JP2676543B2 - 意識水準低下剤 - Google Patents

意識水準低下剤

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JP2676543B2 JP1002758A JP275889A JP2676543B2 JP 2676543 B2 JP2676543 B2 JP 2676543B2 JP 1002758 A JP1002758 A JP 1002758A JP 275889 A JP275889 A JP 275889A JP 2676543 B2 JP2676543 B2 JP 2676543B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ヒトまたは動物の意識水準を低下させるブ
チルフタライド、ヘプチルフタライド、プロポキシフタ
ライド、イソアミルフタライドなどのフタライド誘導体
を吸入させることによりヒトまたは動物の意識水準を低
下させる組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、香料などの芳香物質を吸入させることによ
り心身のコントロールを行う、いわゆるアロマテラピー
(芳香療法)という治療方法が知られている。このアロ
マテラピーの中で用いられてきた香料は古来からの伝承
をもとにした天然精油が中心である。
その効果は、主観的かつ定性的なもので、有効性の点
で必ずしも満足し得ないものである。また精油は、強い
香りを持つものが多く、調香により調合香料を作成する
場合に全体の香りに影響を与えてしまうことから、香り
の強度及び嗜好性と効果発現の有効量とのバランスが必
ずしも満足しえないものであった。
また一方、あまりにも芳香が強いものは、いくら芳香
とはいっても嫌悪される場合もあるし、芳らしい香りで
あっても長時間これを嗅ぎ続けると不快になる場合もあ
る。
しかしながら、芳香療法は、その名のとおり、それに
用いられる精油類は、芳香がなければ芳香療法には使用
できないとするのが技術上の通念であり、したがって、
芳香のない物質、無臭物質を芳香療法に使用すること
は、当業界の技術レベルでは到底考えられないことであ
った。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者は、上記事情に鑑み、発想の完全な転換を行
って香りの強度が低いにもかかわらず真に意識水準を低
下させる効果に優れた物質を得るという新規な技術課題
を設定した。
つまり、本発明においては、発明のそもそもの出発点
である解決すべき技術課題自体が全く知られておらず、
新規なのである。
そこで、この新しい技術課題を解決するために各方面
より広範且つ鋭意研究を重ねた結果、全く意外なこと
に、 であるブチルフタライドや類縁体のイソアミルフタリ
ド、プロポキシフタリドなどは若干特有の臭いを有する
が意識水準を低下させ、また、ヘプチルフタライドなど
ではほとんど無臭であるにもかかわらず吸入により強く
意識水準を低下させる効果を有するという全く新規な事
実を見出し、この知見にもとづいて本発明を完成するに
至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は一般式I (一般式中、R1は水素原子、水酸基、メトキシ基、アミ
ノ基またはジメチルアミノ基を示し、R2は水素原子また
はメトキシ基を示し、R3は水素原子またはメトキシ基を
示し、R4は水素原子、アミノ基またはジメチルアミノ基
を示し、R5は水素、アルキル基またはアルコキシル基を
示す。) で表わされるフタライド誘導体の1種又は2種以上を有
効成分とするヒトまたは動物の意識水準低下剤を提供す
るものである。
ここで言う意識水準を低下させる効果とは、人または
動物が日常生活で経験する苛立ち、興奮などの意識水準
の高揚による生理的心理状態から開放し、気分を落ちつ
かせるとともに精神活動を鎮静化させる効果を指すもの
である。
本発明の意識水準低下剤は様々な組成物の形で用いう
る。
組成物とは、フタライド誘導体が有効量吸入され、嗅
覚受容体を刺激もしくは経気道的に体内に吸収されるこ
とにより効果が発現するものを指し、香水、コロン、室
内芳香剤などのフレグランス製品の他、石鹸、歯磨など
の化粧料、医薬品なども包括するものである。
以下本発明について詳しく説明する。
本発明におけるフタライド誘導体のあるものは、セリ
科植物の根茎あるいは根から抽出することもできるが、
例えば無水フタル酸にジアルキルカドミウム等を反応さ
せる既知の方法によって合成することもできる。
これらのフタライド誘導体は1種又は2種以上混合し
て用いるほか、フタライド誘導体と混合可能な様々な媒
体(例えば有機溶剤、油分、調合香料、賦香製品)との
混合組成物として用いられる。
媒体に調合香料を用いる場合は、調合香料全体の香り
は個々の成分の香りが寄与することとなるが、前述の通
りこれらのフタライド誘導体のあるものはほとんど無臭
であるから調合香料全体の芳香にはほとんど影響を与え
ない。
この点からフタライド誘導体の使用量はかなり自由度
が高くフタライド誘導体を重量比で1%以上調合香料に
配合しても香料全体の香りを変えることなく意識低下効
果を発現させることができる。
さらに意識低下効果を顕著に発現させるという観点か
ら見た場合、フタライド誘導体を重量比で5%から50%
の範囲に調合香料中に配合することができる。
また、媒体としてエチルアルコールを使用して、オー
デコロンとして用いることもできる。この場合もフタラ
イド誘導体を単独で、または上に記載した調合香料と組
合せて配合することができる。
また、その他の媒体を選択してフタライド誘導体を単
独でまたは調合香料と組合せて製品中に配合することに
より、フレグランス、室内芳香剤、クリーム、乳液、化
粧パウダー、ボディローション、デオドラントスティッ
ク、歯磨、頭髪製品、エアゾール製品などに使用するこ
とができる。この場合の配合量は、フタライド誘導体の
量として0.3重量%から50重量%の範囲で使用される。
さらにまた、フタライド誘導体を有効成分とする吸入
医薬品としても用いることが出来る。
次に各フタライド誘導体の意識低下効果実験とその結
果について記載する。
〔薬理効果〕
1. マウスに対する麻酔薬作用時間延長効果 (1)実験方法 ddY系雄性マウス(4〜5週令、体重26〜31g)に、下
記の被験物質を含む空気流(0.5〜1mg/3の被験物質を
含む空気を毎分3供給)を吸入させた群と、被験物質
を吸入させない群のペントバルビタール睡眠時間(50mg
/kg腹注)の差を比較した。
(2)被験物質 物質A:ブチルフタライド 物質B:ヘプチルフタライド 物質C:イソアミルフタライド 物質D:プロポキシフタライド 実験結果を表1に示す。
(3)上記結果からも明らかなように、フタライド誘導
体が顕著な麻酔薬作用時間延長効果を奏することがわか
る。
〔投与方法、投与量〕
本発明は吸入による投与を特徴とするものであり、経
口投与、皮下注射、筋肉注射などによる鎮静剤とは異な
り、健常人に対して与えた場合に鎮静剤よりも緩和な意
識低下効果を期待するものであるから、上に述べたフタ
ライド誘導体をアルコールあるいは香料などを含む組成
物の一部として、または賦香製品に用いられた香料の組
成物の一部として与えることが望ましい。
本発明の意識を低下させる吸入剤の効果は年齢、個人
差、性別、心身状態などに影響されるので、場合によっ
ては下記範囲外量を投与する場合も生ずるが、一般に健
常人を対象とする場合、フタライド誘導体を0.1%から
5%含む賦香製品から揮散する香気を一定時間あるいは
継続的に吸入投与することが好ましい。
また、本発明の有効成分であるフタライド誘導体は、
急性毒性についてもラットに対するLD50値(腹腔内投
与)は1g/kgであり、安全性が確認された。
したがって、本発明に係る意識水準低下剤を石けん、
外用剤、化粧品といった剤型で使用するのはとりわけ安
全である。
〔実施例〕
つぎに実施例をあげて、本発明をさらに具体的に明ら
かにする。本発明はこれにより限定されるものではな
い。配合量は重量%である。
実施例1 オーデコロン及び香水 ヘプチルフタライドを柑橘系調合香料に30%添加した
後、95%のエチルアルコールで3%に希釈してオーデコ
ロンを作成した。
さらに、同様の方法を用いて5%、10%、20%になる
ように希釈して香料を得た。
また、ヘプチルフタライドを柑橘系調合香料に30%添
加した同じ調合香料を95%エチルアルコールに20%にな
るように希釈して香水を得た。
これらのオーデコロンは香気吸入により人間または動
物の意識水準を低下させる効果を持つものであった。
実施例2 室内用エアスプレー 以下の処方によりなる室内用エアスプレーを作成し
た。
(重量%) イソアミルフタライド 0.07 柑橘系調合香料 4.30 95%エチルアルコール 56.00 ツイン80 3.00 プロペラント 36.00 100.00 実施例3 石けん (重量%) (1)石けん素地 95.0 (2)ブチルフタライド 1.0 (3)調合香料 4.0 (4)色 素 適量 100 製 法 (2)、(3)および(4)を(1)の石鹸素地に添
加後、機械練り、あるいは枠練りして石けんを製造し
た。
実施例4 バスパウダー (重量%) (1)タルク 80 (2)プロポキシフタライド 1 (3)調合香料 3 (4)流動パラフィン 16 100 製 法 (1)から(4)を混合攪拌してバスパウダーを得
た。
実施例5 浴剤 (重量%) (1)乾燥硫酸ナトリウム 45 (2)炭酸水素ナトリウム 50 (3)ブチルフタライド及びプロポキシフタライド (等量混合物) 2 (4)香 料 3 (5)色 素 適量 100 製 法 (1)〜(5)を順次加え、混合、攪拌してバスソル
トタイプの浴剤を得た。
〔発明の効果〕
本発明に係る意識水準低下剤は、意識低下効果がすぐ
れているのみでなく持続性があり、且つ安全性が高いと
いう著効を有する。
したがって本剤を専用パイプ等で直接吸入するといっ
た治療用に有利に使用できるだけでなく、予防ないし保
健用として日常的に使用することもできる。例えば、室
内芳香剤、浴剤として比較的長い時間使用することによ
り、仕事や勉強の後のストレス回復、精神的ないし肉体
的疲労の回復等が可能となるので、特に忙しい現代人に
とってリフレッシュするのに非常に有効な薬剤である。
とりわけ、本剤は無臭性ないし微香性でありしかも安全
性もすぐれているので、日常的にくり直し使用するのに
特に適している。
すなわち、本発明は、はっきりと症状に表われて早急
に治療を要する場合はもとより、そこまではいかないけ
れども苛立ったり気分が落着かない中途半端なモヤモヤ
とした精神状態を回復するのに有効であり、したがっ
て、各種ストレスに囲まれており1日中気が休まる暇の
ない現代人がまさに待望していた薬剤ということができ
る。
また本発明に係る意識水準低下剤は、ヒト以外の動物
に対してもきわめて効果があり、吸入により投与するこ
とができるので投与がきわめて容易であるので、実験動
物や使役動物に対して実験や使役の前に投与して、スム
ースに実験や使役を実施することができる。また、近年
ではペットにおいても、ヒトと同じようにストレスがた
まって苛立ったりヒトに危害を加えたりする場合が増加
しいるが、ペットに対して使用し、これらの症状を抑制
したり軽減したりすることも可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (一般式中、R1は水素原子、水酸基、メトキシ基、アミ
    ノ基またはジメチルアミノ基を示し、R2は水素原子また
    はメトキシ基を示し、R3は水素原子またはメトキシ基を
    示し、R4は水素原子、アミノ基またはジメチルアミノ基
    を示し、R5は水素、アルキル基またはアルコキシル基を
    示す。) で表わされるフタライド誘導体の1種又は2種以上を有
    効成分とするヒトまたは動物の意識水準低下剤。
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