JP2677756B2 - ワイヤ式加工装置 - Google Patents

ワイヤ式加工装置

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JP2677756B2 JP5317400A JP31740093A JP2677756B2 JP 2677756 B2 JP2677756 B2 JP 2677756B2 JP 5317400 A JP5317400 A JP 5317400A JP 31740093 A JP31740093 A JP 31740093A JP 2677756 B2 JP2677756 B2 JP 2677756B2
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば表面にダイヤモ
ンドがコーティングされたワイヤなどを用いたワイヤ式
加工装置に関するもので、特にそのワイヤガイドローラ
に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークを複雑に変化する線に沿って切断
加工することができる装置として放電ワイヤカット装置
が知られている。これは、ワークとワイヤとの間に放電
を起こし、放電熱でワークを溶融するもので、ワークを
X−Y方向に動かすことによって所要の輪郭に精度よく
加工することができるため、金型の加工などに不可欠の
ものである。しかし、装置が高価であり、加工速度が非
常に遅いという難点があり、さらに、非導電物質の加工
ができないという大きな欠点がある。
【0003】このような問題点を有する放電ワイヤカッ
ト装置に代わるものとして、ワイヤの表面にダイヤモン
ドを化学的に形成したダイヤモンドワイヤと、このダイ
ヤモンドワイヤを用いて材料を直線的に切断する装置が
開発された。図19はこのダイヤモンドワイヤを用いた
ワイヤ式加工装置を概念的に示す。
【0004】図19において、ダイヤモンドワイヤ45
は上部ドラム43から供給されて下部ドラム63に巻き
とられることにより所定の速度で上から下に走行する。
上部ドラム43と下部ドラム63との間にはワーク17
を載置した移動テーブル72がある。移動テーブル72
にはプーリ74にかけられたロープ73の一端が連結さ
れ、ロープ73の他端には錘75が取付けられている。
移動テーブル72は錘75によって引っ張られる向きに
直線的に移動しようとし、ワーク17がダイヤモンドワ
イヤ45に一定の圧力で接触する。ワーク17の上下に
はワイヤガイド部70,71がある。ワイヤガイド部7
0,71はダイヤモンドワイヤ45の走行をガイドする
と共に、ダイヤモンドワイヤ45にかかる上記圧力を受
け止めてダイヤモンドワイヤ45の走行経路が変動する
のを防止している。このように、所定の速度で走行して
いるダイヤモンドワイヤ45に、ワーク17が一定の圧
力で接触することにより、ワーク17が直線的に切断さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記ダイヤモンドワイ
ヤ式加工装置によれば、超硬合金などからなる金型材料
などの加工に最適であり、また、石材、樹脂などの非導
電物質であっても加工が可能であり、加工速度が早く、
装置のコストも安いという利点がある。しかし、上記従
来のダイヤモンドワイヤ式加工装置によれば、テーブル
72は一方向に移動するのみであり、ワイヤガイド部7
0,71は上記一方向への移動によってワイヤ45にか
かる一方向への送り力を受けるのみであるため、直線的
な加工しかできず、ワークを複雑に変化する線に沿って
切断加工することはできない。
【0006】本発明は、このような従来のワイヤ式加工
装置の問題点を解消するためになされたもので、ワーク
を複雑な線に沿って切断加工することができるワイヤ式
加工装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ワークを載置するテーブルと、このテーブ
ルを挾んで配置されると共に支持軸により回転自在に支
持されたワイヤガイドローラと、このワイヤガイドロー
ラ間に張設されかつ長さ方向に走行し、ワークが一定の
圧力で接触することによりワークを切削するワイヤとを
有してなるワイヤ式加工装置において、上記テーブルは
互いに直交する2方向に移動可能にし、上記ワイヤガイ
ドローラは、ワイヤを受け入れる周溝を有すると共にこ
の周溝に嵌まるワイヤを中心に旋回可能にし、上記ワイ
ヤガイドローラの支持軸が上記テーブルの移動方向に対
して常に直交するように、ワイヤガイドローラを旋回さ
せる制御装置を設けた。ワイヤガイドローラは周面が互
いに接触する複数のローラで構成し、この複数のローラ
が接触することによりローラの周溝で形成される空間に
ワイヤを引きとおしてもよいし、ワイヤガイドローラは
1個のローラで構成してもよい。制御装置は、ワーク切
断方向を示す情報信号に基づき、ワイヤガイドローラを
旋回角度が小さい向きに回転させるようにすればなおよ
い。
【0008】
【作用】ワイヤを走行させながらテーブルを移動させる
と、テーブルに載置されているワークがワイヤに当た
り、ワイヤにかかる圧力はワイヤガイドローラによって
受けられ、ワークがテーブルの移動方向に切削される。
制御装置は、テーブルの移動方向に応じてワイヤガイド
ローラを旋回させ、ワイヤガイドローラの支持軸をテー
ブルの移動方向に対して常に直交させる。これによりワ
イヤガイドローラの周溝がワイヤを確実に受け止めてワ
イヤがワイヤガイドローラの周溝から外れるのを防止す
る。テーブルの移動方向を任意に変えることにより、ワ
ークを複雑な任意の形に切削することができる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明にかかるワ
イヤ式加工装置の実施例について説明する。図1におい
て、ワイヤ式加工装置の本体は、下部フレーム1と、上
部フレーム3と、これらのフレーム1,3を連結する中
間フレーム2からなる。下部フレーム1はテーブル状に
形成され、この下部フレーム1の上にはX軸テーブル1
2とY軸テーブル7からなるX−Yテーブル5が取付け
られている。X−Yテーブル5は周知の構成のものを用
いてよい。図示の例では、Y軸テーブル7はその底部に
設けられたY軸ガイド6が下部フレーム1上に設けられ
たレールに沿ってY軸方向(図1の紙面に直交する方
向)に移動可能になっており、Y軸サーボモータ8によ
ってY軸ボールねじ9(図4参照)が回転駆動されるこ
とによりY軸方向に駆動される。X軸テーブル12はそ
の底部に設けられたX軸ガイド11(図4参照)がY軸
テーブル7上に設けられたレールに沿ってX軸方向(図
1において左右方向)に移動可能になっており、X軸サ
ーボモータ13によってX軸ボールねじ14が回転駆動
されることによりX軸方向に駆動される。
【0010】X軸テーブル12の上には補助プレート1
6が固着され、この補助プレート16上にワーク17が
適宜の取付手段により取付けられる。X軸テーブル1
2、Y軸テーブル7には窓孔が形成され、また補助プレ
ート16にも窓孔15(図5参照)が形成されている。
【0011】下部フレーム1と上部フレーム3の奥側
(図1において左側)にはそれぞれ適宜の軸受ハウジン
グによって軸受19,18が取付けられ、中間フレーム
2を上下に貫いて上下端部が下部フレーム1と上部フレ
ーム3に至った駆動軸21が上記軸受19,18によっ
て回転自在に支持されている。駆動軸21には、上端近
くにタイミングプーリ23が、下端部にタイミングプー
リ24が取付けられ、上端部に連結されたパルスモータ
22によって回転駆動される。
【0012】上部フレーム3は下部フレーム1と平行に
庇状に突出しており、上部フレーム3内にはダイヤモン
ドワイヤ45を巻き回した上部ドラム43が装填されて
いる。上部フレーム3の下面側には軸受ハウジング25
が固定されている。図2に詳細に示すように、軸受ハウ
ジング25内の上下端部には軸受26,26が嵌めら
れ、軸受26,26によってスピンドルハウジング27
が旋回可能に支持されている。軸受ハウジング25の下
端にはカバー31が固定され、カバー31の内周側とス
ピンドルハウジング27の外周側とが複雑に入り組むこ
とによってラビリンス32が形成され、ワーク17を加
工するときの切粉がベアリング26内に侵入するのを防
止している。上部フレーム3内に至ったスピンドルハウ
ジング27の上端部にはタイミングプーリ41が取付け
られている。このタイミングプーリ41と前記タイミン
グプーリ23との間にタイミングベルト42が掛けられ
ている。タイミングベルト42は例えば歯付きベルトか
らなり、タイミングプーリ41およびタイミングプーリ
23との相対位置関係は常に一定である。
【0013】上記スピンドルハウジング27内にはスピ
ンドル28が挿入されている。スピンドル28の上部外
周面には軸線方向にガイド溝30が形成され、上記ハウ
ジング27に半径方向に捩じ込まれたガイドねじ29の
先端部が上記ガイド溝30に嵌まることにより、スピン
ドル28は上記ハウジング27と一体に旋回することが
できると共に、ハウジング27に対して軸方向に相対移
動できる。
【0014】スピンドルハウジング27は前記カバー3
1から下方に突出し、この突出部分の内周側にはコレッ
ト33が嵌められ外周側には袋ナット34が捩じ込ま
れている。コレット33および袋ナット34はスピンド
ルハウジング27とスピンドル28とを一体化するため
のもので、スピンドル28を上記ガイド溝30の範囲内
で移動させて高さ位置を調整したあと袋ナット34を締
め付けることにより、スピンドル28がスピンドルハウ
ジング27と実質一体に結合され、一体に旋回すること
ができる。
【0015】スピンドル28の下端部は袋ナット34か
らさらに下側に突出している。このスピンドル28の下
端部にはワイヤガイド部35が設けられている。ワイヤ
ガイド部35は2個のガイドローラ35a,35bから
なる。図6ないし図9に詳細に示すように、スピンドル
28の下端部にはスピンドル28を半径方向に貫いて形
成された矩形状の孔28aがあり、この孔28a内に上
記ガイドローラ35a,35bが支持軸39,40によ
って支持されている。支持軸39,40はスピンドル2
8を水平方向に貫通して設けられ、各ガイドローラ35
a,35bは各支持軸39,40を中心に垂直面内で回
転する。各ガイドローラ35a,35bは外周に断面が
半円状の周溝35c,35dを有する。各ガイドローラ
35a,35bの外周はスピンドル28の横断面中央部
において互いに接触し、この接触部において、双方の周
溝35c,35dが小さな円形の空間36を形成する。
【0016】図1で説明した上部ドラム43から引き出
されたダイヤモンドワイヤ45はスピンドル28内に引
きとおされ、スピンドル28の下端寄りに形成されたワ
イヤ通し孔37を経た後上記ガイドローラ35a,35
bで形成される円形の空間36に通され、スピンドル2
8の下端部に形成されたワイヤ通し孔38から外部に引
き出される。
【0017】図1において、前記下部フレーム1の天板
にはこの天板を貫通して軸受ハウジング48が固定され
ている。図3、図4に詳細に示すように、軸受ハウジン
グ48内には上下に軸受49,49が嵌められ、軸受4
9,49によって下部スピンドル50が旋回可能に支持
されている。軸受ハウジング48の上端にはカバー51
が固定され、カバー51の一部とスピンドル50の一部
とが複雑に入り組むことによってラビリンス52が形成
され、前記ワーク17を加工するときの切粉がベアリン
グ49内に侵入するのを防止する。下部フレーム1内に
至ったスピンドル50の下端部にはタイミングプーリ6
1が取付けられている。このタイミングプーリ61と前
記タイミングプーリ24との間にタイミングベルト62
が掛けられている。タイミングベルト62は例えば歯付
きベルトからなり、タイミングプーリ61およびタイミ
ングプーリ24との相対位置関係が一定に保持される。
【0018】スピンドル50の上端部にはワイヤガイド
部55が設けられている。ワイヤガイド部55は2個の
ガイドローラ55a,55bからなる。前記上部スピン
ドル28のワイヤガイド部35と同様に、スピンドル5
0の上端部にはスピンドル50を半径方向に貫いて形成
された矩形状の孔50aがあり、この孔50a内に上記
ガイドローラ55a,55bが支持軸59,60によっ
て支持されている。支持軸59,60はスピンドル50
を水平方向に貫通して設けられ、各ガイドローラ55
a,55bは各支持軸59,60を中心に垂直面内で回
転する。各ガイドローラ55a,55bは外周に周溝を
有し、各ガイドローラ55a,55bの外周が互いに接
触することにより、双方のガイドローラ55a,55b
の周溝が小さな円形の空間を形成する。
【0019】上部スピンドル28から引き出されたダイ
ヤモンドワイヤ45がスピンドル50の上端部に形成さ
れたワイヤ通し孔57に引き込まれ、上記ガイドローラ
55a,55bの周溝で形成される円形の空間に通され
たあとスピンドル50の上端寄りに形成されたワイヤ通
し孔58を経てスピンドル50内に引きとおされる。ス
ピンドル50内を通ったダイヤモンドワイヤ45は、図
1に示す下部ドラム63に巻きとられる。図1、図4、
図5に示すように、スピンドル50のワイヤガイド部5
5はX−Yテーブル5内に進出している。図1に示すよ
うに、前記Y軸サーボモータ8、X軸サーボモータ1
3、モータ22は制御装置65によって制御される。な
お、ダイヤモンドワイヤ45の表面にはダイヤモンドが
化学的にコーティングされているため、各ガイドローラ
35a,35b,55a,55bがワイヤ45との接触
によって摩耗しないように、その表面にもダイヤモンド
をコーティングするのが望ましい。
【0020】次に、上記実施例の動作を説明する。ワー
ク17の大きさは様々であるため、図2に示す袋ナット
34を緩めてコレット33によるスピンドル28の締め
付けを解除し、スピンドルハウジング27に対しスピン
ドル28を上下に移動させ、ワーク17の上面にワイヤ
ガイド部35が接触しない程度に接近させた後、袋ナッ
ト34を締め付けてスピンドルハウジング27とスピン
ドル28とを実質一体化する。次に、ダイヤモンドワイ
ヤ45を上部ドラム43から供給し、下部ドラム63に
巻取ることにより一定の速度で上から下に走行させる。
制御装置65は各サーボモータ8,13を制御すること
によりX−Yテーブル5を移動させ、ワーク17を予め
定められた線に沿って移動させる。ワーク17は上下の
ワイヤガイド部35,55間においてダイヤモンドワイ
ヤ45に接するため、ダイヤモンドワイヤ45でワーク
17の移動方向に切削される。
【0021】制御装置65はまた、サーボモータ8,1
3の制御に同期してパルスモータ22の回転を制御す
る。パルスモータ22の回転により駆動軸21が回転駆
動され、上側のタイミングプーリ23、タイミングベル
ト42、タイミングプーリ41を介してスピンドルハウ
ジング27およびスピンドル28が旋回させられ、下側
のタイミングプーリ24、タイミングベルト62を介し
てスピンドル50が旋回させられる。上下の回転伝達系
は同一設計条件になっていて、上下のスピンドル28,
50が同期して同一角度旋回し、上下のワイヤガイドロ
ーラ35a,35b,55a,55bの支持軸39,4
0,59,60がX−Yテーブル5の移動方向に対して
常に直交するように旋回させられる。上下のスピンドル
28,50は、これらスピンドル28,50に引きとお
されたワイヤ45を中心として旋回し、上下のワイヤガ
イド部35,55もそれぞれワイヤガイドローラ35
a,35b間に引きとおされるワイヤ45、およびワイ
ヤガイドローラ55a,55b間に引きとおされるワイ
ヤ45を中心として旋回する。
【0022】このように、上下のワイヤガイド部35,
55はそれぞれのワイヤガイドローラ35a,35b,
55a,55bの支持軸39,40,59,60がX−
Yテーブル5の移動方向に対して常に直交するように旋
回させられるため、X−Yテーブル5の移動方向を変え
ても、ワイヤガイドローラ35a,35b,55a,5
5bはワイヤ45がワーク17に接触することによって
生じる圧力を確実に受け止めることができ、従って、ワ
ークを複雑な線に沿って切削加工することが可能にな
る。また、ワイヤガイド部35,55はそれぞれ2個の
周溝付きワイヤガイドローラを対にしてそれらの周面を
接触させ、この接触部に上記周溝によって生じる空間に
ワイヤ45を引き通しているため、ワイヤ45にかかる
圧力をより一層確実に受け止めることができる。
【0023】ところで、X−Yテーブル5の移動方向パ
ターン、換言すればワーク17の切削方向パターンに
は、図10に示すように8種類のパターンがある。パタ
ーンAはY軸、X軸共に+方向に移動する場合、パター
ンBはY軸では+、X軸では−方向に移動する場合、パ
ターンCはY軸では−、X軸では+方向に移動する場
合、パターンDはY軸、X軸共に−方向に移動する場
合、パターンEは+X軸方向にのみ移動する場合、パタ
ーンFは+Y軸方向にのみ移動する場合、パターンGは
−Y軸方向にのみ移動する場合、パターンHは−X軸方
向にのみ移動する場合を示す。前記制御装置65は、こ
のような各種パターンに応じて前記パルスモータ22を
駆動し、ワイヤガイド部35,55の各ワイヤガイドロ
ーラ35a,35b,55a,55bの支持軸39,4
0,59,60がX−Yテーブル5の移動方向に対して
常に直交するように旋回させる。
【0024】ここで、各ワイヤガイド部35,55は2
個のワイヤガイドローラを対にして構成されていること
から、基準となる旋回位置から±90°の範囲で旋回で
きれば足りる。また、現在の旋回位置から次の旋回位置
までの関係から正方向(例えば反時計方向)に旋回させ
るべきかまたは逆方向(例えば時計方向)に旋回させる
べきかを判断し、パルスモータ22を制御して判断した
方向に各ワイヤガイド部35,55を旋回させれば迅速
に旋回させることができる。図11ないし図14は、こ
のような判断をした上でワイヤガイド部35,55の旋
回位置を制御する制御装置65の動作を示す。なお、図
10に示すように、上記各パターンA,B,C,D,
E,F,G,Hにおける基準位置からの旋回角度をそれ
ぞれα1、β2、β3、α4、α5、α6、β7、β8とする。
αは基準位置から反時計方向への旋回、βは基準位置か
ら時計方向への旋回を示す。
【0025】図11ないし図14において、まず、加工
データに基づき切削方向パターンがA,B,C,D,
E,F,G,Hの何れに属するかを判断する。かりにA
パターンであるとすれば、図11に示すように基準位置
からα1だけ旋回させ、加工データが引き続きAパター
ンであるかどうかを判断する。Aパターンであれば次に
目標値α1′とα1との偏差Δαを求め、この偏差がなく
なるまで旋回させる。もう一度、加工データが引き続き
Aパターンであるかどうかを判断し、Aパターンであれ
ば上記偏差Δαを求めて偏差がなくなるまで旋回させる
ステップに戻る。従って、目標値α1′が変化すればそ
れに応じてワイヤガイド部35,55の旋回位置が変わ
ると共に、これに同期してX−Yテーブル5を駆動する
サーボモータ8,13の回転も制御されるため、ワーク
17の切削方向も変わる。
【0026】上記Aパターンであるかどうかを判断する
各ステップでAパターンではないと判断された場合は、
図11にaで示す部分に進み、B,C,D,E,F,
G,Hの何れのパターンに属するかを判断する。Bパタ
ーンであると判断されると、次に、α1−β2が90°よ
り小さいかどうかを判断し、小さい場合は時計方向に旋
回させ、大きい場合は反時計方向に旋回させる。こうす
ることによって、より小さい角度で目標位置まで旋回さ
せることができ、迅速な旋回が可能になる。上記パター
ン判断ステップでパターンCと判断された場合は、α1
−β3が90°より小さいかどうかを判断し、小さい場
合は反時計方向に旋回させ、大きい場合は時計方向に旋
回させる。また、上記パターンの判断ステップでD,
E,F,GまたはHの何れかであると判断された場合
は、それぞれのパターンに対応した目標位置まで旋回さ
せる。
【0027】図12は、最初の切削方向パターンの判断
ステップにおいてBパターンであると判断された場合の
動作を示す。この動作も上記Aパターンの場合と略同様
に、β2まで旋回させたあと引き続きBパターンかどう
かを判断し、Bパターンであれば目標値β2との偏差Δ
βがなくなるように旋回させる。さらにBパターンかど
うかを判断し、Bパターンであれば偏差Δβを無くすス
テップに戻り、Bパターンでなければbで示す部分に進
み、Bパターンを除く他のパターン、すなわちA,C,
D,E,F,G,Hの何れのパターンに属するかを判断
する。ここで、AパターンまたはDパターンであると判
断されると、BパターンからAパターンまたはDパター
ンに旋回する角度が90°以下であるかどうかを判断
し、その結果に基づき、旋回角度の小さい方に旋回す
る。上記パターンの判断ステップでC,E,F,Gまた
はHの何れかであると判断された場合は、それぞれのパ
ターンに対応した目標位置まで旋回させる。
【0028】図12にはまた、最初の切削方向パターン
の判断ステップにおいてCパターンと判断された場合を
示し、さらに、図13に、最初の切削方向パターンの判
断ステップにおいてDパターン、Eパターン、Fパター
ン、Gパターンであると判断された場合の動作を示す。
これら各パターンの場合も、上記Aパターン、Bパター
ンの場合と略同様に動作し、それぞれの旋回制御ステッ
プc,d,e,f,g,hに進む。ただし、これらの旋
回制御ステップもAパターン、Bパターンの場合と略同
様であり、どの方向に旋回した方が旋回角度が小さいか
という判断部分が異なるだけであるから、説明は省略す
る。このようにして切削加工を進めていき、図14に示
すように、y=0,x=0になると切削加工は終了とな
る。
【0029】このように、ワイヤガイドローラを旋回さ
せるに当たり、ワーク切削方向を示す情報信号に基づ
き、ワイヤガイドローラを旋回角度が小さい向きに旋回
させるようにしたため、切削方向が変動した場合に、ワ
イヤガイドローラを所定の向きに迅速に旋回させること
ができ、ワイヤ式加工装置の信頼性を高めることができ
る。
【0030】以上説明した実施例では、各ワイヤガイド
部35,55がそれぞれ2個のワイヤガイドローラ35
aと35bおよび55aと55bで構成されていたが、
本発明のように、ワイヤガイドローラの支持軸がテーブ
ルの移動方向すなわちワークの移動方向に対して常に直
交するようにワイヤガイドローラを旋回させることを特
徴とするものにおいては、ワイヤガイド部を1個のガイ
ドローラで構成しても実用上何ら差し支えない。図1
5、図16はその例を示すもので、上記実施例における
一方のワイヤガイド部35から一方のワイヤガイドロー
ラを取外し、1個のワイヤガイドローラ35bのみでワ
イヤガイド部35を構成したものである。図示されてい
ないが、他方のワイヤガイド部も1個のワイヤガイドロ
ーラで構成されているものとする。
【0031】図15、図16に示す実施例のようにワイ
ヤガイド部を1個のワイヤガイドローラで構成した場合
も、図17に示すように切削方向パターンはA,B,
C,D,E,F,G,Hの各パターンがある。また、こ
の実施例の場合、前記実施例と異なり、上記ワイヤガイ
ド部は基準となる位置から±180°の範囲で旋回させ
ることになる。従って、あるパターンから別のパターン
に変動する場合に、より小さい角度でワイヤガイド部を
旋回させるためには、ある方向への旋回角度が180°
以下かどうかを判断し、180°以上であれば、逆向き
に旋回させることになる。
【0032】図18はこの場合の制御装置の制御動作を
示す。この動作も図11ないし図14に示す前記実施例
の動作と略同じであり、ワイヤガイド部をより小さい角
度で旋回させるための旋回方向の判断部において、ある
方向への旋回角度が180°以下かどうかを判断し、1
80°以下であればその方向に、180°以下でなけれ
ば逆向きに旋回させるようになっている点が異なるだけ
である。
【0033】上記実施例も、ワイヤガイド部35はその
ワイヤガイドローラ35bの支持軸40がX−Yテーブ
ルの移動方向に対して常に直交するように旋回させられ
るため、X−Yテーブルの移動方向を変えても、ワイヤ
ガイドローラ35bはワイヤ45がワークに接触するこ
とによって生じる圧力を確実に受け止めることができ、
従って、ワークを複雑な線に沿って切削加工することが
可能になる。また、ワイヤガイドローラ35bを旋回さ
せるに当たり、ワーク切削方向を示す情報信号に基づ
き、ワイヤガイドローラ35bを旋回角度が小さい向き
に旋回させるようにしたため、切削方向が変動した場合
に、ワイヤガイドローラ35bを所定の向きに迅速に旋
回させることができ、ワイヤ式加工装置の信頼性を高め
ることができる。
【0034】以上説明した実施例のワイヤはダイアモン
ドワイヤになっていたが、本発明は、ダイアモンドワイ
ヤに代わるその他の加工用ワイヤを用いた加工装置にも
適用可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ワークが
一定の圧力でワイヤに接触することによりワークを切削
することができるワイヤ式加工装置において、ワイヤガ
イドローラの支持軸がワークを載置するテーブルの移動
方向に対して常に直交するように旋回させられるため、
テーブルの移動方向を変えても、ワイヤガイドローラは
ワイヤがワークに接触することによって生じる圧力を確
実に受け止めることができ、従って、ワークを複雑な線
に沿って切削加工することが可能になる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、ワイヤガイ
ドローラを周面が互いに接触する複数のローラで構成
し、複数のローラが接触することによってローラの周溝
で形成される空間にワイヤを引き通したため、ワイヤガ
イドローラはワイヤがワークに接触することによって生
じる圧力をより確実に受け止めることができ、ワイヤ式
加工装置の信頼性を一層高めることができる。
【0037】請求項4記載の発明によれば、ワーク切削
方向を示す情報信号に基づき、制御装置がワイヤガイド
ローラを旋回角度が小さい向きに旋回させるようにした
ため、切削方向が変動した場合に、ワイヤガイドローラ
を所定の向きに迅速に旋回させることができ、ワイヤ式
加工装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるワイヤ式加工装置の実施例を示
す側面断面図。
【図2】同上実施例中の上側のスピンドル部分を拡大し
て示す側面断面図。
【図3】上記実施例中の下側のスピンドル部分を拡大し
て示す側面断面図。
【図4】上記下側のスピンドル部分とX−Yテーブルと
の関係を示す一部断面正面図。
【図5】同上平面図。
【図6】上記実施例中の上側のワイヤガイド部を拡大し
て示す側面図。
【図7】同上正面図。
【図8】同上平面断面図。
【図9】同上底面図。
【図10】上記実施例のワイヤガイドローラの各種旋回
位置パターンを示す比較図。
【図11】上記実施例におけるワイヤガイドローラの旋
回位置制御動作の一部を示すフローチャート。
【図12】図11の動作に続く制御動作を示すフローチ
ャート。
【図13】図12の動作に続く制御動作を示すフローチ
ャート。
【図14】図13の動作に続く制御動作を示すフローチ
ャート。
【図15】本発明にかかるワイヤ式加工装置の別の実施
例のワイヤガイド部を示す平面断面図。
【図16】同上側面図。
【図17】上記別の実施例のワイヤガイドローラの各種
旋回位置パターンを示す比較図。
【図18】上記別の実施例におけるワイヤガイドローラ
の旋回位置制御動作の一部を示すフローチャート。
【図19】従来考えられているワイヤ式加工装置の例を
概念的に示す側面図。
【符号の説明】
5 テーブル 17 ワーク 35a ワイヤガイドローラ 35b ワイヤガイドローラ 35c 周溝 35d 周溝 36 空間 39 支持軸 40 支持軸 45 ワイヤ 65 制御装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを載置するテーブルと、このテー
    ブルを挾んで配置されると共に支持軸により回転自在に
    支持されたワイヤガイドローラと、このワイヤガイドロ
    ーラ間に張設されかつ長さ方向に走行し、ワークが一定
    の圧力で接触することにより上記ワークを切削するワイ
    ヤとを有してなるワイヤ式加工装置であって、 上記テーブルは互いに直交する2方向に移動可能であ
    り、 上記ワイヤガイドローは、ワイヤを受け入れる周溝を有
    すると共にこの周溝に嵌まるワイヤを中心に旋回可能で
    あり、 上記ワイヤガイドローラの支持軸が上記テーブルの移動
    方向に対して常に直交するように、上記ワイヤガイドロ
    ーラを旋回させる制御装置を有してなるワイヤ式加工装
    置。
  2. 【請求項2】 ワイヤガイドローラは周面が互いに接触
    する複数のローラからなり、この複数のローラが接触す
    ることによりローラの周溝で形成される空間にワイヤが
    引きとおされてなる請求項1記載のワイヤ式加工装置。
  3. 【請求項3】 ワイヤガイドローラは1個のローラから
    なる請求項1記載のワイヤ式加工装置。
  4. 【請求項4】 制御装置は、ワーク切削方向を示す情報
    信号に基づき、ワイヤガイドローラを旋回角度が小さい
    向きに旋回させる請求項1記載のワイヤ式加工装置。
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