JP2672094B2 - 光ディスク用ポリカーボネート成形材料. - Google Patents
光ディスク用ポリカーボネート成形材料.Info
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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- C08G64/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
- C08G64/40—Post-polymerisation treatment
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、レーザー光の反射や透過によって信号の記
録や読み取りを行う光ディスク用のポリカーボネート成
形材料であり、記録膜の腐食による劣化、破壊を大幅に
改善したものである。 〔従来の技術〕 光ディスクの基板材料としては、ガラス、エポキシ樹
脂等が当初用いられていたが、射出成形により容易に基
板が得られる熱可塑性樹脂が求められている。 この要求を満たす光学用熱可塑性樹脂としては、メチ
ルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカ
ーボネート−ポリスチレン共重合体、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリノルボルネン系樹脂などが挙げられる。 これらの中でポリカーボネート樹脂は、コンパクトデ
ィスクにおける実績などより最も可能性のある材料とし
て開発、改良が行われているが、アルミニウム、白金、
テルル、テルビニウム、鉄、コバルト、アンチモン、セ
レン、ガドリニウム及びこれらの合金をポリカーボネー
ト基板上に蒸着又はスパッタリングして形成される記録
膜の長期信頼性の点では必ずしも満足されるものではな
かった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この記録膜の長期信頼性の改良すべく、ポリカーボネ
ート樹脂に種々の化合物を添加して、高温多湿環境での
試験(環境試験)をしたところ、コンパクトディスク用
のポリカーボネート成形材料においては従来問題とされ
なかった成分であるハロゲン化炭化水素が記録膜を腐食
破損させる原因となっていることを見出した。 ハロゲン化炭化水素を芳香族ポリカーボネート樹脂よ
り除去する方法としては、充分に乾燥する方法がある
が、実用的な乾燥方法によりこれを実現しようとする場
合には、粉体状で得られたポリカーボネートをより微粉
砕し、乾燥することが必須となるが、微粉砕すると、粉
砕工程で必然的に「ダスト」が増加し、光ディスク用の
成形材料とすることは困難であった。又、金属腐食防止
剤類を配合して腐食を防止する方法もあるが、ポリカー
ボネート樹脂に無害でかつ記録膜の保護を充分に行う添
加剤は、未だ見出されていない。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、このハロゲン化炭化水素の低減と、許
容限界について検討した結果、「ダスト」の増加を実質
的に防止したハロゲン化炭化水素の除去法を見出し、本
発明に到達した。 すなわち、本発明は、ハロゲン化炭化水素を溶媒とし
てビスフェノールとホスゲンとの反応によって得られ、
低ダスト化されたポリカーボネート樹脂溶液に、ポリカ
ーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈殿が生じない程度
の量を加え、得られた均一溶液を45〜100℃に保った撹
拌下の水中に滴下或いは噴霧してゲル化し、溶媒を留去
して多孔質の粉粒体とした後、水を分離し、乾燥し、押
出して得られるポリカーボネート樹脂であって、該ポリ
カーボネート樹脂中に含有される重合溶媒であるハロゲ
ン化炭化水素が1ppm以下である光ディスク用ポリカーボ
ネート成形材料である。 ここに、本発明のハロゲン化炭化水素とは、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
トリクロロエタン等であり、特にジクロロメタンが好適
である。 本発明の非或いは貧溶媒とは、n−ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、特にn
−ヘプタンが好適である。非或いは貧溶媒の中でアルコ
ール系、エーテル系等は、加熱時にアルコリシス等によ
る樹脂の分解が起こりやすいので不適当である。 非或いは貧溶媒の樹脂溶液に対する添加量は、ポリカ
ーボネート樹脂のSP値と非溶媒のSP値の差、およびポリ
カーボネート樹脂溶液の濃度により適宜選択されるもの
であり、上記に例示したものの中で例えば、ポリカーボ
ネート樹脂溶液の濃度が15〜25重量%の場合、SP値の差
が約2.3であるn−ヘプタンでは樹脂溶液の0.15〜0.5容
量倍であり、SP値の差が約1.55であるシクロヘキサンで
は0.3〜0.6容量倍、SP値の差が約0.9であるトルエンで
は0.5〜0.8容量倍の範囲より適宜選択される。 上記により得た均一溶液を45〜100℃に保った、通
常、45〜60度の比較的低温側に保った撹拌下の水中に滴
下或いは噴霧してゲル化し、次いで80〜100℃の高温側
に保って、溶媒を留去してポリカーボネート樹脂の多孔
質の粉粒体の水スラリーとし、水を分離する。この水ス
ラリーを製造する際に、ゲル化粒子を適宜、撹拌翌や湿
式粉砕機によって粉砕しつつ行うことは、乾燥工程によ
る溶媒の留去をより容易に行うために好ましい方法であ
る。以上により得られた水スラリーより分離、水切りし
た芳香族ポリカーボネートの粉粒体は、通常、溶媒とし
て塩化メチレンを用い、非或いは貧溶媒としてn−ヘプ
タンを使用した場合には水の他に、塩化メチレン0.1〜
0.3%、n−ヘプタン1〜2%程度を含有する。 このポリカーボネートの粉粒体はそのまま或いは必要
に応じてさらに「ダスト」が増加しない条件で粉砕した
後、乾燥して本発明のハロゲン化炭化水素溶媒を1ppm以
下とした乾燥粉体とし、適宜、所望の添加剤類を配合し
て押出しペレット化することにより本発明のポリカーボ
ネート成形材料とする。又、加熱乾燥で塩化メチレン20
ppm以下、n−ヘプタン2,000ppm以下程度を含有する粉
体とした後、所望の添加剤類を適宜配合し、次いで表面
更新頻度が50cm2・sec/cm3以上、好ましくは100cm2・se
c/cm3以上であるベント付き押出機で樹脂温度260〜300
℃で押出しして、ベントよりn−ヘプタンと共に塩化メ
チレンを除く方法も好ましい方法である。 尚、本発明のポリカーボネート樹脂としては、通常の
ビスフェノール類を使用してなるホモ−、コ−ポリカー
ボネート樹脂、更に分岐化されたもの、末端に長鎖アル
キル訪を導入したもの、ポリカーボネート樹脂にスチレ
ンなどをグラフトしたもの、又はポリスチレンにポリカ
ーボネート樹脂をグラフト重合したものなど何れでも使
用可能である。 〔実施例〕 以下、実施例等により本発明を説明する。 なお、実施例等の%、部などは特に断らない限り重量
基準である。 実施例1及び比較例1 ポリカーボネート成形材料の製造. 撹拌機、排出口、滴下ノズル、脱気口を備えた75の
ジャケット付き容器に、水40を入れ、水温を55℃とし
た。 別に準備した樹脂濃度20%、粘度平均分子量1.5〜104
の芳香族ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液20
と固形化用の非溶媒であるn−ヘプタン4を均一に混
合した溶液を強撹拌下に上記の容器中の温水に約1時間
かけて滴下した。滴下中の容器内の液温度は55℃、内圧
は0.1kg/cm2G以下に維持した。 滴下終了後、温度を95℃以上に昇温し、残余の溶媒を
約30分間で蒸発留去し、得られたポリカーボネート樹脂
の水スラリーを取り出し、濾過・水切りをした。得られ
たポリカーボネート樹脂粉粒体は直径2〜5mm程度の大
きさであった。 この粉末を粉砕機(商品名;ターボミルT−400、タ
ーボ工業(株)製)で粉砕して平均粒子径1〜1.5mmと
し、140℃で3時間、熱風循環式乾燥機で乾燥した。 乾燥粉体中の塩化メチレンは8ppm、n−ヘプタンは23
0ppm、嵩密度は0.53g/ccであった。 上記で得たポリカーボネート乾燥粉体に、第1表に示
した添加剤を加え混合した後、L/D=28のベント付き押
出機で樹脂温度270℃で押出してペレット化し、塩化メ
チレンは1ppm以下で検出されず(ND)、n−ヘプタン80
ppmの光ディスク用成形材料を得た。 光ディスクの製造および信頼性評価. 上記のペレットを使用し、射出成形して片面に螺旋状
のグルーブをもつ厚み1.2mm、直径130mmのデータファイ
ル用光ディスク基板を得た。 この基板上に相転移型の記録材料であるテルル系酸化
物を300〜500Å蒸着し、記録膜上には光硬化型のアクリ
ル系樹脂をコートし、紫外線で硬化させた。 この光ディスクの円周方向に沿って30μm以上の欠陥
が全ディスク表面に何個存在するかを測定し、又、この
ディスクを80℃,90%RH,300hrs放置して同様の測定をし
た結果を第1表に示した。 又、比較のため、ポリカーボネート樹脂溶液よりポリ
カーボネートを分離する際に固形化用の非溶媒を使用し
ないポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を温水中
に滴下する方法で得た粉粒体を得、同様にして乾燥、押
出しペレット化した。このペレット中の塩化メチレンは
200ppmであった。 このペレット並びにこのペレットと上記の塩化メチレ
ンを実質的に含まないペレットを用いて、塩化メチレン
の含有量が40〜200ppmの成形用ペレットを製造し、実施
例と同様にして欠陥の測定をした結果を第1表に示し
た。 尚、ディスクの疵欠陥数の検査は、日本電子光学
(株)製、自動疵検査装置I型を使用した。 又、表中の略号は、下記である。 塩化メチレン ・ND:検出されず. 安定剤 ・TNPH:トリノニルフェニルホスファイト ・TPPH:トリフェニルホスファイト ・IHP:イルガノックスB220(立体障害性フェノール) 離型剤 ・BAE:ベヘニルベヘネート ・BAMG:ベヘン酸モノグリセリド 実施例2及び比較例2 実施例1で得たポリカーボネート樹脂ペレットを射出
成形して厚み1.2mm、直径120mmのコンパクトディスク基
板を成形し、この基板上にアルミニウム蒸着膜を形成
し、光硬化型のアクリル系樹脂をコートし、紫外線で硬
化させた。 このコンパクトディスクについて50μm以上の欠陥を
80℃,90%RH,100hrs環境試験した前後の結果を第2表に
示した。 又、比較のため、比較例1のポリカーボネート樹脂ペ
レットについても同様にして試験した結果を第2表に示
した。 なお、上記の実施例、比較例においては、テルル系酸
化物膜、アルミニウム蒸着膜についてのみ示したが、そ
の他の記録膜、例えばTb/Fe/Co,Gd/Fb/Fe,Te/Cなどの材
料についても有効であることが確認されるものである。 〔発明の作用および効果〕 以上、本発明のポリカーボネート樹脂成形材料による
光ディスクは、記録膜の材質によらず長期信頼性に優れ
たものとなることが明瞭であり、高温多湿環境下におい
て使用することを余儀無くされる場合にも、安心して使
用可能なものであり、その工業的意義は極めて高いもの
である。
録や読み取りを行う光ディスク用のポリカーボネート成
形材料であり、記録膜の腐食による劣化、破壊を大幅に
改善したものである。 〔従来の技術〕 光ディスクの基板材料としては、ガラス、エポキシ樹
脂等が当初用いられていたが、射出成形により容易に基
板が得られる熱可塑性樹脂が求められている。 この要求を満たす光学用熱可塑性樹脂としては、メチ
ルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカ
ーボネート−ポリスチレン共重合体、ポリメチルペンテ
ン樹脂、ポリノルボルネン系樹脂などが挙げられる。 これらの中でポリカーボネート樹脂は、コンパクトデ
ィスクにおける実績などより最も可能性のある材料とし
て開発、改良が行われているが、アルミニウム、白金、
テルル、テルビニウム、鉄、コバルト、アンチモン、セ
レン、ガドリニウム及びこれらの合金をポリカーボネー
ト基板上に蒸着又はスパッタリングして形成される記録
膜の長期信頼性の点では必ずしも満足されるものではな
かった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この記録膜の長期信頼性の改良すべく、ポリカーボネ
ート樹脂に種々の化合物を添加して、高温多湿環境での
試験(環境試験)をしたところ、コンパクトディスク用
のポリカーボネート成形材料においては従来問題とされ
なかった成分であるハロゲン化炭化水素が記録膜を腐食
破損させる原因となっていることを見出した。 ハロゲン化炭化水素を芳香族ポリカーボネート樹脂よ
り除去する方法としては、充分に乾燥する方法がある
が、実用的な乾燥方法によりこれを実現しようとする場
合には、粉体状で得られたポリカーボネートをより微粉
砕し、乾燥することが必須となるが、微粉砕すると、粉
砕工程で必然的に「ダスト」が増加し、光ディスク用の
成形材料とすることは困難であった。又、金属腐食防止
剤類を配合して腐食を防止する方法もあるが、ポリカー
ボネート樹脂に無害でかつ記録膜の保護を充分に行う添
加剤は、未だ見出されていない。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、このハロゲン化炭化水素の低減と、許
容限界について検討した結果、「ダスト」の増加を実質
的に防止したハロゲン化炭化水素の除去法を見出し、本
発明に到達した。 すなわち、本発明は、ハロゲン化炭化水素を溶媒とし
てビスフェノールとホスゲンとの反応によって得られ、
低ダスト化されたポリカーボネート樹脂溶液に、ポリカ
ーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈殿が生じない程度
の量を加え、得られた均一溶液を45〜100℃に保った撹
拌下の水中に滴下或いは噴霧してゲル化し、溶媒を留去
して多孔質の粉粒体とした後、水を分離し、乾燥し、押
出して得られるポリカーボネート樹脂であって、該ポリ
カーボネート樹脂中に含有される重合溶媒であるハロゲ
ン化炭化水素が1ppm以下である光ディスク用ポリカーボ
ネート成形材料である。 ここに、本発明のハロゲン化炭化水素とは、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
トリクロロエタン等であり、特にジクロロメタンが好適
である。 本発明の非或いは貧溶媒とは、n−ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、特にn
−ヘプタンが好適である。非或いは貧溶媒の中でアルコ
ール系、エーテル系等は、加熱時にアルコリシス等によ
る樹脂の分解が起こりやすいので不適当である。 非或いは貧溶媒の樹脂溶液に対する添加量は、ポリカ
ーボネート樹脂のSP値と非溶媒のSP値の差、およびポリ
カーボネート樹脂溶液の濃度により適宜選択されるもの
であり、上記に例示したものの中で例えば、ポリカーボ
ネート樹脂溶液の濃度が15〜25重量%の場合、SP値の差
が約2.3であるn−ヘプタンでは樹脂溶液の0.15〜0.5容
量倍であり、SP値の差が約1.55であるシクロヘキサンで
は0.3〜0.6容量倍、SP値の差が約0.9であるトルエンで
は0.5〜0.8容量倍の範囲より適宜選択される。 上記により得た均一溶液を45〜100℃に保った、通
常、45〜60度の比較的低温側に保った撹拌下の水中に滴
下或いは噴霧してゲル化し、次いで80〜100℃の高温側
に保って、溶媒を留去してポリカーボネート樹脂の多孔
質の粉粒体の水スラリーとし、水を分離する。この水ス
ラリーを製造する際に、ゲル化粒子を適宜、撹拌翌や湿
式粉砕機によって粉砕しつつ行うことは、乾燥工程によ
る溶媒の留去をより容易に行うために好ましい方法であ
る。以上により得られた水スラリーより分離、水切りし
た芳香族ポリカーボネートの粉粒体は、通常、溶媒とし
て塩化メチレンを用い、非或いは貧溶媒としてn−ヘプ
タンを使用した場合には水の他に、塩化メチレン0.1〜
0.3%、n−ヘプタン1〜2%程度を含有する。 このポリカーボネートの粉粒体はそのまま或いは必要
に応じてさらに「ダスト」が増加しない条件で粉砕した
後、乾燥して本発明のハロゲン化炭化水素溶媒を1ppm以
下とした乾燥粉体とし、適宜、所望の添加剤類を配合し
て押出しペレット化することにより本発明のポリカーボ
ネート成形材料とする。又、加熱乾燥で塩化メチレン20
ppm以下、n−ヘプタン2,000ppm以下程度を含有する粉
体とした後、所望の添加剤類を適宜配合し、次いで表面
更新頻度が50cm2・sec/cm3以上、好ましくは100cm2・se
c/cm3以上であるベント付き押出機で樹脂温度260〜300
℃で押出しして、ベントよりn−ヘプタンと共に塩化メ
チレンを除く方法も好ましい方法である。 尚、本発明のポリカーボネート樹脂としては、通常の
ビスフェノール類を使用してなるホモ−、コ−ポリカー
ボネート樹脂、更に分岐化されたもの、末端に長鎖アル
キル訪を導入したもの、ポリカーボネート樹脂にスチレ
ンなどをグラフトしたもの、又はポリスチレンにポリカ
ーボネート樹脂をグラフト重合したものなど何れでも使
用可能である。 〔実施例〕 以下、実施例等により本発明を説明する。 なお、実施例等の%、部などは特に断らない限り重量
基準である。 実施例1及び比較例1 ポリカーボネート成形材料の製造. 撹拌機、排出口、滴下ノズル、脱気口を備えた75の
ジャケット付き容器に、水40を入れ、水温を55℃とし
た。 別に準備した樹脂濃度20%、粘度平均分子量1.5〜104
の芳香族ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液20
と固形化用の非溶媒であるn−ヘプタン4を均一に混
合した溶液を強撹拌下に上記の容器中の温水に約1時間
かけて滴下した。滴下中の容器内の液温度は55℃、内圧
は0.1kg/cm2G以下に維持した。 滴下終了後、温度を95℃以上に昇温し、残余の溶媒を
約30分間で蒸発留去し、得られたポリカーボネート樹脂
の水スラリーを取り出し、濾過・水切りをした。得られ
たポリカーボネート樹脂粉粒体は直径2〜5mm程度の大
きさであった。 この粉末を粉砕機(商品名;ターボミルT−400、タ
ーボ工業(株)製)で粉砕して平均粒子径1〜1.5mmと
し、140℃で3時間、熱風循環式乾燥機で乾燥した。 乾燥粉体中の塩化メチレンは8ppm、n−ヘプタンは23
0ppm、嵩密度は0.53g/ccであった。 上記で得たポリカーボネート乾燥粉体に、第1表に示
した添加剤を加え混合した後、L/D=28のベント付き押
出機で樹脂温度270℃で押出してペレット化し、塩化メ
チレンは1ppm以下で検出されず(ND)、n−ヘプタン80
ppmの光ディスク用成形材料を得た。 光ディスクの製造および信頼性評価. 上記のペレットを使用し、射出成形して片面に螺旋状
のグルーブをもつ厚み1.2mm、直径130mmのデータファイ
ル用光ディスク基板を得た。 この基板上に相転移型の記録材料であるテルル系酸化
物を300〜500Å蒸着し、記録膜上には光硬化型のアクリ
ル系樹脂をコートし、紫外線で硬化させた。 この光ディスクの円周方向に沿って30μm以上の欠陥
が全ディスク表面に何個存在するかを測定し、又、この
ディスクを80℃,90%RH,300hrs放置して同様の測定をし
た結果を第1表に示した。 又、比較のため、ポリカーボネート樹脂溶液よりポリ
カーボネートを分離する際に固形化用の非溶媒を使用し
ないポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を温水中
に滴下する方法で得た粉粒体を得、同様にして乾燥、押
出しペレット化した。このペレット中の塩化メチレンは
200ppmであった。 このペレット並びにこのペレットと上記の塩化メチレ
ンを実質的に含まないペレットを用いて、塩化メチレン
の含有量が40〜200ppmの成形用ペレットを製造し、実施
例と同様にして欠陥の測定をした結果を第1表に示し
た。 尚、ディスクの疵欠陥数の検査は、日本電子光学
(株)製、自動疵検査装置I型を使用した。 又、表中の略号は、下記である。 塩化メチレン ・ND:検出されず. 安定剤 ・TNPH:トリノニルフェニルホスファイト ・TPPH:トリフェニルホスファイト ・IHP:イルガノックスB220(立体障害性フェノール) 離型剤 ・BAE:ベヘニルベヘネート ・BAMG:ベヘン酸モノグリセリド 実施例2及び比較例2 実施例1で得たポリカーボネート樹脂ペレットを射出
成形して厚み1.2mm、直径120mmのコンパクトディスク基
板を成形し、この基板上にアルミニウム蒸着膜を形成
し、光硬化型のアクリル系樹脂をコートし、紫外線で硬
化させた。 このコンパクトディスクについて50μm以上の欠陥を
80℃,90%RH,100hrs環境試験した前後の結果を第2表に
示した。 又、比較のため、比較例1のポリカーボネート樹脂ペ
レットについても同様にして試験した結果を第2表に示
した。 なお、上記の実施例、比較例においては、テルル系酸
化物膜、アルミニウム蒸着膜についてのみ示したが、そ
の他の記録膜、例えばTb/Fe/Co,Gd/Fb/Fe,Te/Cなどの材
料についても有効であることが確認されるものである。 〔発明の作用および効果〕 以上、本発明のポリカーボネート樹脂成形材料による
光ディスクは、記録膜の材質によらず長期信頼性に優れ
たものとなることが明瞭であり、高温多湿環境下におい
て使用することを余儀無くされる場合にも、安心して使
用可能なものであり、その工業的意義は極めて高いもの
である。
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭63−218730(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ハロゲン化炭化水素を溶媒としてビスフェノールと
ホスゲンとの反応によって得られ、低ダスト化されたポ
リカーボネート樹脂溶液に、ポリカーボネート樹脂の非
或いは貧溶媒を沈殿が生じない程度の量を加え、得られ
た均一溶液を45〜100℃に保った撹拌下の水中に滴下或
いは噴霧してゲル化し、溶媒を留去して多孔質の粉粒体
とした後、水を分離し、乾燥し、押出して得られるポリ
カーボネート樹脂成形材料であって、該ポリカーボネー
ト樹脂中に含有される重合溶媒であるハロゲン化炭化水
素が1ppm以下である光ディスク用ポリカーボネート成形
材料。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62187707A JP2672094B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 光ディスク用ポリカーボネート成形材料. |
EP88111791A EP0300485A3 (en) | 1987-07-21 | 1988-07-21 | Process for producing polycarbonate resin molding material with low particle content |
US07/222,483 US4845193A (en) | 1987-07-21 | 1988-07-21 | Process for producing polycarbonate resin molding material having low particle content with vented extruder |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62187707A JP2672094B2 (ja) | 1987-07-29 | 1987-07-29 | 光ディスク用ポリカーボネート成形材料. |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6431690A JPS6431690A (en) | 1989-02-01 |
JP2672094B2 true JP2672094B2 (ja) | 1997-11-05 |
Family
ID=16210759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62187707A Expired - Lifetime JP2672094B2 (ja) | 1987-07-21 | 1987-07-29 | 光ディスク用ポリカーボネート成形材料. |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2672094B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03116559A (ja) * | 1989-09-29 | 1991-05-17 | Sony Corp | 光学的情報記録媒体 |
JPH11342510A (ja) * | 1998-04-03 | 1999-12-14 | Teijin Chem Ltd | 光学用成形材料 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61221225A (ja) * | 1985-03-28 | 1986-10-01 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 成形用ポリカ−ボネ−ト樹脂の製造方法 |
JPH0725873B2 (ja) * | 1987-03-09 | 1995-03-22 | 帝人化成株式会社 | ポリカ−ボネ−ト粉粒体の精製方法 |
JPH07108938B2 (ja) * | 1987-06-18 | 1995-11-22 | 出光石油化学株式会社 | ポリカーボネートを素材とするディスク基板 |
JPS646020A (en) * | 1987-06-30 | 1989-01-10 | Idemitsu Petrochemical Co | Production of polycarbonate for disk base |
-
1987
- 1987-07-29 JP JP62187707A patent/JP2672094B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6431690A (en) | 1989-02-01 |
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