JP2675177B2 - 基準マークを備えた増分式位置測定装置 - Google Patents

基準マークを備えた増分式位置測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、増分測定目盛および互いに離して配置さ
れている一連の異なった基準マークを有する目盛板と、
前記測定目盛および前記基準マークを走査して、それぞ
れ位置に依存する計数パルスと基準マークパルスを発生
する走査・評価装置とを備え、前記基準マークの一部に
その基準マークを選択するための選択マークが付属する
増分式位置測定装置に関する。
〔従来の技術〕
これに関する多数の文献の一例としてドイツ特許第30
39 488−C2号明細書がある。この明細書には、個々の
基準マークに符号化されたマークが付属している位置測
定装置が記載されている。それに対応する符号を評価ユ
ニットに入力して、符号化されたマークにより任意の基
準マークの各々を選択でき、動作させることができる。
基準点に関連する基準マークの絶対位置をこの符号によ
って求めることができる。
選択されている基準マークの絶対位置を求める必要が
なければ、個々の基準マークを光開閉素子や磁気開閉素
子でも選択できる。この技術はドイツ特許第25 40 412
−C3号明細書に開示されている。
他の位置測定装置はドイツ特許第24 16 212−C3号明
細書に開示されている。この明細書では基準マークが間
隔で符号化されている。評価ユニット中では、二つの基
準マークの間隔を増分式に求めて、一つの基準点に関す
るその絶対位置を求めることができる。
更に、もっと多くの実施例も他の特許文献により周知
である。
基準マークの選択可能性の多様性により、位置測定装
置の購買者(一般には工作機械の製造メーカー)が個々
に選択することができる。
しかし、メーカーにとって、タイプの多様性は製造コ
ストや在庫管理コストをかなり高くすると言う難点があ
る。
〔発明の課題〕
それ故、この発明の課題は位置測定装置のコストが集
中する基準マークを選択する構成ユニットを規格化し
て、このコストを低減するが、顧客に対して多様なタイ
プの位置測定装置を供給することにある。
〔課題を解決する手段〕
それ自体矛盾する上記の課題は、この発明により、増
分測定目盛および互いに離して配置されている一連の異
なった基準マークを有する目盛板1と、前記測定目盛2
および前記基準マークを走査して、それぞれ位置に依存
する計数パルスと基準マークパルスを発生する走査・評
価装置とを備え、前記基準マークの一部にその基準マー
クを選択するための選択マークが付属する増分式位置測
定装置にあって、 次の二つの動作モードa)とb) a)各基準マークRiを走査する場合、基準マークパルス
を発生し、評価装置中で増分測定目盛の増分を一つの基
準マークから次の基準マークまで計数することにより基
準マークRiの絶対位置を決定して全ての基準マークRiを
評価する、および、 b)基準マークRi,Ri+4,Ri+8と選択マークMi−1,Mi,
Mi+1の走査信号を互いに組み合わせて、マークされた
基準マークRi+Ri+4,Ri+8のみ:あるいはマークされ
ていない基準マークのみを評価する、 の一方を選択できる動作モード切換開閉器B,2B,3Bを備
えていることによって解決されている。
この発明による他の有利な構成は、特許請求の範囲の
従属請求項に記載されている。
〔実施例〕
以下、実施例を示す図面に基づき、この発明をより詳
しく説明する。
第1A〜1G図には増分式位置測定装置Pが示してある。
これ等の部分図面は装置の詳細と信号波形を示す。第1A
図は多数の情報トラックを有する目盛板1を示す。これ
等のトラックの一つには線条格子の形の増分目盛2が付
けてある。第二トラック3には、一定のパターンに配置
されている一連の符号化された基準マークRi(i=2.3,
・・・n)がある。切換トラック4として示す他のトラ
ックには、基準マークRiのパターンとは別なパターンに
配置されている選択マークMi(i=1,2,3,・・・n)が
付けてある。実際に近い実施例では、線条格子として形
成されている測定目盛2は20μmの目盛間隔を有し、こ
の線条格子は幅の等しい非透光性の線条と透光性の隙間
で形成されている。測定目盛2に対して平行に延びるト
ラック3中の基準マークRiの間隔は一定ではなくて、む
しろ異なるように定めてある。従って、一つの基準マー
クRiから次の基準マークRi+1へ測定ステップ(増分)
を計数して、その絶対位置を測定できる。これに反し
て、隣合った二つの基準マークの間隔を加え合わせると
必ず20mmの一定間隔となる。これは、本体10mm毎に一個
の基準マークRiがトラック3上に存在することを意味す
る。平行に延びる切換トラック4は、このトラックの選
択マークMiが基準マークRiより大きい間隔を有するが、
目盛板の作製時に、格子目盛2と基準マークRiと共にこ
の目盛板に取り付けてある。
第1B図には位置測定装置Pの断面が模式的に示してあ
る。目盛板1はケース5の内部に保護されて配設されて
いる。この図で確認できない第1A図の情報トラックは走
査装置6により光電的に走査される。この走査方式は従
来の技術に属するので詳しくは説明しない。走査装置6
は、特に光電素子7を有し、この素子の出力電圧が光電
走査に使用するランプ8の照明強度に依存する。上記出
力電圧は基準マークの走査に対するトリガしきい値を表
すので、この電圧をプッシュプル電圧と称し、それに応
じて光電素子7を基準マークのプッシュプル光電素子7
と称する。
もう一つの光電素子は、基準マーク光電素子9と称さ
れるが、トラック3の基準マークRiを走査するために使
用される。更に、光電スイッチング素子S1とS2も使用さ
れ、これ付いては信号波形を説明するとき更に詳しく説
明する。
第1D図は逆並列に接続された光電素子7と9,つまり基
準マーク用の光電素子9と基準マーク用のプッシュプル
光電素子7を示す。両方ともランプ8で照明され、走査
装置6と目盛板1が相対運動すると、第1E図に示すよう
な信号波形が生じる。この場合、水平な直線7′は光電
素子7から出力されたトリガしきい値電圧のレベルを示
す。基準マーク用の光電素子9は基準マークRiを走査し
て大体10mm毎に一個のパルスを出力する。この基準マー
クの位置は上に説明した計数によって絶対的に定まる。
このことは線分9′で示してある。この動作モードで
は、全ての基準マークRiが評価される。
第1F図と第1G図には、他の動作モードの光電素子回路
と信号波形が示してある。第1D図の光電素子7と9に対
して、光電スイッチング素子S1とS2である他の光電素子
が接続されている。
動作モードの切換は、開閉器を用いて走査ユニット中
で行われるが、光電素子をハンダ接続部を切り換える
か、あるいは外部切換指令によっても行える。動作モー
ド切換開閉器の構成に無関係に、この発明により種々の
タイプの基準マーク評価の間の切換も行える。
付加的な光電スイッチング素子S1とS2によりトリガー
レベルが高くなる。付加的なランプ10が光電素子S1を照
らすので、トリガーレベルが上昇する(水平な破線)。
しかし、光電スイッチング素子S1の照明は、他の部品構
成の場合、ランプ8でも行うことができ、このランプ
は、ここでも、光電スイッチング素子S2も照らす。これ
はトリガーレベルをもっと高くする(水平な一点鎖
線)。しかし、基準マークRiの評価に必要なトリガしき
い値電圧のレベルは、前のように基準マークのプッシュ
プル光電素子7の電圧により得られる(水平な実線)。
上記レベル以上の基準マークパルスは評価されない。
これを一般的に達成するため、位置測定装置Pのケース
5(第1B図)の中に移動可能な絞り11がある。この種の
絞り11は冒頭に述べた従来の技術によりそれ自体周知で
ある。
選択された動作モードは、以下の処置により一連の全
基準マークRiから若干の基準マークRkを選択することを
可能にする。
各基準マークRiのところで基準パルスが発生するが、
動作はしない。何故なら、照らされた光電素子7,S1とS2
によりトリガーレベルが余りにも高くなっているからで
ある。
基準マークRiに対して平行に、切換トラック4の中で
は若干の基準マークRi,Ri+4,Ri+8等のところに選択
マークMi−1,Mi,Mi+1が付けてある。このような選択
マークMiを走査すると、トリガーレベルが低下する。何
故なら、付属する光電スイッチング素子S1が遮光される
からである。その時でも、基準パルスは未だ動作しな
い。何故なら、トリガーしきい値に未だ到達していない
からである。
絞り11はこれ等の選択マークMiの一つに付属されてい
ると(あるいは多数の絞りが多数のマークに付属されて
いると),走査で付属する光電スイッチング素子S2も遮
光され、トリガーレベルが低下して、基準パルスRi+8
がトリガーレベル以上になり、動作する。
この動作モードは、余計でない場合一見して仰々し
い。何故なら、当業者は個々の基準マークRiに実証済み
の方法で同じ絞り11または類似なものを付属させること
ができるからである。
しかし、これ等の可能性は周知の手段を用いる問題提
起により実現できない。何故なら、一方で標準構成にあ
って間隔により符号化された基準マークが、また他方で
簡単な手段を用いる自由な基準マークの選択が必要とな
るからである。
絞りあるいは磁石開閉器は、それ等の構造により、基
準マークRkが説明した方法で間隔により符号化されてい
る場合、これ等の基準マークに個々の絞りを選択的に付
属させることができない切換特性を有する。従って、目
盛板1を作製する時、基準マークRiに選択マークMiが付
属させあり、後でこれ等の選択マークのところで絞り等
により選択できる。それ故、選択マークMiは基準マーク
Riより長い間隔を有する。このように、間隔により符号
化された基準マークRiまたは他のパターンの基準マー
ク、例えばRi+4を評価できる目盛板1が提供される。
更に、選択マークMiのパターンに相当するパターンを有
する基準マークRi+4からもう一度選択できる。つま
り、利用者は基準マークを選択できる少なくとも三つの
可能性を有するが、メーカーはただ一つのタイプの目盛
板1を製造するだけでよい。
第2図には他の実施態様の位置測定装置2Pが示してあ
る。説明を簡略にするため、この発明に対する基本的な
説明を繰り返さない。類似により第1図の説明を参照さ
れたい。同じ構成要素には、第1図に示した参照符号を
付け、その前に図の参照数字「2」または「3」を付け
る。
目盛板21には他の切換トラック24aがある。走査時に
付属する光電スイッチング素子2S1を遮光する選択マー
ク2Miを一定のパターンで有する切換トラック24とは異
なり、切換トラック24aは付属する光電スイッチング電
子2S1aを何時も遮光するが、選択マーク2Miの前記パタ
ーンでのみ光電スイッチング素子2S1aが照明される。こ
の切換トラック24aは言わば切換トラック24を補う相補
体である。動作モードの切換に応じて、これは第2D図と
第2F図に示すような信号波形となる。
この実施態様でも、予め選択された個々の基準マーク
2Riに一つの絞り等を付属させることができる可能性が
あることが分かる。更に、当然ここでも全ての基準マー
ク2Riを評価する動作モードを選択できる可能性もあ
る。
第3図には、ただ一つの切換トラック34を用いた第2
図の実施例に似た相補体の形成が行われている位置測定
装置3Pが示してある。これには、選択マーク3Miが反射
性で、中間スペースが透光性となるように、上記切換ト
ラック34が構成されている。
信号を得るには、切換トラック34の透光性の領域に対
する光電スイッチング素子3S1がランプ38に対向する目
盛板31の側に装着されている。これに反して、反射性の
選択マーク3Miには光電スイッチング素子3S2が付属ラン
プ38と同じ目盛板31の側にある。発光ダイオード310の
形の独立した照明も使用できる。
動作モードの切換に応じて、第3E図または第3G図の信
号波形が生じる。
この実施例でも、もちろん既に説明した他の動作モー
ドを選択でき、主として基準マークを評価しない動作モ
ードも選択できることは、どの実施例に対しても当ては
まる。
既に説明したように、動作モードの切換開閉器はどの
ようにも形成できるので、ただ模式的に切換開閉器Bま
たは2Bや3Bとして示してあり、その電気結線は構造様式
に依存する。
符号化された基準マークにより前記実施例の増分式位
置測定装置から準絶対的な位置測定装置となるるので、
この発明は増分式位置測定装置に限定されるものではな
い。
〔発明の効果〕
この発明による特に著しい利点は、測定目盛板が異な
った基準マーク評価方式に対する全ての情報を既に有し
ていること、および動作モードを切り換えて何時でも評
価方式を決定できることにある。このことは、規格統一
された目盛板を作製して組み込むことができ、後の時点
で全ての(符号化された)基準マークを選択するか、あ
るいはただ個々のマークのみを評価するかを選択できる
ことを意味する。
【図面の簡単な説明】
第1A図、目盛板の模式平面図、 第1B図、増分式位置測定装置の横断面図、 第1C図、第1B図の位置測定装置の平面図、 第1D図、逆並列に接続された光電素子の結線図、 第1E図、第1D図の光電素子で走査した信号波形図、 第1F図、多数の光電素子を用いた結線図、 第1G図、第1F図の光電素子で走査した信号波形図、 第2A図、他の目盛板の模式平面図、 第2B図、他の位置測定装置の横断面図、 第2C図、光電素子回路図、 第2D図、第2C図の光電素子で走査した信号波形図、 第2E図、他の光電素子回路図、 第2F図、第2E図の光電素子で走査した信号波形図、 第3A図、他の目盛板の模式平面図、 第3B図、他の位置測定装置の横断面図、 第3C図、第3B図の位置測定装置の平面図、 第3D図、光電素子回路図、 第3E図、第3D図の光電素子で走査した信号波形図、 第3F図、他の光電素子回路図、 第3G図、第3F図の光電素子で走査した信号波形図。 図中参照符号: P,2P,3P……位置測定装置 1,21,31……目盛板 2,22,32……測定目盛 3,23,33……基準マークトラック 4,24,34……切換トラック 24a……相補的な切換トラック Ri,2Ri,3Ri……基準マーク Mi,2Mi,3Mi……選択マーク 2Ma……相補体の選択マーク 5,25,35……ケース 6,26,36……走査装置 7,27,37……基準マーク用のプッシュプル光電素子 8,28,38……ランプ 9,29,39……基準マーク用の光電素子 10,310……補助照明 S1,2S1,2S1a,3S1……光電スイッチング素子 S2,2S2,3S2……光電スイッチング素子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】増分測定目盛(2)および互いに離して配
    置されている一連の異なった基準マークを有する目盛板
    (1)と、前記測定目盛(2)および前記基準マークを
    走査して、それぞれ位置に依存する計数パルスと基準マ
    ークパルスを発生する走査・評価装置とを備え、前記基
    準マークの一部にその基準マークを選択するための選択
    マークが付属する増分式位置測定装置において、 次の二つの動作モードa)とb) a)各基準マーク(Ri)を走査する場合、基準マークパ
    ルスを発生し、評価装置中で増分測定目盛の増分を一つ
    の基準マークから次の基準マークまで計数することによ
    り基準マーク(Ri)の絶対位置を決定して全ての基準マ
    ーク(Ri)を評価する、および、 b)基準マーク(Ri,Ri+4,Ri+8)と選択マーク(Mi
    −1,Mi,Mi+1)の走査信号を互いに組み合わせて、マ
    ークされた基準マーク(Ri,Ri+4,Ri+8)のみ、ある
    いはマークされていない基準マークのみを評価する、 の一方を選択できる動作モード切換開閉器(B,2B,3B)
    を備えていることを特徴とする増分式位置測定装置。
  2. 【請求項2】動作モードb)では、選択マーク(Mi,2M
    i,2Mia,3Mi)の少なくとも一つに光電スイッチング素子
    が付属し、この光電スイッチング素子の信号は基準マー
    クおよび選択マークの走査信号と組み合わさり、選択マ
    ークと光電スイッチング素子が付属する基準マーク信号
    のみが動作することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の増分式位置測定装置。
  3. 【請求項3】選択マーク(Mi,2Mi,2Mia,3Mi)は測定目
    盛(2,22,32)に対して平行な切換トラック(4,24,24a,
    34)上に配設されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の増分式位置測定装置。
  4. 【請求項4】切換トラック(2,24,24a)は選択マーク
    (Mi,2Mi,24a)の形の透光性の領域(2Mia)と非透光性
    の領域で構成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第3項に記載の増分式位置測定装置。
  5. 【請求項5】切換トラック(34)は透光性と反射性の領
    域(3Mi)で構成されていることを特徴とする特許請求
    の範囲第3項に記載の増分式位置測定装置。
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