スパ
    ッタリング用ガス中に窒素またはアンモニアのうち少な
    くとも一つを含ませてスパッタリングを行うことにより
    基板上に窒化物材料、半導体材料、窒化物材料、ガラス
    材料をこの順で堆積させる操作をくり返すことからなる
    請求項4記載の非線形光学材料の製造方法。
JP31774991A 1991-12-02 1991-12-02 非線形光学材料およびその製造方法 Pending JPH05150278A (ja)

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