JP3551245B2 - 長期間効能を有する木質床材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅の内装に使用される木質床材で、詳しくは樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を表面化粧単板貼着用接着剤中に含有させ、さらに床材裏面にも塗布した木質床材であり、樹木精油成分が長期にわたって徐放し、その効力が長期にわたって持続することを特徴とした木質床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面化粧単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を含有した木質床材は健康で、快適な住生活を目指す風潮の強まる中、床材市場において種々提案されているが、いずれにおいても樹木精油成分の長期持続性を目的とし、種々工夫されているにもかかわらず、実用性という点では問題があり、その効果持続性についても種々疑問があった。
【0003】
例えば、特開平5−138816号公報において、台板と表面突板との間に介在させたエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シ−ト層に害虫忌避成分を含浸せしめて、防虫、防カビ効果を大幅に向上させ且つ長期にわたって効果を持続させることが開示されているが、実際の製造過程において、前記合成樹脂シ−ト層を設けて、これに樹木精油成分を含浸させることは、床材製造工程を複雑にするばかりでなく、製造コストも化粧単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を添加する場合と比較して高価につき、現実性に乏しいものとならざるを得なかった。
【0004】
また、特開平5−4320号公報において、木目模様化粧印刷紙貼りプリント化粧板において、印刷紙貼り接着剤中に樹木精油成分が含有され、且つ化粧板表面の塗装面に部分的な塗欠部を形成することによって、接着剤中の樹木精油成分が一度に外へ発散することなく、この塗欠部を通じて徐々に発散し、従って精油成分の効果の長期持続性が保たれるとの開示があるが、プリント化粧板表面の一部分に表面塗装膜の塗欠部を生じさせることは、高度な技術が必要とされ、従って製造コストも高くつくばかりでなく、この塗欠部から、空気中の湿気が浸入し、表面化粧紙の剥離、脱落等の欠陥が生じる危険があり、とても長期にわたって安定した品質維持は期待できない。またこの塗欠部は表面化粧紙の木目模様の特定箇所でなければならず、バラバラな箇所では意匠的に安定したものになり得ず、とても木目化粧された化粧板とは、ほど遠いものとなってしまう危険性がある。
【0005】
また、樹木精油成分を内包したマイクロカプセルを含むエマルジョンを化粧単板または化粧シ−トを貼着する際の接着剤中に混入させ、樹木精油成分を発散させた床材または化粧板も市販されているが、いずれも製造当初は、樹木精油成分の香りが発散し、その効果も保持されているが、時間が経つに従って、精油成分の発散量が低下し、比較的短期間でその効果が消失し、長期持続性に劣るものとなる欠陥があった。
【0006】
そこで、エマルジョン中の樹木精油成分の含有量を増やそうとしても、エマルジョン化におのずと限界があり、その量的限界は回避しがたいものであった。また、接着剤中のエマルジョンそのものの混入量を増やそうとしても量的な限界があり、あまり増やしすぎると表面化粧単板の接着力が低下し、単板剥離の危険があった。従って精油成分の効果もあまり期待できなかった。
【0007】
また、樹木精油成分を含有するエマルジョンの添加量が多くなり過ぎると、初期の樹木精油成分の発散量が多くなり過ぎ、自然界の森林に存在する濃度を超えてしまい、かえって人体の生理活性機能を低下させる結果となり、ヘルシ−効果が逆効果になる危険性がある。
【0008】
また、樹木精油成分が一度に発散してしまうのを防止するため、化粧単板にWPC化処理されたものを使用すると、樹脂、塗装膜などのコ−ティング層が厚いため、接着剤中に混入しただけでは床材表面からの樹木精油成分の発散が困難となる。樹脂化された単板や厚塗り塗装膜が樹木精油成分の発散を抑制してしまうためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は樹木精油成分の適度な発散による害虫忌避性等の効果の持続性を改善した木質床材の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者等は鋭意研究した結果、下記に述べる解決手段に到達したものである。すなわち第1の発明は、台板に接着剤を介して木質化粧単板を貼着し、その表面に塗装膜を形成してなる木質床材であって、該接着剤中に、少なくとも2種類以上のモノテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を含有し、前記木質床材裏面に、少なくとも2種類以上のセスキテルペン類、ジテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を塗布し、該木質床材をその裏面が下段の床材表面塗装膜に接触するようにして堆積し、床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された床材表面塗装膜に付着させ、前記、樹木精油成分を木質床材の表面塗装膜、化粧単板貼り用接着剤及び木質床材裏面の三カ所に含有させたことを特徴とする。
【0011】
係る構成から、樹木精油成分が化粧単板貼着用接着剤中に混入されているだけでなく、床材裏面にも樹木精油成分が塗布され、床材製造後における床材の堆積養生中に上段の床材の裏面に塗布された樹木精油成分が下段の床材の表面塗装膜に接触し、転写付着し、このことで、樹木精油成分が接着剤中のみならず、塗装膜表面からも新たに供給されることになり、接着剤中、床材裏面、塗装膜表面の三カ所から樹木精油成分の適度な発散が行われる。このことで、樹木精油成分の持つ、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果などの対生物効力が増強され、これら効能の長期間にわたる維持が可能となる。
【0012】
また、第2の発明は、請求項1に記載の木質床材において、前記合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分の量が接着剤中に含有する場合も、また、床材裏面に塗布する場合も、重量比で15%〜50%であり、前記、接着剤中のモノテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で45〜55%であり、前記木質床材裏面に塗布されているセスキテルペン類、ジテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で55〜65%であることを特徴とする。
【0013】
係る構成から、樹木精油成分の適度な発散による、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果などの対生物効力のよりいっそうの確実な発揮と持続性にとって、よりいっそう好適なものとなる。
【0014】
また、第3の発明は、請求項1又は2に記載の木質床材の製造方法が、樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を含有する接着剤にて台板に化粧単板を貼着する工程と、その表面に塗装を施し木質床材とする工程と、木質床材裏面に樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を塗布する工程と、前記木質床材を堆積し、木質床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された木質床材の表面塗装膜に付着させる工程とからなることを特徴とする。係る製造方法によれば、請求項1又は2に記載の木質床材の製造が確実にできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
ここで本発明の1実施形態を図示する。図1は本発明の木質床材の断面を示す模式図である。1は木質床材、2は塗装膜、3は木質化粧単板、4は接着剤層、5は台板、6は裏面塗布層、7は合成樹脂粒子を示す。
【0016】
木質床材の台板としては、合板、MDF、パ−ティクルボ−ド、OSB、または、それ以外の材料であっても良い。表面化粧単板としては、ナラ、ケヤキ、サクラ、ヒノキ、マツ、ブナ、カバ等の和材の他、オ−ク、チ−クなどの洋材が良く使用されるが、床材に利用できる木質単板であれば特に制限はない。化粧単板貼着用接着剤としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、またはその共縮合樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂など床材の表面単板貼りに使用される接着剤であれば良い。
【0017】
本発明で使用する精油は、森林の樹木から発散し、抗菌性、防虫性、防カビ性を有し、フィトンチッドと称される公知のものから適宜選択して用いられるが、化粧単板貼着用接着剤に添加される合成樹脂粒子が含有する精油成分としては少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるモノテルペン類が良い。合成樹脂粒子に、互いに沸点の異なる少なくとも2種類以上の精油成分を含有させておくと、温度湿度等住環境の変化に対しても対応力が大きく、比較的安定して長期間効能を維持することができる。
【0018】
また、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子が含有する精油成分としては少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるセスキテルペン類、ジテルペン類が良い。
すなわち、木質床材の裏面に塗布する合成樹脂粒子としては、床材堆積時に下段床材の塗装膜表面に付着させる目的として、少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるセスキテルペン類、ジテルペン類などの樹木精油成分を内蔵した合成樹脂粒子を用いることが望ましい。
【0019】
セスキテルペン類やジテルペン類はモノテルペン類に比べ沸点が高く、そのため、温度湿度等の環境の大きな変化に対しても対応力が大きく、しかも長期にわたって安定した効果が期待できる。
【0020】
理由は定かではないが、接着剤中の精油成分と床材裏面の精油成分が相補い合って精油成分の長期にわたる適度な徐放が可能となり、それにより害虫忌避効果などの精油成分効果の維持継続が可能となった。
【0021】
また、合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分の量は、合成樹脂粒子を接着剤中に含有する場合も床材裏面に塗布する場合も、少なくとも15%以上内蔵させることが好ましく、より好ましくは25%以上内蔵させることが望ましい。しかし、あまり多いとその発散量が過度に多くなり、かえって不快感を覚えることもあるので、上限は約50重量%である。
【0022】
接着剤中の合成樹脂粒子に内蔵される樹木精油成分は、ヒノキ葉油にリモネン、α−ピネンを追加混合した調合油とするのが良い。調合油に占めるリモネン、α−ピネンなどのモノテルペン類の比率を45%〜55%となるようにすることで、より確実な効果が発揮できる。さらに、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵される樹木精油成分はヒノキ材油にセスキテルペン類、ジテルペン類を追加混合した調合油とするのが良い。調合油に占めるセスキテルペン類、ジテルペン類の比率を55〜65%となるようにすることで、より確実な効果が発揮できる。
【0023】
すなわち、接着剤中に添加する合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分はモノテルペン類を多く含ませ、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分は比較的高沸点のセスキテルペン類、ジテルペン類を多目にすることで、より確実な効果が発揮できる。接着剤中の合成樹脂粒子からの精油成分の発散は接着剤層を通り、その上の化粧単板、さらにはその上の塗装膜を通じて発散するので発散速度がゆっくりである。
【0024】
それに対して、木質床材裏面に塗布された合成樹脂粒子中の樹木精油成分は直接空気中へ発散してしまうので、発散は接着剤中のものよりも早くなる。このため、床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵する精油成分は比較的高沸点の精油成分が望ましいのである。このようにすることが、精油成分の発散を相補う形で最もよくその効果を発揮する。そしてその効果の持続性も優れたものとなる。
【0025】
また、接着剤中に含有する合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの量は8g以上12g以下が適当であり、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの量は1.2g以上2.0g以下が適当である。精油成分の量が少なすぎるとその効果が発揮されず、また、多すぎると精油の発散量が通常の森林中に漂う自然界の量を超えてしまって、かえって逆効果となる。このちょうどよい精油成分の量的範囲を守ることが望ましい。また、接着剤中に合成樹脂粒子を必要以上に過度に添加すると、接着剤の接着力が著しく低下し、製造工程での単板接着不良や、製品になってからの単板剥離などのトラブルの原因となるので注意を要する。
【0026】
また、以上のような精油成分効果の長期持続性を持った木質床材を安価に効率良く製造する最も簡単で確実な方法としては次に述べる方法が最も良い。すなわち、樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を含有する接着剤を用いて台板の上に化粧単板を貼着し、続いてその表面に塗装を施し木質床材となし、さらに該木質床材の裏面に樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を塗布し、床材裏面に塗布層を形成する。そして、それらの床材どうしを床材表面と裏面が接触する如く堆積する。このことによって、上段の木質床材裏面の塗布層が下段に堆積された木質床材の表面塗装膜に接触し、前記塗布層に含有される合成樹脂粒子が下段の床材表面塗装膜に付着し、従ってそれに内蔵される樹木精油成分が付着することになる。この状態で一定期間堆積養生する。
【0027】
このようにすることにより、木質床材の裏面の高沸点成分が堆積した木質床材の下側の化粧単板上の塗装膜中およびその表面に転移する。塗装膜中に高沸点精油成分が存在すると、理由は定かではないが、接着剤中の樹木精油成分の発散が適度に制御され、樹木精油成分の効果が長期にわたって維持される。このようにして長期間効能を有する木質床材が安価に安定して製造可能となるのである。
【0028】
本発明の木質床材の製造方法としては、まず、表面化粧単板貼着用接着剤を適量用意し、これに沸点の異なる2種類以上のモノテルペン類を少なくとも15重量%以上内蔵させた合成樹脂粒子を接着剤100重量部に対して約10%程度添加し、接着剤塗布量を約80〜120g/m2程度にして、合成樹脂粒子の量が床材面積1m2当たり、8〜12g/m2になるように調整する。化粧単板の貼着方法としては通常のホットプレスにて熱圧する。この時の熱圧条件は、温度100℃〜120℃、圧締圧力8〜10kg/cm2、圧締時間60〜90秒が適する。
【0029】
次に、この床材の表面を塗装仕上げする。塗料としては熱硬化型のアミノアルキッド樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料等の他、最近の床材塗装の主流をなす紫外線硬化型塗料も用いることができる。溶剤系の紫外線硬化型塗料としてはポリエステル樹脂塗料がよく使われ、また、非溶剤系の紫外線硬化型塗料としてはウレタンアクリレ−ト樹脂塗料、ポリエステルアクリレ−ト樹脂塗料、エポキシアクリレ−ト樹脂塗料等がよく使用される。木質床材に使用可能な塗料であれば特に制限はなく、塗装条件、塗装機械等は公知の塗装技術、機器を利用する。
【0030】
次に、沸点の異なる2種類以上のセスキテルペン類、ジテルペン類を含む樹木精油成分を少なくとも15重量%以上内蔵する合成樹脂粒子を床材面積1m2当たり1.2g〜2.0gとなるように床材裏面に塗布する。合成樹脂粒子を水でエマルジョン化またはサスペンション化したものを床材裏面に塗布し、裏面塗布層を形成する。合成樹脂粒子の量はエマルジョン又はサスペンション100重量部に対して約40〜50重量部程度が良い。
【0031】
塗布方法は木工業界で良く使われるスプレ−方式、ロ−ルコ−タ−で塗布する方式、フロ−コ−タ−で塗布する方式等さまざまな方法があるがロ−ルコ−タ−を用いるのが最も簡便である。
【0032】
また、床材の表面塗装後できるだけ早い時期に床材裏面に合成樹脂粒子を塗布することが望ましい。そして裏面塗布後あまり時間が経過しない間に、これらの木質床材を床材の裏面と直下の床材の塗装膜表面が接触するようにして堆積し養生する。このようにして、上段の床材裏面に塗布された精油成分を含有した合成樹脂粒子がそのすぐ下段の床材表面の仕上げ塗装膜表面に転写、付着し、樹木精油成分が床材表面に付着するのである。
【0033】
【実施例】
次に実施例、比較例によって具体的に述べる。
〔実施例1〕
厚さ12mm、幅303mm、長さ1818mmサイズの合板基材を60枚用意した。化粧単板貼着用接着剤としてはユリア樹脂100重量部、メラミン樹脂20重量部、酢酸ビニル樹脂35重量部、小麦粉25重量部、水15重量部、硬化剤として塩化アンモニウムを1%添加し良く攪拌し接着剤とした。
【0034】
次に、二重構造合成樹脂粒子を作成する。まず、非イオン系界面活性剤の存在下で乳化重合された樹脂分45%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(ポリゾ−ルEF、昭和高分子株式会社製)100重量部を加熱攪拌しつつ、最初にリモネンを10重量部添加し、24時間熟成させる。このようにして、リモネンが前記エマルジョンの合成樹脂粒子の中心部に十分含浸吸収されるのを待って、α−ピネンを10重量部添加し、続いてヒノキ葉油を10重量部添加した。このようにして内部樹脂層となるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を作成した。
【0035】
精油成分の所定の含浸吸収量を付与するのに必要な時間だけ攪拌を行った後、外殻樹脂層となるアクリル樹脂を反応付着させ、二重構造合成樹脂粒子を得た。この時、精油成分の合成樹脂粒子に対する添加量は合計で30%にした。
【0036】
次に、前記接着剤に対して、作成済みの精油入り二重構造合成樹脂粒子を重量比で10重量%配合した。このようにして作成した精油成分を含有する合成樹脂粒子を添加混合した接着剤を基材合板に対して100g/m2の塗布量となるように塗布し、この上に0.3mm厚さのオ−ク単板を重ね、ホットプレスにて熱圧接着した。
【0037】
熱圧条件は温度110℃、圧締圧力8kg/cm2、圧締時間60秒であった。この時、合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの添加量は約10gとなった。続いて、この床材を4面本実加工した後、紫外線硬化型のポリエステル樹脂塗料で仕上げ塗装を施した。このようにして、厚さ12mm×幅303mm×長さ1818mmサイズの床材を60枚作製した。
【0038】
次に、あまり時間が経過しないうちに、下記のように調整した精油成分入り二重構造合成樹脂粒子を含むエマルジョンをロ−ルコ−タ−で床材裏面に塗布した。二重構造合成樹脂粒子を床材裏面に床材1枚当たり、すなわち、幅303mm×長さ1818mm当たり、0.9gすなわち床材面積1m2当たり1.6gとなるように塗布した。
【0039】
二重構造合成樹脂粒子の作成方法は接着剤中に添加するものとほぼ同様の方法で作成する。まず、非イオン系界面活性剤の存在下で乳化重合された樹脂分45%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(ポリゾ−ルEF、昭和高分子株式会社製)100重量部を加熱攪拌しつつ、最初にセスキテルペン類及びジテルペン類を各10重量部添加し、24時間熟成させる。このようにして、セスキテルペン類及びジテルペン類が前記、エマルジョンの合成樹脂粒子に十分含浸吸収されるのを待って、ヒノキ材油を10重量部添加した。
【0040】
このようにして内部樹脂層となるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を作成した。精油成分の所定の含浸吸収量を付与するのに必要な時間だけ攪拌を行った後、外殻樹脂層となるアクリル樹脂を反応付着させ、二重構造合成樹脂粒子を得た。この時、精油成分の合成樹脂粒子に対する添加量は合計で30%にした。
【0041】
続いて、床材裏面に塗布した樹木精油成分を含有するエマルジョンが指触乾燥して、あまり時間が経過しないうちに、これら60枚の床材を上下方向に一列に床材裏面と下段床材の表面が接触するようにして堆積し、24時間養生した。上の段の床材の重みで床材裏面の樹木精油成分が下段に位置する床材表面に圧着し転写、付着した。
【0042】
〔比較例1〕
実施例1と異なる点は木質床材裏面に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を何も塗布しなかったことのみであり、それ以外は実施例1と全く同様の方法で木質床材を60枚作製した。これら60枚の木質床材を実施例1と同様の方法で堆積し養生した。
【0043】
〔比較例2〕
表面化粧単板貼着用接着剤に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加しないこと及び床材裏面に精油成分を含有した合成樹脂粒子を塗布しなかったこと以外は実施例1と全く同様にして床材を60枚作製した。これら60枚の床材を実施例1と同様の方法で堆積し養生した。
【0044】
〔効能試験〕
続いて、これら実施例1、比較例1、比較例2のサンプルを下記の方法でその効能を試験した。実施した試験は、ダニ増殖抑制性能、カビ抵抗性、ゴキブリ忌避効力の3種類である。試験の方法は下記のとおりである。
【0045】
ダニ増殖抑制性能の試験方法は培地混入法により実施した。すなわち、4cm角に切断した試験サンプルを直径9cmのガラスシャ−レの中に塗装面が上面になるようにして置き、試験サンプル上に供試ダニが繁殖した培地約0.5gを3×3cmの広さに広げた。このシャ−レを所定の環境下、すなわち、温度25℃、相対湿度75%で保存する。1週間及び3週間の所定日数経過後、培地の一定量100mgを取り、顕微鏡で生存ダニ数を数えた。なお、増殖が著しい場合には同質の培地で希釈して測定した。測定は、1連につき2回づつ行った。
*ダニ増殖抑制率は下記の式にて算出される。
増殖抑制率(%)=(1−T/C)×100
但し、 T:樹木精油成分利用床材の生存ダニ数
C:一般床材の生存ダニ数
数値がマイナスの場合はゼロとする。
【0046】
カビ抵抗性試験はJIS−Z−2911に準じて実施した。
【0047】
ゴキブリ忌避抗力試験は簡易ボックス法により実施した。すなわち、中央部にゴキブリが移動できる穴をあけた仕切板を設けた30cm×60cm×30cmのアルミ製ボックス内の一方に比較例2の木質床材を置き、もう一方に実施例1あるいは比較例1の木質床材を置き、それぞれにクロゴキブリを入れ、24時間後のゴキブリ存在数を計測し、次式よりゴキブリ忌避率を計算した。
忌避率(%)=(1−T/C)×100
但し T:実施例1または比較例1上のゴキブリ存在数
C:比較例2のゴキブリ存在数
【0048】
〔試験の結果〕
ダニ、カビ、ゴキブリに対する床材製造直後と2年後の効能試験の結果を下記の表1、表2に示す。
表1(床材製造直後)
【0049】
表2(床材製造から2年後)
【0050】
カビ抵抗性は下記の3段階評価で示す。
数値の3;効果が大である。
数値の2:効果が認められる。
数値の1:効果が認められない。
【0051】
表1および表2を見てわかるとおり、単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加し、さらに、床材裏面に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子のエマルジョンを塗布した実施例1の床材は、接着剤中にのみ樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加した比較例1及び樹木精油成分を全く含有しない比較例2に比べて、対生物効力が大きく勝っている。
【0052】
また、比較例1に比べて実施例1は床材裏面にも樹木精油成分入り合成樹脂粒子が塗布されているので、床材どおしの堆積により、下段の床材表面にも精油成分が付着するので、ダニ増殖抑制性能、カビ抵抗性、ゴキブリ忌避効力などの対生物効力が1ランク向上している。また、床材製造から2年後の測定結果でも実施例1においては樹木精油成分の対生物効力のかなりの部分が残存維持できていることがわかる。これに対して比較例1では、かなりの部分が効力ダウンしていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の木質床材は樹木精油成分が化粧単板貼着用接着剤中に混入されているのみならず、床材裏面にも樹木精油成分が塗布されているので、床材製造後の床材の堆積養生中に上段の床材の裏面に塗布された樹木精油成分が下段の床材の表面塗装膜に接触し、転写付着し、このことによって、樹木精油成分が接着剤中からのみならず塗装膜表面からも新たに供給されることになり、樹木精油成分の持つ、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果やカビ抑制効果などの対生物効力が増強され、これら効能の長期間にわたる維持が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質床材の断面を示す模式図
【符号の説明】
1 木質床材
2 塗装膜
3 木質化粧単板
4 接着剤層
5 台板
6 裏面塗布層
7 合成樹脂粒子
【発明の属する技術分野】
本発明は住宅の内装に使用される木質床材で、詳しくは樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を表面化粧単板貼着用接着剤中に含有させ、さらに床材裏面にも塗布した木質床材であり、樹木精油成分が長期にわたって徐放し、その効力が長期にわたって持続することを特徴とした木質床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面化粧単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を含有した木質床材は健康で、快適な住生活を目指す風潮の強まる中、床材市場において種々提案されているが、いずれにおいても樹木精油成分の長期持続性を目的とし、種々工夫されているにもかかわらず、実用性という点では問題があり、その効果持続性についても種々疑問があった。
【0003】
例えば、特開平5−138816号公報において、台板と表面突板との間に介在させたエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シ−ト層に害虫忌避成分を含浸せしめて、防虫、防カビ効果を大幅に向上させ且つ長期にわたって効果を持続させることが開示されているが、実際の製造過程において、前記合成樹脂シ−ト層を設けて、これに樹木精油成分を含浸させることは、床材製造工程を複雑にするばかりでなく、製造コストも化粧単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を添加する場合と比較して高価につき、現実性に乏しいものとならざるを得なかった。
【0004】
また、特開平5−4320号公報において、木目模様化粧印刷紙貼りプリント化粧板において、印刷紙貼り接着剤中に樹木精油成分が含有され、且つ化粧板表面の塗装面に部分的な塗欠部を形成することによって、接着剤中の樹木精油成分が一度に外へ発散することなく、この塗欠部を通じて徐々に発散し、従って精油成分の効果の長期持続性が保たれるとの開示があるが、プリント化粧板表面の一部分に表面塗装膜の塗欠部を生じさせることは、高度な技術が必要とされ、従って製造コストも高くつくばかりでなく、この塗欠部から、空気中の湿気が浸入し、表面化粧紙の剥離、脱落等の欠陥が生じる危険があり、とても長期にわたって安定した品質維持は期待できない。またこの塗欠部は表面化粧紙の木目模様の特定箇所でなければならず、バラバラな箇所では意匠的に安定したものになり得ず、とても木目化粧された化粧板とは、ほど遠いものとなってしまう危険性がある。
【0005】
また、樹木精油成分を内包したマイクロカプセルを含むエマルジョンを化粧単板または化粧シ−トを貼着する際の接着剤中に混入させ、樹木精油成分を発散させた床材または化粧板も市販されているが、いずれも製造当初は、樹木精油成分の香りが発散し、その効果も保持されているが、時間が経つに従って、精油成分の発散量が低下し、比較的短期間でその効果が消失し、長期持続性に劣るものとなる欠陥があった。
【0006】
そこで、エマルジョン中の樹木精油成分の含有量を増やそうとしても、エマルジョン化におのずと限界があり、その量的限界は回避しがたいものであった。また、接着剤中のエマルジョンそのものの混入量を増やそうとしても量的な限界があり、あまり増やしすぎると表面化粧単板の接着力が低下し、単板剥離の危険があった。従って精油成分の効果もあまり期待できなかった。
【0007】
また、樹木精油成分を含有するエマルジョンの添加量が多くなり過ぎると、初期の樹木精油成分の発散量が多くなり過ぎ、自然界の森林に存在する濃度を超えてしまい、かえって人体の生理活性機能を低下させる結果となり、ヘルシ−効果が逆効果になる危険性がある。
【0008】
また、樹木精油成分が一度に発散してしまうのを防止するため、化粧単板にWPC化処理されたものを使用すると、樹脂、塗装膜などのコ−ティング層が厚いため、接着剤中に混入しただけでは床材表面からの樹木精油成分の発散が困難となる。樹脂化された単板や厚塗り塗装膜が樹木精油成分の発散を抑制してしまうためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は樹木精油成分の適度な発散による害虫忌避性等の効果の持続性を改善した木質床材の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者等は鋭意研究した結果、下記に述べる解決手段に到達したものである。すなわち第1の発明は、台板に接着剤を介して木質化粧単板を貼着し、その表面に塗装膜を形成してなる木質床材であって、該接着剤中に、少なくとも2種類以上のモノテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を含有し、前記木質床材裏面に、少なくとも2種類以上のセスキテルペン類、ジテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を塗布し、該木質床材をその裏面が下段の床材表面塗装膜に接触するようにして堆積し、床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された床材表面塗装膜に付着させ、前記、樹木精油成分を木質床材の表面塗装膜、化粧単板貼り用接着剤及び木質床材裏面の三カ所に含有させたことを特徴とする。
【0011】
係る構成から、樹木精油成分が化粧単板貼着用接着剤中に混入されているだけでなく、床材裏面にも樹木精油成分が塗布され、床材製造後における床材の堆積養生中に上段の床材の裏面に塗布された樹木精油成分が下段の床材の表面塗装膜に接触し、転写付着し、このことで、樹木精油成分が接着剤中のみならず、塗装膜表面からも新たに供給されることになり、接着剤中、床材裏面、塗装膜表面の三カ所から樹木精油成分の適度な発散が行われる。このことで、樹木精油成分の持つ、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果などの対生物効力が増強され、これら効能の長期間にわたる維持が可能となる。
【0012】
また、第2の発明は、請求項1に記載の木質床材において、前記合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分の量が接着剤中に含有する場合も、また、床材裏面に塗布する場合も、重量比で15%〜50%であり、前記、接着剤中のモノテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で45〜55%であり、前記木質床材裏面に塗布されているセスキテルペン類、ジテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で55〜65%であることを特徴とする。
【0013】
係る構成から、樹木精油成分の適度な発散による、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果などの対生物効力のよりいっそうの確実な発揮と持続性にとって、よりいっそう好適なものとなる。
【0014】
また、第3の発明は、請求項1又は2に記載の木質床材の製造方法が、樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を含有する接着剤にて台板に化粧単板を貼着する工程と、その表面に塗装を施し木質床材とする工程と、木質床材裏面に樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を塗布する工程と、前記木質床材を堆積し、木質床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された木質床材の表面塗装膜に付着させる工程とからなることを特徴とする。係る製造方法によれば、請求項1又は2に記載の木質床材の製造が確実にできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
ここで本発明の1実施形態を図示する。図1は本発明の木質床材の断面を示す模式図である。1は木質床材、2は塗装膜、3は木質化粧単板、4は接着剤層、5は台板、6は裏面塗布層、7は合成樹脂粒子を示す。
【0016】
木質床材の台板としては、合板、MDF、パ−ティクルボ−ド、OSB、または、それ以外の材料であっても良い。表面化粧単板としては、ナラ、ケヤキ、サクラ、ヒノキ、マツ、ブナ、カバ等の和材の他、オ−ク、チ−クなどの洋材が良く使用されるが、床材に利用できる木質単板であれば特に制限はない。化粧単板貼着用接着剤としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、またはその共縮合樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂など床材の表面単板貼りに使用される接着剤であれば良い。
【0017】
本発明で使用する精油は、森林の樹木から発散し、抗菌性、防虫性、防カビ性を有し、フィトンチッドと称される公知のものから適宜選択して用いられるが、化粧単板貼着用接着剤に添加される合成樹脂粒子が含有する精油成分としては少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるモノテルペン類が良い。合成樹脂粒子に、互いに沸点の異なる少なくとも2種類以上の精油成分を含有させておくと、温度湿度等住環境の変化に対しても対応力が大きく、比較的安定して長期間効能を維持することができる。
【0018】
また、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子が含有する精油成分としては少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるセスキテルペン類、ジテルペン類が良い。
すなわち、木質床材の裏面に塗布する合成樹脂粒子としては、床材堆積時に下段床材の塗装膜表面に付着させる目的として、少なくとも2種類以上の互いに沸点の異なるセスキテルペン類、ジテルペン類などの樹木精油成分を内蔵した合成樹脂粒子を用いることが望ましい。
【0019】
セスキテルペン類やジテルペン類はモノテルペン類に比べ沸点が高く、そのため、温度湿度等の環境の大きな変化に対しても対応力が大きく、しかも長期にわたって安定した効果が期待できる。
【0020】
理由は定かではないが、接着剤中の精油成分と床材裏面の精油成分が相補い合って精油成分の長期にわたる適度な徐放が可能となり、それにより害虫忌避効果などの精油成分効果の維持継続が可能となった。
【0021】
また、合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分の量は、合成樹脂粒子を接着剤中に含有する場合も床材裏面に塗布する場合も、少なくとも15%以上内蔵させることが好ましく、より好ましくは25%以上内蔵させることが望ましい。しかし、あまり多いとその発散量が過度に多くなり、かえって不快感を覚えることもあるので、上限は約50重量%である。
【0022】
接着剤中の合成樹脂粒子に内蔵される樹木精油成分は、ヒノキ葉油にリモネン、α−ピネンを追加混合した調合油とするのが良い。調合油に占めるリモネン、α−ピネンなどのモノテルペン類の比率を45%〜55%となるようにすることで、より確実な効果が発揮できる。さらに、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵される樹木精油成分はヒノキ材油にセスキテルペン類、ジテルペン類を追加混合した調合油とするのが良い。調合油に占めるセスキテルペン類、ジテルペン類の比率を55〜65%となるようにすることで、より確実な効果が発揮できる。
【0023】
すなわち、接着剤中に添加する合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分はモノテルペン類を多く含ませ、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分は比較的高沸点のセスキテルペン類、ジテルペン類を多目にすることで、より確実な効果が発揮できる。接着剤中の合成樹脂粒子からの精油成分の発散は接着剤層を通り、その上の化粧単板、さらにはその上の塗装膜を通じて発散するので発散速度がゆっくりである。
【0024】
それに対して、木質床材裏面に塗布された合成樹脂粒子中の樹木精油成分は直接空気中へ発散してしまうので、発散は接着剤中のものよりも早くなる。このため、床材裏面に塗布する合成樹脂粒子に内蔵する精油成分は比較的高沸点の精油成分が望ましいのである。このようにすることが、精油成分の発散を相補う形で最もよくその効果を発揮する。そしてその効果の持続性も優れたものとなる。
【0025】
また、接着剤中に含有する合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの量は8g以上12g以下が適当であり、木質床材裏面に塗布する合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの量は1.2g以上2.0g以下が適当である。精油成分の量が少なすぎるとその効果が発揮されず、また、多すぎると精油の発散量が通常の森林中に漂う自然界の量を超えてしまって、かえって逆効果となる。このちょうどよい精油成分の量的範囲を守ることが望ましい。また、接着剤中に合成樹脂粒子を必要以上に過度に添加すると、接着剤の接着力が著しく低下し、製造工程での単板接着不良や、製品になってからの単板剥離などのトラブルの原因となるので注意を要する。
【0026】
また、以上のような精油成分効果の長期持続性を持った木質床材を安価に効率良く製造する最も簡単で確実な方法としては次に述べる方法が最も良い。すなわち、樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を含有する接着剤を用いて台板の上に化粧単板を貼着し、続いてその表面に塗装を施し木質床材となし、さらに該木質床材の裏面に樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を塗布し、床材裏面に塗布層を形成する。そして、それらの床材どうしを床材表面と裏面が接触する如く堆積する。このことによって、上段の木質床材裏面の塗布層が下段に堆積された木質床材の表面塗装膜に接触し、前記塗布層に含有される合成樹脂粒子が下段の床材表面塗装膜に付着し、従ってそれに内蔵される樹木精油成分が付着することになる。この状態で一定期間堆積養生する。
【0027】
このようにすることにより、木質床材の裏面の高沸点成分が堆積した木質床材の下側の化粧単板上の塗装膜中およびその表面に転移する。塗装膜中に高沸点精油成分が存在すると、理由は定かではないが、接着剤中の樹木精油成分の発散が適度に制御され、樹木精油成分の効果が長期にわたって維持される。このようにして長期間効能を有する木質床材が安価に安定して製造可能となるのである。
【0028】
本発明の木質床材の製造方法としては、まず、表面化粧単板貼着用接着剤を適量用意し、これに沸点の異なる2種類以上のモノテルペン類を少なくとも15重量%以上内蔵させた合成樹脂粒子を接着剤100重量部に対して約10%程度添加し、接着剤塗布量を約80〜120g/m2程度にして、合成樹脂粒子の量が床材面積1m2当たり、8〜12g/m2になるように調整する。化粧単板の貼着方法としては通常のホットプレスにて熱圧する。この時の熱圧条件は、温度100℃〜120℃、圧締圧力8〜10kg/cm2、圧締時間60〜90秒が適する。
【0029】
次に、この床材の表面を塗装仕上げする。塗料としては熱硬化型のアミノアルキッド樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料等の他、最近の床材塗装の主流をなす紫外線硬化型塗料も用いることができる。溶剤系の紫外線硬化型塗料としてはポリエステル樹脂塗料がよく使われ、また、非溶剤系の紫外線硬化型塗料としてはウレタンアクリレ−ト樹脂塗料、ポリエステルアクリレ−ト樹脂塗料、エポキシアクリレ−ト樹脂塗料等がよく使用される。木質床材に使用可能な塗料であれば特に制限はなく、塗装条件、塗装機械等は公知の塗装技術、機器を利用する。
【0030】
次に、沸点の異なる2種類以上のセスキテルペン類、ジテルペン類を含む樹木精油成分を少なくとも15重量%以上内蔵する合成樹脂粒子を床材面積1m2当たり1.2g〜2.0gとなるように床材裏面に塗布する。合成樹脂粒子を水でエマルジョン化またはサスペンション化したものを床材裏面に塗布し、裏面塗布層を形成する。合成樹脂粒子の量はエマルジョン又はサスペンション100重量部に対して約40〜50重量部程度が良い。
【0031】
塗布方法は木工業界で良く使われるスプレ−方式、ロ−ルコ−タ−で塗布する方式、フロ−コ−タ−で塗布する方式等さまざまな方法があるがロ−ルコ−タ−を用いるのが最も簡便である。
【0032】
また、床材の表面塗装後できるだけ早い時期に床材裏面に合成樹脂粒子を塗布することが望ましい。そして裏面塗布後あまり時間が経過しない間に、これらの木質床材を床材の裏面と直下の床材の塗装膜表面が接触するようにして堆積し養生する。このようにして、上段の床材裏面に塗布された精油成分を含有した合成樹脂粒子がそのすぐ下段の床材表面の仕上げ塗装膜表面に転写、付着し、樹木精油成分が床材表面に付着するのである。
【0033】
【実施例】
次に実施例、比較例によって具体的に述べる。
〔実施例1〕
厚さ12mm、幅303mm、長さ1818mmサイズの合板基材を60枚用意した。化粧単板貼着用接着剤としてはユリア樹脂100重量部、メラミン樹脂20重量部、酢酸ビニル樹脂35重量部、小麦粉25重量部、水15重量部、硬化剤として塩化アンモニウムを1%添加し良く攪拌し接着剤とした。
【0034】
次に、二重構造合成樹脂粒子を作成する。まず、非イオン系界面活性剤の存在下で乳化重合された樹脂分45%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(ポリゾ−ルEF、昭和高分子株式会社製)100重量部を加熱攪拌しつつ、最初にリモネンを10重量部添加し、24時間熟成させる。このようにして、リモネンが前記エマルジョンの合成樹脂粒子の中心部に十分含浸吸収されるのを待って、α−ピネンを10重量部添加し、続いてヒノキ葉油を10重量部添加した。このようにして内部樹脂層となるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を作成した。
【0035】
精油成分の所定の含浸吸収量を付与するのに必要な時間だけ攪拌を行った後、外殻樹脂層となるアクリル樹脂を反応付着させ、二重構造合成樹脂粒子を得た。この時、精油成分の合成樹脂粒子に対する添加量は合計で30%にした。
【0036】
次に、前記接着剤に対して、作成済みの精油入り二重構造合成樹脂粒子を重量比で10重量%配合した。このようにして作成した精油成分を含有する合成樹脂粒子を添加混合した接着剤を基材合板に対して100g/m2の塗布量となるように塗布し、この上に0.3mm厚さのオ−ク単板を重ね、ホットプレスにて熱圧接着した。
【0037】
熱圧条件は温度110℃、圧締圧力8kg/cm2、圧締時間60秒であった。この時、合成樹脂粒子の床材面積1m2当たりの添加量は約10gとなった。続いて、この床材を4面本実加工した後、紫外線硬化型のポリエステル樹脂塗料で仕上げ塗装を施した。このようにして、厚さ12mm×幅303mm×長さ1818mmサイズの床材を60枚作製した。
【0038】
次に、あまり時間が経過しないうちに、下記のように調整した精油成分入り二重構造合成樹脂粒子を含むエマルジョンをロ−ルコ−タ−で床材裏面に塗布した。二重構造合成樹脂粒子を床材裏面に床材1枚当たり、すなわち、幅303mm×長さ1818mm当たり、0.9gすなわち床材面積1m2当たり1.6gとなるように塗布した。
【0039】
二重構造合成樹脂粒子の作成方法は接着剤中に添加するものとほぼ同様の方法で作成する。まず、非イオン系界面活性剤の存在下で乳化重合された樹脂分45%のエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(ポリゾ−ルEF、昭和高分子株式会社製)100重量部を加熱攪拌しつつ、最初にセスキテルペン類及びジテルペン類を各10重量部添加し、24時間熟成させる。このようにして、セスキテルペン類及びジテルペン類が前記、エマルジョンの合成樹脂粒子に十分含浸吸収されるのを待って、ヒノキ材油を10重量部添加した。
【0040】
このようにして内部樹脂層となるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を作成した。精油成分の所定の含浸吸収量を付与するのに必要な時間だけ攪拌を行った後、外殻樹脂層となるアクリル樹脂を反応付着させ、二重構造合成樹脂粒子を得た。この時、精油成分の合成樹脂粒子に対する添加量は合計で30%にした。
【0041】
続いて、床材裏面に塗布した樹木精油成分を含有するエマルジョンが指触乾燥して、あまり時間が経過しないうちに、これら60枚の床材を上下方向に一列に床材裏面と下段床材の表面が接触するようにして堆積し、24時間養生した。上の段の床材の重みで床材裏面の樹木精油成分が下段に位置する床材表面に圧着し転写、付着した。
【0042】
〔比較例1〕
実施例1と異なる点は木質床材裏面に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を何も塗布しなかったことのみであり、それ以外は実施例1と全く同様の方法で木質床材を60枚作製した。これら60枚の木質床材を実施例1と同様の方法で堆積し養生した。
【0043】
〔比較例2〕
表面化粧単板貼着用接着剤に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加しないこと及び床材裏面に精油成分を含有した合成樹脂粒子を塗布しなかったこと以外は実施例1と全く同様にして床材を60枚作製した。これら60枚の床材を実施例1と同様の方法で堆積し養生した。
【0044】
〔効能試験〕
続いて、これら実施例1、比較例1、比較例2のサンプルを下記の方法でその効能を試験した。実施した試験は、ダニ増殖抑制性能、カビ抵抗性、ゴキブリ忌避効力の3種類である。試験の方法は下記のとおりである。
【0045】
ダニ増殖抑制性能の試験方法は培地混入法により実施した。すなわち、4cm角に切断した試験サンプルを直径9cmのガラスシャ−レの中に塗装面が上面になるようにして置き、試験サンプル上に供試ダニが繁殖した培地約0.5gを3×3cmの広さに広げた。このシャ−レを所定の環境下、すなわち、温度25℃、相対湿度75%で保存する。1週間及び3週間の所定日数経過後、培地の一定量100mgを取り、顕微鏡で生存ダニ数を数えた。なお、増殖が著しい場合には同質の培地で希釈して測定した。測定は、1連につき2回づつ行った。
*ダニ増殖抑制率は下記の式にて算出される。
増殖抑制率(%)=(1−T/C)×100
但し、 T:樹木精油成分利用床材の生存ダニ数
C:一般床材の生存ダニ数
数値がマイナスの場合はゼロとする。
【0046】
カビ抵抗性試験はJIS−Z−2911に準じて実施した。
【0047】
ゴキブリ忌避抗力試験は簡易ボックス法により実施した。すなわち、中央部にゴキブリが移動できる穴をあけた仕切板を設けた30cm×60cm×30cmのアルミ製ボックス内の一方に比較例2の木質床材を置き、もう一方に実施例1あるいは比較例1の木質床材を置き、それぞれにクロゴキブリを入れ、24時間後のゴキブリ存在数を計測し、次式よりゴキブリ忌避率を計算した。
忌避率(%)=(1−T/C)×100
但し T:実施例1または比較例1上のゴキブリ存在数
C:比較例2のゴキブリ存在数
【0048】
〔試験の結果〕
ダニ、カビ、ゴキブリに対する床材製造直後と2年後の効能試験の結果を下記の表1、表2に示す。
表1(床材製造直後)
【0049】
表2(床材製造から2年後)
【0050】
カビ抵抗性は下記の3段階評価で示す。
数値の3;効果が大である。
数値の2:効果が認められる。
数値の1:効果が認められない。
【0051】
表1および表2を見てわかるとおり、単板貼着用接着剤中に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加し、さらに、床材裏面に樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子のエマルジョンを塗布した実施例1の床材は、接着剤中にのみ樹木精油成分を含有した合成樹脂粒子を添加した比較例1及び樹木精油成分を全く含有しない比較例2に比べて、対生物効力が大きく勝っている。
【0052】
また、比較例1に比べて実施例1は床材裏面にも樹木精油成分入り合成樹脂粒子が塗布されているので、床材どおしの堆積により、下段の床材表面にも精油成分が付着するので、ダニ増殖抑制性能、カビ抵抗性、ゴキブリ忌避効力などの対生物効力が1ランク向上している。また、床材製造から2年後の測定結果でも実施例1においては樹木精油成分の対生物効力のかなりの部分が残存維持できていることがわかる。これに対して比較例1では、かなりの部分が効力ダウンしていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の木質床材は樹木精油成分が化粧単板貼着用接着剤中に混入されているのみならず、床材裏面にも樹木精油成分が塗布されているので、床材製造後の床材の堆積養生中に上段の床材の裏面に塗布された樹木精油成分が下段の床材の表面塗装膜に接触し、転写付着し、このことによって、樹木精油成分が接着剤中からのみならず塗装膜表面からも新たに供給されることになり、樹木精油成分の持つ、ダニ抑制効果、ゴキブリ等害虫忌避効果やカビ抑制効果などの対生物効力が増強され、これら効能の長期間にわたる維持が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質床材の断面を示す模式図
【符号の説明】
1 木質床材
2 塗装膜
3 木質化粧単板
4 接着剤層
5 台板
6 裏面塗布層
7 合成樹脂粒子
Claims (3)
- 台板に接着剤を介して木質化粧単板を貼着し、その表面に塗装膜を形成してなる木質床材であって、該接着剤中に、少なくとも2種類以上のモノテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を含有し、前記木質床材裏面に、少なくとも2種類以上のセスキテルペン類、ジテルペン類を含む樹木精油成分内蔵の合成樹脂粒子を塗布し、該木質床材をその裏面が下段の床材表面塗装膜に接触するようにして堆積し、床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された床材表面塗装膜に付着させ、前記、樹木精油成分を木質床材の表面塗装膜、化粧単板貼り用接着剤及び木質床材裏面の三カ所に含有させたことを特徴とする木質床材。
- 前記合成樹脂粒子に内蔵する樹木精油成分の量が接着剤中に含有する場合も、また、床材裏面に塗布する場合も、重量比で15%〜50%であり、前記、接着剤中のモノテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で45〜55%であり、前記木質床材裏面に塗布されているセスキテルペン類、ジテルペン類の精油に対する含有比率が重量比で55〜65%であることを特徴とする請求項1に記載の木質床材。
- 樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を含有する接着剤にて台板に化粧単板を貼着する工程と、その表面に塗装を施し木質床材とする工程と、木質床材裏面に樹木精油成分を内蔵する合成樹脂粒子を塗布する工程と、前記木質床材を堆積し、木質床材裏面の樹木精油成分を下段に堆積された木質床材の表面塗装膜に付着させる工程とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の木質床材の製造方法。
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