JP2672502B2 - カラーブラウン管電子銃用電極の製造方法 - Google Patents
カラーブラウン管電子銃用電極の製造方法Info
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- JP2672502B2 JP2672502B2 JP62014021A JP1402187A JP2672502B2 JP 2672502 B2 JP2672502 B2 JP 2672502B2 JP 62014021 A JP62014021 A JP 62014021A JP 1402187 A JP1402187 A JP 1402187A JP 2672502 B2 JP2672502 B2 JP 2672502B2
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- electron gun
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明はインライン形カラーブラウン管の電子銃用電
極の製造方法に係り、特に両面周辺のフオーカスの改善
を図るに好適な電極の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、カラーブラウン管の両面周辺のフオーカスの改
善を目的とした電子銃として、例えば特開昭59−157936
号公報に示すものが知られている。この構造は、第2図
に示すように、第2グリツド電極1の電子ビーム通過孔
2の周辺部にスリツト状の凹部3を設け、前記孔2の周
辺部の板厚を垂直偏向方向(y方向)に厚く、水平偏向
方向(x方向)に薄くしてなり、これによつて電子ビー
ムの発散角を垂直偏向方向(y方向)で小さくしてい
る。なお、図中、4はリング状の突起を示す。 前記凹部3を形成するには、一般にプレスによるコイ
ニング加工が用いられている。例えば特公昭40−4550号
公報があげられる。 第2図に示す電極1を成形する場合、特公昭40−4550
号公報に示されているように、コイニング加工力低減の
目的から、まず第3図に示すように、電子ビーム通過孔
2の当該部に余肉吸収用下穴5を設けている。次に第4
図に示すように、コイニング加工により余肉吸収用下穴
5の周辺部の凹部形成面6に凹部3を形成する。これに
より前記余肉吸収用下穴5は番号7で示すように小さく
なる。その後余肉吸収用下穴7の部分を所定の電子ビー
ム通過孔2に形成する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は、第4図に示すように、凹部3のコイ
ニング加工により必然的に生じる余肉は、下穴5の縮小
方向への流動9と突起4方向への流動8とのそれぞれの
方向へ流動する。この際、突起4方向への流動8は、破
線10で示したような変形で吸収されるが、この流動8の
ために凹部3の開口部7には周囲にわたつて不規則的な
丸み、いわゆるひけを発生させる原因となる。このひけ
は凹部3周囲でその大きさは不規則となり、凹部形状精
度のばらつきとなつてしまう。特に第2図に示す電子ビ
ーム通過孔2の近傍の凹部3の段差を出すため、孔2の
近傍の垂直偏向方向(y方向)の形状が主要である。 前記したように垂直偏向方向(y方向)の凹部形状精
度のばらつきを招くので、カラーブラウン管のフオーカ
スにおいても一様な性能が得られないという問題があつ
た。 なお、本発明を審査請求する前に先行技術に調査した
ところ、上記従来技術で説明した電子ビーム通過孔の周
辺にスリット状の凹部を設けた電極に関連するものにつ
いては、例えば実開昭54−54263号公報、特開昭57−637
46号公報、特開昭57−103244号公報、特開昭57−147850
号公報、特開昭58−158840号公報、特開昭60−62036号
公報、特開昭61−147445号公報等にも開示されていた。 本発明の目的は、ひけの発生を防止し、凹部形状の精
度の一様性の高いカラーブラウン管電子銃用電極の製造
方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、塑性加工により凹部形成面の板厚を素材
厚に対してその50%以上75%以下(加工率で25%以上50
%以下)に薄く形成することにより達成される。 〔作用〕 あらかじめ凹部形成面を薄く、一様な板厚にコイニン
グ加工を施すと、凹部形成面は塑性加工によつて加工硬
化して加工変形抵抗を増大させることになるので、凹部
形成字にひけ発生の原因となる余肉流を制限し、凹部形
状精度が向上する。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
2グリツト電極20は、電子ビーム通過孔21の周辺部にス
リツト状の凹部22を有し、凹部形成面23の凹部22の周囲
にはリング状の突起24が設けられている。ここで、凹部
形成面23の板厚Tはコイニング加工によつて素材厚T0に
対して25%以上の範囲に薄く形成されている。 一般に電子ビーム通過孔21の孔径Dは、ブラウン管の
用途によつて若干異なるが、0.4〜0.8mm程度に選定して
いる。また凹部22、即ち水平偏向方向(x方向)の板厚
tは(0.2〜0.4)Dに選定し、凹部形成面23、即ち垂直
偏向方向(y方向)の板厚Tは(0.4〜1)Dに選定
し、板厚t、Tとも主レンズ方式により使い分けてい
る。 本実施例では、例えば素材厚T0が0.45mmの電極板をコ
イニング加工して凹部形成面23の板厚Tを0.3mmにし、
次にコイニング加工により凹部22の板厚tを0.15mmにし
た。また電子ビーム通過孔21の孔径Dは0.5mmに形成し
た。 このように、凹部22の形成前に凹部形成面23を0.45mm
からその67%の0.3mmに、即ち加工率に置き換えると33
%の薄板化した結果、全くひけ発生が解消し、凹部形状
精度は著しく改善された。 また凹部形成面23を0.4mmからその75%の0.3mmに、即
ち加工率で25%の薄板化した結果、前記のように33%の
薄板化を図つたものよりも若干見劣りするものの、ブラ
ウン管フオーカスの一様性を保つに満足する凹部形状精
度を得ることができた。なお、加工率が50%を越えると
スリツト部に対して凹部形成面は加工面積が大きいた
め、工具の摩耗、強度面で問題が生ずる恐れがあり、50
%以下にすることが必要である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、凹部形成前に凹部形成面をコイニン
グ加工によつて加工率で25%以上50%以下の薄板化板厚
比率で50%以上75%以下の薄板化することにより、凹部
形成面は加工硬化し、凹部形成時の余肉が下穴縮小方向
への流動に制限され、凹部形状精度の一様性が得られ、
フオーカス品質の一様性が向上する。
極の製造方法に係り、特に両面周辺のフオーカスの改善
を図るに好適な電極の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、カラーブラウン管の両面周辺のフオーカスの改
善を目的とした電子銃として、例えば特開昭59−157936
号公報に示すものが知られている。この構造は、第2図
に示すように、第2グリツド電極1の電子ビーム通過孔
2の周辺部にスリツト状の凹部3を設け、前記孔2の周
辺部の板厚を垂直偏向方向(y方向)に厚く、水平偏向
方向(x方向)に薄くしてなり、これによつて電子ビー
ムの発散角を垂直偏向方向(y方向)で小さくしてい
る。なお、図中、4はリング状の突起を示す。 前記凹部3を形成するには、一般にプレスによるコイ
ニング加工が用いられている。例えば特公昭40−4550号
公報があげられる。 第2図に示す電極1を成形する場合、特公昭40−4550
号公報に示されているように、コイニング加工力低減の
目的から、まず第3図に示すように、電子ビーム通過孔
2の当該部に余肉吸収用下穴5を設けている。次に第4
図に示すように、コイニング加工により余肉吸収用下穴
5の周辺部の凹部形成面6に凹部3を形成する。これに
より前記余肉吸収用下穴5は番号7で示すように小さく
なる。その後余肉吸収用下穴7の部分を所定の電子ビー
ム通過孔2に形成する。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は、第4図に示すように、凹部3のコイ
ニング加工により必然的に生じる余肉は、下穴5の縮小
方向への流動9と突起4方向への流動8とのそれぞれの
方向へ流動する。この際、突起4方向への流動8は、破
線10で示したような変形で吸収されるが、この流動8の
ために凹部3の開口部7には周囲にわたつて不規則的な
丸み、いわゆるひけを発生させる原因となる。このひけ
は凹部3周囲でその大きさは不規則となり、凹部形状精
度のばらつきとなつてしまう。特に第2図に示す電子ビ
ーム通過孔2の近傍の凹部3の段差を出すため、孔2の
近傍の垂直偏向方向(y方向)の形状が主要である。 前記したように垂直偏向方向(y方向)の凹部形状精
度のばらつきを招くので、カラーブラウン管のフオーカ
スにおいても一様な性能が得られないという問題があつ
た。 なお、本発明を審査請求する前に先行技術に調査した
ところ、上記従来技術で説明した電子ビーム通過孔の周
辺にスリット状の凹部を設けた電極に関連するものにつ
いては、例えば実開昭54−54263号公報、特開昭57−637
46号公報、特開昭57−103244号公報、特開昭57−147850
号公報、特開昭58−158840号公報、特開昭60−62036号
公報、特開昭61−147445号公報等にも開示されていた。 本発明の目的は、ひけの発生を防止し、凹部形状の精
度の一様性の高いカラーブラウン管電子銃用電極の製造
方法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、塑性加工により凹部形成面の板厚を素材
厚に対してその50%以上75%以下(加工率で25%以上50
%以下)に薄く形成することにより達成される。 〔作用〕 あらかじめ凹部形成面を薄く、一様な板厚にコイニン
グ加工を施すと、凹部形成面は塑性加工によつて加工硬
化して加工変形抵抗を増大させることになるので、凹部
形成字にひけ発生の原因となる余肉流を制限し、凹部形
状精度が向上する。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第
2グリツト電極20は、電子ビーム通過孔21の周辺部にス
リツト状の凹部22を有し、凹部形成面23の凹部22の周囲
にはリング状の突起24が設けられている。ここで、凹部
形成面23の板厚Tはコイニング加工によつて素材厚T0に
対して25%以上の範囲に薄く形成されている。 一般に電子ビーム通過孔21の孔径Dは、ブラウン管の
用途によつて若干異なるが、0.4〜0.8mm程度に選定して
いる。また凹部22、即ち水平偏向方向(x方向)の板厚
tは(0.2〜0.4)Dに選定し、凹部形成面23、即ち垂直
偏向方向(y方向)の板厚Tは(0.4〜1)Dに選定
し、板厚t、Tとも主レンズ方式により使い分けてい
る。 本実施例では、例えば素材厚T0が0.45mmの電極板をコ
イニング加工して凹部形成面23の板厚Tを0.3mmにし、
次にコイニング加工により凹部22の板厚tを0.15mmにし
た。また電子ビーム通過孔21の孔径Dは0.5mmに形成し
た。 このように、凹部22の形成前に凹部形成面23を0.45mm
からその67%の0.3mmに、即ち加工率に置き換えると33
%の薄板化した結果、全くひけ発生が解消し、凹部形状
精度は著しく改善された。 また凹部形成面23を0.4mmからその75%の0.3mmに、即
ち加工率で25%の薄板化した結果、前記のように33%の
薄板化を図つたものよりも若干見劣りするものの、ブラ
ウン管フオーカスの一様性を保つに満足する凹部形状精
度を得ることができた。なお、加工率が50%を越えると
スリツト部に対して凹部形成面は加工面積が大きいた
め、工具の摩耗、強度面で問題が生ずる恐れがあり、50
%以下にすることが必要である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、凹部形成前に凹部形成面をコイニン
グ加工によつて加工率で25%以上50%以下の薄板化板厚
比率で50%以上75%以下の薄板化することにより、凹部
形成面は加工硬化し、凹部形成時の余肉が下穴縮小方向
への流動に制限され、凹部形状精度の一様性が得られ、
フオーカス品質の一様性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例になる第2グリツド電極の電
子ビーム通過孔部分を示し、(a)は拡大正面図、
(b)は断面図、第2図は従来の第2グリツド電極を示
し、(a)は正面図、(b)は断面図、第3図及び第4
図は従来例の第2グリツド電極の成形方法を示し、
(a)は拡大正面図、(b)は断面図である。 20……第2グリツド電極、21……電子ビーム通過孔、22
……凹部、23……凹部形成面。
子ビーム通過孔部分を示し、(a)は拡大正面図、
(b)は断面図、第2図は従来の第2グリツド電極を示
し、(a)は正面図、(b)は断面図、第3図及び第4
図は従来例の第2グリツド電極の成形方法を示し、
(a)は拡大正面図、(b)は断面図である。 20……第2グリツド電極、21……電子ビーム通過孔、22
……凹部、23……凹部形成面。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.(a)板状の素材にリング状の突起(24)をコイニ
ング加工により形成する工程と、 (b)次いで前記リング状の突起(24)で囲まれた領域
の中央部に矩形状の凹部(22)をコイニング加工により
形成する工程と、 (c)次に前記矩形状の凹部(22)内に電子ビーム通過
孔(21)を打ち抜く工程とからなるカラーブラウン管電
子銃用電極の製造方法において、 前記(a)の工程で形成される前記リング状の突起(2
4)で囲まれた領域の板厚Tが、前記板状の素材の厚さT
0に対してその50%以上75%以下であることを特徴とす
るカラーブラウン管電子銃用電極の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62014021A JP2672502B2 (ja) | 1987-01-26 | 1987-01-26 | カラーブラウン管電子銃用電極の製造方法 |
KR1019880000535A KR910001511B1 (ko) | 1987-01-26 | 1988-01-25 | 전자총용전극 |
US07/147,988 US4886998A (en) | 1987-01-26 | 1988-01-25 | Electron gun electrode for a color picture tube |
KR1019900018028A KR910001510B1 (ko) | 1987-01-26 | 1990-11-08 | 전자총용전극 |
KR1019900018029A KR910009636B1 (ko) | 1987-01-26 | 1990-11-08 | 컬러브라운관의 전자총용 전극 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62014021A JP2672502B2 (ja) | 1987-01-26 | 1987-01-26 | カラーブラウン管電子銃用電極の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63184245A JPS63184245A (ja) | 1988-07-29 |
JP2672502B2 true JP2672502B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=11849533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62014021A Expired - Fee Related JP2672502B2 (ja) | 1987-01-26 | 1987-01-26 | カラーブラウン管電子銃用電極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2672502B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55154044A (en) * | 1979-05-18 | 1980-12-01 | Hitachi Ltd | Electrode structure of electron gun and its manufacture |
DE3166330D1 (en) * | 1980-08-04 | 1984-10-31 | Philips Ecg Inc | Method of fabricating an electron gun electrode member for a cathode-ray tube and cathode ray tube comprising an electron gun electrode member fabricated by this method |
JPS58116944A (ja) * | 1981-12-29 | 1983-07-12 | トピ−工業株式会社 | ホイ−ルデイスクの加工法 |
JPS6160224A (ja) * | 1984-08-31 | 1986-03-27 | Hitachi Ltd | 金属薄板の成形方法 |
JPS61147445A (ja) * | 1984-12-20 | 1986-07-05 | Mitsubishi Electric Corp | 電子銃 |
-
1987
- 1987-01-26 JP JP62014021A patent/JP2672502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63184245A (ja) | 1988-07-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |