JP2670096B2 - 芳香性壁板材 - Google Patents

芳香性壁板材

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丈 正木
泰征 湯川
脩郎 東郷
重信 湯川
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マルオカ工業株式会社
光陽プラスチック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、長期間芳香性を有するように加工した壁
板材、すなわち通称パネリングボードに関するものであ
る。
<従来の技術> 檜、杉、松等を用いて板目、柾目、節目等の素材の持
つ質感を生かした壁板材が従来から広く用いられてい
る。
しかしながら、例えば檜材を用いて壁面を構成して
も、檜の香りを楽しむことのできるのは、施工後の極く
短期間であり、永続的に香りを楽しむことはできなかっ
た。
<発明が解決しようとする課題> そこでこの発明は、長時間にわたって芳香を持続する
ことができる壁板材を提供することを目的としてなされ
たものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者等は、所望の芳香剤をシャルジンガーデキス
トリン、多孔質シリカまたはゼオライト等の包接化合物
に包接せしめてなる徐放性香気成分を含む塗料を調製
し、通気性加工を施した壁板材の裏面にこの塗料を塗布
することにより、上記の目的を達成できることを見出だ
し、この発明を完成させるに至った。
すなわちこの発明の壁板材は、表面に貫通しない通気
孔を裏面に形成した壁板材の裏面に、芳香剤を包接化合
物に包接せしめた徐放性香気成分を樹脂溶液に混合して
なる芳香性塗料を塗布したことを特徴とするものであ
る。
<作 用> 芳香剤を包接化合物の包接せしめた徐放性香気成分を
含有する塗料それ自体は香気の永続性を有しているが、
これを従来の壁板材裏面に塗布しても、塗料からの香気
は板材の厚みを通して表面まで浸透し難い。これに対し
て、この発明におけるように、表面に貫通しない通気孔
を壁板材裏面に形成させてなる通気性加工を施し、この
壁板材の裏面に上記したような徐放性香気成分を含有す
る塗料を塗布すれば、香気は通気孔部分の薄い板厚を通
して板材表面へ浸透し易くなり、板材表面側からも香気
を十分に感知することができ、塗料の有する香気の徐放
性により、香りを長期間にわたって楽しむことができる
のである。
<実施例> この発明に用いられる壁板材の素材および形状につい
て述べると、先ず素材としては、例えばホワイトアッシ
ュ(アメリカトネリコ)、ならがし、桜、くるい、けや
き、せん等の広葉樹や、ウェスタンレッドシーダー(米
杉)、シトウカスプルース(米唐檜)、ヘムロック(米
栂)、ダグラスファー(米松)、さわら、ねずこ、あす
ひ、檜、松、高野槙等の針葉樹が好ましく使用できる。
また壁板材の形状は、第1図に示すような異型断面を有
する板材が好ましく使用でき、1枚の壁板材10の凸条1
をもう1枚の壁板材の凹条2に嵌め込んで順次連結させ
ることによって、壁面を組み立てることができる。な
お、板材裏面に設けた2本の溝3,3は反り止め溝であ
る。
壁板材10に施す通気性加工としては、例えば第1図、
第2図に示すように、板材の表面層を2〜5mm、好まし
くは3mm程度を残して裏面から多数の通気孔4を互いに
間隔を開けて穿設する。第2図の例では直径約3〜5mm
の円形の通気孔形状としているが、第3図、第4図、あ
るいは第5図に示すように、それぞれ角形、細孔クサビ
形、あるいは溝形等の形状の通気孔14,24,34とすること
もでき、ドリル、ニードルロール、円形のこ等によって
容易に加工できる。
多数の通気孔を形成したことによって、壁板材の反り
や変形および強度低下等を引起こさぬようにすべきであ
り、かような観点から、通気孔の総面積は、板材裏面総
面積の1〜10%、好ましくは2〜7%となるようにす
る。
かような壁板材の裏面に、スプレーまたはロールコー
ターによって塗料を塗布するのであるが、塗布面積は板
材裏面総面積の20〜80%、好ましくは30〜60%程度とな
るようにし、塗布厚は、乾固膜厚として5〜10μ、好ま
しくは約7μ程度とする。板材裏面への塗料のと塗布位
置は、第6図の参照番号5で示したように、2本の反り
止め溝3,3の間に塗布するのが好ましい。
この発明で使用する芳香性塗料に用いる包接化合物と
しては、シャルジンガーデキストリン、多孔質シリカ、
ゼオライトといった従来公知の包接作用を有する物質が
使用できる。シャルジンガーデキストリンは一般式(C6
H10O5で表されるもので、n=6のαデキストリ
ン、n=7のβデキストリン、n=8のγデキストリ
ン、およびこれらの混合物である。多孔質シリカは、粒
子直径0.1〜50μ、比表面積200〜800m2/g、粒子表面の
細孔径20〜600Aの球形多孔質シリカが好ましく使用でき
る。またゼオライトは、一般式xM 2/n O・Al2O3・ySiO2
・2H2Oで示されるA型、X型ゼオライト、またはY型ゼ
オライト、合成モルデナイト、ハイシリカゼオライト等
が使用でき、また香料の種類によっては天然品のモルデ
ナイト、クリノプチロライト、チャバサイト等も使用す
ることができる。
芳香剤としては、檜精油、ヒノキチオール、テルペ
ン、あるいはバラ、ラベンダー、ジャスミン、コブシ等
の香料と呼ばれているものを所望により適宜使用でき
る。これらの芳香剤を、エタノール、アセトン、酢酸エ
チル等の有機溶剤で約30%溶液としたのち、これら有機
溶剤の沸点以下の温度にて上記した包接化合物を加えて
撹拌し、乾燥して有機溶剤を揮散せしめることにより、
包接化合物に包接させた徐放性香気成分を調製する。
この香気成分を、膜形成剤としての樹脂溶液に混合し
て芳香性塗料とする。このとき使用する樹脂溶液として
は、油性・水性を問わず通常木材塗料として用いられて
いる塗料ベヒクルが使用でき、ベヒクル中の樹脂固形分
100重量%に対して香気成分を70〜400重量%、好ましく
は200〜350重量%加えて塗料とする。
樹脂溶液として使用する樹脂としては、ポリアミド、
ポリウレタン、フェノール、メラミン、エポキシ、ある
いはニトロセルロース等が挙げられ、塗料溶剤として
は、トルエン、酢酸エチル等の油性溶剤、あるいはメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水性
溶剤が挙げられる。
以下に実施例を挙げてこの発明を更に説明する。
実施例1 檜香料「NS−F6447」(日進香料(株)製商品名、30
%エチルアルコール含有)100gとヒノキチオール5gとを
エチルアルコール100gに溶解せしめ、この溶液に分岐サ
イクロデキストリンα,β,γ混合タイプ「デキシンパ
ールK−100」(塩水港製糖(株)製商品名)を200g加
えて45℃で2時間撹拌混合した。次いでこの混合液を
過し、紙上に残存した香料・サイクロデキストリン混
合物を45℃、5〜6mmHgで真空乾燥してエチルアルコー
ルを除去したのち粉砕して、包接徐放性香気成分を調製
した。
これとは別に、ニトロセルロース系木工用アンダーシ
ーラー「ウッドシーラー LW−11」(玄々化学工業
(株)性商品名、樹脂分25%)100gに「ウッドシーラー
LW−11」用シンナー(トルエン65部、酢酸エステル25
部、イソプロピルアルコール10部)80gの割合で混合し
て調製した樹脂溶液180gに、上記包接香気成分80gを加
えて高速ミキサーにて3分間混合し、檜香料の芳香性塗
料を得た。
第1図および第2図に示した異型断面形状を有する檜
壁板材の裏面の反り止め溝3,3の間に、表面層を3mm残し
て孔径5mmの多数の通気孔を裏面総面積の約4%に相当
する孔面積となるように間欠的に穿孔した。この檜壁板
材裏面の反り止め溝間の通気孔形成部分平滑面に上記芳
香性塗料をスプレーガンにて塗布後、50℃で60分間乾燥
して乾固膜厚約3〜8μの塗料膜を形成せしめ、この発
明の芳香性壁板材を得た。
壁板材10枚に1枚の割合で上記の芳香性壁板材を間欠
的に組み込んで部屋の壁面を構成した。この壁面総面積
は21.4m2(壁板材100本)となり、そのうちの2.14m2(1
0本)を芳香性壁板材とした。この部屋は、施工後6ヶ
月を経過した現在も檜の芳香に満ちた部屋となってい
る。
なおこの発明の壁板材の通気性加工の効果を調べるた
めに、裏面の通気孔を全く形成しないこと以外は上記と
同様にして芳香性塗料を塗布した比較用壁板材を作製
し、上記と同様にして壁面を組み立てた。これら2つの
部屋にそれぞれ10名の被験者を入れ、檜の香気の有無に
ついてテストしたところ、通気孔を形成したこの発明の
芳香性壁板材を用いた部屋は、10名全員が檜香気有りと
判定したのに対し、比較用壁板材を用いた部屋では、10
名中4名が檜香気無しと判定した。
実施例2 親水性球形多孔質シリカ「ゴッドボールB−25C」
(鈴木油脂(株)製商品名)200gを真空鐘内に入れて10
〜10-3トルまで脱気し、コブシの花香料「NS−5721」
(日進香料(株)製)100gをこの多孔質シリカに点滴し
た後、常圧に戻してから取り出し、40℃2時間乾燥し
て、包接徐放性香気成分を調製した。
この香気成分にポリウレタン径木工塗料市販品を樹脂
溶液として配合し、芳香性塗料を調製した。すなわち、
ウレタン塗料A液「UF−73」30部、ウレタン塗料B液
「UB−837」15部、シンナー「TU−21」(トルエン55
部、酢酸エステル35部、ケトン10部)8部[以上いずれ
も玄々化学工業(株)製商品名]に、上記の包接香気成
分47部を配合して高速ミキサーにて3分間混合し、コブ
シの花香料の芳香性塗料を得た。
裏面に実施例1と同様な通気孔を形成したウエスタン
レッドシーダー(米杉)からなる壁板材の裏面反り止め
溝間の平面部分に上記芳香性塗料をスプレーガンにて湿
膜厚約20μになるように塗布後、50℃で60分間乾燥して
乾固膜厚約7μの塗料膜を形成せしめ、この発明の芳香
性壁板材を得た。
実施例1と同様に、壁板材10枚に1枚の割合で上記の
芳香性壁板材を間欠的に組み込んで、19.9m2の壁面を構
成した。この部屋は、施工後10ヶ月を経過した現在もコ
ブシの花の芳香に満ちた部屋となっている。
<発明の効果> 以上の説明からわかるようにこの発明によれば、、壁
板材の裏面に通気性加工を施したため、壁板材表面側へ
香気が十分に浸透し、また包接せしめた徐放性香気成分
を用いたことと相俟って、長期間にわたって芳香を持続
せしめることができる。
また壁板材を用いて壁面を組み立てた後も、芳香を付
与した壁板材のみを交換することによって、香りの変化
や補強が簡単に行えるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明で用いる壁板材の端面図、第2図は第
1図の平面図、第3図,第4図および第5図は壁板材裏
面に形成する通気孔形状の実施例を示す斜視図、第6図
は芳香性塗料を裏面に塗布したこの発明の芳香性壁板材
の端面図である。 4,14,24,34……通気孔、5……塗料塗布膜、10……壁板
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯川 重信 長野県木曽郡木祖村大字藪原559

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に貫通しない通気孔を裏面に形成した
    壁板材の裏面に、芳香剤を包接化合物に包接せしめた徐
    放性香気成分を樹脂溶液に混合してなる芳香性塗料を塗
    布したことを特徴とする芳香性壁板材。
  2. 【請求項2】前記包接化合物は、シャルジンガーデキス
    トリン、多孔質シリカまたはゼオライトから選ばれる請
    求項1記載の芳香性壁板材。
  3. 【請求項3】前記徐放性香気成分は、芳香剤100重量%
    に対して包接化合部を100〜1000重量%の割合で混合し
    たものである請求項2記載の芳香性壁板材。
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