JP3510013B2 - 経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物 - Google Patents

経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物

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JP3510013B2
JP3510013B2 JP21800795A JP21800795A JP3510013B2 JP 3510013 B2 JP3510013 B2 JP 3510013B2 JP 21800795 A JP21800795 A JP 21800795A JP 21800795 A JP21800795 A JP 21800795A JP 3510013 B2 JP3510013 B2 JP 3510013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製紙用織物に関する
ものであり、さらに詳しくは緯糸が三重で経糸が一重の
多層の製紙用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】緯糸を多層構造とした製紙用織物として
は、経糸一重緯糸二重の織物、上下2枚の織物を接結糸
で接結した経糸二重緯糸二重の織物、等が知られてい
る。製紙速度が速くなるに従って三重の織物が使用され
るようになった。製紙速度が高速化されると製紙用織物
に波状のシワの発生がみれら、製紙用の織物も多重にし
なくてはシワの発生を完全に防止することは困難となっ
た。シワが発生すると紙に厚薄が生ずる重大な問題をも
たらす。三重の織物としては例えば特公平6−4953
号公報には上緯糸、中緯糸、これより糸径が大きく配密
度の粗い下緯糸の三層からなる緯糸を一重の経糸で、下
緯糸との交差ピッチpと上緯糸との交差ピッチp
=2p〜4pとして走行面にロングクリンプを
形成した製紙用織物が示されている。この織物は耐摩耗
性に優れたものである。しかしながら、従来の織物と同
様、経糸が下緯糸を走行面側から織り込んでいる走行面
側ナックル部が摩耗して切断すると、織物が切断してし
まうことにはかわりなく、摩耗の進行状況が走行面側ナ
ックル部の経糸のどの程度まで進行しているかを注意深
く監視していなければならなかった。そこで、走行面側
ナックル部の経糸が切断しても、織物が切断しない製紙
用織物が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高速マシンで苛酷な条
件で使用されても波状のシワの発生がなく、BDプロフ
ァイルの不良化を生ぜず、紙の厚薄の発生のない製紙用
織物であって、尚かつ、走行面側ナックル部の経糸が切
断しても織物が切断しない製紙用織物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 上下三層に配置された、上緯糸、中緯糸、下緯
糸と緯糸と織り成す一重の経糸とからなる経糸一重緯糸
三重構造の製紙用織物において、経糸は上緯糸、中緯
糸、下緯糸と織り成す第一経糸と、上緯糸および中緯糸
と織り成す第二経糸からなり、各経糸が隣接する2本の
上緯糸を一組として製紙面から、隣の経糸の織り込み位
置とは緯糸1本以上ずらして完全組織で少なくとも1回
織り込み、また、第一経糸は完全組織で下緯糸を走行面
から少なくとも1回織り込み、下緯糸は完全組織で一回
織り込まれて走行面側に下緯糸のロングクリンプを形成
したことを特徴とする経糸一重緯糸三重構造の製紙用織
物。 2. 第一経糸と第二経糸が一本ごとに交互に配置され
た、1項に記載された経糸一重緯糸三重構造の製紙用織
物。 3. 各上緯糸の間に上緯糸より線径の小さい補助上緯
糸を配置した、1項または2項に記載された経糸一重緯
糸三重構造の製紙用織物。 4. 補助上緯糸の下の位置の中緯糸の間に補助中緯糸
を配置した、1項ないし3項のいずれか1項に記載され
た経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物。 5. 第一経糸が上緯糸の上側を通って織り込み製紙面
側に形成する組織と第二経糸が上緯糸の上側を通って織
り込み製紙面側に形成する組織とが同組織であってこれ
等の組織が緯糸3本ずらして配置されて製紙面が形成さ
れた、1項ないし4項のいずれか1項に記載された経糸
一重緯糸三重構造の製紙用織物。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、緯糸として製紙面を形
成する上緯糸、走行面を形成する下緯糸、両者の中間層
を形成する中緯糸の三種の緯糸を上中下の三層に配置
し、上、中、下層の緯糸を織り込む第一経糸と上または
上中の層の緯糸を織り込む第二経糸で織り合わせて経糸
一重緯糸三重の構造の製紙用織物とするのである。織物
の構造は、第一経糸は上緯糸、中緯糸、下緯糸の三層の
緯糸を交差して組織に織り込むが、第二緯糸は上緯糸だ
け、もしくは上緯糸と中緯糸を組織に織り込み、下緯糸
とは交差しない。第一経糸と第二経糸は一本おきに交互
に配置してもよく、どちらかの経糸を多く配置してもよ
い。構造的には交互に配置すると、織物のバランスが良
好となり好ましい。完全組織で各経糸は、隣接する2本
の緯糸を一組として製紙面から少なくとも1回織り込
む。したがって完全組織で製紙面には隣接した2本の上
緯糸が一緒に織り込まれたナックルが等間隔で少なくと
も1箇所各経糸ごとに形成されている。隣接した2本一
組の緯糸が織り込まれる位置は隣りの経糸の織り込み位
置とは緯糸1本以上ずれているのでナックルが緯糸方向
に連続して並ぶことはない。そして各経糸は完全組織で
下緯糸を走行面から少なくとも1回織り込み、下緯糸は
完全組織で一回織り込まれて走行面には下緯糸のロング
クリンプが形成される。
【0006】本発明はこのように緯糸を三層に配置され
ているので、織物の緯糸方向の剛性、特に曲げ剛性が大
きくなり、高速マシンで苛酷な条件で使用されても波状
のシワが発生することなく、紙を抄いた場合に紙の巾方
向の坪量の分布であるBDプロファイルの不良や、紙の
厚い薄いが発生しない。波状のシワが発生するとシワの
凹部分にはシワの凸部分と比較して、より多くの紙料が
集まるため、当然に凹部分の紙は厚く重くなり、凸部分
の紙は薄く、軽くなって、シワに応じたBD不良が発生
してしまうのである。
【0007】中緯糸は織物の緯糸方向の剛性を大にする
作用を持ち、さらに織物の▲ろ▼水性を調節する作用が
ある。下緯糸は第一経糸のみによって、完全組織で1回
織り込まれており第二経糸で織り込まれないので、下緯
糸のクリンプが長くなり耐摩耗性が良好となる。耐摩耗
性について説明すると、摩耗が進行して、経糸の下緯糸
を走行面側から織り込んでいる走行面側ナックル部が摩
耗して経糸が切断すると、織物が切断してしまう。した
がって通常の走行面側ナックルを形成する経糸(本発明
の第1経糸)のみを使用してなる織物は経糸が摩耗して
くると、織物を張っているテンションに耐えきれなくな
り切断してしまい、寿命がつきてしまう。
【0008】経糸がどの程度摩耗すると切断するかは、
織物の種類によって異なり一該には言えないが、一般的
に経糸の線径が50%摩耗すると切断の危険性が高い。
織物が切断すると、使用寿命がつきるばかりでなく、高
速回転する製紙用織物は切断時にはね上がり、製紙機械
に損傷を与えてしまう危険性がある為、摩耗の進行状況
を注意深く監視していなければならない。このため緯糸
が摩耗を受け持つ緯糸摩耗タイプの織物にすることが行
なわれているが、緯糸が摩粍すれば次は経糸が摩耗し、
織物は切断する。
【0009】本発明の場合は、走行面側ナックルを形成
している第1経糸が切断されるまで摩耗が進行しても走
行面側ナックルを形成しない第2経糸がテンションに耐
え、織物が切断することがないのである。又、下緯糸を
下側から織り込む走行面側ナックルが通常の織物と比較
して減少する為、下緯糸をロングクリンプに形成するこ
とが可能となり、更に耐摩耗性を向上させることができ
るのである。
【0010】本発明は製紙面を平滑にするため上緯糸の
間に補助緯糸を配置することもできる。上緯糸が経糸に
より織り込まれると糸が下方に曲り隣りの緯糸との間に
凹みが生ずるがここに補助緯糸が配置されるとこの凹み
を補って製紙面は平滑となり紙の平滑性が向上する。補
助緯糸は緯糸より線径が小さいので、▲ろ▼水性や織物
構造に実質的変化を与えない。尚、上緯糸の間に配置し
た補助上緯糸の下の位置に補助中緯糸を配置することも
でき、中緯糸は織物に剛性を付与する作用があるので▲
ろ▼水性よりも緯糸方向の剛性が重要な場合には極めて
有効である。下緯糸は上、中緯糸より線径の大きい糸を
使用することもでき、剛性をさらに大きくすることがで
きる。
【0011】本発明で使用する経糸はポリエステルモノ
フィラメントの糸が剛性が大きく、伸びの少ない点から
好適である。緯糸は、ナイロンモノフィラメントやポリ
エステルモノフィラメントが好適に用いられるが、これ
らのモノフィラメントを併用してもよい。補助緯糸とし
ては、ナイロンモノフィラメント、ポリエステルモノフ
ィラメントが使用される。尚、耐摩耗性を要求される場
合等にはポリフェニレンサンファイドモノフィラメント
も好適である。
【0012】
【実施例】本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
図1,図2,図3は本発明の完全組織を示す意匠図であ
る。意匠図において×印は経糸が上緯糸の上側で交差し
ている部分であり、上緯糸を製紙面側から織り込んでい
る位置を示す。○印は経糸が下緯糸の下側で交差してい
る部分であって、下緯糸を走行面側から織り込んでいる
位置を示す。無印の部分は、経糸が上緯糸と中緯糸の
間、又は中緯糸と下緯糸の間に配置されている部分を示
す。本発明ではどちらの間に配置するかは特に限定され
ない為、どちらに配置しても良い。後に経糸に沿った断
面図にて具体例を示す。経糸はダッシュを付さない番号
で、緯糸はダッシュを付した番号で上、中、下に重なっ
て配置された緯糸は同番号で、補助上緯糸はダブルダッ
シュを付した番号で示す。
【0013】図1に示した実施例は、経糸14本上、
中、下緯糸各7本、上緯糸間に配置された補助上緯糸7
本で完全組織を形成している。経糸1は下緯糸1′の下
を通って走行面側から織り込み、上緯糸7′、上緯糸
9′の上を通って製紙面側から織り込んでいる。尚、実
施例では上記製紙面側から織り込まれる連続する2本の
上緯糸7′、9′の間に配置されている補助上緯糸8”
を同時に製紙面側より織り込んでいる。経糸2は、上緯
糸13′、次に続く意匠図の上緯糸1′の上を通って製
紙面側より織り込んでいるが、下緯糸の下は通らず、下
緯糸は織り込んでいない。尚、経糸1と同様製紙面側か
ら織り込まれる連続する2本の上緯糸13′、1の間に
配置されている補助上緯糸14″を同時に製紙面側より
織り込んでいる。よって、経糸1は本発明の第1経糸で
あって、経糸2は、第2経糸であることが理解される。
又、第1経糸の経糸1は緯糸6本分ずらして,順次、経
糸3、経糸5、経糸7、経糸9、経糸11、経糸13と
配置され、各々が下緯糸13′,11′,9′,7′,
5′,3′を走行面側から織り込んでいる。第2経糸の
経糸2は緯糸6本分ずらして順次、経糸4、経糸6、経
糸8、経糸10、経糸12、経糸14と配置されてお
り、第1経糸と第2経糸が1本ごとに交互に配置されて
いることが理解できる。又、経糸が上緯糸の上側を通っ
て製紙面側に形成する組織は第1経糸、第2経糸とも連
続する2本の上緯糸とその間の補助緯糸の上側を通って
形成しており、同一組織であることが理解され、この製
紙面側に形成された組織にのみ注目すると、緯糸3本分
ずらして順次配置されていて、全経糸を第1経糸とした
製紙用織物の製紙面側と同様の製紙面に形成されてい
る。又、下緯糸は経糸13本分のロングクリンプを形成
している。例えば、下緯糸1′は経糸1によって走行面
側から織り込まれて経糸2〜14の経糸13本分のロン
グクリンプを形成している。尚、経糸が上緯糸を製紙面
側より織り込んでいる部分及び下緯糸を走行面側から織
り込んでいる部分以外の経糸の配置については、特に限
定されない為、上緯糸と中緯糸の間、中緯糸と下緯糸の
間のどちらに配置しても良い。具体例を図1の経糸1,
2に沿った断面を図5、6、7で示す。図5に示した断
面図では、第1経糸の経糸1は下緯糸1′の下を通って
走行面側から織り込んだ後、下緯糸3′と中緯糸3′の
間を通り次いで、上緯糸5′と中緯糸5′の間を通った
後、連続する上緯糸7′,9′及びその間に配置されて
いる補助上緯糸8″の上を通って製紙面側から織り込
み、次いで上緯糸11′と中緯糸11′の間を通ってか
ら中緯糸13′と下緯糸13′の間を通っている。第2
経糸の経糸2は、左側に続く繰り返し単位の上緯糸1
3′と連続する上緯糸1′及びその間に配置されている
補助上緯糸14″の上を通って製紙面側から織り込み、
次いで上緯糸3′と中緯糸3′の間を通った後、連続す
る中緯糸5′,7′,9′と下緯糸5′,7′,9′の
間を通り、次いで上緯糸11′と中緯糸11′の間を通
っている。この断面図からも、第2経糸の経糸2が下緯
糸を走行面側から織り込んでおらず、第1経糸の経糸1
が下緯糸1′を走行面側から織り込んでいる部分で切断
するまで摩耗させられても、経糸2には決して摩耗が及
ばず、織物が切断することがないことが良く理解でき
る。
【0014】図2は他の実施例の完全組織を示す意匠図
である。図1に示した実施例と補助上緯糸の織り込み方
法が異なるのみで他は同じである。図1の実施例では、
製紙面から織り込んだ連続する2本の上緯糸の間に配置
されている補助上緯糸を製紙面側から織り込んだのに対
し、本実施例では間に配置された補助緯糸は織り込ま
ず、この補助上緯糸とは反対側に位置する補助上緯糸、
すなわち、製紙面側より織り込んだ上緯糸と織り込まな
い上緯糸の間に配置された補助上緯糸を製紙面側より織
り込んでいる。例えば経糸1の上緯糸7′,9′を織り
込んでいる部分では、間の補助上緯糸8″は織り込ま
ず、反対側の補助上緯糸6″,10″を織り込んでい
る。図8に示した図2の織物の経糸1,2に沿った断面
図からも良く理解できる。
【0015】図3は他の実施例の完全組織を示す意匠図
である。経糸16本、上・中・下緯糸16本で完全組織
を形成している。本実施例では補助上緯糸は配置してい
ない。経糸1は下緯糸1′の下を通って走行面側から織
り込み、上緯糸5′,6′の上を通って製紙面側から織
り込み、上緯糸10′の下を通って走行面側から織り込
み、上緯糸13′,14′の上を通って製紙面側から織
り込んでいる。経糸2は上緯糸8′,9′の上を通って
製紙面側から織り込み、上緯糸16′、次に読く意匠図
の上緯糸1′の上を通って製紙面側から織り込んでいて
下緯糸の下は通らず、下緯糸は織り込んでいない。よっ
て、経糸1が第1経糸であって、経糸2は第2経糸であ
ることが理解され、第1経糸の経糸1は緯糸6本分ずら
して、順次経糸3,経糸5,経糸7,経糸9,経糸1
1,経糸13,経糸15と配置され、各々下緯糸7′,
16′、下緯糸6′,13′、下緯糸3′,12′、下
緯糸2′,9′、下緯糸8′,15′、下緯糸5′,1
4′、下緯糸4′,11′を走行面側から織り込んでい
る。第2経糸の経糸2は緯糸6本分ずらして順次、経糸
4,経糸6,経糸8,経糸10,経糸12,経糸14,
経糸16と配置されており、第1経糸と第2経糸が1本
ごとに交互に配置されていることが理解できる。又、経
糸が上緯糸の上側を通って製紙面側に形成する組織は第
1経糸,第2経糸とも連続する2本の上緯糸の上側を通
って形成しており同組織であることが理解され、この製
紙面側に形成された組織のみに注目すると、緯糸3本分
ずらして順次配置されていて、通常の第1経糸のみを使
用した製紙用織物の製紙面側と同様な製紙面に形成され
ている。又、下緯糸は経糸15本分のロングクリンプを
形成している。例えば、下緯糸1′は経糸1によって走
行面側から織り込まれて経糸2〜16の経糸15本分の
ロングクリンプを形成している。尚、経糸が上緯糸を製
紙面側より織り込んでいる部分及び下緯糸を走行面側か
ら織り込んでいる部分以外の経糸の配置については前実
施例と同様特に限定されず、上緯糸と中緯糸の間、中緯
糸と下緯糸の間のどちらに配置しても良い。具体例とし
て図3の織物の経糸1,2に沿った断面図を図9に示
す。これにより第2経糸が下緯糸を織り込まないことが
わかる。
【0016】尚、以上の実施例においては、第1経糸と
第2経糸を1本交互に配置したが、これに限定されるも
のではなく、第1経糸と第2経糸が配置されていれば良
く、両糸の配置方法、割合等は特に限定されない。例え
ば第1経糸1本に第2経糸2本の割合で配置しても良
い。又、補助上緯糸の下に補助中緯糸を配置することも
可能であり、▲ろ▼水性よりも、緯糸方向の剛性が重要
な場合には極めて有効である。
【0017】図4は、従来より良く使用されている7シ
ャフトの経糸1重緯糸2重構造の製紙用織物の完全組織
を示す意匠図である。図1に示した実施例を緯糸2重構
造とした場合の第2経糸を使用せず第1経糸の経糸1を
緯糸3本分順次ずらして配置して形成されている。この
従来例と比較すると、実施例の下緯糸のロングクリンプ
の長さが2倍の長さになっていること、製紙面側は全く
同じ組織であることが良く理解できる。
【0018】比較試験 従来より良く使用されている、図4の経糸7本,上・下
緯糸7本、補助緯糸7本で完全組織を形成する7シャフ
トの経糸一重緯糸二重織物を従来例として、図1に示し
た実施例を本発明の代表例として実施した比較試験の結
果を表1に示す。織物の構成も表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】*1 スティフネス;織物のこわさを表す
係数である。熊谷理機工業(株)「テーバースティフネ
ステスター」により緯糸方向のこわさを測定した。 *2 寿命数比 ;日本フイルコン(株)製 摩耗試
験機(実用新案登録第1350124号)により経糸の
線径が50%摩耗するまでの時間をもつて寿命数比とし
た。 この比較試験から本発明の製紙用織物は、比較例に対
し、スティフネスが7倍、寿命数比が3.4倍であるこ
とがわかる。尚、本発明は走行面側ナックル部の経糸が
100%摩耗しても切断せず使用可能なので、さらに使
用命数は伸びるのである。
【0021】
【発明の効果】本発明は緯糸方向の剛性が大きく、波状
のシワの発生、BDプロファイル不良の発生、紙の厚薄
の発生がなく、耐摩耗性が大きく、さらに、走行面側ナ
ックル部の経糸が切断しても織物が切断することがない
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製紙用織物の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図2】本発明の製紙用織物の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図3】本発明の製紙用織物の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図4】従来例の完全組織を示す意匠図である。
【図5】図1の経糸1,2に沿った断面図である。
【図6】図1の経糸1,2に沿った断面図である。
【図7】図1の経糸1,2に沿った断面図である。
【図8】図2の経糸1,2に沿った断面図である。
【図9】図3の経糸1,2に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 経糸 2 経糸 3 経糸 4 経糸 5 経糸 6 経糸 7 経糸 8 経糸 9 経糸 10 経糸 11 経糸 12 経糸 13 経糸 14 経糸 15 経糸 16 経糸 1′ 上・中・下緯糸 2′ 上・中・下緯糸 3′ 上・中・下緯糸 4′ 上・中・下緯糸 5′ 上・中・下緯糸 6′ 上・中・下緯糸 7′ 上・中・下緯糸 8′ 上・中・下緯糸 9′ 上・中・下緯糸 10′ 上・中・下緯糸 11′ 上・中・下緯糸 12′ 上・中・下緯糸 13′ 上・中・下緯糸 14′ 上・中・下緯糸 15′ 上・中・下緯糸 16′ 上・中・下緯糸 2″ 補助上緯糸 4″ 補助上緯糸 6″ 補助上緯糸 8″ 補助上緯糸 10″ 補助上緯糸 12″ 補助上緯糸 14″ 補助上緯糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−145888(JP,A) 特開 昭62−206095(JP,A) 特開 昭62−206096(JP,A) 特開 昭58−54090(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21F 1/00 - 13/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下三層に配置された、上緯糸、中緯
    糸、下緯糸と緯糸と織り成す一重の経糸とからなる経糸
    一重緯糸三重構造の製紙用織物において、経糸は上緯
    糸、中緯糸、下緯糸と織り成す第一経糸と、上緯糸およ
    び中緯糸と織り成す第二経糸からなり、各経糸が隣接す
    る2本の上緯糸を一組として製紙面から、隣の経糸の織
    り込み位置とは緯糸1本以上ずらして完全組織で少なく
    とも1回織り込み、また、第一経糸は完全組織で下緯糸
    を走行面から少なくとも1回織り込み、下緯糸は完全組
    織で一回織り込まれて走行面側に下緯糸のロングクリン
    プを形成したことを特徴とする経糸一重緯糸三重構造の
    製紙用織物。
  2. 【請求項2】 第一経糸と第二経糸が一本ごとに交互に
    配置された、請求項1に記載された経糸一重緯糸三重構
    造の製紙用織物。
  3. 【請求項3】 各上緯糸の間に上緯糸より線径の小さい
    補助上緯糸を配置した、請求項1または2に記載された
    経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物。
  4. 【請求項4】 補助上緯糸の下の位置の中緯糸の間に補
    助中緯糸を配置した、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載された経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物。
  5. 【請求項5】 第一経糸が上緯糸の上側を通って織り込
    み製紙面側に形成する組織と第二経糸が上緯糸の上側を
    通って織り込み製紙面側に形成する組織とが同組織であ
    ってこれ等の組織が緯糸3本ずらして配置されて製紙面
    が形成された、請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物。
JP21800795A 1995-07-25 1995-07-25 経糸一重緯糸三重構造の製紙用織物 Expired - Lifetime JP3510013B2 (ja)

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