JP2000102826A - プレス加工法、プレス部品およびプレス部品を用いたブラウン管 - Google Patents

プレス加工法、プレス部品およびプレス部品を用いたブラウン管

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JP2000102826A
JP2000102826A JP10271602A JP27160298A JP2000102826A JP 2000102826 A JP2000102826 A JP 2000102826A JP 10271602 A JP10271602 A JP 10271602A JP 27160298 A JP27160298 A JP 27160298A JP 2000102826 A JP2000102826 A JP 2000102826A
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coining
punch
die
hole
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JP10271602A
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Hirooki Suzuki
浩興 鈴木
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス加工の精密剪断加工で、特に打抜き加
工後の製品のばりやかえりの発生を抑止する加工方法。 【解決手段】 打抜き加工では、被加工物2を仕上げ寸
法よりも僅かに余肉部を残した寸法に打抜き、次の仕上
加工は被加工物2の余肉部に対してコイニング加工を行
なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプレス加工の精密剪
断加工に係り、特に打抜き加工後の製品のばりやかえり
の発生を抑止する加工方法とその加工方法によって加工
されたプレス部品とそれを用いたブラウン管に関する。
【0002】
【従来の技術】 ポンチとダイスによる通常の剪断加工
では、ポンチ切刃の被加工材料への食込みが大きくなる
と、被加工材料の抵抗が大きくなる。その抵抗がある極
限に達して切刃の先端から被加工材料内にクラックが入
り、以後はポンチ力が急激に低下し、程なく被加工材料
の切断が完了する。
【0003】ポンチが被加工材料に食込む時に塑性変形
して被加工材料の剪断面に、だれ、ばり(かえり)が生
じる。このだれ、ばりはプレス加工の剪断における大き
な特徴であり、発生を全く回避するのは極めて困難であ
る。
【0004】板金加工用の被加工材料は、多くの場合に
剪断過程中にポンチとダイスの切刃の先端からクラック
が入り、これらの両クラックがポンチの進行と共に成長
し、何らかの形でつながって被加工材料の分離が行なわ
れる。クラックが発生し成長する方向は大体相手の刃先
に向かっているが、クリアランスが過小の場合や過大の
場合は両クラックのつながりがうまく行われず、その結
果、剪断開口面は必ずしもきれいにならない。
【0005】従って、工具のクリアランスを調整して、
好ましい切口の形状が得られるようにしなければならな
い。クリアランスの大きさによるクラックの成長の相違
を図示すると、図9(a)はクリアランスが過小での場
合で、図9(b)は適正クリアランスの場合で、9
(c)はクリアランスが過大の場合である。
【0006】また、クリアランスは大きくなれば打抜き
圧力は減少するが、それとともに被加工物に発生する
「だれ」が大きくなり切断面の直角度は悪くなる。その
ため、クリアランスは打抜き目的に応じて適宜選定され
使い分けられている。特に、高度な寸法精度が要求され
る精密プレス金型では、クリアランスはミクロンオーダ
が必要であり、クリアランス調整の精度は打抜き部品の
品質に極めて重要な要因である。
【0007】通常、それらのことを十分考慮したうえで
打抜き加工を進めているが、剪断加工された部品の用途
によっては、切口全体が剪断面になることが望まれる。
そのように切口面を改善するために、精密打抜き法が用
いられている。
【0008】図10は精密打抜き法の概要を示す説明図
である。すなわち、板押え31と逆押え32を用いて被
加工材料をそれぞれダイス33とポンチ34に大きな圧
力で加圧しながら打抜きを行なう方法である。この場
合、工具のクリアランスは極めて小さくして、剪断時の
クラックの発生を極力抑えて破断面ができないようにし
ている。被加工材料がほとんど完全に拘束された状態で
打抜かれるので、だれも少なく、湾曲もほとんど無い良
好な製品を得ることができる。なお、板押えの打抜き輪
郭の周りにナイフエッジ状の突起35を設けるとより効
果的になる。
【0009】また、別の方法としては図11(a)
(b)(c)に示す方法が用いられている。すなわち、
図11(a)は第1工程を示す説明図で、負のクリアラ
ンス(ポンチ36の径がダイス37の径より大)を持つ
ポンチ36とダイス37により被加工材料である板材3
8を半抜き状態とする。図11(b)は第2工程を示す
説明図で、平らな工具39により半抜き部を元の板材3
8に押し戻す。図11(c)は第3工程を示す説明図
で、スクラップになる部分を板材38から分離すること
により板材38の表面へのばりの発生を防止するもので
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の加工方法では、プレス機械自体は一般的なもの
を用いることができるが、第1工程において、負のクリ
アランスによる余材の塑性流動を均等に行なうのが困難
であり、また、第1工程によって形成された半抜き(凸
状になつた部分)の部分を用いて(仮想のポンチ)次の
加工を行なうため良好な加工精度が得られず、高精度の
プレス打抜き加工は困難であるてめ、ばりが出なくなっ
ても、孔の内面の精度が低くなってしまう。
【0011】このような孔を構成する面の面精度が粗い
と、孔を通過する荷電粒子の流れが乱れ、制御困難にな
る問題も有る。
【0012】本発明は、これらの事情に基づいてなされ
てもので、ばりのない高精度なプレス打抜き加工を行う
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手
段によれば、ポンチとダイスで被加工物の打抜き加工を
行うプレス加工法において、前記被加工物に所望の孔寸
法よりも小さな開口を有する下孔の、所望の孔寸法より
も開口側の余肉部をコイニング加工し、前記下孔の一対
の開口のいずれかに偏奇した対置に縁状部位を形成する
コイニング工程と、前記縁状部位を前記偏寄した位置近
傍の開□側から前記縁状部位を打抜く打抜き工程と、を
具備することを特徴とするプレス加工法である。
【0014】また請求項2の発明による手段によれば、
ポンチとダイスで被加工物の打抜き加工を行うプレス加
工法において、所望の外形寸法よりも大きな外形を有す
る前記被加工物の、所望の外形寸法よりも外側の余肉部
をコイニング加工し、前記被加工物の前記コイニング加
工を施した方向についていずれかに偏寄した位置に縁状
部位を形成するコイニング工程と、前記縁状部位を前記
偏寄した位置近傍の端部から反対方向の端部に向けて前
記縁状部位を打抜く打抜き工程と、を具備することを特
徴とするプレス加工法である。
【0015】また請求項3の発明による手段によれば、
前記打抜き加工は、孔加工であることを特徴とするのプ
レス加工法である。
【0016】また請求項4の発明による手段によれば、
前記打抜き加工は、外形加工であることを特徴とするプ
レス加工法である。
【0017】また請求項5の発明による手段によれば、
前記コイニング加工は、仕上げ寸法と異なる寸法で相似
形状のコイニングパンチによリ行なうことを特徴とする
プレス加工法である。
【0018】また請求項6の発明による手段によれば、
前記孔加工は、一対の上型と下型で連続的に行なうこと
を特徴とするプレス加工法である。
【0019】また請求項7の発明による手段によれば、
ポンチとダイスで打抜き加工されたプレス部品におい
て、前記被加工物を仕上げ寸法よりも余肉部を残した寸
法に打抜かれ、かつ、前記余肉部に対してコイニング加
工が施されており、そのコイニングされた部位が打抜か
れていることを特徴とするプレス部品である。
【0020】また請求項8の発明による手段によれば、
前記プレス部品は、電子銃を構成する電極の電極部品で
あることを特徴とするプレス部品である。
【0021】また請求項9の発明による手段によれば、
前記プレス部品は、電子銃を構成する電極の電子部品で
あり、該プレス部品を有することを特徴とするブラウン
管である。
【0022】
【発明の実施の形態】TVやパソコンのディスプレイに
用いられているカラーブラウン管としてシャドウマスク
方式を例に説明する。図1に示すように、この方式では
電子銃41から発射された電子ビーム42は赤、緑、青
の3原色に対応して1本ずつ用意され、偏向ヨーク43
の磁界によって軌道を曲げてシャドウマスク44のバラ
バックスを利用して、蛍光面45上にモザイク状に形成
された3色蛍光体を選択的に刺激し発光させるように構
成されている。
【0023】電子銃41は3色の蛍光体を発光させるた
めの3本の電子ビーム42を発生させ、この電子ビーム
42を蛍光面45上でスポット状に集光させて発光させ
る重要な機能を持つ部品であり、3本の電子銃41は同
一平面上で直線状に配置したインライン形が一般的であ
る。電子銃41の収束方式としては各種の多段収束方式
が実用化されている。
【0024】また、画面周辺部では、特に、偏向角の大
きい場合に偏向収差によりスポットが非点状に変形して
しまう現象が起こりやすい。高精細モニタやキャラクタ
ディスプレイ用として周辺解像度を問題にする場合、こ
の非点収差の補正手段として静電4重極による補正を行
なうことが多い。
【0025】図2は静電4重極を組合わせたEA−DF
(Elliptical Aperture Dyna
mic Focus)電子銃の一部切開斜視図である。
すなわち、順次G3電極(g3)、G4電極(g4)、
G5−1電極(g51)、静電4重極(s4)、G5−
2電極(g52)、G6電極(g6)が配置され、G5
電極部分をG5−1電極(g51)とG5−2電極(g
52)に2分割して両者にダイナミック補正電圧をかけ
ることによって静電4重極(s4)を形成して非点収差
補正を行なっている。
【0026】図3はこの電極を構成している電極部品で
ある。すなわちこの電極部品gpの電子ビーム出射口を
構成するカバーgpはSUS製で板厚が0.4mmであ
り、3本の電子銃に対応してインラインに3つのビーム
透過孔P1、P2、P3が設けられている。このカバー
gpのばりの許容範囲は、ビーム透過孔P1、P2、P
3のばりは0.002mm以内、図2に示すカバー周辺
部については、A部のばりは0.002mm以内で、そ
れ以外の箇所のばりは0.02mm以内である。
【0027】本発明は、この種の精密部品のばりの発生
を所定の極めて小さい許容範囲内に抑えたものとその製
造方法である。以下、本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。
【0028】図4(a)、(b)、(c)は、本発明の
精密打抜き金型部分の断面側面図である。図4(a)は
下孔抜き加工工程の断面側面図で、図4(b)はコイニ
ング加工工程の断面側面図で、図4(c)は孔抜き加工
工程の断面側面図である。通常のプレス機構で広く用い
られているように、被加工物である板材2を挟んで、板
材2の上側に図示しない駆動源によって駆動される上型
6が、板材2の下側の上型6の対向位置に下型8が配設
されている。上型6と下型8は何れも構造用炭素鋼で製
造されている。
【0029】上型6と下型8は、図4(a)、(b)、
(c)に示すようにそれぞれの対向位置に加工工程に応
じた上型6と下型8が配置されている。下孔抜き加工工
程では、図4(a)に示すように上型6には下孔用ポン
チ10が、下型8には下孔用ダイス13が設けられてい
る。コイニング加工工程では、図4(b)に示すように
上型6には平坦部11が、下型8にはコイニング加工用
ポンチ14が設けられている。加工工程では、図4
(c)に示すように上型6には孔抜き用ポンチ12が、
下型8には孔抜き用ダイス15が設けられている。
【0030】なお、コイニング加工工程では、コイニン
グ加工用ポンチ14の周囲にはストリッパプレート19
が設けられ、ストリッパプレート19の孔の中からコイ
ニング加工用ポンチ14が突出している。また、ストリ
ッパプレート19はばね19a、19bで上方に付勢さ
れ板材2を上方へ押し上げる構造に形成されている。上
型6と下型8は位置規制ピン61a、61bによって規
制されている。下型6は可動部60と固定部62によっ
て構成され、可動部60は固定部62の壁面に案内され
摺動する。
【0031】コイニング加工とは、加工部の表面を平滑
にしたり、厚さを精密に出したり、低い凹凸をつけるた
めに行なうもので、型を押しつけて行なう軽度の鍛造加
工である。
【0032】また、各工具の寸法は、下孔抜き加工用の
下孔用ポンチ10と下孔用ダイス13は、仕様の孔寸法
に対して余肉を残す相似形の寸法に設定されている。ま
た、コイニング加工用ポンチ14は、板材2の加工部の
仕様寸法と略同寸法に設定されている。孔抜き用ポンチ
12と孔抜き用ダイス15は、コイニング加工用ポンチ
14よりわずかに小さな寸法(例えば、外形から1/1
00mm程度後退した)形状の孔抜き用ポンチ12に設
定されている。
【0033】それらの構成による作用を説明すると、図
5は加工工程を示すフロー図である。
【0034】まず、図示しない搬送機構によって被加工
物であるステンレス製の板材2(例えば、板厚が0.4
mm)は、最初の加工工程である下孔抜き工程(S1)
の位置にセットされる。
【0035】次に、上型6の下孔用ポンチ10と下型8
の下孔用ダイス13によりプレスされ板材2は下孔があ
けられる。この形成された下孔は、下孔用ポンチ10と
下孔用ダイス13が板材2に所定の設計寸法よりも開口
が小さく形成されている。所望の案形よりも開口が小で
あることによってこの下孔は、所望の孔に対して余分な
筒部を有している。この仮想的筒部が余肉となる。
【0036】次に、板材2の下孔があけられた板材2
は、第2の加工位置であるコイニング加工(S2)の位
置にセットされる。コイニング加工部ではコイニング加
工用ポンチ14が板材2の加工部の仕様寸法と同じに設
定されており、コイニング加工用ポンチ14と対向する
上型6の対向面は平坦部11を形成しているので、下型
8の可動部60に形成されたコイニング加工用ポンチ1
4が進行するとコイニング加工用ポンチ14が板材2の
下孔周縁部を押し潰しながら下孔の中全部まで進入す
る。孔径の仕様寸法部分以内の余肉部分を圧縮成形して
板材の下型8側の開口部の径を所定寸法にばりを生じる
ことなく仕上げると共に、孔内部の表面を平滑に仕上げ
る。また、このとき、コイニング加工用ポンチ14の下
孔への進入ストロークは板材2の板厚より僅かに小さく
設定されているので、コイニング加工用ポンチ14の進
入しない下孔の上型6側の開口部に設けられ、流動した
余肉が内側に膨らむような形状に形成されている。
【0037】この加工が終了すると上型6と下型8がそ
れぞれ板材2から離脱する。その際にストリッパプレー
ト19が弾性部材、例えば鶴牧ばねの反発力によりコイ
ニング加工用ポンチ14の突端部分以上上型6寄りに板
材2を押し上げて板材2を下型8から離脱させるので、
これにより次工程への段取り速度がが向上する。
【0038】次に、板材2のコイニング加工が施された
箇所は第3の加工位置である孔抜き加工(S3)の位置
にセットされる。孔抜き加工部では上型6の孔抜き用ポ
ンチ12がコイニング加工で形成された段差部16を孔
抜きして加工孔を完成させる。
【0039】コイニング加工により形成された段差部1
6が孔抜き用ポンチ12側になるように板材2を金型に
セットする。このときの下型のダイスの開口は、所望の
孔の開口形状を同じかそれ以上に構成されている。
【0040】孔抜き用ポンチ12のポンチは、所望の孔
の開口に極めて近似形状に形成されているから、前工程
で形成されたコイニングされた余肉部は、このポンチに
より除去される。また、この除去により生じる面精度の
悪い部分はポンチ12の胴部分によりバニシングされる
から、孔の壁面はこのポンチ12により仕上げ加工も同
時に成されることになる。これらの一連の加工により、
ばりの無い形状精度の良好な孔を形成することが可能に
なる。
【0041】以下、同様な動作を繰返すことによって連
続的に孔加工を行なうことができる。
【0042】次に、外形加工の場合について図6と図7
に基づいて説明する。図7は外形加工の概要を示す説明
図で、図7はそのフロー図である。すなわち、図示しな
いプレス機械は被加工物である板材2が水平方向に送ら
れる搬送路3を挟んで、搬送路3の上側に図示しない上
型ホルダを装着した上型駆動機構が、下側の対向位置に
下型ホルダが配設されている。上型駆動機構は駆動源に
よって垂直方向に駆動される。
【0043】上型駆動機構には上型が上型ホルダに固定
され、下型駆動機構には下型が下型ホルダの上面に載置
固定されている。上型と下型は何れも構造用炭素鋼で製
造されている。
【0044】上型6aと下型8aは、図6(a)〜
(b)に示すようにそれぞれの対向位置に加工工程に応
じて配置されてれいる。図6(a)で示す第1の加工工
程である粗外形抜き工程(S11)では上型6aの粗外
形抜き用ポンチ17と下型8aの粗外形抜き用ダイス1
8が対になって配置され、図6(b)で示す第2工程の
コイニング加工工程(S12)では上型6aのコイニン
グ加工用ポンチ14と、下型8aのコイニング加工用ダ
イス20がそれぞれ対になって設けられている。
【0045】また、各工具の寸法は、第1工程の粗外形
抜き用ポンチ17と粗外形抜き用ダイス18は仕上げ前
の外形であるので、仕様の外形寸法に対して余肉を残す
相似形の寸法に設定されている。また、第2工程のコイ
ニング加工用ポンチ14は、板材2の加工部の仕様寸法
と同じに設定されている。
【0046】それらの構成による作用を説明すると、図
示しない搬送機構によって被加工物であるステンレス製
の板材2(例えば、板厚が0.8mm)は、最初の加工
工程である図6(a)に示す粗外形抜き工程(S11)
の位置まで送られ所定位置で停止する。この状態で図示
しない上型駆動機構が所定のストロークで板材2に向か
って移動する。
【0047】この移動に伴い上型6aの粗外形抜用ポン
チ17と下型8aの粗外形抜用ダイス18により板材2
は粗外形50が打抜かれる。この粗外形50は、粗外形
抜用ポンチ17と粗外形抜き用ダイス18が余肉を残す
寸法に設定されているので、周囲に仮想的筒状部材とも
いえる余肉を有するように形成される。粗外形抜きが終
了すると上型駆動機構は駆動して上型6aが元の位置に
戻る。
【0048】次に、粗外形50は、図示しない搬送機構
により第2の加工位置である図6(b)に示すコイニン
グ加工(S12)の位置へ進み所定位置に設置される。
【0049】コイニング加工部では上型6cのコイニン
グ加工用ポンチ14が板材2の加工部の仕様寸法に設定
されており、コイニング加工用ポンチ14と対向する下
型8cのコイニング加工用ダイス20に粗外形抜きされ
た板材2が押し込まれて粗外形50の余肉たる周縁部に
対してコイニング加工が行なわれる。
【0050】すなわち、コイニング加工用ポンチ14が
コイニング加工用ダイス20の内部へ進行すると、粗外
形50の板材2はコイニング加工用ポンチ14とコイニ
ング加工用ダイス20に挟圧・押圧され、外形の仕様寸
法部分以外の余肉部分が流動させられコイニング加工用
ダイス20の外部へ移動し、粗外形50のコイニング加
工用ポンチ14側に余肉が寄せられた形状となる。
【0051】次に、コイニング加工用ダイス20の外部
へ移動した余肉部分により形成された縁状部位を図6
(c)、(d)で示すようにシェイビング加工用工具6
b、8bで外形抜き工程(S13)により切断してシェ
イビング加工用工具6b、8bから開放し仕様寸法を得
る。このとき、縁状部位は粗外形50の縁状部位が設け
られている端面から、縁状端部が設けられていない端部
に向けてせん断加工される。
【0052】これにより、まず、粗外形本体から縁状部
位がせん断される。このせん断作用によって生じるせん
断は、シェイビング加工用ダイス8bへの壁部によりバ
ニシング加工される。バニシング加工用工具8bの開口
部は求める外形の断面と略同一に形成されているから、
この開口をくぐって抜けた粗外形本体は、所望の形状通
りにばりを生じることなく形成されることになる。
【0053】以下同様な動作を繰返すことによって連続
的に外形加工を行なうことができる。
【0054】本発明の方法によれば、また、図8(a)
に示すように孔又は外形に対し、板材2の横方向に突き
出た部分22や、図8(b)に示すように板材2の横方
向に縁23のある部品を同様な方法で形成できる。この
場合は、図5または図7における第2工程S2、S12
においてコイニング加工した後、次工程において横方向
に突き出た部分22や縁23の形状寸法に対するパンチ
・ダイスを用いて加工する。
【0055】また、上述の各実施の形態では、コイニン
グ加工用ポンチ14の径は板材2の加工仕様寸法と同じ
に設定しているが、加工仕様寸法より僅かに大きいか小
さい径のものを用いてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、一
般的なプレス機械を用いた打抜き加工方法でも、ばりや
かえりの発生を抑止し、かつ、高精度、高速加工を行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーブラウン管の概略断面図。
【図2】静電4重極を組合わせたEA−DF(Elli
ptical Aperture Dynamic F
ocus)電子銃の一部切開斜視図。
【図3】電子銃の電極を構成している電極部品の平面
図。
【図4】(a)は下孔抜き加工工程の断面側面図、
(b)はコイニング加工工程の断面側面図、(c)は孔
抜き加工工程の断面側面図。
【図5】(a)本発明の精密打抜き加工の工程を示すフ
ロー図。
【図6】本発明の別の実施の形態を示す断面側面図。
(a)は外形抜き工程、(b)はコイニング加工工程、
(c)と(d)はシェービング加工工程を示す。
【図7】本発明の別の実施の形態を示すフロー図。
【図8】本発明の精密打抜き加工による加工物の例。
【図9】クリアランスの大きさとクラックの成長の仕方
を示す説明図。(a)はクリアランスが過小の場合、
(b)は適正クリアランスの場合、(c)はクリアラン
スが過大の場合。
【図10】従来の精密打抜き法の概要を示す説明図。
【図11】従来の打抜き法で、(a)は第1工程を示す
説明図、(b)は第2工程を示す説明図、(c)は第3
工程を示す説明図。
【符号の説明】
2…板材、3…搬送路、6、6a…上型、8、8a、…
下型、10…下孔用ポンチ、11…平坦部、12…孔抜
き用ポンチ、13…下孔用ダイス、14…コイニング用
ポンチ、15…孔明き用ダイス、16…段差部、17…
粗外形抜き用ポンチ、18…粗外形抜き用ダイス、20
…コイニング加工用ダイス、

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンチとダイスで被加工物の打抜き加工
    を行うプレス加工法において、前記被加工物に所望の孔
    寸法よりも小さな開口を有する下孔の、所望の孔寸法よ
    りも開口側の余肉部をコイニング加工し、前記下孔の一
    対の開口のいずれかに偏奇した対置に縁状部位を形成す
    るコイニング工程と、 前記縁状部位を前記偏寄した位置近傍の開□側から前記
    縁状部位を打抜く打抜き工程と、を具備することを特徴
    とするプレス加工法。
  2. 【請求項2】 ポンチとダイスで被加工物の打抜き加工
    を行うプレス加工法において、 所望の外形寸法よりも大きな外形を有する前記被加工物
    の、所望の外形寸法よりも外側の余肉部をコイニング加
    工し、前記被加工物の前記コイニング加工を施した方向
    についていずれかに偏寄した位置に縁状部位を形成する
    コイニング工程と、 前記縁状部位を前記偏寄した位置近傍の端部から反対方
    向の端部に向けて前記縁状部位を打抜く打抜き工程と、
    を具備することを特徴とするプレス加工法。
  3. 【請求項3】 前記打抜き加工は、孔加工であることを
    特徴とする請求項1または2記載のプレス加工法。
  4. 【請求項4】 前記打抜き加工は、外形加工であること
    を特徴とする請求項1または2記載のプレス加工法。
  5. 【請求項5】 前記コイニング加工は、仕上げ寸法と異
    なる寸法で相似形状のコイニングパンチによリ行なうこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のプレス加工法。
  6. 【請求項6】 前記孔加工は、一対の上型と下型で連続
    的に行なうことを特徴とする請求項3記載のプレス加工
    法。
  7. 【請求項7】 ポンチとダイスで打抜き加工されたプレ
    ス部品において、 前記被加工物を仕上げ寸法よりも余肉部を残した寸法に
    打抜かれ、かつ、前記余肉部に対してコイニング加工が
    施されており、そのコイニングされた部位が打抜かれて
    いることを特徴とするプレス部品。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のプレス部品は、電子銃を
    構成する電極の電極部品であることを特徴とするプレス
    部品。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のプレス部品は、電子銃を
    構成する電極の電子部品であり、該プレス部品を有する
    ことを特徴とするブラウン管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002027750A1 (fr) * 2000-09-26 2002-04-04 Sony Corporation Canon electronique et procede de fabrication d'une electrode de canon electronique
JP2009202219A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Ichino Seisakusho:Kk プレス加工製品並びにその製造方法
JP2016005400A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社三井ハイテック 積層鉄心の製造方法
EP3640974A1 (en) * 2018-10-18 2020-04-22 Shinko Electric Industries Co., Ltd. Method of manufacturing eyelet

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