JP2673840B2 - 被記録材及びインクジェット記録方法 - Google Patents

被記録材及びインクジェット記録方法

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JP2673840B2 JP2338755A JP33875590A JP2673840B2 JP 2673840 B2 JP2673840 B2 JP 2673840B2 JP 2338755 A JP2338755 A JP 2338755A JP 33875590 A JP33875590 A JP 33875590A JP 2673840 B2 JP2673840 B2 JP 2673840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はインクによる記録に用いられる被記録材(記
録用紙)に関し、特にインクの発色性、色彩性に優れ、
且つ高解像度で耐光性及び耐水性に優れた記録画像を形
成する被記録材及びインクジェット記録方法に関する。
(従来の技術) 従来、インクジェット用の被記録材としては、 (1)パルプを主成分とした一般の紙を、低サイズ度と
なる様に抄紙して濾紙や吸収紙の様にしたもの、 (2)特開昭56−148585号公報にある様に、一般の上質
紙等のインク吸収性の低い基紙上に、多孔質な無機顔料
を用いてインク吸収層を設けたもの等が知られている。
一方、特に、高品位で高解像度のカラー画像を形成す
るインクジェット記録方式に於いては、使用する被記録
材に対しては以下のことが要求される。
(1)被記録材に付着した際のインクの良好な発色性。
(2)インクドットの良好な真円性。
(3)複数のインク滴が同一スポットに付着しても流れ
出さないだけの良好なインク吸収容量。
(4)付着したインク滴が、直後にこすられても、滲ま
ないだけの良好なインク定着性。
(5)形成された画像の耐光性、耐水性等の良好な画像
保存性。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のすべての要求性能を満足するイ
ンクジェット用の被記録材は未だ知られていないのが実
情である。
即ち、インクジェット記録画像の耐光性の問題は、染
料の光分解による変退色に主な原因があると考えられて
いる為、記録画像の耐光性を向上させるには耐光性に優
れた染料をインクに使用すればよいことになる。
しかしながら、これと同時にインクジェット用のイン
クは、インクジェットノズルの目詰りを起こさないこ
と、鮮明な色調を有すること等の条件をも満たさねばな
らない為、すべての染料がインクジェット用インクに使
用可能ではない。従来、インクジェット用インクとして
は酸性染料及び直接染料が使用されているが、これらの
耐光性は十分であるとは云えない。
これに対し、特開昭57−74193号公報では紫外線吸収
剤を少なくとも1種含有するインクジェット用インクを
提案し、特開昭57−87987号公報では金属酸化物、金属
塩化物、タンニン酸のうちの少なくとも1種を含有する
被記録材を提案し、又、特開昭57−87988号公報では2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、フェニ
ルサリチル酸等の紫外線吸収剤を含有する被記録材を提
案している。更に、特開昭60−72785号公報ではポリエ
チレンイミンの第4級アンモニウム化合物と酸化防止剤
及び/又は紫外線吸収剤を含有する被記録材等が紹介さ
れている。しかし、以上の様な被記録材でも記録画像の
耐光性や画像濃度及び被記録材の長期保存性が必ずしも
十分ではなかった。
即ち、有機系の紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するこ
とによってそれ自身が劣化する為、光劣化に対する抑制
効果が持続しないという問題がある。
又、金属塩の添加では記録画像の色素を変化させてし
まうことが多く、更に、従来開示されている金属酸化物
では紫外線阻害の効果が充分ではなく、これらはいずれ
も記録画像の耐光性を改善する効果は充分でない。
従って、本発明の目的は、前記の様な諸要求を満足さ
せ、特に耐光性を有し且つ耐水性の良好な画像を与える
インクジェット記録に好適な被記録材を提供することで
ある。
又、本発明の他の目的は、インクの発色性を改善し、
色彩性に優れた画像を与える被記録材及びこれを用いる
記録方法を提供することである。
(問題点を解決する為の手段) 上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、基材と基材上に設けられたインク受
容層を有する被記録材において、該インク受容層が、平
均粒径0.1μm未満の遷移金属酸化物の超微粒子状粉体
を含有することを特徴とする被記録材及びこれを用いる
記録方法である。
(作用) 本発明の被記録材は、基材上に設けたインク受容層に
含有させた特定の遷移金属酸化物の紫外線吸収作用によ
り、耐光性、耐水性に優れた記録画像を与え、且つイン
クの発色性、色彩性に優れたものとなる。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を詳細に説明す
る。
本発明で使用するインク受容層の形成成分である超微
粒子状粉体は、遷移金属酸化物の超微粒子状の粉体であ
り、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸
化イットリウム等が挙げられる。
又、その粒径は0.1μm未満、より好ましくは0.01μ
m以下であり、更に好ましくは0.001〜0.01μmの範囲
のものである。
以下に遷移金属酸化物の超微粒子状粉体の具体例を示
す。
例えば、酸化イットリウム(Y2O3)は、ゼノタイム
(YPO4)、ウラン鉱滓等を主要原料とし製造され、蛍光
体やセラミックス添加材等の用途に用いられているが、
平均粒径1.8μm程度のものは立方晶系の結晶系の白色
粉体であり、その比重は5.03である。
本発明で使用する酸化イットリウムの超微粒子状粉体
としては、平均粒径40Åの非晶質の粉末である酸化イッ
トリウムゾル等が挙げられる。
又、酸化チタン(TiO2)は高い屈折率を有する為、光
散乱が大きく、反射率、不透明度の大きいことや、化学
的、物理的安定性に優れていることから、白色度、着色
力、隠蔽力の大きな白色顔料として広く利用されている
が、結晶系によりアナタース系とルチル系がある。
アナタース系のものは短波長の光に対して高い反射率
を示すので、粉体の白色度はルチル系のものより優れて
いるが、結晶構造が不安定な為、光化学的に活性であ
り、耐光性に関してはルチル系のものに劣る。両者はと
もに正方晶系の結晶形をとり、平均粒径はアナタース系
のものは0.1〜0.2μm、ルチル系のものは0.2〜0.3μm
であり、比重はどちらも4.0前後である。
本発明で使用する超微粒子状の酸化チタン粉末として
は、例えば、四塩化チタニウムの蒸気を酸水素炎中で加
水分解することにより製造される、主としてアナターゼ
型の結晶構造を示す、平均粒径0.01μm、比重が1.04の
白色粉体の酸化チタンゾル等が挙げられる。この様な超
微粒子状の酸化チタン粉体は、粒径の大きな酸化チタン
に比べ、化学的純度、粒子の微細さ、かさ比重、高い分
散性(凝集性がない)等の点で区別出来る。
又、酸化亜鉛は天然に紅亜鉛酸としても産出するが、
亜鉛蒸気を空気酸化して得たものが一般に使用されてい
るが、これは六方晶系ウルノ鉱型の結晶形を示し、その
平均粒径は0.5〜1.0μm、比重が5.47〜5.78の白色粉末
である。
本発明で使用する超微粒子状の酸化亜鉛としては、例
えば平均粒径が0.005〜0.015μm、比重が5.78の白色粉
体等が挙げられるが、前述の酸化チタンに比べより幅広
い優れた紫外線吸収性を示し、且つ可視光での吸収が殆
どない為良好な白色を呈し好ましいものである。
又、酸化セリウム(CeO2)は、例えば、炭酸塩、シュ
ウ酸塩、硝酸塩、硝酸セリウム(IV)アンモニウム等を
高温に熱した後、希硝酸で洗浄し他の希塩酸化物を除去
するか、或は金属セリウムを空気中で加熱しても得ら
れ、等軸晶系、ホタル石型構造の結晶系を示す白色又は
淡黄色の粉体である。尚、粉末状態では多量の酸素を吸
蔵することが可能である為、種々の触媒作用を有する。
本発明で使用する超微粒子状の酸化セリウム粉体とし
ては、平均粒径が50Å、比重が1.21のニードラール(多
木化学工業製)等が挙げられる。
ニードラールは、超微粒子状であり分散性が良い為、
透明性が良く、又、紫外線領域(380mm以下)における
紫外吸収能は、従来の酸化チタンよりも優れており、好
ましいものである。
本発明の第一の特徴は、以上の様な遷移金属酸化物の
超微粒子状粉体を、被記録材のインク受容層の形成成分
に使用することにより、高精細、高濃度な記録画像にお
いても充分な耐光性及び耐水性が得られることにある。
即ち、本発明は特定の遷移金属酸化物を耐光性改良剤
として被記録材のインク受容層に含有させた結果、紫外
光に対して非常に安定で耐光性に優れ、且つ耐水性を有
する、画像濃度やインク吸収性の十分な被記録材とする
ことが出来る。
本発明の被記録材は、基材としての基紙と、主に顔料
とバインダーとから成るインク受容層である表面層とに
より構成される。
本発明に於いて使用する顔料としては特に限定されな
いが、画像の濃度及び耐水性を向上させる目的で、顔料
としてカチオン性の顔料を用いることが好ましい。
即ち、ここでいうカチオン性の顔料とは、そのデータ
電位が正の値を示すものを言うが、一般的に、正のゼー
タ電位を有する粉体は、その表面にアニオン性物質を吸
着し易い。この為、アニオン染料を用いたインクジェッ
ト記録に用いれば、高濃度な記録画像が得られ、且つ補
助的に耐水化剤としての役割を示すと考えられる為、特
に効果がある。
具体的に、本発明で使用するこの様なカチオン性の顔
料としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等があげら
れる。
上記のゼータ電位(ξ)とは、粉体層に電解質溶液を
流したときに発生する電位(流動電位)より下記式に
より求められる値である。
E:流動電位 P:液体を流す為の圧力 η:液体の粘性係数 λ:液体の導電率 ε:液体の誘電率 尚、本発明に於いては、1000分の1規定の塩化カリウ
ム溶液を流したときの流動電位より求まる値をゼータ電
位とした。
又、本発明に使用するカチオン性の顔料の有する好ま
しいBET比表面積としては、170m2/g以下である。170m2/
gを越すと、画像の室内変色と呼ばれる、耐光性の問題
とは異なる画像の堅牢性に関する新たな問題を生じる為
である。
この様に、本発明の被記録媒体のインク受容層を主と
してカチオン性の顔料により形成することにより、耐水
性を向上し、耐光性を有する画像を得ることが出来る。
更に、本発明においては、より十分な耐水性と耐光性
を得る為に、前述の遷移金属酸化物の超微粒子状粉体と
前記のカチオン性の顔料を併用し、インク受容層を形成
することがより望ましい。
又、本発明の被記録材の作成方法としては、(1)基
材上に遷移金属酸化物の超微粒子状粉体や顔料を含有す
る塗工液を塗布し、インク受容層を設ける内添による方
法や、(2)遷移金属酸化物の超微粒子状粉体の水分散
液或いは溶剤溶液等を、顔料及びバインダー等であらか
じめ構成した表層上に塗布、或いは(3)これらの溶液
中に浸し、表層上にコート層を設けインク受容層を形成
する方法等がある。
本発明者らの知見によれば、高濃度な画像を得る為に
は(1)の方法がより望ましく、又紫外線遮蔽性を高め
より耐光性を向上する為には(2)又は(3)の方法が
望ましい。
又、本発明の被記録材のインク受容層に含有される遷
移金属酸化物の超微粒子状粉体の量としては、0.01g/m2
〜3.0g/m2の範囲であることが好ましい。この量が0.01g
/m2に満たない場合は、超微粒子状粉体の効果を期待で
きず得られる記録画像の耐光性は向上しない。一方、3.
0g/m2を越えると、インク吸収性や染料の発色性、色再
現性が低下する。
本発明において、インク受容層に含まれる他の成分と
ては、澱粉、カチオン澱粉、ゼラチン、カゼイン、アラ
ビアゴム、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸ソーダ等の水溶性高分子;合成ゴムラテ
ックス等の合成樹脂ラテックス、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルクロライド等の有機溶剤可溶性樹脂;更
に、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防
腐剤、界面活性剤等の各種添加剤を挙げることが出来、
これら任意に選択して使用することが出来る。
更に、前述の遷移金属酸化物の超微粒子状粉体と従来
公知のカチオンポリマー(耐水化剤)を混合して用いる
ことも可能である。
耐水化剤は、インクジェット記録方法では水系のイン
クを使用する為、記録画像の耐水性が欠け、水がかかっ
た場合等インクが滲んで判読出来なくなるという問題が
あり、これを解決する目的で添加される。この様な耐水
化剤としては、例えば、特開昭56−99693号公報の様な
ハロゲン化第4級アンモニウム等や、特開昭56−84992
号公報、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公
報、特開昭61−58788号公報に開示されている様な、1
〜3級アミン又は4級アンモニウム塩を含有する化合物
等が知られている。又、水不溶性で且つ無定形の塩基性
アルミニウム塩を含有する化合物等を耐水化剤として使
用してもよい。
本発明の被記録材は、上述の様なインク受容層を設け
る基材としてインク吸収性を有する基材を用いてこれら
より成る多層構成としても良い。
本発明で言うインク受容層とは、記録面を構成する層
であり、それ自体は付着した全てのインク量を吸収・保
持し得るものではなく、受容したインク中の染料を主と
して吸着し、インク溶剤の大部分を透過し、インク吸収
性の基紙へと移行させる機能を有するものである。
この為、本発明の被記録材は、表層を形成する顔料と
基紙の繊維状物質が混在する記録面とを有する態様、及
び/又は記録面が最大厚さ20μm、より好ましくは15μ
m以下のインク受容層で覆われた態様を有している。
又、本発明でいうインク受容層の好ましい塗工量は、
顔料の総量として、0.3〜7g/m2の範囲内である。塗工量
が0.3g/m2に満たない場合には、インク受容層を設けな
かった場合と比較して効果がなく、一方、7g/m2を超え
て設けた場合や、インク受容層の最大厚さが20μmを超
す場合には、著しいインク吸収性の低下、紙粉の発生等
の問題を生ずる。
本発明において、より好ましいインク受容層の顔料塗
布量は1〜7g/m2、更に好ましくは2〜7g/m2の範囲内で
ある。
本発明で言うインク受容層の最大厚さとは、被記録材
の断面における表層の深さ方向の厚さの最大値であり、
又、顔料塗布量とはインク受容層として塗工された顔料
の量である。尚、顔料の塗布量は、JIS−P−8128の方
法により求まる被記録材全体の灰分の量から、同様の方
法により求めた基紙の灰分の量を除いた値として得るこ
とが出来る。
上記のインク受容層を設ける基材である基紙は、イン
ク吸収性であることが好ましく、その好ましいステキヒ
ト・サイズ度の範囲は0〜15秒、より好ましくは0〜10
秒、更に好ましくは0〜8秒である。ステキヒト・サイ
ズ度が15秒を超す基紙を用いた場合には、被記録材全体
としてのインク吸収性が不足する。
本発明において、基紙を構成するパルプは特に限定さ
れるものではなく、従来公知のLBKPやNBKPに代表される
木材パルプを主体とするが、必要により合成繊維やガラ
ス繊維を混合してもよい。
本発明に用いられる基紙の填料の具体例としては、一
般的に用いられるクレー、タルク、カオリナイト、酸化
チタン、炭酸カルシウム等であり、特に本発明において
は、これらの填料を灰分量の換算で1〜30g/m2、より好
ましくは2〜10g/m2の範囲で含有する。この様な填料の
うち炭酸カルシウムは、特にドット形状と発色性が良好
となる為に好ましい。
本発明に使用する基紙は上記の材料と従来公知の抄紙
助剤、サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を必要
に応じて使用して抄造される。
又、インク吸収性の基紙とした場合には、基紙の坪量
も印字品位に影響する重要な因子であり、この場合には
坪量が60〜120g/m2の範囲内にあることが好ましい。基
紙がインクを吸収する為に、基紙の坪量が60g/m2に満た
ない場合には、高密度印字を行うと裏抜けやコックリン
グを発生しやすい。逆に120g/m2を超えると、紙のコシ
が強くなりすぎ記録装置内での搬送性に問題を生じやす
い。
本発明の被記録材を調製するに当っては、前記の如き
成分を含む塗工液を、公知の方法、例えば、ロールコー
ター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、
ゲートロールコーター法、サイズプレス法等により基材
表面に塗工する。
又、顔料とバインダーからなる水系塗工液を基材上に
塗布した後は従来公知の乾燥方法、例えば、熱風乾燥
炉、熱ドラム等を用いて乾燥し本発明の被記録材が得ら
れる。
又、インク受容層表面を平滑化する為、或いはインク
受容層の表面強度を上げる為に、工程上スーパーカレン
ダーを用いてもよい。
更に本発明においてはインク受容層に必要に応じて、
蛍光増白剤、界面活性材、消泡剤、PH調整剤、防かび
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含有させてもよい。
本発明方法は上記本発明の被記録材を用いる記録方法
であり、この記録方法において上記の如き特定の被記録
材にインクジェット記録方法により付与するインクそれ
自体は公知のものでよく、例えば、その記録剤は直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に
代表される水溶性染料である。
特にインクジェット記録方式のインクとして好適であ
り、本発明の被記録材との組合せで定着性、発色性、鮮
明性、安定性、耐光性その他の要求される性能を満たす
画像を与えるものとして好ましいものは、例えば、 C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、14
6、 C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106、1
99、 C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83、 C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、142、 C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60、 C.I.ダイレクトバイオレット47、48、 C.I.ダイレクトブラウン109及び C.I.ダイレクトグリーン59等の直接染料、 C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、11
2、118、 C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、11
3、117、120、167、229、234、 C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、
87、92、94、115、180、256、317、315、 C.I.アシッドエロー11、17、23、25、29、42、61、71、 C.I.アシッドオレンジ7、19及び C.I.アシッドバイオレット49 等の酸性染料が好ましく、その他、 C.I.ベーシックブラック2、 C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、2
6、28、29、 C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、37、 C.I.ベーシックバイオレット7、14、27及びC.I.フード
ブラック1、2 等も使用出来る。
上記の染料の例は本発明の記録方法に適用出来るイン
クに対して特に好ましいものであり、本発明に使用する
インク用の染料はこれらの染料に限定されるものではな
い。
この様な水溶性染料は、従来のインク中において一般
には約0.1乃至20重量%を占める割合で使用されてお
り、本発明においてもこの割合と同様でよい。
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は
水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なも
のは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有
機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコ
ールを含有するものである。又、水としては種々のイオ
ンを含有する一般の水でなく、脱イオン水で使用するの
が好ましい。
インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはイン
クの全重量に対して重量%で0乃至95重量%、好ましく
は10乃至80重量%、より好ましくは15乃至50重量%の範
囲である。
又、本発明に用いるインクは上記の成分の外に必要に
応じて界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を包
含し得る。
又、本発明の被記録材に上記のインクを付与して記録
を行う為の方法は、好ましくはインクジェット記録方法
であり、該方法はインクをノズルより効果的に離脱させ
て、射程体である記録媒体にインクを付与し得る方式で
あればいかなる方式でもよい。
特に、特開昭54−59936号公報公報に記載されている
方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体
積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、イ
ンクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効
に使用することが出来る。
本発明の被記録材を用いて記録を行うのに好適な一例
のインクジェット記録装置を以下に説明する。その装置
の主要部であるヘッド構成例を第1図(a)、第1図
(b)及び第2図に示す。
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミ
ックス又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる
発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに
限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱
ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アル
ミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される
発熱低抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い
基板20よりなっている。
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来てお
り、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
今、電極17−1、17−2に電気信号公報が加わると、
発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここ
に接しているインク21に気泡がが発生し、その圧力でメ
ニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22
より記録小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔す
る。第2図には第1図(a)に示すヘッドを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ
溝26を有するガラス板27と、第1図(a)に説明したも
のと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。
尚、第1図(a)は、インク流路に沿ったヘッド13の
断面図であり、第1図(b)は第1図(a)のA−B線
での切断面である。
第3図に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット
記録装置の1例を示す。
第3図において、61はワイピング部材としてのブレー
ドであり、その一端はブレード保持部材によって保持さ
れて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレー
ド61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設
され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出
した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード
61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッド
の移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、
キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61
に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61
と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持
される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によっ
て吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63に
よってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われ
る。
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した
吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を
行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッ
ド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66
はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部
はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図
示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に
沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域
及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録材を挿入する為の給紙部、52は不図示のモ
ータにより駆動される紙送りローラである。これらの構
成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記
録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53
を配した排紙部へ排紙される。
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホーム
ポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記
録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61
は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65
は吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録
ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、
キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移
動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ
移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワ
イピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この
移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングさ
れる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記
録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録
の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に
隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って
上記ワイピングが行われる。
(実施例) 次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り重
量基準である。
実施例1〜4、比較例1 基材としてステキヒト・サイズ度が5秒、坪量が66g/
m2、灰分量が9.0%(JIS−P−8128による)を有する基
紙を用いた。
この基紙上に下記の組成を有する塗工液(A)を乾燥
塗工量で5g/m2となる様にバーコーター法で塗布した
後、110℃で3分間乾燥して本発明の実施例1〜4及び
比較例1の被記録材を得た。尚、夫々の場合に使用した
遷移金属酸化物の種類及びその使用量については、第1
表に掲げた。
塗工液組成(A) ・シリカ(ファインシール X−37、徳山曹達(株)製
100部 ・ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ(株)製32部 ・遷移金属酸化物超微粒子粉体 X部 ・水 (747+5.7X)部 実施例5及び6、比較例2 塗工液(A)を下記の(B)に変更した以外は実施例
1〜4及び比較例1と同様にして、本発明の実施例5及
び6及び比較例2の被記録材を夫々得た。
その際に使用した遷移金属酸化物の種類とその使用量
についても、同様に夫々第1表に掲げた。
塗工液組成(B) *固形分換算 ・アルミニウム酸化物粒子(AKP−G、住友化学(株)
製) 100部 ・ポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株)製32部 ・遷移金属酸化物超微粒子粉体 X部 ・水 (747+5.7X)部 実施例7及び8、比較例3 基紙としてステキヒト・サイズ度が5秒、坪量が66g/
m2、灰分量が9.0%(JIS−P−8128による)を有するも
のを用いた。
この基紙上に下記の塗工液(C−1)を乾燥塗工量で
5g/m2となるようにバーコーター法で塗布し、110℃で3
分間乾燥した。
次に、この上に塗工液(C−2)をバーコーター法で
オーバーコートし、110℃で3分間再乾燥して本発明の
実施例7及び8及び比較例3の被記録材を得た。尚、他
の例と同様に夫々の場合に使用した遷移金属酸化物の種
類及びその使用量については、第1表に掲げた。
塗工液組成(C−1) ・アルミニウム酸化物粒子(AKP−G、住友化学(株)
製) 100部 ・ポリビニルアルコール(PVA105、クラレ(株)製32部 塗工液組成(C−2) ・遷移金属酸化物超微粒子粉体 X部 ・水 (100−X)部 実施例9 比較例1で形成した被記録材上に、住友セメント
(株)製の酸化亜鉛超微粒子粉体ZR−350NEを膜厚4μ
mとなる様に作膜し、本発明の被記録材を形成した。成
膜の際、ZR−350REエマルジョンに硬化剤6wt%を加え、
又、180℃で乾燥した。
実施例10 比較例2で形成した被記録材上に、住友セメント
(株)製の酸化亜鉛超微粒子粉体ZR−350NEを用い実施
例9と同様にして本発明の被記録材を形成した。
(評 価) 上記の様にして形成した各被記録材のインクジェット
記録適性は、1mmに16本の割合のノズル間隔で128本のノ
ズルを備えたインクジェットヘッドをY、M、C、Bkの
4色分有するインクジェットプリンターを用い、下記組
成のインクによりインクジェット記録を行い評価した。
インク組成 ・染料 5部 ・ジエチレングリコール 30部 ・水 68部 染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アシッドレッド35 Bk:C.I.ダイレクトブルー199 C:C.I.ダイレクトブラック2 評価は次に示す項目について行い、結果は後記第2表
に示した。
(1)画像濃度 前記のインクジェットプリンターを用いてベタ印字し
たブラック印字部の画像濃度を、マクベス濃度計RD−91
8を用いて評価した。
(2)耐光性 印字物をキセノンフェードメーター(Ci−35アトラス
社製)を用いて、ブラックパネル温度63℃、湿度70%RH
の条件下で150時間照射し、M印字部の照射前後の色度
(CIE LAB)の差を、カラーアナライザー(CA−35村上
色彩科学製)を用いて求め評価した。
この結果、第2表に示した様に本発明の被記録材は画
像濃度が高く、且つ耐光性にも優れていた。更に、これ
らのものは遷移金属酸化物をインク受容層に入れないも
のに比べ耐水性も向上していた。
比較例1〜3の被記録材は、耐光性が劣っていた。
又、比較例2の被記録材は、インク吸収性が悪かった。
(効果) 以上の様に本発明によれば、被記録材のインク受容層
が多孔性のカチオン性無機質顔料を主体として形成さ
れ、更に紫外線吸収性のある遷移金属酸化物の超微粒子
粉体を含有させることにより、インクが速やかにその内
部に吸収される。
又、無色のインクが短時間内に被記録材の同一箇所に
重複して付着した場合にもインクの流れ出しや滲み出し
現象がなく、高解像度の鮮明な画像が与えられる。
更に、得られる画像は耐光性、耐水性に優れており、
インクジェット記録用の被記録材として好適なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、第1図(b)は本発明方法で使用するイ
ンクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図及び横断面
図である。 第2図は第1図に示したヘッドをマルチ化したヘッドの
外観斜視図である。 第3図はインクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。 61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−223465(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と基材上に設けられたインク受容層を
    有する被記録材において、該インク受容層が、平均粒径
    が0.1μm未満の遷移金属酸化物の超微粒子状粉体を含
    有することを特徴とする被記録材。
  2. 【請求項2】遷移金属酸化物の超微粒子状粉体が酸化セ
    リウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イットリウムのう
    ち少なくとも1種を含有する請求項1に記載の被記録
    材。
  3. 【請求項3】遷移金属酸化物の超微粒子状粉体の平均粒
    径が0.001〜0.01μmである請求項1に記載の被記録
    材。
  4. 【請求項4】遷移金属酸化物の超微粒子状粉体の量が、
    0.01g/m2〜3.0g/m2の範囲にある請求項1に記載の被記
    録材。
  5. 【請求項5】インク受容層が顔料を主体として成る請求
    項1に記載の被記録材。
  6. 【請求項6】顔料がカチオン性顔料である請求項5に記
    載の被記録材。
  7. 【請求項7】カチオン性顔料のBET比表面積が170m2/g以
    下である請求項6に記載の被記録材。
  8. 【請求項8】カチオン性顔料が、酸化アルミニウム、酸
    化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグ
    ネシウムから選択される請求項6に記載の被記録材。
  9. 【請求項9】顔料塗布量が0.3〜7g/m2の範囲にある請求
    項5に記載の被記録材。
  10. 【請求項10】基材が基紙である請求項1に記載の被記
    録材。
  11. 【請求項11】基紙のステキヒトサイズ度が0〜15秒の
    範囲にある請求項10に記載の被記録材。
  12. 【請求項12】基紙の坪量が60〜120g/m2の範囲にある
    請求項10に記載の被記録材。
  13. 【請求項13】遷移金属酸化物の超微粒子状粉体が、イ
    ンク受容層表面に塗布されてなる請求項1に記載の被記
    録材。
  14. 【請求項14】インクジェット記録用である請求項1乃
    至13に記載の被記録材。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14に記載の被記録材に、記
    録信号に従ってインクジェット記録ヘッドのオリフィス
    からインクを吐出させて記録を行うことを特徴とするイ
    ンクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】インクの吐出を熱エネルギーによって行
    う請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】基材上に設けられた、平均粒径が0.1μ
    m未満の遷移金属酸化物の超微粒子状粉体を含有するイ
    ンク受容層に、染料による画像が保持されてなることを
    特徴とする印字物。
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