JP2672809B2 - 高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法 - Google Patents
高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法Info
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- JP2672809B2 JP2672809B2 JP60129877A JP12987785A JP2672809B2 JP 2672809 B2 JP2672809 B2 JP 2672809B2 JP 60129877 A JP60129877 A JP 60129877A JP 12987785 A JP12987785 A JP 12987785A JP 2672809 B2 JP2672809 B2 JP 2672809B2
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- Japan
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- cast iron
- graphite cast
- spheroidal graphite
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は球状黒鉛鋳鉄に係わり、特に短時間で生産性
良く高強度、高強靭性を有する高強度球状黒鉛鋳鉄の製
造法に関するものである。 [従来の技術] 一般に球状黒鉛鋳鉄をオーステンパー処理する際に
は、800〜930℃の温度で30分ないし360分間保持するこ
とによってオーステナイト化し、次に塩浴するという方
法がとられている。 この方法では、基地組織中にセメンタイトを含んでい
たり、フェライトの占有率が高い場合にはオーステナイ
ト化温度を高温にしないとオーステナイト化に長時間を
要する。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、オーステナイト化温度が高いと基地組
織中の炭素濃度は高くなり、低温処理に比較して次の処
理である恒変態処理に長時間を要する。 通常、恒温変態処理は塩浴槽を用いバッチ処理を行う
ことが多いが、処理時間が長くなると生産性が悪くな
り、連続処理の場合には炉長の長い塩浴槽が必要になる
ので設備費が高価となる。 本発明の目的は、恒温変態時間をできるだけ短くする
ことによって、バッチ式塩浴槽での生産性を上げ、連続
炉に於いては槽長を短くし設備費を廉価にする高強度球
状黒鉛鋳鉄の製造法を提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明の高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法は、球状黒鉛鋳
鉄にオーステンパー処理を施す際に、最初に850〜930℃
の温度で10〜120分間保持することにより、セメンタイ
トの分解とフェライトのオーステナイト化を行う第1の
オーステナイト化処理を施し、次いで800〜830℃の温度
にて10〜60分間保持して、基地組織中の炭素濃度の低下
を行う第2のオーステナイト化処理を施すことを特徴と
する。上述の第1のオーステナイト化処理と第2のオー
ステナイト化処理を施すことによって、従来のオーステ
ンパー処理方法と同一ベイナイト変態量を得るに要する
恒温変態処理時間を著しく短縮することができる。 この条件を定めたのは、最初の高温保持において850
℃より低いとセメンタイトがある場合短時間で分解しな
いし、フェライトが多い場合はオーステナイト化が遅
れ、930℃をい超えるとオーステナイト結晶が粗大化す
る。 また10分より短いとセメンタイトの分解あるいタはフ
ェライトの多い場合オーステナイト化が十分でなく、12
0分を超えると既にセメンタイトの分解、またはフェラ
イトの多い場合でのオーステナイト化は完了しており無
駄な時間となる。 第2の低温オーステナイト化処理において、800℃よ
り低いと炭素の移動が遅くなって長時間を要し、830℃
を超えると恒温変態処理に役立たない。 また10分より短いと基地組織中の炭素濃度は十分に下
がらず、60分を超えても基地組織中の炭素濃度の低下は
期待できない。 なお、これらの温度、時間は、鋳放し時のセメンタイ
ト量、フェライト量あるいは肉厚を考慮しできる限り低
温度、短時間が望ましい。 [実 施 例] (1)試験片の形状 φ25×160 (2)化学成分 鉄と不可避的不純物と下記の成分(wt%)とからなる
材料から、前記試験片を製作した。その時の注入温度は
1,400〜1,420℃であった。 (3)熱処理 従来の方法 930℃×60min→240℃で恒温変態処理 本発明の方法 930℃×30min→830℃×30min→240℃で恒温変態処理 (4)結果 第1図はベイナイト変態量と恒温変態処理時間との関
係を示すものであり、同一のベイナイト変態量を得るた
めに要する恒温変態処理時間は、従来の方法に比べて著
しく短縮することができた。 [発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の高強度球状黒
鉛鋳鉄の製造法は、生産性を向上し、熱処理費、設備費
を低減し得るもので工業的に優れた効果を有するもので
ある。
良く高強度、高強靭性を有する高強度球状黒鉛鋳鉄の製
造法に関するものである。 [従来の技術] 一般に球状黒鉛鋳鉄をオーステンパー処理する際に
は、800〜930℃の温度で30分ないし360分間保持するこ
とによってオーステナイト化し、次に塩浴するという方
法がとられている。 この方法では、基地組織中にセメンタイトを含んでい
たり、フェライトの占有率が高い場合にはオーステナイ
ト化温度を高温にしないとオーステナイト化に長時間を
要する。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、オーステナイト化温度が高いと基地組
織中の炭素濃度は高くなり、低温処理に比較して次の処
理である恒変態処理に長時間を要する。 通常、恒温変態処理は塩浴槽を用いバッチ処理を行う
ことが多いが、処理時間が長くなると生産性が悪くな
り、連続処理の場合には炉長の長い塩浴槽が必要になる
ので設備費が高価となる。 本発明の目的は、恒温変態時間をできるだけ短くする
ことによって、バッチ式塩浴槽での生産性を上げ、連続
炉に於いては槽長を短くし設備費を廉価にする高強度球
状黒鉛鋳鉄の製造法を提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明の高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法は、球状黒鉛鋳
鉄にオーステンパー処理を施す際に、最初に850〜930℃
の温度で10〜120分間保持することにより、セメンタイ
トの分解とフェライトのオーステナイト化を行う第1の
オーステナイト化処理を施し、次いで800〜830℃の温度
にて10〜60分間保持して、基地組織中の炭素濃度の低下
を行う第2のオーステナイト化処理を施すことを特徴と
する。上述の第1のオーステナイト化処理と第2のオー
ステナイト化処理を施すことによって、従来のオーステ
ンパー処理方法と同一ベイナイト変態量を得るに要する
恒温変態処理時間を著しく短縮することができる。 この条件を定めたのは、最初の高温保持において850
℃より低いとセメンタイトがある場合短時間で分解しな
いし、フェライトが多い場合はオーステナイト化が遅
れ、930℃をい超えるとオーステナイト結晶が粗大化す
る。 また10分より短いとセメンタイトの分解あるいタはフ
ェライトの多い場合オーステナイト化が十分でなく、12
0分を超えると既にセメンタイトの分解、またはフェラ
イトの多い場合でのオーステナイト化は完了しており無
駄な時間となる。 第2の低温オーステナイト化処理において、800℃よ
り低いと炭素の移動が遅くなって長時間を要し、830℃
を超えると恒温変態処理に役立たない。 また10分より短いと基地組織中の炭素濃度は十分に下
がらず、60分を超えても基地組織中の炭素濃度の低下は
期待できない。 なお、これらの温度、時間は、鋳放し時のセメンタイ
ト量、フェライト量あるいは肉厚を考慮しできる限り低
温度、短時間が望ましい。 [実 施 例] (1)試験片の形状 φ25×160 (2)化学成分 鉄と不可避的不純物と下記の成分(wt%)とからなる
材料から、前記試験片を製作した。その時の注入温度は
1,400〜1,420℃であった。 (3)熱処理 従来の方法 930℃×60min→240℃で恒温変態処理 本発明の方法 930℃×30min→830℃×30min→240℃で恒温変態処理 (4)結果 第1図はベイナイト変態量と恒温変態処理時間との関
係を示すものであり、同一のベイナイト変態量を得るた
めに要する恒温変態処理時間は、従来の方法に比べて著
しく短縮することができた。 [発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の高強度球状黒
鉛鋳鉄の製造法は、生産性を向上し、熱処理費、設備費
を低減し得るもので工業的に優れた効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図はベイナイト変態量と恒温変態処理時間との関係
を示す図である。
を示す図である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.球状黒鉛鋳鉄にオーステンパー処理を施す際に、最
初に850〜930℃の温度で10〜120分間保持することによ
り、セメンタイトの分解とフェライトのオーステナイト
化を行う第1のオーステナイト化処理を施し、次いで80
0〜830℃の温度にて10〜60分間保持して、基地組織中の
炭素濃度の低下を行う第2のオーステナイト化処理を施
すことを特徴とする高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60129877A JP2672809B2 (ja) | 1985-06-17 | 1985-06-17 | 高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60129877A JP2672809B2 (ja) | 1985-06-17 | 1985-06-17 | 高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61288012A JPS61288012A (ja) | 1986-12-18 |
| JP2672809B2 true JP2672809B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=15020523
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60129877A Expired - Fee Related JP2672809B2 (ja) | 1985-06-17 | 1985-06-17 | 高強度球状黒鉛鋳鉄の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2672809B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5867844A (ja) * | 1981-10-16 | 1983-04-22 | Mazda Motor Corp | 靭性に優れた球状黒鉛鋳鉄およびその製造方法 |
| JPS5959825A (ja) * | 1982-09-29 | 1984-04-05 | Honda Motor Co Ltd | 強靭球状黒鉛鋳鉄の熱処理方法 |
-
1985
- 1985-06-17 JP JP60129877A patent/JP2672809B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61288012A (ja) | 1986-12-18 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |