JP2674713B2 - 新規なポリアリ―レンスルフィド樹脂の調製方法 - Google Patents

新規なポリアリ―レンスルフィド樹脂の調製方法

Info

Publication number
JP2674713B2
JP2674713B2 JP1323690A JP32369089A JP2674713B2 JP 2674713 B2 JP2674713 B2 JP 2674713B2 JP 1323690 A JP1323690 A JP 1323690A JP 32369089 A JP32369089 A JP 32369089A JP 2674713 B2 JP2674713 B2 JP 2674713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfide
alkali metal
present
resin
arylene sulfide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1323690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02258837A (ja
Inventor
ケネス・チャールズ・フーバー
アール・クラーク・ジュニアー
ロイ・ユージーン・レガー
レイシー・ユージーン・スコギンス
アフィフ・マイケル・ネシェイワット
Original Assignee
フィリップス・ペトロリウム・カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フィリップス・ペトロリウム・カンパニー filed Critical フィリップス・ペトロリウム・カンパニー
Publication of JPH02258837A publication Critical patent/JPH02258837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2674713B2 publication Critical patent/JP2674713B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0259Preparatory processes metal hydrogensulfides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少なくとも一つの分子量増加剤を用いて調製
された高分子量のアリーレンスルフィドポリマーに関す
る。
密度の上から粘稠な液体から結晶質の固体に及ぶ範囲
のアリーレンスルフィド樹脂は当該技術に周知である。
そのようなポリマーは好ましい性質を示すけれども、未
改質で未硬化の、そして線状分子に対して適度に枝分か
れした分子構造の(即ち、バージンのポリマーである)
アリーレンスルフィド樹脂には比較的高い溶融流量値
(例えば、ASTM D1238、手順Bに規定された方法に従っ
て測定されるように10分間に亙る時間内に押出機のオリ
フィスから集められたポリマーの押し出し物の重量が4,
000グラム以上であるような)が付き物であるのが普通
であった。これらのバージン樹脂の比較的高い溶融流量
値は多くの商業的応用を阻害する。
それ自体高い溶融流量値と関連するアリーレンスルフ
ィド樹脂を使用することによって妨げられるような商業
的プロセスの一つの例は、その樹脂を使ってポリマーの
複合材料を作る場合である。ポリマーの複合材料は、溶
融相の状態にある間にそのガリーレンスルフィド樹脂に
各種の強化材(例えば、繊維強化材ような物質)および
/または充填材を組み合わせることによって作られる。
調製が終わると、そのポリマー複合材料は次に更に別の
加工のために送られて、そこで最終の、または中間の成
型品に加工される場合が多い。この後者の加工段階では
ポリマーの複合材料をその調製に用いられるアリーレン
スルフィド樹脂の融点以上の高温にまで加熱することが
必要となることが多い。
バージンのアリーレンスルフィドポリマーの相対的に
高い溶融流れ値(即ち、溶融年度が低い)は屡普通の慣
例的なやり方によってこれらの樹脂を取り扱うのを困難
にする。例えば、これら樹脂の各自の融点以上の高い加
工温度に曝される時には、バージンのアリーレンスルフ
ィドポリマーを標準の技法および/または装置を用いて
加工することが極めて難しくなる。しかしながら、アリ
ーレンスルフィドポリマーは、それらを極めて有用なも
のとする多くの望ましい性質を保有している以上それら
の望ましい性質のいかなるものも実質的に落とすこと無
しにそれらのポリマーの加工性を改善するのは有益であ
らう。
バージンのアリーレンスルフィド樹脂の加工性を改善
する一つの技法はバージンの樹脂を酸化的に硬化するこ
とである。酸化的な樹脂硬化のプロセスは典型的には樹
脂の融点以下の高められた温度に加熱しながら粒状のバ
ージン樹脂を酸化性雰囲気に曝すことからなるので、こ
のプロセスは屡“固体状態(solid−state)の”硬化と
呼ばれる。
バージンのアリーレンスルフィド樹脂を固体状態で硬
化すると確かに樹脂の溶融流れの値は減少する(即ち、
溶融粘度が増加する)けれども、この方法は樹脂の機械
的および/または物理的性質のある部分に有害な影響を
与える。具体的に言えば、固体状態の硬化方法の有害な
影響のあるものを挙げれば、樹脂の自然色の大幅な暗色
化および/または樹脂の使用によって作られた材料の衝
撃強度の低下である。
従って、ある幾つかの商業的な応用例では固体状態の
硬化方法に依らずバージンのアリーレンスルフィド樹脂
の溶融流れ値を減少する(即ち、粘度を増加する)よう
な方法を見付けることが望ましいであらう。従って、こ
の発明の一つの目的は固体状態の硬化方法を用いること
なく、それ自体低い溶融流量を連想させるようなアリー
レンスルフィド樹脂の調製方法を提供することである。
アリーレンスルフィド樹脂の加工性を改善する別の技
法が米国特許第4,116,9947号明細書に明らかにされてい
る。これを以下特許′947と呼ぶことにする。具体的に
は特許′947は、とりわけ重合のプロセス中に分子当た
りハロゲン置換基を二つ以上有するポリハロ芳香族化合
物を使うことによってアリーレンスルフィド樹脂の加工
性を改善する方法を開示している。この方法を用いると
枝分かれした分子構造の高分子量のアリーレンスルフィ
ド樹脂が得られる。特許′947によれば、重合中に存在
するジハロ芳香族化合物の各1グラム−モル当たり重合
中に存在するポリハロ芳香族化合物のグラム−モル数は
約0.00002から約0.014グラム−モル、好ましくは約0.00
1から約0.012グラム−モルである。特許′947に開示さ
れた方法によって改質されたアリーレンスルフィド樹脂
は未改質のものよりも有意的に高い分子量と有意的に低
い溶融流量値を持っている。
特許′947に開示された発明性のあるこの方法によっ
て作られたポリマーは、それ自体多くの商業的に望まし
い物理的および機械的性質と結び付いているけれども、
より枝分かれの度合の少ない分子鎖を含む、それ自体も
ともと低い溶融流量値と関連する高分子量のアリーレン
スルフィド樹脂を製造することが屡望ましい。しかしな
がら、もしもこれが単により少量のポリハロ芳香族化合
物を使用することによって達成されるならば、やはり加
工性における改善の幾つかを断念する結果とならう。従
って、この発明の別の目的は、それ自体加工性における
望ましい改善と関連(即ち、低い溶融流量値)する一方
で更に分岐度の少ない分子鎖を含むような高分子量のア
リーレンスルフィド樹脂を提供することである。
アリーレンスルフィド樹脂の加工性を改善する更に別
の技法が米国特許第3,919,177号明細書(以下特許′177
と称する)に開示されている。具体的には、特許′177
は数ある中でもとりわけ重合のプロセス中にアルカリ金
属のカルボン酸塩を用いることによってアリーレンスル
フィド樹脂の加工性を改ぜする方法を開示してしる。特
許′177に従えば、重合中に存在するジハロ芳香族化合
物の各1グラム−モル当たり、重合中に存在するアルカ
リ金属カルボン酸塩のグラム−モル数は約0.05から約4
グラム−モル、好ましくは約0.1から約2グラム−モル
である。
特許′177に開示された方法によって作られたアリー
レンスルフィド樹脂は未硬化の型で、該特許の方法のア
ルカリ金属カルボン酸塩を使用せずに作られた未硬化の
対応物よりも有意的に高い分子量と有意的に低い溶融流
れ値を持っている。
特許′177に開示された工夫に富んだ方法によって作
られたポリマーは本質的に商業上好ましい物理的並びに
機械的性質を持つとは言え、その中の方法によって作ら
れる物よりも優れた性質を有するポリマーが得られるな
らば尚一層好ましいであらう。従って、本発明の更に別
の目的は、特許′177に開示された方法に従って作られ
る樹脂のよれよりも優れた性質を有する、少なくともア
ルカリ金属カルボン酸塩の添加によって調製される高分
子量のアリーレンスルフィド樹脂を提供することであ
る。
特許′177に開示された方法に従って作られたポリマ
ーは個々の重合反応混合物からこれらの樹脂を回収する
ために用いられる方法いかんによって多くの商業的に望
ましい性質を持つとは言え、工程上の処理性の問題が起
こる可能性がある。具体的には、反応容器からアリーレ
ンスルフィド樹脂、未反応のモノマー、有機アミド、水
および種々の固体と液体の副産物からなる重合反応混合
物の流出液を噴出弁を通して移送し、それによって反応
混合物の流出液の上に加えられていた圧力を急速に低下
してその結果残りの大部分の液体成分から固定化した樹
脂を分離する方法(即ち、屡“噴出”法と呼ばれるも
の)によってこれらのポリマーを回収する時に、回収し
た樹脂は比較的低い嵩密度(即ち、一般に約15ポンド/
立方フィート以下)を有する一般に羽毛状の粒子の形を
している。この羽毛状の樹脂材料は濾過が遅く、それ故
ポリマー濾過、洗浄、加工処理性を妨げる。
それ自体嵩密度の低いことに関連してアリーレンスル
フィド樹脂の濾過、洗浄、処理加工は極めて困難であ
る。例えば、嵩密度の低い樹脂を押出機に供給する時に
極端に困難するのは屡経験するところである。オーガー
(ハンドル付き螺旋錐)式フィードホッパーを備えた押
出機に強制フィードする、または加熱した二本ロール機
を用いて粉末状の樹脂を圧縮するなどの努力もこれらの
困難を克服しない。更には、低嵩密度のアリーレンスル
フィド樹脂の細かい粒子サイズが樹脂の流動特性を測定
する時に不規則な誤差の要因となる。
上記に鑑みて、重合中に少なくともアルカリ金属カル
ボン酸塩を添加することによって調製された高分子量の
アリーレンスルフィド樹脂の嵩密度を増加する方法は、
これら樹脂の濾過性、洗浄性および加工処理性に大きな
改善をもたらすであらう。従って、本発明の更に別の目
的は嵩密度を増加した高分子量のアリーレンスルフィド
樹脂を提供することである。
本発明のその他の面、概念および目的は以下の詳細な
発明の記述と付属の特許請求の範囲から自ずと明らかに
なるであろう。
発明の陳述 本発明は、少なくとも一種分子量増加剤の添加によっ
て調製され、それ自体高められた嵩密度と減少された溶
融流量(即ち、粘度の増加)に関係した新規な高分子量
のアリーレンスルフィド樹脂を開示する。
本発明によれば重合の過程において重合反応混合物中
で、アルカリ金属硫化物、有機アミド、アルカリ金属カ
ルボン酸塩、水および少なくとも一つのジハロ芳香族化
合物を含むモノマー源からなる反応体を接触させること
によって新規なアリーレンスルフィド樹脂が提供され
る。重合プロセス中に存在するアルカリ金属カルボン酸
塩の量は、得られる樹脂中に存在する硫黄の1モル当た
り約0.002から約0.05モルの範囲であり;そして重合プ
ロセス中に存在する水の合計量は得られる樹脂中に存在
する硫黄の1モル当たり1.02モルから約2.1モルの範囲
にある。
本発明の特定の具体例によれば、重合の過程において
重合反応混合物の中でアルカリ金属硫化物、有機アミ
ド、アルカリ金属カルボン酸塩、水および少なくとも一
種のジハロ芳香族化合物と分子当たりハロゲン置換基三
つ以上有するポリハロ芳香族化合物の混合物からなるモ
ノマー源とから構成される反応体を接触させることによ
って新規なアリーレンスルフィド樹脂が提供される。こ
の具体例の中で、重合反応中に存在するアルカリ金属カ
ルボン酸塩の量と重合の過程において存在する水の総量
は上述したのと同じであり;そして最初に存在するポリ
ハロ芳香族化合物の量は重合プロセスの前に存在するジ
ハロ芳香族化合物の1モル当たり約0.0001から約0.01モ
ルの範囲にある。
発明のより完全な評価とそれらに付随する多くの利益
は以下に述べる詳細な記述の参照することによって直ち
に得られると同時により良く理解されるであろう。
詳細な記述 “アリーレンスルフィドポリマー”と“アリーレンス
ルフィド樹脂”と言う術語が交替で用いられているが、
それらは溶媒として機能し得る有機アミドを一方で存在
させながらポリハロ芳香族化合物を硫黄源と反応させる
ことによって調製されたものとして表現し得るタイプの
ポリマーを包含することを意図したものである。得られ
るポリマーは硫黄原子を介して繰り返し単位中に組み当
わされたポリハロ化合物の芳香族構造を含む。他の方法
によって調製される類似のポリマーも同じく上記の術語
によって包含されるものと考えられる。
一般に、本発明によって与えられる新規なアリーレン
スルフィド樹脂は繰り返し単位R−Sを持つようなポリ
マーがある。式のRはフェニレン、ビフェニレン、ナフ
チレン、ビフェニレンエーテル、またはそれらの低級ア
ルキル・置換誘導体からなる群から選ばれる。上に用い
られたような“低級アルキル”と言う言葉は炭素原子が
1個から6個のアルキル基を指す。そのような低級アル
キルの例にはメチル、プロピル、イソブチル、n−ヘキ
シル等々があるが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明によって与えられる好ましい新規なPAS樹
脂は一般に200℃(392゜F)以上の融点を持っている。
好ましくは、それら融点の範囲は約200℃(392゜F)か
ら約500℃(932゜F)である。本発明によって与えられ
るアリーレンスルフィド樹脂の例としては、ポリ(アレ
ーリンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルフィドケト
ン)、ポリ(アリーレンスルフィドジケトン)がある
が、これに限定されるものではない。
その他のアリーレンスルフィドポリマーも除外するも
のではないが、一般に本発明によって与えられる新規な
アリーレンスルフィド樹脂とはアリーレン基がフェニレ
ン基であるものを言う。本発明によって与えられる新規
なフェニレンスルフィド樹脂の例には、ポリ(フェニレ
ンスルフィド)、ポリ(ビフェニレンスルフィド)、ポ
リ(フェニレンスルフィドケトン)及びポリ(フェニレ
ンスルフィドジケトン)があるが、これらに限定されな
い。
アリーレンスルフィド樹脂のタイプを同定するのに用
いられる時の“バージン”と言う言葉は、線状構造に対
して適度に枝分かれした低分子量の樹脂であって未だい
かなる酸化的熱処理(即ち、硬化、キュアリング)を受
けておらず、そして重合の過程で分子量増加剤(例え
ば、アルカリ金属カルボン酸塩および/または分子当た
りハロゲン置換基を二つ以上有するポリハロ芳香族化合
物)が存在しなかった場合を指して言う。
この中で用いられているような“溶融流れ”および/
または“流量”と言う専門用語は相互交替的に用いら
れ、それは溶融したアリーレンスルフィド樹脂が特定の
下向きの圧力を受けた時に特定の直径と長さを有する押
出機のオリフィスを通って流れる割合を指して言う。流
量は10分間の間隔中にオリフィスを通って流れた押し出
し物の量をグラム単位で記録する(グラム/10分間)
が、これはASTM D1238手順Bの修正版に基づいている。
ここで用いられた修正とはASTM D1238手順Bが指定する
最低6分間と言う期間に対して、初めの予熱時間を5分
間としたことである。高い溶融粘度(即ち、高い分子
量)のポリマーが低い溶融流量を有し、逆もまた同様で
あることに留意すべきである。換言すれば、“溶融流
れ”と“溶融粘度”は反比例する。
この中で用いられるような“嵩密度”と言う術語は、
既知の容積と重さを持つ容器に縁まで完全に試験すべき
ポリマーを詰めることによって決定される乾燥した粒状
のポリマー樹脂の密度を指す。ある特定のポリマーの嵩
密度とは、ポリマーの重量をポンド(lbs)で測定した
後にそれを立方フィート(ft3)で表わした試験容器の
容積の函数として計算される。
乾燥した粒状のポリマー樹脂の嵩密度は“ゆる詰め嵩
密度および/または堅詰め嵩密度”と言う言葉で決定す
ることができる。ポリマー樹脂のゆる詰め崇密度は樹脂
が自然に試験容器を縁まで満たした時のポリマーの重量
を測定することによって決定される。他方、ポリマー樹
脂の堅詰め崇密度は試験容器内にポリマーをぎっしりと
詰めて行き、最後に堅く詰められたポリマーが容器の縁
まで達した時に、容器内に詰められたポリマーの重量を
測定して決める。
本発明によれば、重合の過程において重合反応混合物
中で、アルカリ金属硫化物、有機アミド、アルカリ金属
カルボン酸塩、水、少なくとも一種のジハロ芳香族化合
物からなるモノマー源より構成される反応体を接触させ
ることによって新規なアリーレンスルフィド樹脂が提供
される。この第一の具体化を実行する時に重合反応中に
存在するアルカリ金属カルボン酸塩の量は、得られる樹
脂中に存在する硫黄の1モル当たり一般に約0.002から
約0.05モル、好ましくは約0.01から約0.03モルの範囲で
ある。この第一の具体化を実施する時に重合反応中に存
在する水の合計量は、得られる樹脂中に存在する硫黄の
1モル当たり一般に約1.02から約2.1モル、好ましくは
約1.05から約2.0モルの範囲である。
発明の特定の具体例によれば、重合の過程においてア
ルカリ金属硫化物、有機アミド、アルカリ金属カルボン
酸塩、水、少なくとも一種のジハロ芳香族化合物と少な
くとも一種の分子当たりハロゲン置換機を三つ以上有す
るポリハロ芳香族化合物の混合物からなるモノマー源よ
り構成される反応体を重合反応混合物中で接触させるこ
とによって新規なアリーレンスルフィド樹脂が与えられ
る。この第二の具体例を実施する時に、重合プロセスの
期間中に存在するアルカリ金属カルボン酸塩の量および
重合プロセス中に存在する水の総量の一般的な並びに好
ましい範囲は上に開示したものと同様である。この具体
例を実施する時に最初に存在するポリハロ芳香族化合物
の量は、重合プロセスの前に存在するジハロ芳香族化合
物の1モル当たり、一般に約0.0001から約0.01モル、好
ましくは約0.001から約0.008モルの範囲である。
発明の重合反応の過程で存在するアルカリ金属硫化物
は、(1)重合プロセスの前に重合反応混合物に加えら
れたアルカリ金属硫化物または(2)重合プロセスの前
またはその期間中に適当な硫黄源と適当な苛性アルカリ
物質との間で行なわれる反応;のいずれに由来するもの
であっても良い。
重合のプロセス前に重合反応混合物に加えることので
きるアルカリ金属硫化物の例としては、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及び
それらの混合物があるが、これらに限定されない、アル
カリ金属硫化物は、(1)無水塩の形で、(2)水和物
として、または(3)水性混合物または水溶液として使
用できる。
上に述べた如く重合プロセス中に存在するアルカリ金
属硫化物は同じくまた適当な硫黄源と適当な塩基との間
の反応によって生じたものでも良い。
そのような適当な硫黄源の例としては、アルカリ金属
の水硫化物、チオ硫酸塩、即ち、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウムの各塩類、硫化
水素、二硫化炭素、N−メチルピロリジン−2−チオ
ン、チオール酢酸およびそれらの混合物があるがこれに
限定されない。これらの硫黄源はポリマー反応のプロセ
スの前あるいはプロセス中に適当な塩基と反応して重合
プロセス中に存在するアルカリ金属硫化物を生じてなけ
ればならない。そのような適当な塩基の例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水
酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化
バリウム、炭酸ナタリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジ
ウム、炭酸セシウム、及びそれらの混合物があるが、こ
れらに限定されない。もしくは望むならば、水酸化物を
相当する酸化物と水との反応によってその場法(in−si
tu)式に作ることも可能である。硫黄源と反応してアル
カリ金属硫化物を生じる塩基の量は使用する硫黄源の種
類によって異なるが、用いられる塩基の量は一般にほぼ
化学量論的等量からそれの約0.75モル過剰の範囲内であ
る。好ましくは、使用される塩基の量はほぼ化学量論的
等量からそれの約0.5モル過剰の範囲内、更に好ましく
はほぼ化学量論的等量からそれの約0.25モル過剰の範囲
である。
重合プロセス中に存在することのできる有機アミド
は、重合反応の温度と圧力下において実質的に液体であ
るべきである。有機アミドは環式または非環式のいずれ
であっても良く、分子当たり約1から約10個の炭素原子
を有することができる。適当な有機アミドの例として
は、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−エチルプロピオンアミド、N,N−ジプロ
ピルブチルアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)、N,N−エチレンジ−2−ピロリド
ン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、
及びそれらの混合物があるが、これに限定されない。NM
Pが差し当たって好ましい有機アミドである。
重合プロセス中に重合反応混合物の中に存在すること
のできるアルカリ金属カルボン酸塩は下記式によって表
わすことができる: RCO2M 式中でRはアルキル、シクロアルキル、アリールから選
ばれる炭素原子崇が1から約20のヒドロカルビルラジカ
ル;Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
及びセシウムからなる群から選ばれるアルカリ金属であ
る。好ましくは、Rは炭素原子数が1から約6のアルキ
ル基;Mはリチウムまたはナトリウムである。
適当なアルカリ金属カルボン酸塩の例には、酢酸リチ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸リ
チウム、プロピオン酸ナトリウム、リチウム−2−メチ
ルプロピオネート、酪酸ルビジウム、吉草酸リチウム、
吉草酸ナトリウム、ヘキサン酸セシウム、ヘプタン酸リ
チウム、リチウム−2−メチルオクタノエート、ルビジ
ウム4−エチルテトラデカノエート、ナトリウム、オク
タデカノエート、ナトリウムヘンエイコサノエート、リ
チウムシクロヘキサンカルボキシレート、セシウムシク
ロドデカンカルボキシレート、カリウムシクロヘキシル
アセテート、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安
息香酸ナトリウム、カリウムm−トルエート、リチウム
フェニルアセテート、ナトリウム4−フェニルシクロヘ
キサンカルボキシレート、カリウムp−トリルアセテー
ト、リチウム4−エチルシクロヘキシルアセテート、及
びそれらの混合物があるが、これらに限定されない。差
し当たっては、酢酸ナトリウムが好ましいアルカリ金属
カルボン酸塩である。
重合プロセスの前に重合反応混合物中に存在するモノ
マー源は、(1)少なくとも一種のジハロ芳香族化合物
または(2)少なくとも一種のジハロ芳香族化合物と少
なくとも一種のポリハロ芳香族化合物の混合物、但しこ
の場合、少なくとも一種のポリハロ芳香族化合物は分子
当たり三つ以上のハロゲン置換基を含む;のいずれかか
らなることができる。
この発明を実施する場合に使うことのできるジハロ芳
香族化合物は以下の式で表わすことができる: 但し、上の式中で各Xは塩素、臭素および沃素からなる
群から選ばれ;そしてこの場合、各Rは水素とヒドロカ
ルビルからなる群から選ばれる。上式の各分子内の炭素
原子の合計数は一般に6から約24の範囲にある。
適当なジハロ芳香族化合物の例としては、1,4−ジク
ロロベンゼン(DCB)、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−
ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ヨードベンゼン、
1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、2,5−ジクロロトル
エン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1−エチル−4
−イソプロピル−2,5−ジブロモベンゼン、1,2,4,5−テ
トラメチル−3,6−ジクロロベンゼン、1−ブチル−4
−シクロヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン、1−ヘキ
シル−3−ドデシクル−2,5−ジクロロベンゼン、1−
オクタデシクル−2,5−ジイオドベンゼン、1−フェニ
ル−2−クロロ−5−ブロモベンゼン、1−ベンジル−
2,5−ジクロロベンゼ、1−オクチル−4−(3−メチ
ルシクロペンチル)−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ジ
クロロベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1−クロロ
−3−ヨードベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、及び
それらの混合物があるが、これらに限定されない。DCB
が差し当たって好ましいジハロ芳香族化合物である。
この発明を実施する時に使うことができる分子当たり
三つ以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合
は次の市によって表わすことができる: R′Xn 式中でXは塩素、臭素および沃素からなる群から選ば
れ;nは3から6の範囲の整数であり;R′は最高で約4個
までのメチル置換基を持つことができる原子価nの多価
の芳香族ラジカルである。R′中の炭素原子の総数は6
から約16の範囲にある。
適当なポリハロ芳香族化合物の例には、1,2,3−トリ
クロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)、
1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼン、1,2,4−トリヨー
ドベンゼン、1,2,3,5−テトラブロモベンゼン、ヘキサ
クロロベンゼン、1,3,5−トリクロロ−2,4,6−トリメチ
ルベンゼン、2,2′,4,4′−テトラクロロビフェニル、
2,2′,5,5′−テトラヨードビフェニル、2,2′,6,6′−
テトラブロモ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニ
ル、1,2,3,4−テトラクロロナフタレン、1,2,4−トリブ
ロモ−6−メチルナフタレン、及びそれらの混合物があ
るが、それらに限定されない。TCBが差し当たり好まし
いポリハロ芳香族化合物である。
重合のプロセスの終点前の任意の時にポリハロ芳香族
化合物を導入することが本発明の第二の具体化の範囲内
にある。一般に、ポリハロ芳香族化合物は重合プロセス
の95パーセント完了以前に、好ましくは75パーセント完
了以前に、更に好ましくは50パーセント完了以前に重合
反応混合物に添加される。同じくまたポリハロ芳香族化
合物を重合プロセスの開始以前に導入することも本発明
の具体価の第二の範囲内にある。
発明を実施する時には、重合プロセス中に存在する水
の総量をコントロールすることが必要である。具体的に
は前にも述べたように、本発明のいずれの具体化を実施
する場合にも必要とする水の総量は一般に、得られる樹
脂中に存在する硫黄の1モル当たり約1.02から約2.1モ
ル、好ましくは約1.05から約2.0モルの範囲にある。重
合中に存在する水の総量は、(1)重合プロセスの前に
重合反応混合物に存在する水のモル数、(2)重合プロ
セスの前に重合反応混合物に加えられた水のモル数、
(3)重合プロセス中に発生した水のモル数;の合計モ
ルである。
もしも在るとしても重合プロセス中に生じた水のモル
数は使われた重合の処方いかんによって変わる。例え
ば、前述の適当な硫黄源の一つと前述の適当な塩基の一
つとの間の反応の結果として生じたアリカリ金属硫化物
が中に存在するような重合のプロセスでは、得られる樹
脂中に存在する硫黄の1モル当たり約1モルの水が重合
反応中に発生する。
上記のことを考慮すると、重合のプロセス中に存在す
る水の濃度は当該技術に熟練した者ならば公知のいかな
る適当なテクニックによっても調節することが可能であ
る。希望する水の濃度水準を得る為のそのような一つの
適当な方法は、重合プロセスの開始前に重合反応混合物
を制御された方法で脱水することである。希望する水の
量を得る為の別の方法は、必要ならば重合反応混合物が
脱水された後、但し重合プロセスが終了する以前に重合
反応混合物に水を添加することである。もしも重合のプ
ロセスが開始された後に水が添加される場合には、重合
のプロセスが約95パーセント完了する前に、好ましくは
約75パーセント完了する前に、さらに好ましくは約50パ
ーセント完了の以前に重合反応混合物に適当量の水を添
加するのが差し当たっては好ましい。
本発明を実施する為の適当な重合プロセスの条件は広
い範囲に亙って変動し得る。しかしながら、一般に重合
プロセスの条件は以下の特定した範囲内に入るであろ
う。重合プロセスの温度は、一般に約180℃(356゜F)
から約285℃(545゜F)の範囲内、好ましくは約190℃
(374゜F)から約275℃(527゜F)の範囲内であらう。
重合の反応時間は一部反応温度に依存して大きく変わり
得るが、一般には約1時間から約60時間の範囲、好まし
くは約2時間から約10時間の範囲内であらう。
当面好ましく用いられる手順においては、重合プロセ
スは第一の温度範囲約180℃(356゜F)から約245℃(47
3゜F)の範囲内で、好ましくは約190℃(374゜F)から
約245℃(473゜F)の範囲内で行なわれ、次に第二の温
度範囲約245℃(473゜F)から約275℃(527゜F)の範囲
内で、好ましくは約266℃(510゜F)から約275℃(527
゜F)の範囲内で行なわれる。この当面好ましく用いら
れる方法で重合の反応時間の合計は約1時間から約60時
間、好ましくは約2時間から約10時間の範囲である。こ
の差し当って好ましく用いられる重合方法において、反
応時間は部分的には反応温度に依存する。温度範囲のい
ずれか一方または両方において、温度は連続して増加さ
せるか、または比較的制限された温度限界内の選ばれた
水準に主として保持することができる。
重合プロセスの圧力成分は自家発生的であり、反応混
合物内に含まれるモノマー源といかなる水をも実質的に
液相内に維持するのに十分なものでなければならない。
本発明の方法は、重合反応中にアルカリ金属硫化物
(または硫黄源と塩基との反応の結果生じたもの)、有
機アミド、適当量のアルカリ金属カルボキシレート、適
当量の水、ジハロ芳香族化合物および(もし在るとすれ
ば)分子当たり三つ以上のハロゲン置換基を有するポリ
ハロ芳香族化合物とからなる反応体を重合反応混合物中
で接触させることによって実行される。これらの反応体
は重合反応混合物内に任意の順序で入れることができ
る。分子当たり三つ以上のハロゲン置換基を有するポリ
ハロ芳香族化合は実質的にジハロ芳香族化合物と同時に
重合反応混合物に加えることができるけれども、重合の
過程でポリハロ芳香族化合物を重合反応混合物に徐々
に、もしくはいっぺんに全部のいずれの方法でも添加す
ることができるのが同じく本発明の範囲内にある。
本発明によって与えられる新規なアリーレンスルフィ
ド樹脂は重合プロセスが完了した後で当該技術に熟練し
た者にとって周知のいかなる手順によっても重合反応混
合物から分離することができる。本発明によって与えら
れる新規なアリーレンスルフィド樹脂の溶融流量の値
は、一般に1000g/min.以下であらう。好ましくは、これ
らの樹脂の溶融流量の値は約5から約700g/min.の範
囲、もっと好ましくは約10から約500g/min.の範囲であ
らう。
本発明によって与えられる新規なアリーレンスルフィ
ド樹脂のゆる詰め嵩密度は、一般に約20ポンド/立方フ
ィート以上、好ましくは約25ポンド/立方フィート以上
であらう。
本発明によって与えられる新規なアリーレンスルフィ
ド樹脂は、シート、フィルム、パイプまたはその他のプ
ロフィールに押し出すことも;繊維に紡ぐことも;また
はブロー成型、射出成型、回転成型、圧縮成型によって
希望する型に成型することもできる。これらの新規な樹
脂は同じくまた塗被物の製造にも用いることができる。
望むならば、新規なアリーレンスルフィド樹脂は、繊
維状物質、充填材、顔料、増量材、他のポリマー、等々
またはそれらの混合物とブレンドすることができる。例
えば、引張り強さ、曲げ弾性率、衝撃強さなどの物理的
性質を改善する為に、この新規な樹脂にガラス繊維を添
加することができる。もし希望するならば、成型された
新規な樹脂は曲げ弾性率、曲げ強さ、引張り強さ、熱撓
み温度などの物理的性質を改善する為に焼きなまし(ア
ニーリング)することができる。
この発明は以下に述べる実施例から更に十分に理解さ
れるであろう。これらの実施例は単に発明の選ばれた具
体化を実証することを意図したものであって、いかなる
点でも発明の範囲を限定するものではない。
実施例 I この実施例は、低い濃度水準のアルカリ金属カルボキ
シレートと低い濃度水準の、分子当たり二つ以上のハロ
ゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物を用いること
によって新規なポリマー樹脂を調製する方法を示す。こ
の実施例で用いたアルカリ金属カルボキシレートは酢酸
ナトリウムであった。この実施例で用いたポリハロ芳香
族化合物は、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であっ
た。
この実施例で精製された新規なアリーレンスルフィド
ポリマー樹脂はポリ(フェニレンスルフィド)(即ち、
PPS)樹脂であった。PPSを調製した新規な方法は以下の
通りである。
蒸気加熱の混合容器(即ち、容器1)の中に、49.9重
量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液71.7ポンドと6
0.2重量パーセントの水硫化ナトリウム0.2重量パーセン
トの水酸化ナトリウムを含有する水溶液86.2ポンドを入
れた。
脱水/重合容器(即ち、容器2)に、17.7ガロンのN
−メチル−2−ピロリドン(即ち、NMP)と2.0ポンドの
酢酸ナトリウムを次に装入した。
容器1の内容物を完全に混合し、次いで内容物を17ガ
ロンのNMPを用いて容器2の中にフラッシュした。次ぎ
に容器2を密閉した。
撹拌しながら容器2を304゜Fに加熱した。容器内の内
容物を次ぎに還流させて適切な混合を確実にした。還流
期間の後に容器を401゜Fに加熱し、容器内の頂部の蒸気
を75分間に亙って排気することによって容器2の内容物
を脱水した。頂部の蒸気を次ぎにコンデンサーで冷却凝
縮し、凝縮物を集めてその重量を測定した。主として水
とNMPからなる集められた頂部蒸気の量は約64ポンドで
あった。
脱水工程の後、容器2の内部温度を414゜Fに上げて、
そこで133.7ポンドの1,4−ジクロロベンゼン、0.5ポン
ドのTCBと2ガロンのNMPを中に装入した。次いで容器2
の内容物を、最終の内部温度と圧力がそれぞれ440゜Fと
88psigに達するまでほぼ1.5゜F/分の割合で昇温した。
容器2の内容物をこの温度と圧力に約240分間保持し
た。
240分の保持期間の後に3.35ポンドの水を添加し、容
器2の内容物を最終内部温度と圧力がそれぞれ509゜Fと
212psigに達するまで約3゜F/分の割合で昇温した。容
器2の内容物をこの温度と圧力に約90分間保持した。
90分の保持期間の後に容器の頂部蒸気を60分間に亙っ
てガス抜きすることによって容器2の内容物を濃縮し
た。容器の内部圧力は最終的に約70psigに達した。頂部
蒸気を凝縮し、それを集めて秤量した。集められた頂部
蒸気の重さは約48.6ポンドであった。
濃縮段階の後5ポンドの水を容器2に装入した。次ぎ
に容器2の内容物を20分間に亙って加熱し、容器の最終
内部温度を約540゜Fに上げた。この時点で、容器2の内
容物をフラシュバルブを通して65分間に亙ってブレンダ
ー(即ち、容器3)に移送し、これを465゜Fの温度に保
って微粒子状の樹脂を生ずるようにした。容器2から容
器3にフラッシュされた物質の頂部を集められた物質の
総量は約281ポンドであった。容器3の中に残った物質
の量は約212ポンドであった。
容器3の内容物を次ぎに実質的に気体の酸化性雰囲気
の存在しない状況下に約120分間、465゜Fの温度でブレ
ンドした。次いで容器3の中に入っている微粒子状の樹
脂を分離し、洗浄、乾燥した。容器3から回収されたポ
リマーの総量は大約72ポンドであった。以降この樹脂を
レジン1と呼ぶことにする。
次ぎにレジン1から、その溶融流量、ゆる詰め嵩密
度、堅詰め嵩密度を決定する為にサンプルを採取した。
これらの数値を表Iに示す。
この発明の有効性を実証する為に、対照樹脂(即ち、
レジン2)を次のようにして調製した。
蒸気加熱の混合容器(即ち、容器1)の中に、47.2重
量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液79.3ポンド、5
8.6重量パーセントの水硫化ナトリウムと0.2重量パーセ
ントの水酸化ナトリウムを含む水溶液88.5ポンドを装入
した。
次に脱水/重合容器(即ち、容器2)に15.7ガロンの
N−メチル−2−ピロリドン(即ち、NMPと23.5ポンド
の酢酸ナトリウムを装入した。
次いで容器1の内容物を完全に混合し、その後これを
18ガロンのNMPを用いて容器2の中にフラッシュした。
次に容器2を密閉した。
撹拌しながら容器2を333゜Fまで加熱した。次にその
内容物を自由に還流せしめて適切な混合が行なわれるよ
うにした。還流期間が終わった後、容器2の内容物を、
容器を453゜Fに加熱し103分間に亙って頂部の蒸気をガ
ス抜きすることによって脱水した。頂部から抜いた蒸気
を次にコンデンサーを通して凝縮し、凝縮液を集め、秤
量した。主に水とNMPからなる集められた頂部蒸気の凝
縮物は体約75.6ポンドの重量があった。
脱水工程の後、容器2の内部温度を自然冷却せしめて
440゜Fにまで下げ、この時点で134.2ポンドの1,4−ジク
ロロベンゼンを中に入れた。次いで容器2の内容物を45
0゜Fにまで加熱し、その温度で大約120分間保持した。
120分の保持期間の後、容器2の内容物を再び大約1
゜F/分の割合で昇温し、最終的に大約それぞれ温度510
゜F、圧力155psigに達せしめた。次に容器2の内容物を
この温度と圧力に大約60分間保持した。
この時点で、0.5ポンドのTCBと2ガロンのNMPを容器
に装入し、二酸化炭素を容器内に圧入してゲージ圧が二
酸化炭素の添加開始前より30psig高くなるようにした。
この後、温度を510゜Fで更に30分間保持した。
30分の保持期間の後、容器2の内容物を60分間に亙っ
て容器から頂部の蒸気をガス抜きすることによって濃縮
した。この結果容器の最終圧力は大約70psigに達した。
頂部の蒸気を次に凝縮し、凝縮物を集め秤量した。頂部
から集められた凝縮液の量は大約100.7ポンドの重量が
あった。
濃縮段階の後は、容器2の内容物を32分間に亙って加
熱し、最終的に容器の内部温度を大約540゜Fに達せしめ
た。
この時点で容器2の内容物を54分間に亙ってフラッシ
ュバルブからブレンダー(即ち、容器3)へ移送し、そ
のまま465゜Fの温度に保って微粒子状の樹脂を生ぜしめ
た。容器2から容器3の中にフラッシュされた物質から
集められた頂部物質の総量は大約197.9ポンドの重さが
あった。容器3の中に残った物質の量は重量で大約257
ポンドあった。
次に容器3の内容物を実質的に気体の酸化性雰囲気の
存在しない状況下で465゜Fの温度で約120分間ブレンド
した。次いで容器3内の微粒子状樹脂を分離、洗浄、乾
燥した。容器3から回収されたポリマーの総量は重量で
約94ポンドあった。前に述べたように、この対照樹脂を
レジン2と呼ぶ。
レジン2からその溶融流量、ゆる詰め嵩密度および堅
詰め嵩密度を決定する為にサンプルを採取した。これら
の値を同じく表Iに記録する。
表Iに記録される如くレジン1とレジン2を比較する
と、本発明と同時に酢酸ナトリウムの量を1/10に減少す
ると樹脂の堅詰め嵩密度が62%、ゆる詰め嵩密度が66%
も増加することが明らかに認められる。前にも述べたよ
うに、嵩密度の高い樹脂程商業的に望ましい。
実施例 II この実施例は、低い濃度水準のアルカリ金属カルボン
酸塩と制御された量の水を用いることによって新奇なポ
リマー樹脂を調製する方法を示す。この実施例で用いた
アルカリ金属カルボキシレートは酢酸ナトリウムであっ
た。
この実施例で調製された新奇なPAS樹脂はポリ(フェ
ニレンスルフィド)(即ち、PPS)樹脂であった。PPSを
調製する新奇な方法は以下の通りである。
蒸気加熱の混合容器(即ち、容器1)の中に、49.9重
量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液71.7ポンドと、
60.2重量パーセントの水硫化ナトリウムと0.2重量パー
セントの水酸化ナトリウムを含有する水溶液86.2ポンド
を装入した。
脱水/重合容器(即ち、容器2)に17.1ガロンのN−
メチル−2−ピロリドン(即ち、NMP)を次に装入し
た。
容器1の内容物を完全に混合し、その後で18ガロンの
NMPを用いて容器2の中にフラッシュした。次いで容器
2を密閉した。
撹拌しながら容器2を304゜Fに加熱した。容器の内容
物を自然還流に任せて適切な混合が行なわれるようにし
た。還流期間の後、容器を396゜Fにまで加熱し73分間に
亙って頂部の蒸気をガス抜きすることによって容器2の
内容物を脱水した。頂部の蒸気を次ぎにコンデンサーで
凝縮し、凝縮液を集め、秤量した。集められた頂部蒸気
の凝縮液は主に水とNMPであり、その量は約64ポンドで
あった。
脱水反応の後、容器2の内部温度を409゜Fに上げて、
その時点で135.3ポンドの1,4−ジクロロベンゼンを容器
内に加えた。次いで容器2の内容物を約1.5゜F/分の割
合で加熱昇温して、最終的に容器2の内部の温度と圧力
がそれぞれ440゜Fと38psigになるようにした。容器2の
内容物をこの温度に約180分間保持した。この時の圧力
は87psigであった。
180分の保持期間の後、2.3ポンドの酢酸ナトリウム、
3.4ポンドの水、1ガロンのNMPを容器2に装入した。次
いで容器2の内容物を約3゜F/分の割合で昇温し、最
終的には容器2の内部温度と圧力がそれぞれ508゜Fと22
4psigに達した。容器2の内容物を、この温度と圧力に
約90分間保った。90分の保持期間の後、容器の内部圧力
が約70psigに達するまで60分間に亙って容器から頂部の
蒸気をガス抜きすることによって容器2の内容物を濃縮
した。頂部蒸気を凝縮し、集めて秤量した。集められた
頂部蒸気の凝縮液の重さは約52ポンドであった。
濃縮段階の後、5ポンドの水を容器2に装入した。次
いで容器2の内容物を容器の内部温度が最終的に約540
゜Fに達するまで15分間に亙って加熱した。内部温度を5
40゜Fに約52分間保った。この時点で、容器2の内容物
を64分間に亙ってフラシュバルブを通してブレンダー
(即ち、容器3)中に移送し、ここで温度を465゜Fに維
持して微粒子状の樹脂を生成させた。容器2から容器3
へフラッシュされた物質から集められた頂部からの物質
の総量は重さで約267.9ポンドに達した。容器3の中に
残った物質の量は重量で約228.7ポンドあった。
次ぎに実質的に気体の酸化性雰囲気の存在しない状況
下で容器3の内容物を温度465゜Fで約120分間ブレンド
した。容器3の中に入っていた微粒子の樹脂を次ぎに分
離し、洗浄、乾燥した。容器3から回収されたポリマー
の総重量は約83ポンドであった。この樹脂を以降レジン
3と呼ぶことにする。
溶融流量とゆる詰め嵩密度を決定する為にレジン3か
らサンプルを採取した。これらの数値を表IIに記録す
る。
この発明の硬化を実証する為に、対照樹脂(即ち、レ
ジン4)を以下のようにして調製した。
蒸気加熱の混合容器(即ち、容器1)の中に、47.1重
量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液76.1ポンドと、
58.8重量パーセントの水硫化ナトリウムと0.2重量パー
セントの水酸化ナトリウムを含有する水溶液88.2ポンド
を装入した。
脱水/重合容器(即ち、容器2)に18.2ガロンのNMP
と23.0ポンドの酢酸ナトリウムを次ぎに装入した。
次いで容器1の内容物を完全に混合し、その後内容物
を18ガロンのNMPを用いて容器2の中にフラッシュし
た。次ぎに容器2を密閉した。
撹拌しながら容器2を302゜Fに加熱した。次いで内容
物を自然に還流するに任せて適切な混合が行なわれるよ
うにした。還流期間の後、容器を407゜Fまで加熱し、容
器内の頂部の蒸気を97分間に亙ってガス抜きすることに
よって容器2の内容物を脱水した。頂部蒸気は次ぎに凝
縮し、凝縮液を集めて秤量した。主として水とNMPから
なる、集めた頂部の凝縮絵の重さは約71.3ポンドであっ
た。
脱水工程の後、容器2の内部温度は402゜Fまで自然冷
却するに任せ、この時点で137.4ポンドの1,4−ジクロロ
ベンゼンを容器に装入した。次いで容器2の内容物を、
容器の内部温度と圧力が最終的にそれぞれ450゜、41psi
gに達するまで約1.6゜F/分の割合で加熱昇温した。容
器2の内容物は次ぎにこの温度で約170分間保持した。
この時の圧力は75psigであった。
170分の保持期間の後、容器2の内容物を再び約3゜F
/分の割合で加熱昇温して、最終的に容器2の内部温度
と圧力がそれぞれ約510゜F、151psigになるようにし
た。次いで容器2の内容物をこの温度と圧力に約61分間
保持した。
61分の保持期間の後、30psigの二酸化炭素を容器2に
装入し、最終的に容器の圧力が二酸化炭素の添加開始前
よりも30psig高くなるようにした。次いで容器2の内容
物を510゜Fに更に30分間保持した。次ぎに容器2の内容
物を、最終的に容器の内部圧力が約70psigに達するまで
55分間に亙って容器から頂部の蒸気をガス抜きすること
によって濃縮した。頂部蒸気は凝縮し、コンデンセート
を集め秤量した。集められた頂部蒸気の凝縮物の重量は
約29.4ポンドであった。
濃縮段階の後、容器2の内容物を最終的に容器の内部
温度が約540゜Fに達するまで15分間に亙って加熱した。
容器の内部温度を537゜Fに約33分間保持した。
この時点で、容器2の内容物をフラッシュバルブを通
してブレンダー(即ち、容器3)の中に65分間に亙って
移送し、ここで温度を465゜Fに保って微粒子の樹脂を生
成させた。容器2から容器3にフラッシュされた物質か
ら頭上で集められた物質の総量は約276.7ポンドであっ
た。容器3内に残った物質の量は約256.8ポンドであっ
た。
容器3の内容物は次ぎに、実質的に気体の酸化性雰囲
気の存在しない状態で温度465゜Fで約120分間ブレンド
した。容器3の中の微粒子の樹脂は次ぎに分離し、洗浄
し秤量した。容器3から回収されたポリマーの総重量は
約70ポンドであった。前に述べたように、この対照樹脂
をここではレジン4と呼ぶことにする。
ポリマーの溶融流量、ゆる詰め嵩密度を決定する為
に、対照レジン4からサンプルを採取した。これらの数
値を表IIに記録する。
表IIに記録されている如くレジン3とレジン4のデー
タを比較すると、重合中に存在する酢酸ナトリウムを比
較的少量使用し、同時に水の量を制御するとレジン4と
極めて類似する溶融流量を持ったポリマーが得られるけ
れども、この同じ方法は結果としてレジン4に比較して
樹脂の嵩密度を約52%も増加させることが明らかに認め
られる。前にも述べた如く、増加された嵩密度を有する
樹脂は屡商業的に有望である。
実施例 III この実施例は、実施例Iで調製されたレジン1から作
られたポリマー組成物の物理的性質を固体状態(solid
−state)で硬化したPPS樹脂を用いた類似のポリマー組
成物の性質と比較している。ここではPPSとしてフィリ
ップス66カンパニーからリトン(Ryton)の登録商標名
で市販されているポリ(フェニレンスルフィド)、PR06
を使用した。この樹脂は融点が285℃(515゜F)で、硬
化プロセス後の溶融流量が約90〜175g/10min.である。
この組成物に対して二つの40重量パーセントのガラス
繊維で強化した射出成型コンパウンドを調製した。二つ
の間の相違な僅かにコンパウンドのPPS成分を作るのに
用いた調製方法だけである。組成物1に対しては、実施
例1で調製したレジン1を使用した。組成物2に対して
は、本質的に米国特許第3,354,129号に開示された技法
によって作られた、固体状態で硬化した市販品のPPSを
使用した。これらの組成物を実質的に同じ条件下で射出
成型してASTM標準の試験片を作り、次にこれをASTM標準
試験法の手順に従って試験した。結果は表IIIに示す。
表IIIのデータは、レジン1(実施例 I)から作ら
れた組成物1の曲げ強さとアイゾット衝撃強さが共に組
成物2のそれらよりも優れていること、そして曲げ弾性
率と引張り強さは共に二つの組成物で本質的に同じであ
ることを示している。最も顕著な改善はアイゾット衝撃
強さの比較によって実証される。具体的には、これらの
樹脂を工業的に応用する場合に組成物1の増強されたア
イゾット衝撃強さが極めて望ましいことである。何故さ
ならば、多くの用途が船積み出荷と取り扱い中の製品の
破壊に対する抵抗力を要求し、これは本発明の組成物1
の高いアイゾット衝撃強さによって反映されるタフネス
を必要とするからである。
以上述べてきたことから、当該技術に熟練した者にと
って明白な種々の修正、編成が本発明の精神と範囲から
逸脱すること無くこの発明の具体例に為し得ることは明
らかである。以上、記述してきた発明の特許請求の範囲
は以下の通りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイシー・ユージーン・スコギンス アメリカ合衆国オクラホマ州バートルズ ヴィル,ラリアト・ドライブ 1310 (72)発明者 アフィフ・マイケル・ネシェイワット アメリカ合衆国ニュージャージー州チャ ーハム,ヒッコリー・プレース 25 (56)参考文献 特開 昭56−28217(JP,A) 特開 昭58−42622(JP,A) 特開 昭53−136100(JP,A) 特開 昭64−9229(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アルカリ金属硫化物、 (b)有機アミド、 (c)アルカリ金属カルボン酸塩、 (d)水、および (e)少なくとも一種のジハロ芳香族化合物を含む単量
    体源、 からなる反応体を、重合プロセス時に重合反応混合物状
    態で接触させることからなるアリーレンスルフィド樹脂
    の調製方法であって; 前記重合プロセス時に存在する前記アルカリ金属カルボ
    ン酸塩の量が、得られるアリーレンスルフィド樹脂中に
    存在する硫黄の1モル当たり0.01モルから0.03モル未満
    までの範囲内にあり、かつ前記重合プロセス時に存在す
    る水の量が、得られるアリーレンスルフィド樹脂中に存
    在する硫黄の1モル当たり約1.02モルから約2.1モルま
    での範囲内にあることを特徴とする上記アリーレンスル
    フィド樹脂の調製方法。
  2. 【請求項2】得られるアリーレンスルフィド樹脂がポリ
    (アリーレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルフィ
    ドケトン)、またはポリ(アリーレンスルフィドジケト
    ン)である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリ(アリーレンスルフィド)がポリ(フ
    ェニレンスルフィド)またはポリ(ビフェニレンスルフ
    ィド)であり、ポリ(アリーレンスルフィドケトン)が
    ポリ(フェニレンスルフィドケトン)であり、そしてポ
    リ(アリーレンスルフィドジケトン)がポリ(フェニレ
    ンスルフィドジケトン)である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】存在する前記水の量が、得られるアリーレ
    ンスルフィド樹脂中に存在する硫黄の1モル当たり約1.
    05モルから約2.0モルまでの範囲内にある請求項1乃至
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記重合プロセス時に存在する前記アルカ
    リ金属硫化物が、重合プロセスの開始に先立って予め前
    記重合反応混合物中に存在しているアルカリ金属硫化物
    に由来する請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】前記アルカリ金属硫化物が、硫化ナトリウ
    ム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムまた
    はそれらの混合物である請求項1乃至5のいずれかに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】前記重合プロセス時に存在する前記アルカ
    リ金属硫化物が、硫黄源と苛性アルカリ物質との間の反
    応によって生ずる請求項1乃至4のいずれかに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】前記硫黄源が、アルカリ金属の水硫化物、
    チオ硫酸塩、硫化水素、二硫化炭素、N−メチルピロリ
    ジン−2−チオン、チオール酢酸、またはそれらの混合
    物であり、その中で該チオ硫酸塩がチオ硫酸リチウム、
    チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸ルビ
    ジウム、チオ硫酸セシウム、チオ硫酸マグネシウム、チ
    オ硫酸カルシウム、チオ硫酸ストロンチウム、チオ硫酸
    バリウム、またはそれらの混合物であり、そして該苛性
    アルカリ物質が水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水
    酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水
    酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
    チウム、水酸化バリウム、炭酸トリウム、炭酸カリウ
    ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、またはそれらの混
    合物である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記硫黄源が、水硫化ナトリウムからな
    り、前記苛性アルカリ物質が水酸化ナトリウムからなる
    請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】(a)密閉した容器中で硫黄源、苛性ア
    ルカリ物質、有機アミド、アルカリ金属カルボン酸塩お
    よび水からなる第一の混合物を少なくとも約100℃の温
    度まで加熱昇温し; (b)密閉容器から発生する蒸気をガス抜きして遊離水
    を除去し、少なくとも部分的に脱水した混合物を形成
    し; (c)この少なくとも部分的に脱水した混合物に水と単
    量体源を添加して重合反応混合物を形成し、その際脱水
    混合物に添加される水の量が、該重合プロセスの期間中
    該重合反応混合物中に、得られるアリーレンスルフィド
    樹脂中に存在する硫黄の1モル当たり約1.02モルから約
    2.1モルまでの範囲内に存在する水の全量をもたらすの
    に充分なものであり、そして重合プロセスの期間中前記
    重合反応混合物中に存在する水の前記全量が (1)工程(c)の前の前記脱水混合物中に存在する前
    記遊離水のモル数と、 (2)工程(c)の間に該少なくとも部分的に脱水され
    た混合物に添加された該水のモル数、及び (3)重合プロセス時に発生した水のモル数、 との合計モル数であり;そして (d)前記重合反応混合物を前記アリーレンスルフィド
    樹脂を形成するのに足る時間の間高められた温度にまで
    加熱する; ことからなる請求項7乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】工程(b)に先立って前記第一の混合物
    を少なくとも125℃に加熱する請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記単量体源が、更に分子当たり三つ以
    上のハロゲン置換基を有する少なくとも一種のポリハロ
    芳香族化合物からなり、そして初期に存在する該ポリハ
    ロ芳香族化合物の量が前記重合プロセスの開始時に存在
    する該少なくとも一種のジハロ芳香族化合物の1モル当
    たり約0.001から約0.008モルまでの範囲にある請求項1
    乃至11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】前記アルカリ金属カルボン酸塩が式: RCO2M (式中のRは炭素原子数1から約20までのアルキル、シ
    クロアルキルもしくはアリールラジカルであり、そして
    Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまた
    はセシウムである。)を有する請求項1乃至12のいずれ
    かに記載の方法。
JP1323690A 1988-12-13 1989-12-13 新規なポリアリ―レンスルフィド樹脂の調製方法 Expired - Lifetime JP2674713B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US28417088A 1988-12-13 1988-12-13
US284170 1988-12-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02258837A JPH02258837A (ja) 1990-10-19
JP2674713B2 true JP2674713B2 (ja) 1997-11-12

Family

ID=23089152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1323690A Expired - Lifetime JP2674713B2 (ja) 1988-12-13 1989-12-13 新規なポリアリ―レンスルフィド樹脂の調製方法

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0374719B1 (ja)
JP (1) JP2674713B2 (ja)
AT (1) ATE133694T1 (ja)
CA (1) CA2004259A1 (ja)
DE (1) DE68925576T2 (ja)
ES (1) ES2083375T3 (ja)
GR (1) GR3019540T3 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5053486A (en) * 1989-11-06 1991-10-01 Phillips Petroleum Company Process for preparing poly(arylene sulfide sulfone) with controlled ratio of alkali metal carboxylate to sulfur source
US5239050A (en) * 1991-05-13 1993-08-24 Phillips Petroleum Company Process for preparing arylene sulfide polymer with addition of aqueous alkali metal carboxylate prior to termination of polymerization
BE1006187A3 (fr) * 1992-09-25 1994-06-07 Solvay Procede pour la fabrication de poly(sulfure d'arylene).
JP4820486B2 (ja) * 2000-12-18 2011-11-24 ディーアイシー・イーピー株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
US7312300B2 (en) * 2005-02-22 2007-12-25 Chevron Phillips Chemical Company Lp Inferred water analysis in polyphenylene sulfide production
JP4994997B2 (ja) * 2007-08-09 2012-08-08 株式会社クレハ ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP4953020B2 (ja) * 2008-02-05 2012-06-13 Dic株式会社 ポリアリ−レンスルフィド樹脂の製造方法
JP5125993B2 (ja) * 2008-10-31 2013-01-23 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
CN111471177A (zh) * 2020-05-11 2020-07-31 山东滨化滨阳燃化有限公司 一种纤维级聚苯硫醚树脂的工业化生产工艺及装置
CN111533910A (zh) * 2020-05-11 2020-08-14 山东滨化滨阳燃化有限公司 一种注塑级聚苯硫醚树脂的工业化生产工艺及装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4116947A (en) * 1977-04-29 1978-09-26 Phillips Petroleum Company Branched arylene sulfide polymer production
US4350810A (en) * 1979-08-14 1982-09-21 Phillips Petroleum Company Preparation of branched chain arylene sulfide polymer
US4282347A (en) * 1979-08-14 1981-08-04 Phillips Petroleum Company Preparation of branched polymers of arylene sulfide
US4371671A (en) * 1981-09-01 1983-02-01 Phillips Petroleum Company Controlled, elevated pressure dehydration of poly(arylene sulfide) prepolymerization mixture
JPH0768350B2 (ja) * 1986-12-24 1995-07-26 東ソー株式会社 ポリアリ−レンスルフイドの製造方法
JPH0618877B2 (ja) * 1987-06-30 1994-03-16 出光石油化学株式会社 ポリアリ−レンスルフィドの製造方法
JP2575430B2 (ja) * 1987-12-18 1997-01-22 東ソー株式会社 ポリ(p−フェニレンスルフィド)の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
GR3019540T3 (en) 1996-07-31
DE68925576D1 (de) 1996-03-14
EP0374719A2 (en) 1990-06-27
ES2083375T3 (es) 1996-04-16
DE68925576T2 (de) 1996-06-05
EP0374719B1 (en) 1996-01-31
CA2004259A1 (en) 1990-06-13
ATE133694T1 (de) 1996-02-15
EP0374719A3 (en) 1991-01-30
JPH02258837A (ja) 1990-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5352768A (en) Acid treatment of poly(arylene sulfide) polymer reaction mixture
US4415729A (en) Recovering granular poly(arylene sulfide) particles from a poly(arylene sulfide) reaction mixture
US4748231A (en) Reprecipitation of poly(arylene sulfide) to increase molecular weight thereof
US6281326B1 (en) Process for preparing poly(arylene sulfide) polymers using waste material
JP3118347B2 (ja) ポリ(アリーレンスルフィド)の調製方法
JPH0643491B2 (ja) ポリ(アリーレンスルフィド)反応混合物からのポリ(アリーレンスルフィド)オリゴマーの回収方法
JP2001040090A (ja) ポリアリーレンスルフィド、その製造方法、及びポリアリーレンスルフィド組成物
JP2674713B2 (ja) 新規なポリアリ―レンスルフィド樹脂の調製方法
JPH0477015B2 (ja)
JPH08134216A (ja) 硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法
US4405767A (en) Treatment of poly(arylene sulfide)
US5235032A (en) Process for the preparation of poly(arylene sulfide) with low metal contamination
US5110901A (en) Higher molecular weight arylene sulfide resin and process for its preparation
JPS63243133A (ja) 硫化アリーレン重合体の製法
JP3143928B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JPH05302032A (ja) ポリ(アリーレンスルフィド)組成物
KR100767147B1 (ko) 폴리(아릴렌 설파이드) 중합체의 펄스 연속 경화방법
JP3603431B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
US5380821A (en) Process for the manufacture of poly(arylene sulphide)
JPH04275334A (ja) フェニレンスルフィドポリマーの製造法
US4882416A (en) Preparation of poly arylene sulfide with specified ratio of sulfur source to cyclic organic amide
EP0534359A1 (en) Process for preparing arylene sulfide polymers
JPH08283575A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 13