JP2678917B2 - 製紙用二重織物 - Google Patents

製紙用二重織物

Info

Publication number
JP2678917B2
JP2678917B2 JP15669288A JP15669288A JP2678917B2 JP 2678917 B2 JP2678917 B2 JP 2678917B2 JP 15669288 A JP15669288 A JP 15669288A JP 15669288 A JP15669288 A JP 15669288A JP 2678917 B2 JP2678917 B2 JP 2678917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weft
crimp
papermaking
warp
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15669288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0274691A (ja
Inventor
卓夫 楯
岳敏 渡辺
宏之 名倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Filcon Co Ltd
Original Assignee
Nippon Filcon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Filcon Co Ltd filed Critical Nippon Filcon Co Ltd
Priority to JP15669288A priority Critical patent/JP2678917B2/ja
Priority to CA000602614A priority patent/CA1320410C/en
Priority to US07/369,452 priority patent/US5022441A/en
Priority to EP89111286A priority patent/EP0350673B1/en
Priority to DE68922793T priority patent/DE68922793T2/de
Priority to AT89111286T priority patent/ATE123087T1/de
Publication of JPH0274691A publication Critical patent/JPH0274691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2678917B2 publication Critical patent/JP2678917B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、製紙用織物に関する。
〔従来の技術〕
製紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。大
別すると、(イ)ワイヤーマークの発生防止、紙繊維の
十分な絡み合い、紙の品質そのものに関する問題または
製紙の歩留りの問題、(ロ)耐摩耗性の向上、織物の使
用寿命の延長、(ハ)良好な水性の問題、などがあ
る。それぞれの問題は互いに関連する点が多いが、大雑
把にいえば、(イ)の問題は主として織物の製紙面の構
造が大きく関係する問題であり、(ロ)は織物の走行側
表面の構造に関係が深く、(ハ)は織物全体に関する問
題である。
この様な問題は多重織りの織物だけでなく、一重織り
の織物においても同様に解決しなければならない問題で
ある。
従来(イ)の解決には多くの提案がなされてきた。し
かしながら、(ロ)の問題すなわち製紙用織物の耐摩耗
性の向上については十分な工夫がなされておらず、製紙
用織物の走行側を緯糸摩耗型として、経糸の摩耗を防ぐ
程度に止まっている。
しかしながら、近年製紙スピードの高速化、填料の使
用量の増大、中性製紙の製造の必要性の増大などの諸条
件が要求され、製紙用織物の耐摩耗性が大きな問題とな
っている。
このような耐摩耗性を向上させるために、従来緯糸摩
耗型の製紙用織物の走行面の緯糸として、耐摩耗性のあ
るポリアミドを用いることも試みられているが、ポリア
ミドを用いた製紙用織物は伸びやすく、姿勢性が悪いと
いう欠点があった。
そこで、従来、経糸緯糸いずれにも剛性に優れたポリ
エステルを用いて、伸びにくく姿勢性に優れた製紙用織
物を構成していた。
第15図はポリエステル製の経糸緯糸それぞれ16シャフ
ト、16本の従来使用されている二重織りの製紙用織物を
示す完全意匠図である。
同図中、○印は経糸が下層緯糸の下側を通って経糸が
走行面の緯糸を織込んでいる位置を示し、×印は経糸が
上層緯糸の上側を通って経糸が製紙面の緯糸を織込んで
いる位置を示し、無印の部分は経糸が上層緯糸と下層緯
糸の間を通っている位置を示す。通常多重織の製紙用織
物ではこのようにして織物の構造を意匠図で表現してい
る。
また、経糸と緯糸が交差する部分、例えば○印の部分
をナックルといい、ナックルとナックルの間に走行面側
または製紙面側に突出して形成される部分をクリンプと
いう。
したがって緯糸の○印と○印との間の距離は走行面の
緯糸のクリンプの長さを示す。第15図の従来の製紙用織
物においては走行面の隣合う緯糸のクリンプの長さは同
じである。
しかし、このような従来の製紙用織物では、上記のよ
うな諸要求を満すため、製紙用織物の走行側の緯糸に太
い線径の糸を使用することが試みられており、耐摩耗性
の改善はある程度図られるものの、緯糸が太いので緯糸
と経糸とのバランスが崩れ、クリンプ性が悪化しワイヤ
ーマーク発生の原因となる。
さらに、上記(ハ)の問題から理解されるように走行
面の構造が変化すれば水性も影響があり単に緯糸を太
くする程度の姑息な手段では問題は解決されない。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来の技術の問題に鑑みて、本発明は製
紙用織物の水性やワイヤーマーク性などの紙を抄造す
る性能には悪影響を与えることなく、耐摩耗性を改善し
ようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、「1 n×2本(nは7以上の整数)の緯
糸をそれぞれ上下二重に配設し、下層の緯糸はポリエス
テル糸とポリアミド糸を配置し、該下層緯糸が、ポリア
ミド糸は1回、ポリエステル糸は2回夫々1本の経糸に
より織り込まれた完全組織を有する製紙用二重織物。
2 ポリアミド緯糸はポリエステル緯糸より線径が太
い糸である請求項1に記載された製紙用二重織物。
3 ポリアミド緯糸とポリエステル緯糸との比は1:3
〜3:1である請求項1又は2に記載された製紙用二重織
物。」に関する。
本発明は上記の構造を製紙用織物の走行面に形成する
ものであるから、製紙面への影響は極めて小さく、製紙
面の抄造性にはほとんど影響を与えず、水性、ワイヤ
ーマーク性に変化はみられない。
本発明において、走行側に突出するポリアミド緯糸の
クリンプが長いので太い緯糸を配置でき、耐摩耗性を飛
躍的に向上させることができる。
〔作 用〕
製紙用織物の走行面の耐摩耗性は、走行面を形成する
緯糸の摩耗体積を大きくすることにより増大する。使用
中の織物の姿勢の安定性と、使用寿命の延長の点から緯
糸に耐摩耗作用を奏させることが望ましい。経糸は摩耗
すると織物の寸法の変化や切断が生ずるからである。
本発明の緯糸を上下二重に配置した製紙用織物は、走
行面において剛性に優れたポリエステル製の緯糸と耐摩
耗性に優れたポリアミド製の緯糸とを例えば、一本置き
に配置することにより、剛性を維持しながら耐摩耗性に
優れたポリアミド緯糸のクリンプを長くすることができ
る。クリンプとは経糸と緯糸が交差する部分と次の交差
部との間の糸に形成される突出した糸部分を言う。これ
により、従来の製紙用織物の表面性即ち、パルプ繊維の
サポート性、ワイヤーマーク特性を変えることなく走行
面の緯糸に長いクリンプを形成することによって摩耗体
積を増大させることができ、さらに緯糸に耐摩耗性に優
れたポリアミド糸を用いることにより製紙用織物の耐摩
耗性を大きく改善するものである。
実際には、経糸と緯糸が交差し糸が急激に曲げられる
ナックル部においてはそのクリンプの形状のため耐摩耗
作用を営まない緯糸部分が存在する。つまり同じ面積内
ではナックルの数の少ない方が耐摩耗性の点からみて有
効摩耗体積はさらに大きくなり、水性も向上する。
またクリンプ性、すなわち経糸が緯糸を曲げようとす
るときの緯糸の反発力に打ち勝って緯糸を押し曲げるこ
とができる指標であるが、これはクリンプの長さ、つま
り緯糸を押し上げる経糸と経糸の距離が長くなると良好
となる。そしてクリンプ性が向上すると太い緯糸の使用
が可能となる。
本発明においては、織物の走行面のポリアミド緯糸の
クリンプが長くなっているのでクリンプ性は良好であ
り、従来使用できなかった太い緯糸が配置できるので、
摩耗体積をさらに大きくすることができる。
尚、摩耗体積の増大については次の実施例の項におい
て従来例と比較しながら具体的に説明する。なお、緯糸
は製紙面側の上層緯糸と走行面側の下層緯糸が上下に重
なって配置されており、同番号で示されている。
〔実施例〕
第1図から第6図まではそれぞれ本発明の経糸緯糸と
が各16本(16シャフト)、14本(14シャフト)、18本
(18シャフト)、20本(20シャフト)、22本(22シャフ
ト)、24本(24シャフト)である二重織り製紙用織物を
示す完全意匠図であり、図中のダッシュのない番号はポ
リエステル経糸を、ダッシュのある番号は緯糸をそれぞ
れ示す。
第1図から第6図までにおいて、○印は1本の経糸が
走行面の緯糸を織込んでいる位置を示す。したがって緯
糸について言うと短いクリンプの場合は各図の○印と○
印との間の距離、長いクリンプの場合は各図の完全意匠
図の○印と隣りに繰返す完全意匠図(図示せず)の○印
との間の距離が製紙用織物の走行面を形成する緯糸のク
リンプの長さを示している。
これらの図から明らかなように緯糸のクリンプが一本
置きに長く、しかもクリンプの長さが長いクリンプ同
士、それぞれ同じであることが明示されている。
第1図のものは第15図の従来のものと同様、経糸と緯
糸とがそれぞれ16本のものであり、第15図のものと比較
すると明らかに下層緯糸のクリンプの長さが長くなって
いる。すなわち、例えば、第15図の下層緯経1′(ポリ
エステル糸)は経糸7、15とにより2個所で織り込ま
れ、下層緯糸2′(ポリアミド糸)は経糸2と経糸10と
により2個所で織り込まれ、夫々の経糸が織り込み部に
おいてナックルを形成している。そしてそれぞれのナッ
クルの間に緯糸のクリンプを形成しており、7本の経糸
が存在する長さのクリンプが形成されている。すなわち
下層緯糸1′と下層緯糸2′のクリンプの長さは全て経
糸7本分で同一である。このように第15図に示される従
来の製紙用織物は下層緯糸のクリンプの長さが全て同一
である。
これに対し、第1図の下層緯糸1′(ポリエステル
系)は経糸5、13とにより2個所で織り込まれ夫々の経
糸が織り込み部においてナックルを形成し下層緯糸2′
(ポリアミド糸)は経糸16により1個所で織り込まれ経
糸16が織り込み部においてナックルを形成している。
下層緯糸1′(ポリエステル糸)は経糸5、13のナッ
クルの間にクリンプを形成し、それぞれ7本の経糸が存
在するので経糸7本分の長さのクリンプが形成されてい
る。このように下層緯糸1′のクリンプの長さは経糸7
本分で、第15図の従来例のクリンプと同じ長さである
が、下層緯糸2′(ポリアミド糸)は経糸16とのナック
ルと右または左隣に繰り返す完全意匠図(図示せず)の
経糸16のナックルとの間にクリンプを形成し、15本の経
糸が存在する長さのクリンプを形成している。第15図の
従来例の経糸7本分のクリンプと比較すると下層緯糸
2′のクリンプの長さが2倍以上長くなっていることが
よく理解できる。
このように走行面のクリンプを長くすると下層緯糸の
耐摩耗体積を大きくすることができ、使用寿命を非常に
長くすることができるのである。
第2図から第6図までに示されるものにおいても従来
のもの(図示せず)と比較してクリンプの長さが長くな
っていることは明らかである。
第3図のものは下層緯糸1′がポリアミドで2′がポ
リエステルの例である。
第7図及び第8図は製紙用織物のナックル部を示すも
のである。25〜27は経糸であり、第7図の経糸25、26、
27の部分にナックルが形成され、第8図の経糸25、27の
部分にナックルが形成されている。28′は走行面に突出
している緯糸である。第7図は経糸26が緯糸28′の下を
通って緯糸28′を織り込んでいるのに対し、第8図は経
糸26が緯糸28′の上を通って緯糸28′を織り込んでいな
いところを示す。第7図と第8図の斜線部分が耐摩耗性
を奏していないことは明らかである。即ち、同じ長さの
緯糸において、ナックル数が多くなると耐摩耗機能を持
たない緯糸部分が増加して有効摩耗体積が減少する。
第9図はクリンプの形状を示すものである。経糸30と
31が緯糸29′の下を通り緯糸29′を織り込んでいるがこ
の図から明らかなように経糸30と、31は緯糸29′を上方
に押し上げている。また、経糸33と34とは緯糸29′の反
発力を受けているが緯糸29′を押し下げている。また経
糸32は緯糸29′を下方に押しているがその作用は経糸3
3,34に比べると小さい。この、経糸が緯糸の反発力に勝
って緯糸を押し曲げる指標をクリンプ性というが、クリ
ンプ性が良ければ太い緯糸を使用することができるわけ
である。
経糸30と経糸31の距離が長いほど又経糸32,33,34,…
の数の多いほどクリンプ性はよくなる。本発明において
は織物の走行側に突出する緯糸のクリンプの長さを互い
に異ならせているからクリンプの長いポリアミド緯糸に
太い糸を配置することができるので耐摩耗体積を大きく
することができ、耐摩耗性を向上させることができるの
である。
また、本発明においては次に第10図、第11図、第12
図、第13図及び第14図の実施例で説明するように織物の
走行側に突出するクリンプ長さの異なる緯糸は互いに隣
り合って配置しなくても、また同本数配置しなくても良
い。第10図の実施例は長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を2本配置した次に短かいクリンプを形成するポ
リエステル緯糸を1本配置した18シャフトの1:2交織製
紙用織物である。第10図の実施例では、緯糸の長いクリ
ンプは経糸17本分、短かいクリンプは経糸8本分の長さ
であることが理解される。第10図においてポリアミド緯
線は2′,3′,5′,6′,8′,9′,11′,12′,14′,15′,1
7′,18′に配置されている。なお図示はしないが、長い
クリンプを形成するポリアミド緯糸を1本配置した次に
短かいクリンプを形成するポリエステル緯糸を2本配置
した18シャフトの2:1交織製紙用織物も所定の耐摩耗性
を得ることができる。
第11図の実施例は、長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を3本配置した次に短かいクリンプを形成するポ
リエステル緯糸を1本配置した16シャフトの1:3交織製
紙用織物である。この実施例では長いクリンプは経糸15
本分、短かいクリンプは経糸7本分の長さであることが
理解される。
第12図の実施例は、長いクリンプを形成するポリアミ
ド緯糸を1本配置した次に短かいクリンプを形成するポ
リエステル緯糸を3本配置した16シャフトの3:1交織製
紙用織物であり、これも所定の耐摩耗性を得ることがで
きる。
第13図の実施例は、長いクリンプを形成する緯糸と短
いクリンプを形成する緯糸との割合いを3:2とした20シ
ャフトの2:3交織製紙用織物である。図において、緯糸
1′,3′,5′,6′,8′,10′,11′,13′,15′,16′,1
8′,20′が長いクリンプを形成しているポリアミド糸で
あり、他は短いクリンプを形成しているポリエステル糸
である。
第14図の実施例は、長いクリンプの緯糸と短いクリン
プの緯糸との割合いを2:3とした20シャフトの3:2交織製
紙用織物である。図において、緯糸2′,4′,7′,9′,1
2′,14′,17′,19′が長いクリンプを形成し惟ているポ
リアミド糸であり、他の緯糸は短いクリンプを形成して
いるポリエステル糸である。
このように本発明においては、走行側に突出する長い
クリンプを形成するポリアミド緯糸と短いクリンプを形
成するポリエステル緯糸との割合いが3:1〜1:3(2:1,3:
2,1:1:2:3,1:2を含む。)とするものである。
走行側に突出する緯糸を、長いクリンプを形成する緯
糸と短いクリンプを形成する緯糸を3:1〜1:3の割合いに
するのは、耐摩耗性の向上と織物の姿勢維持のバランス
上好ましいからである。即ち長いクリンプを形成する緯
糸は耐摩耗性の効果は大きい。しかしながら経糸により
織り込まれる回数が少ないので織物の姿勢維持の効果は
小さい。一方短いクリンプを形成する緯糸は織物の姿勢
維持効果は大きいが耐摩耗性は小さい。長いクリンプを
形成する緯糸と短いクリンプを形成する緯糸の比が長い
クリンプを形成する緯糸からみて3:1以上になると織物
姿勢維持が悪くなり好ましくない。又両者の比が1:3以
下になると耐摩耗性が悪くなりやはり好ましくない。ま
た長いクリンプと短いクリンプの間には段差が生じるが
このように3:1〜1:3にすると段差が減り平滑になる効果
がある。
耐摩耗面を形成する走行側に突出する緯糸のクリンプ
の長さを、長いクリンプ同志、短いクリンプ同志をそれ
ぞれ同じ長さにすると、製紙用織物の姿勢の維持が良好
となる効果があるが必ずしも同じ長さにしなければ耐摩
耗性が奏されないということはない。耐摩耗性を奏する
長いクリンプを形成する緯糸と、姿勢の維持を受け持つ
短いクリンプを形成する緯糸が配置されていることが重
要なのである。
ただ、1重製紙用織物においては製紙面に影響を与え
ないために長いクリンプ同志、短いクリンプ同志をそれ
ぞれ同じ長さにすることが望ましい。
このように本発明においては製紙用織物の走行側の有
効耐摩耗体積を従来の織物に比較して著るしく大きくす
ることができ、耐摩耗性を飛躍的に改善することができ
た。このことは次に比較試験で具体的に示す。
第1図に示す本発明の製紙用織物を代表例とし、第15
図の従来の製紙用織物の耐摩耗性の比較を示す。
まず摩耗体積を比較する緯糸のクリンプの体積の計算
上、クリンプは、経糸と経糸の間で円筒状とした。実際
には後で説明するように緯糸の屈曲部や経糸の上方に存
在する摩耗に無関係の部分があるので従来例では摩耗体
積はもっと小さくなる。
本発明では長いクリンプと通常の長さのクリンプが1
本置きに形成されているので、隣合う2本の緯糸につい
てクリンプの摩耗体積を計算したが比較例についても隣
合う2本の緯糸に付いて計算し両者を比較した。
第1図と第15図とに示す同じ16シャフトの製紙用二重
織物について、隣合う2本の緯糸は第15図の従来例では
クリンプには各7本の経糸が配置されているので、7×
4=28本分の長さのクリンプが形成されている。したが
ってその体積は経糸の線径が0.17mm、緯糸の線径が0.22
mmであるから、 28×0.17×(0.22/2)π=0.181mm3 である。
同様に第1図の本発明の実施例においては1本の緯糸
に対して経糸15本分の長さのクリンプが形成されてお
り、クリンプが長ければクリンプ性が良好となり太い線
径の緯糸が使用できるので、ポリエステル経糸の線径が
0.17mm、クリンプの短いポリエステル緯糸の線径が0.22
mm、クリンプの長いポリアミド緯糸の線径が0.25mmであ
るから、クリンプの体積は、 14×0.17×(0.22/2)π +15×0.17×(0.25/2)π=0.216mm3 である。そこで摩耗体積の増加割合は、 (0.216÷0.181−1)×100=19.3(%) 即ち、単純計算しただけでも本発明の実施例においては
約20%摩耗体積が大きい。
第15図の従来例の走行面のクリンプの長さは実測によ
れば1.105mmであり、第1図の本発明の実施例では2.28m
mであった。
比較試験の結果を次の第1表に示す。
試験方法:日本フイルコン製摩耗試験機(実用新案登録
第1350124号)を用いて、フィラーには重質炭酸カルシ
ウムを用いて行った。
試験結果:第1表に示すごとく、本発明品は従来品に比
べて、下緯糸が摩耗切断するまでの時間(ワイヤー寿
命)が約1.5倍であった。
〔効 果〕
以上説明したとおり、本発明の製紙用織物は、その走
行面において、耐摩耗性に優れたポリアミド緯糸のクリ
ンプはポリエステル緯糸のクリンプの2倍となって長い
クリンプを形成し、クリンプ性が良好となるので、従来
使用できなかった太いポリアミド緯糸が使用できること
となり、剛性に優れたポリエステル緯糸は短いクリンプ
を形成して織込まれているので織物の剛性は良好であ
り、織物の姿勢の維持、即ち使用中の伸びを防止し、当
該織物の水性やワイヤーマーク性などの紙を抄造する
性能には悪影響を与えることなく、さらに織物の剛性を
損なうことなく、耐摩耗性を飛躍的に改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図及び第6図
は、本発明の実施例であって、それぞれ経糸と緯糸とが
各16本(16シャフト)、14本(14シャフト)、18本(18
シャフト)、20本(20シャフト)、22本(22シャフト)
及び24本(24シャフト)で構成される完全組織の製紙用
二重織物の完全意匠図である。第7図と第8図は製紙用
織物のナックル部を示し、第9図はクリンプの形状を示
す。第10図、第11図、第12図、第13図及び第14図は、本
発明の実施例であって、それぞれ第10図は18シャフトの
1:2交織製紙用織物、第11図は16シャフトの1:3交織製紙
用織物、第12図は16シャフトの3:1交織製紙用織物、第1
3図は20シャフトの2:3交織製紙用織物、及び第14図は20
シャフトの3:2交織製紙用織物の完全意匠図であり、第1
5図は従来例の径糸と緯糸とが各16本(16シャフト)で
構成される完全組織の製紙用二重織物の完全意匠図であ
る。 1〜27,30〜34,……経糸、 1′〜24′,28′,29′……緯糸。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n×2本(nは7以上の整数)の緯糸をそ
    れぞれ上下二重に配設し、下層の緯糸はポリエステル糸
    とポリアミド糸を配置し、該下層緯糸が、ポリアミド糸
    は1回、ポリエステル糸は2回夫々1本の経糸により織
    り込まれた完全組織を有する製紙用二重織物。
  2. 【請求項2】ポリアミド緯糸はポリエステル緯糸より線
    径が太い糸である請求項1に記載された製紙用二重織
    物。
  3. 【請求項3】ポリアミド緯糸とポリエステル緯糸との比
    は1:3〜3:1である請求項1又は2に記載された製紙用二
    重織物。
JP15669288A 1988-06-27 1988-06-27 製紙用二重織物 Expired - Fee Related JP2678917B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15669288A JP2678917B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 製紙用二重織物
CA000602614A CA1320410C (en) 1988-06-27 1989-06-13 Papermakers' double layer type fabrics
US07/369,452 US5022441A (en) 1988-06-27 1989-06-21 Papermaker's double layer fabric with high warp and weft volume per repeat
EP89111286A EP0350673B1 (en) 1988-06-27 1989-06-21 Papermakers double layer type fabrics
DE68922793T DE68922793T2 (de) 1988-06-27 1989-06-21 Zweilagenbewebe für Papiermaschinen.
AT89111286T ATE123087T1 (de) 1988-06-27 1989-06-21 Zweilagenbewebe für papiermaschinen.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15669288A JP2678917B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 製紙用二重織物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0274691A JPH0274691A (ja) 1990-03-14
JP2678917B2 true JP2678917B2 (ja) 1997-11-19

Family

ID=15633250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15669288A Expired - Fee Related JP2678917B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 製紙用二重織物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2678917B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2678918B2 (ja) * 1988-07-06 1997-11-19 日本フィルコン株式会社 製紙用二重織物
JP6509692B2 (ja) * 2015-09-10 2019-05-08 日本フエルト株式会社 抄紙用織物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0274691A (ja) 1990-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3076703B2 (ja) 製紙用経糸一重緯糸二重織物
US5022441A (en) Papermaker's double layer fabric with high warp and weft volume per repeat
JP2558169B2 (ja) 製紙面に補助緯糸の水平面を形成した製紙用一重織物
EP0672782A1 (en) Two-ply warp two-ply weft papermaking fabric having auxiliary weft yarns incorporated in papermaking side fabric
JP3474042B2 (ja) 製紙面側織物に補助緯糸を配置した製紙用2層織物
US6904942B2 (en) Composite fabric
US4344464A (en) Endless forming fabrics with bi-crimp characteristics
US20060048840A1 (en) Compound forming fabric with additional bottom yarns
JP3474039B2 (ja) 製紙用二層織物
JP2715097B2 (ja) 緯糸摩耗型製紙用織物
JP2678917B2 (ja) 製紙用二重織物
JP3517008B2 (ja) 製紙用一重織物
JP2678918B2 (ja) 製紙用二重織物
JP2609141B2 (ja) 製紙用二重織物
JP2678927B2 (ja) 製紙用二重織物
JP2609134B2 (ja) 製紙用二重織物
JP3510013B2 (ja) 経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物
JPS6297994A (ja) 製紙用2重織物
JP2678928B2 (ja) 製紙用二重織物
JP2724604B2 (ja) 製紙用二重織物
JPS61289195A (ja) 製紙用2重織物
JP2001098483A (ja) 製紙用二層織物
JPH0995889A (ja) 経糸二重緯糸二重構造の製紙用織物
JP3505289B2 (ja) 経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物
JP2002266275A (ja) 製紙用二層織物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees