JP6509692B2 - 抄紙用織物 - Google Patents

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本発明は、抄紙用織物に関し、例えば抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において使用される抄紙用ワイヤーに適した抄紙用織物に関する。
経糸及び緯糸を製織することによって構成した抄紙用織物は、抄紙用のワイヤーやプレスフェルト、プレスベルト、ドライヤーカンバス等の多くの用途に使用されている。抄紙機のワイヤーパートにおいて使用される抄紙用ワイヤーは、製造される紙の品質向上や、製造速度の高速化による生産効率向上の要請に応えるため、表面平滑性、強度(寸法安定性)、耐摩耗性、及び通水性(通気性、脱水性)が高いことが求められている。このような要求を満足するために、抄紙用ワイヤーにおいて、直径が異なる2種の緯糸を使用し、直径が小さい緯糸を抄紙用ワイヤーの製紙面に配置し、直径が大きい緯糸を抄紙用ワイヤーの走行面に配置し、製紙面に配置された緯糸及び走行面に配置された緯糸に経糸を織り込んだ、いわゆる経1重緯2重組織としたものがある(例えば、特許文献1)。この抄紙用ワイヤーでは、製紙面側に配置された緯糸の本数が、走行面側に配置された緯糸の本数に対して多くなっている。そのため、製紙面が走行面に対して緻密に形成され、製造される紙の表面平滑性が向上する。また、走行面側の緯糸の本数が製紙面側に対して少ないため、空隙率が高くなり、通水性が向上する。また、走行面側の緯糸の直径が製紙面側に対して大きいため、耐摩耗性及び強度を向上させることができる。
また、特許文献1に係る抄紙用織物では、経糸4本を1組としたサブユニットが形成され、複数のサブユニットが緯糸の延在方向において隣り合うものと経糸の延在方向にオフセットして(ずらして)配置されている。サブユニットは、経糸の延在方向において2等分された第1領域及び第2領域を有し、第1領域において第1経糸及び第4経糸が走行面側緯糸に織り込まれると共に、第2経糸及び第3経糸が製紙面側緯糸に織り込まれ、第2領域において第2経糸及び第3経糸が走行面側緯糸に織り込まれると共に、第1経糸及び第4経糸が製紙面側緯糸に織り込まれている。この構成によれば、第1経糸が走行面側緯糸に織り込まれることによって形成されるナックル部と、第2経糸が走行面側緯糸に織り込まれることによって形成されるナックル部とが、経糸の延在方向に延びる1つの直線上に近接し、1列に並び易くなる。同様に、第3経糸及び第4経糸が形成するナックル部も経糸の延在方向に1列に並び易くなる。そのため、ナックル部のパターンが経糸の延在方向に延びるようになり、走行安定性が向上する。
特開2014−231656号公報
特許文献1に係る抄紙用織物では、第1及び第2経糸は大部分において互いに上下に重なりを有するように配置され、第3及び第4経糸は大部分において互いに上下に重なりを有するように配置される。しかしながら、第1領域及び第2領域の境界部では、第1〜第4経糸が走行面側から製紙面側、或は製紙面側から走行面側に入れ替わるため、第1及び第2経糸は、緯糸の延在方向から見て互いに交差し、上下に重なることができず、第3及び第4経糸も緯糸の延在方向から見て互いに交差して上下に重なることができない。そのため、第1領域及び第2領域の境界部では、第1〜第4経糸は緯糸の延在方向に並ぶことになり、他の部分に対して形態が相違することになる。この境界部では、第1〜第4経糸が緯糸の延在方向に隣接して並ぶため、空隙が減少して通水性(通気性)が低下する。また、第1及び第2経糸の交差部と第3及び第4経糸の交差部とが隣接するため、抄紙用織物のバイアス強度(経糸に対して45°傾斜した方向への引っ張り強度)が高くなりすぎ、バイアス方向への動きが過度に抑制されて、筋曲りし難くなると共に、フクレ(膨れ)、皺の要因となる。また、バイアス強度に左右差が生じ、抄紙用織物の走行安定性が低下する。
本発明は、以上の問題を鑑み、抄紙用織物において、形態を均質にすることを課題とする。また、抄紙用織物のバイアス強度を適切な値にすることを副次的な課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、任意の本数の製紙面側緯糸(3A、3C)及び前記製紙面側緯糸の1/3〜2/3の本数の走行面側緯糸(3B)を組として含む緯糸組(3D)と、前記走行面側緯糸及び前記製紙面側緯糸に織り込まれた経糸(2)とを有する抄紙用織物であって、4本の前記経糸(11〜14)と、複数組の前記緯糸組とがサブユニット(61〜64)を形成し、前記サブユニット内の前記経糸は一側から第1経糸(11)、第2経糸(12)、第3経糸(13)、第4経糸(14)の順に配置され、前記第1経糸と前記第2経糸とが第1経糸組(2A)をなし、前記第3経糸と前記第4経糸とが第2経糸組(2B)をなし、前記サブユニット内における前記第1経糸組は、延在方向において2等分された第1領域(66)及び第2領域(67)を有し、前記第1領域において前記第1経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれると共に前記第2経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれ、前記第2領域において前記第1経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に前記第2経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記サブユニット内における前記第2経糸組は、延在方向において2等分された第3領域(68)及び第4領域(69)を有し、前記第3領域において前記第3経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に前記第4経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記第4領域において前記第3経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれると共に前記第4経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれ、前記第1領域と前記第2領域との境界である第1境界部(71A、71B)と、前記第3領域と前記第4領域との境界である第2境界部(72A、72B)とは、前記経糸の延在方向に、少なくとも2つの前記緯糸組分オフセットして配置され、複数の前記サブユニットが、前記緯糸の延在方向において隣り合う前記サブユニットと前記経糸の延在方向にオフセットして配置されることによって完全組織が形成されることを特徴とする。
この態様によれば、第1境界部と第2境界部とが経糸の延在方向にオフセットして配置されるため、4本の隣接する経糸が緯糸の延在方向に直線状に並ぶ部分が発生しなくなる。そのため、面に対向する方向から見た場合の経糸の密度の局所的な変化が抑制され、抄紙用織物の形態が均質になると共に、空隙率の低下、通水性(通気性)の低下が抑制される。また、ワイヤーは斜め方向(バイアス方向:経糸に対して45°傾斜した方向)の強度(バイアス強度)が高すぎると、走行時にフクレを発生し易くなるため、シワになる危険性がある。このバイアス強度は糸が混んだ状態(高密度)になるほどが高くなるため、第1境界部と第2境界部が並んで配置されていると、局所的に斜め方向の強度が高い部分が発生してしまう。しかし本発明では、緯糸の延在方向から見た場合の第1及び第2経糸の交差部と、第3及び第4経糸の交差部とが丈方向にオフセットされるため、局所的な剛性の増加が抑制される。これにより、バイアス強度が低下すると共に、左右のバイアス強度の差が抑制され、抄紙用織物の走行安定性が向上する。また、第1及び第2経糸の交差部と第3及び第4経糸の交差部以外の大部分において、第1及び第2経糸が上下に若干の重なりを有するように配置され、第3及び第4経糸が互いに上下に若干の重なりを有するように配置されるため、サブユニットの間が開いた状態になり高い通気度を維持することができる。
上記の態様において、前記第1境界部と前記第2境界部とのオフセット量は、前記第1領域の長さに対して16.7%以上83.3%以下であるとよい。
この態様によれば、第1及び第2経糸の交差部と、第3及び第4経糸の交差部とが、互いに影響を与え難くなり、通水性の低下を十分に抑制することができると共に、バイアス強度の左右差を十分に抑制することができる。
上記の態様において、前記サブユニット内において、前記第2経糸は前記第1経糸の織組織を前記経糸の延在方向に1/2組織分オフセットした織組織を有し、前記第4経糸は前記第3経糸の織組織を前記経糸の延在方向に1/2組織分オフセットした織組織を有するとよい。
この態様によれば、第1経糸組及び第2経糸組は、丈方向における全領域において均質な織組織を構成する。
上記の態様において、前記サブユニット内において、前記第1経糸組と前記第2経糸組とは、共通の前記走行面側緯糸に織り込まれているとよい。
この構成によれば、抄紙用織物の織組織を均質にすることができる。
上記の態様において、前記第1経糸組は、前記サブユニット内の全領域において平組織を形成するように前記走行面側緯糸に織り込まれ、前記第2経糸組は、前記サブユニット内の全領域において平組織を形成するように前記走行面側緯糸に織り込まれているとよい。
この態様によれば、第1経糸と第2経糸とを組み合わせて見た場合に、第1経糸と第2経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織を形成するようになる。同様に、第3経糸と第4経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織を形成するようになる。これにより、経糸と走行面側緯糸とによって構成される走行面に、安定した織組織である平組織が導入されるため、走行安定性及び寸法安定性が向上する。
上記の態様において、前記緯糸組は、第1製紙面側緯糸及び第2製紙面側緯糸の2本の前記製紙面側緯糸と1本の前記走行面側緯糸とを含み、前記第1経糸組は、前記第1製紙面側緯糸及び前記第2製紙面側緯糸の一方に織り込まれ、前記第2経糸組は、前記第1製紙面側緯糸及び前記第2製紙面側緯糸の他方に織り込まれているとよい。
この態様によれば、製紙面側緯糸を走行面側緯糸の2倍にした場合にも、各製紙面側緯糸が経糸によって均質な態様で織り込まれる。
上記の態様において、前記第1経糸組は、前記サブユニット内の全領域において、連続した3本の前記製紙面側緯糸の走行面側を通過した後、続く1本の前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過する1/3組織を形成するように前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記第2経糸組は、前記サブユニット内の全領域において、前記1/3組織を形成するように前記製紙面側緯糸に織り込まれているとよい。ここで、1/3組織とは、経糸が製紙面側緯糸の製紙面側を1本通過し、続く製紙面側緯糸の走行面側を連続して3本分通過する組織をいう。
この態様によれば、第1経糸と第2経糸とが互いに協働し、製紙面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した1/3組織を形成するようになる。また、第3経糸と第4経糸とが互いに協働し、製紙面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した1/3組織を形成するようになる。これにより、製紙面の寸法安定性が向上すると共に、製紙面が平滑になる。
以上の構成によれば、抄紙用織物において、形態を均質にすることができる。また、抄紙用織物のバイアス強度を適切な値にすることができる。
第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であって前半部を示す。 第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であって後半部を示す 第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーの第1サブユニットを第1〜第4経糸ごとに緯糸の延在方向から見た断面図 第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第6実施形態に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 第6実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 比較例に係る抄紙用ワイヤーの織組織を示す説明図 比較例に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す (A)実施例3、(B)比較例2、の製紙面のマーク試験結果を示す写真 (A)実施例2の製紙面側を示す写真、(B)実施例2の走行面側を示す写真
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態に係る抄紙用ワイヤーは、抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において、紙料(液)から湿紙を形成するために使用されるものである。
(第1実施形態)
図1及び図2は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1を製紙面側から見た図の前半部及び後半部であって、図1の各経糸2の各下端は、対応する番号の図の各経糸2の各上端と接続されている。図1〜図4に示すように、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1は、丈方向に延びる経糸2と、幅方向に延びる緯糸3とを織り合わせた織布であり、丈方向において無端状に形成されている。抄紙用ワイヤー1は、抄紙機のロールに掛け渡され、ロールの回転に応じて回転する。これにより、抄紙用ワイヤー1は丈方向に走行する。抄紙用ワイヤー1の丈方向は、抄紙機の機械方向(Machine Direction:MD)と一致し、幅方向は抄紙機の機械横断方向(Cross Machine Direction:CMD)と一致する。抄紙用ワイヤー1の紙料及び湿紙と接触する面を製紙面、製紙面と相反する側の面を走行面という。抄紙用ワイヤー1の製紙面上には、紙料が載せられ、脱水によって湿紙が形成される。丈方向は、後述する緯糸組3Dの番号が増加する方向を正方向(図1の紙面下向き)、逆を負方向とする。幅方向は、経糸2の番号が増加する方向を正方向(図1の紙面左向き)、逆を負方向とする。
緯糸3は、製紙面側に配置されて幅方向に延びる製紙面側緯糸3A、3Cと、走行面側に配置されて幅方向に延びる走行面側緯糸3Bとを含む。2本の製紙面側緯糸3A、3Cと、1本の走行面側緯糸3Bとは、1つの緯糸組3Dを構成する。緯糸組3Dでは、丈方向における正方向に、製紙面側緯糸3A、走行面側緯糸3B、製紙面側緯糸3Cが順に配置されている。
経糸2は、製紙面に対向する側から見て、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bに直交するように丈方向に延び、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bに織り込まれている(織り合わされている)。ここで、経糸2が製紙面側緯糸3A(又は3C)に織り込まれているとは、経糸2が製紙面側緯糸3A(又は3C)の製紙面側を通過することを意味し、経糸2が走行面側緯糸3Bに織り込まれるとは、経糸2が走行面側緯糸3Bの走行面側を通過することを意味する。
抄紙用ワイヤー1を構成する経糸2及び緯糸3(製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3B)の形態は特に限定されないが、モノフィラメントを用いることが好ましい。更に、各糸は捲縮加工や嵩高加工等を施した加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。これらのなかでは非加工糸が好ましい。
経糸2及び緯糸3(製紙面側緯糸3A、C及び走行面側緯糸3B)を構成する材料は特に限定されないが、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。
ポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、更には、ナイロンが好ましい。ナイロンとしては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等であってよい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、経糸2及び緯糸3(製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3B)を構成する各糸は、各々単一材質で構成されていてもよく、経糸2又は緯糸3ごとに材質が異なる2種以上の材質で構成されていてもよい。更に、各糸には、無機フィラー及び/又は有機フィラーが含有されていてもよい。
製紙面側緯糸3A、3Cの直径は、走行面側緯糸3Bの直径に対して35%〜80%の大きさに設定されている。この他に、経糸2、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bにおける直径の関係は特に限定されない。例えば、経糸2の直径は0.22mm、製紙面側緯糸3A、3Cの直径は0.22mm、走行面側緯糸3Bの直径は0.40mmである。
図1〜図3に示すように、抄紙用ワイヤー1では、隣り合って配置された4本の経糸2と24組の緯糸組3Dとが、最小の繰り返し単位であるサブユニット61、62、63、64を形成する。1つの緯糸組3Dは、2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとを含むため、各サブユニット61〜64内には合計72本の緯糸3が含まれる。
第1サブユニット61は、第1〜第4経糸11〜14と、第1〜第24緯糸組31D〜54Dとによって形成されている。第1経糸11、第2経糸12、第3経糸13、第4経糸14は、幅方向に昇順で互いに隣接して配置されている。第1経糸11と第2経糸12とは、組をなし、第1経糸組2Aを形成する。第3経糸13と第4経糸14とは、組をなし、第2経糸組2Bを形成する。第1サブユニット61における第1経糸組2Aは、丈方向において2等分された第1領域66及び第2領域67を有する。第1サブユニット61における第2経糸組2Bは、丈方向において2等分された第3領域68及び第4領域69を有する。各領域66〜69は、丈方向に12組の緯糸組3D分の長さを有する。第1緯糸組31D、第2緯糸組32D、...第24緯糸組54Dは、丈方向に昇順で互いに隣接して配置されている。
第1領域66では、第1経糸11が製紙面側緯糸3A、3Cの一方に織り込まれると共に第2経糸12が走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域67では、第1経糸11が走行面側緯糸3Bに織り込まれると共に第2経糸12が製紙面側緯糸3A、3Cの一方(第1経糸11が織り込まれる製紙面側緯糸3A、3Cと同じもの)に織り込まれている。本実施形態では、第1経糸11及び第2経糸12は製紙面側緯糸3Aに織り込まれている。
第3領域68では、第4経糸14が製紙面側緯糸3A、3Cの他方(第1経糸11が織り込まれる製紙面側緯糸3A、3Cと異なるもの)に織り込まれると共に第3経糸13が走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第4領域69では、第4経糸14が走行面側緯糸3Bに織り込まれると共に第3経糸13が製紙面側緯糸3A、3Cの他方(第4経糸14が織り込まれる製紙面側緯糸3A、3Cと同じもの)に織り込まれている。本実施形態では、第3経糸13及び第4経糸14は製紙面側緯糸3Cに織り込まれている。
第2経糸12の織組織(織りパターン)は、第1経糸11の織組織を丈方向にサブユニット61の長さの1/2(12組の緯糸組3D分)だけオフセットした(ずらした)ものと同じである。第1領域66における第1経糸11の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織と、第2領域67における第2経糸12の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織とは同じである。また、第2領域67における第1経糸11の走行面側緯糸3Bに対する織組織と、第1領域66における第2経糸12の走行面側緯糸3Bに対する織組織とは同じである。これにより、第1経糸組2Aは、第1経糸11と第2経糸12とが協働することによって、第1サブユニット61の丈方向における全域において、製紙面側緯糸3A、3Cに対して同じ織組織で織り込まれ、走行面側緯糸3Bに対して同じ織組織で織り込まれている。第1経糸組2Aの製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織と、走行面側緯糸3Bに対する織組織とは同じであっても、異なっていてもよい。
第4経糸14の織組織は、第3経糸13の織組織を丈方向にサブユニット61の長さの1/2(12組の緯糸組3D分)だけオフセットしたものと同じである。第4領域69における第3経糸13の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織と、第3領域68における第4経糸14の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織とは同じである。また、第3領域68における第3経糸13の走行面側緯糸3Bに対する織組織と、第4領域69における第4経糸14の走行面側緯糸3Bに対する織組織とは同じである。これにより、第2経糸組2Bは、第3経糸13と第4経糸14とが協働することによって、第1サブユニット61の丈方向における全域において、製紙面側緯糸3A、3Cに対して同じ織組織で織り込まれ、走行面側緯糸3Bに対して同じ織組織で織り込まれている。第2経糸組2Bの製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織と、走行面側緯糸3Bに対する織組織とは同じであっても、異なっていてもよい。
第4経糸14は、第1経糸11と類似した織組織を有する。第4領域69における第4経糸14の走行面側緯糸3Bに対する織組織は、第2領域67における第1経糸11の走行面側緯糸3Bに対する織組織と同じである。一方、第3領域68における第4経糸14の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織と、第1領域66における第1経糸11の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織とは、互いに対応した緯糸組3Dに織り込まれている点で同じであるが、各緯糸組3D内において第1経糸11が製紙面側緯糸3A、3Cの一方に織り込まれ、第4経糸14が製紙面側緯糸3A、3Cの他方に織り込まれている。
第1経糸組2A(第1経糸11又は第2経糸12)と、第2経糸組2B(第3経糸13又は第4経糸14)とは、共通の走行面側緯糸3Bに織り込まれている。また、第1経糸組2A(第1経糸11又は第2経糸12)と、第2経糸組2B(第3経糸13又は第4経糸14)とは、同じ組の製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。第1〜第4経糸11〜14は、それぞれ製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bに織り込まれる回数が同じであり、長さが等しくなっている。
第1〜第4経糸11〜14のそれぞれは、任意の製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれる場合に、その両隣の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。また、第1〜第4経糸11〜14のそれぞれは、任意の走行面側緯糸3Bに織り込まれる場合に、その両隣の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第1〜第4経糸11〜14の製紙面側緯糸3A、3Cに対する織組織は、様々な形態を採用することができ、例えば1/3組織や平組織であってよい。1/3組織は、経糸2が1本の製紙面側緯糸3A、3Cの製紙面側を通過した後、次の3本の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を連続して通過する形態を繰り返す組織である。平組織は、経糸2が1本の製紙面側緯糸3A、3Cの製紙面側を通過した後、次の1本の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過する形態を繰り返す組織である。本実施形態では、第1〜第4経糸11〜14は、製紙面側緯糸3A、3Cに対して1/3組織で織り込まれている。第1及び第2経糸11、12は製紙面側緯糸3Aに織り込まれ、第3及び第4経糸13、14は製紙面側緯糸3Cに織り込まれている。これにより、第1経糸組2Aは丈方向における全域にわたって製紙面側緯糸3Aに1/3組織で織り込まれ、第2経糸組2Bは丈方向における全域にわたって製紙面側緯糸3Cに1/3組織で織り込まれている。
第1〜第4経糸11〜14の走行面側緯糸3Bに対する織組織は、様々な形態を採用することができ、例えば3/1組織や平組織であってよい。3/1組織は、経糸2が1本の走行面側緯糸3Bの走行面側を通過した後、次の3本の走行面側緯糸3Bの製紙面側を連続して通過する形態を繰り返す組織である。平組織は、経糸2が1本の走行面側緯糸3Bの走行面側を通過した後、次の1本の走行面側緯糸3Bの走行面側を通過する形態を繰り返す組織である。本実施形態では、第1〜第4経糸11〜14は、走行面側緯糸3Bに対して平組織で織り込まれている。これにより、第1経糸組2Aは丈方向における全域にわたって走行面側緯糸3Bに平組織で織り込まれ、第2経糸組2Bは丈方向における全域にわたって走行面側緯糸3Bに平組織で織り込まれている。また、第1経糸組2A及び第2経糸組2Bは、共通の走行面側緯糸3Bに織り込まれている。
第1領域66と第2領域67との間には、第1境界部71A、71Bが形成される。丈方向における正方向において、第1領域66から第2領域67に移行する境界を第1境界部71A、第2領域67から第1領域66に移行する境界を第1境界部71Bとする。第1境界部71Aに対して丈方向における負方向に隣接する緯糸組3Dでは、丈方向における正方向に向けて、第1経糸11が製紙面側から走行面側に移行し、第2経糸12が走行面側から製紙面側に移行し、緯糸3の延在方向から見て第1経糸11及び第2経糸12が交差した第1交差部81を形成している。同様に、第1境界部71Bに対して丈方向における負方向に隣接する緯糸組3Dでは、丈方向における正方向に向けて、第2経糸12が製紙面側から走行面側に移行し、第1経糸11が走行面側から製紙面側に移行し、緯糸の延在方向から見て第1経糸11及び第2経糸12が交差した第2交差部82を形成している。第1交差部81及び第2交差部82では、第1経糸11及び第2経糸12は製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側かつ走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第3領域68と第4領域69との間には、第2境界部72A、72Bが形成される。丈方向における正方向において、第3領域68から第4領域69に移行する境界を第2境界部72A、第4領域69から第3領域68に移行する境界を第2境界部72Bとする。第2境界部72Aに対して丈方向における負方向に隣接する緯糸組3Dでは、丈方向における正方向に向けて、第4経糸14が製紙面側から走行面側に移行し、第3経糸13が走行面側から製紙面側に移行し、緯糸3の延在方向から見て第3経糸13及び第4経糸14が交差した第3交差部83を形成している。同様に、第2境界部72Bに対して丈方向における負方向に隣接する緯糸組3Dでは、丈方向における正方向に向けて、第3経糸13が製紙面側から走行面側に移行し、第4経糸14が走行面側から製紙面側に移行し、緯糸の延在方向から見て第3経糸13及び第4経糸14が交差した第4交差部84を形成している。第3交差部83及び第4交差部84では、第3経糸13及び第4経糸14は製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側かつ走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第1境界部71A、71B(第1及び第2交差部81、82)と第2境界部72A、72B(第3及び第4交差部83、84)とは、丈方向にオフセットして配置されている。オフセットする方向は、正方向及び負方向のいずれであってもよい。詳細には、一方の第1境界部71Aと一方の第2境界部72Aとは、少なくとも2つの緯糸組3D分だけオフセットして配置されている。他の表現を用いると、オフセット量(距離)は、第1領域66の丈方向における長さに対して、16.7%以上83.3%以下の長さであることが好ましい。オフセット量を表す長さは、緯糸組3Dの数によっても表すことができる。
本実施形態では、一方の第2境界部72Aは一方の第1境界部71Aに対して、負方向に4個の緯糸組3D分(33.3%(=4/12))、オフセットして配置されている。
第2〜第4サブユニット62、63、64の織組織は、第1サブユニット61の織組織と同一である。第1〜第4経糸15〜18によって形成される第2サブユニット62は、第1〜第4経糸11〜14によって形成される第1サブユニット61に対して、少なくとも1組の緯糸組3D分だけ丈方向にオフセットして配置されている。第1〜第4経糸19〜22によって形成される第3サブユニット63は、第1サブユニット61及び第2サブユニット62の両方に対して、少なくとも1組の緯糸組3D分だけ丈方向にオフセットして配置されている。第1〜第4経糸23〜26によって形成される第4サブユニット64は、第1サブユニット61、第2サブユニット62、及び第3サブユニット63の全てに対して、少なくとも1組の緯糸組3D分だけ丈方向にオフセットして配置されている。本実施形態では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に15個(負方向に9個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個(負方向に18個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に21個(負方向に3個)の緯糸組3D分オフセットされている。
経糸11〜26と24組の緯糸組31〜54によって、サブユニット61〜64を含む繰り返し単位としての組織(完全組織)75が形成される。この組織75が、丈方向及び幅方向に連続して繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー1が形成される。
図4は、抄紙用ワイヤー1の組織75の織組織の模式的な説明図である。図中の「●」は、経糸2が製紙面側緯糸3A、3Cの製紙面側を通過する部分(経糸2が製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれた部分)を表す。図中の「▲」は、経糸2が走行面側緯糸3Bの走行面側を通過する部分(経糸2が走行面側緯糸3Bに織り込まれた部分)を表す。また、図中の「81」は第1交差部、「82」は第2交差部、「83」は第3交差部、「84」は第4交差部を表す。第1領域66及び第3領域68には網掛け(ハッチング)が付されており、第2領域67及び第4領域69には網掛けが付されていない。第1境界部71A、71Bは網掛けが付された第1領域66の丈方向における両端に配置され、第2境界部72A、72Bは網掛けが付された第3領域68の丈方向における両端に配置されている。幅方向に延びる二重線は、各サブユニット61〜64の丈方向における端部を表す。
図5は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1を走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸3A、3Cを省略して示す。図5に示すように、第1経糸組2Aを形成する第1経糸11と第2経糸12とは、第1交差部81及び第2交差部82を除く大部分において、抄紙用ワイヤー1の厚み方向に重なり合う。第1交差部81及び第2交差部82では、第1経糸11と第2経糸12とは、抄紙用ワイヤー1の厚み方向に重なり合うことはできない。
第1サブユニット61では、第1境界部71A、71B(第1交差部81及び第2交差部82)及び第2境界部72A、72B(第3交差部83及び第4交差部84)が丈方向にオフセットしているため、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1を製紙面側から見た場合に空孔の面積が増加し、通気性が向上する。また、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ場合、この部分で抄紙用ワイヤー1の剛性が局所的に増加し、バイアス強度に左右差が生じる原因になるが、このような部分が形成されないため、バイアス強度の左右差が緩和され、走行安定性が向上する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る抄紙用ワイヤー200は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図6及び図7に示すように、抄紙用ワイヤー200の各サブユニット61〜64では、第2境界部72A、72Bが第1境界部71A、71Bに対して丈方向における正方向に2個の緯糸組3D分(16.7%(=2/12))、オフセットして配置されている。
抄紙用ワイヤー200では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に21個(負方向に3個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個(負方向に18個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に3個(負方向に21個)の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー200では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分がなく、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る抄紙用ワイヤー300は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図8、図9に示すように、抄紙用ワイヤー300の各サブユニット61〜64では、第2境界部72A、72Bが第1境界部71A、71Bに対して丈方向における負方向に2個の緯糸組3D分(16.7%(=2/12))、オフセットして配置されている。
抄紙用ワイヤー300では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して正方向に15個の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に21個の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー300では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分がなく、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る抄紙用ワイヤー400は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図10、図11に示すように、抄紙用ワイヤー400の各サブユニット61〜64では、第2境界部72A、72Bが第1境界部71A、71Bに対して丈方向における負方向に6個の緯糸組3D分(50.0%(=6/12))、オフセットして配置されている。
抄紙用ワイヤー400では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に3個(負方向に21個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に12個(負方向に12個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に15個(負方向に9個)の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー400では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分がなく、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る抄紙用ワイヤー500は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図12、図13に示すように、抄紙用ワイヤー500の各サブユニット61〜64では、第2境界部72A、72Bが第1境界部71A、71Bに対して丈方向における正方向に10個の緯糸組3D分(83.3%(=10/12))、オフセットして配置されている。
抄紙用ワイヤー500では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に15個(負方向に9個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個(負方向に18個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に21個(負方向に3個)の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー500では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分がなく、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る抄紙用ワイヤー600は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて、各経糸11〜14の走行面側緯糸3Bに対する織組織、第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図14、図15に示すように、各経糸11〜14は、走行面側緯糸3Bに対して、3/1組織で織り込まれている。各経糸組2A、2Bは、各サブユニットの丈方向における全域において、3/1組織で走行面側緯糸3Bに織り込まれている。
抄紙用ワイヤー600の各サブユニット61〜64では、第2境界部72A、72Bが第1境界部71A、71Bに対して丈方向における負方向に4個の緯糸組3D分(33.3%(=4/12))、オフセットして配置されている。
抄紙用ワイヤー600では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に15個(負方向に9個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個(負方向に18個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に21個(負方向に3個)の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー600では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分がなく、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成されない。そのため、抄紙用ワイヤー1と同様の効果を奏する。
(比較例)
上記の第1〜第6実施形態に係る抄紙用ワイヤー1、200、300、400、500、600と比較する目的で、比較例に係る抄紙用ワイヤー100について説明する。抄紙用ワイヤー100は、本発明には含まれない。比較例に係る抄紙用ワイヤー100は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて第1経糸組2Aと第2経糸組2Bとのオフセット量、各サブユニットのオフセット量が異なる。図16、図17に示すように、抄紙用ワイヤー100の各サブユニット61〜64では、第1境界部71A及び第2境界部72A(第1交差部81及び第3交差部83)が丈方向において一致する位置に配置され、第1境界部71Bと第2境界部72B(第2交差部82及び第4交差部84)とが丈方向において一致する位置に配置されている。すなわち、第1境界部71A、71Bに対する第2境界部72A、72Bの丈方向におけるオフセット量は0である。
抄紙用ワイヤー100では、第2サブユニット62は第1サブユニット61に対して丈方向における正方向に15個(負方向に9個)の緯糸組3D分オフセットされ、第3サブユニット63は第1サブユニット61に対して正方向に6個(負方向に18個)の緯糸組3D分オフセットされ、第4サブユニット64は第1サブユニット61に対して正方向に21個(負方向に3個)の緯糸組3D分オフセットされている。
抄紙用ワイヤー100では、第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bが幅方向に隣り合って並ぶ部分が発生し、第1〜第4経糸11〜14が幅方向に直線状に並ぶ部分が形成される。
以下に、抄紙用ワイヤーの第1境界部71A、71B及び第2境界部72A、72Bのオフセット量を変化させた場合の通気度及びバイアス強度について試験を行った結果を示す。試験は、オフセット量を変化させた5つの実施例1〜5と、2つの比較例1、2について行った。実施例1は上記の第3実施形態に係る抄紙用ワイヤー300と同様の織組織に形成され、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が16.7%である。実施例2は上記の第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と同様の織組織に形成され、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が33.3%である。実施例3は上記の第4実施形態に係る抄紙用ワイヤー400と同様の織組織に形成され、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が50.0%である。実施例4は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1において、第2経糸組2Bを第1経糸組2Aに対して丈方向における正方向に8個の緯糸組3D分オフセットさせた織組織を有し、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が66.6%である。実施例5は上記の第5実施形態に係る抄紙用ワイヤー500と同様の織組織に形成され、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が83.3%である。
比較例1は、上記の比較例に係る抄紙用ワイヤー100と同様の織組織を有し、各境界部71A、71B、72A、72Bのオフセット量が0%である。比較例2は、第1境界部71A、71Bに対して第2境界部72A、72Bを12個の緯糸組3D分オフセットさせた織組織(オフセット量100%)を有する。
実施例1〜5及び比較例1、2において、経糸2、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bの材質、直径、密度は同じ条件となっている。経糸2は、材質がPET、直径が0.14mmのモノフィラメントであり、幅方向に73本/cmの密度で配置されている。製紙面側緯糸3A、3Cは、材質がPET、直径が0.14mmのモノフィラメントであり、丈方向に36本/cmの密度で配置されている。走行面側緯糸3Bは、材質がPET、直径が0.23mmのモノフィラメントであり、丈方向に18本/cmの密度で配置されている。
通気度の測定は、JIS_L1096の織物及び編物の生地試験方法のフラジール形法に基づき、フラジール形通気度試験機を用いて行った。
バイアス強度は、ストログラフ(引張試験機)によって測定した。各サンプルは、7cm(丈方向)×7cm(幅方向)に裁断し、引っ張り方向が丈方向に対して45°となるように、ストログラフにセットした。
試験結果を以下の表1に示す。
通気度は、オフセット量が0%から50%に向けて大きくなるにつれて増加し、50%で最大値となった後、100%に向けて増加するにつれて減少することが確認された。また、バイアス強度及びバイアス強度の左右差は、オフセット量が0%から50%に向けて大きくなるにつれて減少し、50%で最小値となった後、100%に向けて大きくなるにつれて増加することが確認された。これは、オフセット量が0%から50%に増加する過程では、第1交差部81と第3交差部83との距離、第2交差部82と第4交差部84との距離が大きくなるが、50%から100%に増加する過程では第1交差部81と第4交差部84との距離、第2交差部82と第3交差部83との距離とが小さくなるためである。
実施例2と比較例2のマーク試験結果を図18に示す。マーク試験は、圧力の大きさに応じて発色濃度が変化する圧力測定フィルム(富士フイルムのプレスケール)を使用した。圧力測定フィルムを実施例3及び比較例2の走行面に重ねてプレスロールによって50kN/mで加圧し、製紙面の凹凸に応じた像を圧力測定フィルム上に形成した。
図18の(A)は実施例3、(B)は比較例2の走行面のマーク試験結果を示す。図18(A)及び(B)では、各抄紙用ワイヤーの丈方向が紙面の上下方向に延び、幅方向が紙面の左右方向に延びている。図18の各像から明らかなように、比較例2では発色のない部分が幅方向に形成されるため緯筋状のマークになるのに対して、実施例2では幅方向に発色のない部分がなくなるため、均質な平面となっていることが確認された。
図19(A)は実施例2の抄紙用ワイヤーの製紙面側の写真であり、図19(B)は実施例2の抄紙用ワイヤーの走行面側の写真である。図19において、上下に延在する糸が経糸であり、左右に延在する糸が緯糸である。図19(A)及び(B)から、サブユニット61〜64を構成する4本の経糸2は互いに寄り集まり、各サブユニット61〜64間に空隙が形成されることが確認される。4本の経糸2は、第1及び第2経糸11、12の交差部81、82と第3及び第4経糸13、14の交差部83、84以外の大部分において、第1及び第2経糸11、12が上下に若干の重なりを有するように配置され、第3及び第4経糸13、14が互いに上下に若干の重なりを有するように配置される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。以上の各実施形態では、本発明に係る織物を抄紙用ワイヤーに適用した例について説明したが、搬送ベルトやろ布等の他の用途にも当然に使用できる。
上記の各実施形態では、各サブユニット61〜64が、4本の経糸2と、24組の緯糸組3Dとによって構成される例を示したが緯糸組3Dの組数は任意であってよい。例えば、緯糸組3Dは、32組としてもよい。また、上記の実施形態では、緯糸組3Dが2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとから構成される例について説明したが、組を構成する緯糸の本数は、製紙面側緯糸の本数に対する走行面側緯糸の本数が1/2〜2/3の範囲で適宜変更可能であり、例えば、緯糸組3Dは例えば3本の製紙面側緯糸と2本の走行面側緯糸、又は3本の製紙面側緯糸と1本の走行面側緯糸から構成されてもよい。
1、200、300、400、500、600:実施形態に係る抄紙用ワイヤー
2、11〜26 :経糸
2A :第1経糸組
2B :第2経糸組
3 :緯糸
3A :製紙面側緯糸
3B :走行面側緯糸
3C :製紙面側緯糸
3D、31D〜54D:緯糸組
61〜64:第1〜第4サブユニット
66〜69:第1〜第4領域
71A、71B:第1境界部
72A、72B:第2境界部
75 :組織
81〜84:第1〜第4交差部
100 :比較例に係る抄紙用ワイヤー

Claims (7)

  1. 任意の本数の製紙面側緯糸及び前記製紙面側緯糸の1/3〜2/3の本数の走行面側緯糸を組として含む緯糸組と、前記走行面側緯糸及び前記製紙面側緯糸に織り込まれた経糸とを有する抄紙用織物であって、
    4本の前記経糸と、複数組の前記緯糸組とがサブユニットを形成し、
    前記サブユニット内の前記経糸は一側から第1経糸、第2経糸、第3経糸、第4経糸の順に配置され、前記第1経糸と前記第2経糸とが第1経糸組をなし、前記第3経糸と前記第4経糸とが第2経糸組をなし、
    前記サブユニット内における前記第1経糸組は、延在方向において2等分された第1領域及び第2領域を有し、前記第1領域において前記第1経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれると共に前記第2経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれ、前記第2領域において前記第1経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に前記第2経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、
    前記サブユニット内における前記第2経糸組は、延在方向において2等分された第3領域及び第4領域を有し、前記第3領域において前記第3経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に前記第4経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記第4領域において前記第3経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれると共に前記第4経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれ、
    前記第1領域と前記第2領域との境界である第1境界部と、前記第3領域と前記第4領域との境界である第2境界部とは、前記経糸の延在方向に、少なくとも2つの前記緯糸組分オフセットして配置され、
    複数の前記サブユニットが、前記緯糸の延在方向において隣り合う前記サブユニットと前記経糸の延在方向にオフセットして配置されることによって完全組織が形成されることを特徴とする抄紙用織物。
  2. 前記第1境界部と前記第2境界部とのオフセット量は、前記第1領域の長さに対して16.7%以上83.3%以下であることを特徴とする請求項1に記載の抄紙用織物。
  3. 前記サブユニット内において、前記第2経糸は前記第1経糸の織組織を前記経糸の延在方向に1/2組織分オフセットした織組織を有し、前記第4経糸は前記第3経糸の織組織を前記経糸の延在方向に1/2組織分オフセットした織組織を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の抄紙用織物。
  4. 前記サブユニット内において、前記第1経糸組と前記第2経糸組とは、共通の前記走行面側緯糸に織り込まれていることを特徴とする請求項3に記載の抄紙用織物。
  5. 前記第1経糸組は、前記サブユニット内の全領域において平組織を形成するように前記走行面側緯糸に織り込まれ、
    前記第2経糸組は、前記サブユニット内の全領域において平組織を形成するように前記走行面側緯糸に織り込まれていることを特徴とする請求項4に記載の抄紙用織物。
  6. 前記緯糸組は、第1製紙面側緯糸及び第2製紙面側緯糸の2本の前記製紙面側緯糸と1本の前記走行面側緯糸とを含み、
    前記第1経糸組は、前記第1製紙面側緯糸及び前記第2製紙面側緯糸の一方に織り込まれ、
    前記第2経糸組は、前記第1製紙面側緯糸及び前記第2製紙面側緯糸の他方に織り込まれていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
  7. 前記第1経糸組は、前記サブユニット内の全領域において、連続した3本の前記製紙面側緯糸の走行面側を通過した後、続く1本の前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過する1/3組織を形成するように前記製紙面側緯糸に織り込まれ、
    前記第2経糸組は、前記サブユニット内の全領域において、前記1/3組織を形成するように前記製紙面側緯糸に織り込まれていることを特徴とする請求項6に記載の抄紙用織物。
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