JP2669077B2 - 板紙整列装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は牛乳パック用のブランクス等の板紙を多数枚
積層してベルトコンベアで移送する際の積層くずれをベ
ルトコンベア上にて整列させるための板紙整列装置に関
する。

〔従来の技術〕

従来、板紙例えば牛乳パック用のブランクス等を次工
程へ移送するのに通常ベルトコンベアが用いられてい
る。このベルトコンベアは通常、複数組のベルトコンベ
アを組合わせて構成されている。従って、板紙を多数枚
重ねた積層状態でこのベルトコンベアで搬送する場合、
ベルトコンベアの継目の部分で衝撃等を受け板紙相互間
にずれが生じ、積層物全体が走行方向に傾くなど積層く
ずれが生じ易い。このように積層くずれを起した場合、
次工程での取扱いに支障を生じさせるため、この積層く
ずれをベルトコンベア上で修正し、まっすぐな積層状態
に整列させる必要がある。

このようなことから従来、第７図に示す如き板紙整列
装置が提案されている。即ち、一対のベルトコンベア
１、２間に板状のストッパー３を上下動自在に設け、板
紙積層物４がこのストッパー３に到達する前に、このス
トッパー３を図示の如くベルトコンベア１、２間に突出
させ、このストッパー３の背面に板紙積層物３の前方部
分を当接させて板紙積層物４を整列させ、そののちスト
ッパー３をベルトコンベア１、２の上面より低く降下さ
せ、ついでこの整列された板紙積層物４を再びベルトコ
ンベア１方向に移送させるようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、この従来の整列装置においては板紙積層物４
をストッパー３に当接させて全体を整列させる処理工程
の間、ベルトコンベア２は矢線方向に回動しつづけてい
るため、板紙積層物４の最下部の板紙の後端部（Ａで示
す部分）がベルトコンベア２との摩擦により紙層剥離
し、製品不良を生じさせることが見出された。したがっ
て本発明は積層くずれを起した板紙積層物を、板紙に上
述の如き損傷を生じさせることなく整列させることを可
能とする板紙整列装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記課題を解決するため、コンベアベルトの
ローラのうち、板紙積層物の後端部下方に位置するロー
ラを適宜降下させ板紙積層物の最下部の板紙の後端部と
の摩擦を回避し、これによりこの部分の損傷を防止する
という手段を講じた。

すなわち、本発明は板紙積層物の積層くずれを移送ベ
ルト上にて整列させるための装置であって、複数個のロ
ーラと、これらローラを介して整列されるべき板紙積層
物移送するために無端走行する無端ベルトと、該無端ベ
ルトコンベアの最前部より前方に該無端ベルトに沿って
配置され、無端ベルトの走行上面より高い又は低い位置
に上下動自在に設けられたストッパーと、上記ローラの
うち後部のローラをこれと係合する部分のベルトと共に
選択的に降下させるローラ降下機構と、板紙積層物の移
送位置を検出し、その情報を上記ローラ降下機構に伝達
するセンサー機構と、を具備してなることを特徴とする
板紙整列装置物を提供するものである。

〔作用〕

板紙積層物が本装置の移送ベルト上の所定の位置に到
達したときセンサー機構がこれを感知し、これによりロ
ーラのうち、後部のローラがこれと係合する部分のベル
トと共に自動的に降下し、その状態で移送ベルトが回動
しつづけ板紙積層物をストッパーの背面と一定時間、当
接させ板紙積層物を整列させる。整列が終了したのち、
移送ベルトが停止し、ついでストッパーが移送ベルト上
面より低い位置まで降下し、ついで降下していた後部ロ
ーラが元の位置に上昇復元し、移送ベルトが再び回動し
て整列された板紙積層物を前方に移送させる。このよう
に板紙積層物の整列処理がおこなわれる間、後部ローラ
が降下しているので、板紙積層物の最下部の板紙後端部
と移送ベルトの摩擦が回避され、したがってこの最下部
の板紙の後端部が損傷するおそれはなくなる。

〔実施例〕

以下、本発明を図示の実施例を参照して説明する。

第１図は本発明に係わる板紙整列装置の斜視図、第２
図はこれに対応する側面図である。これら図中、11a〜1
1gは無端ベルト12を回動させるためのローラ、11h、11i
は移送ベルト12の下流側に隣接して配設された無端ベル
ト13を回動させるためのローラ、11j、11kは無端ベルト
12の上流側に隣接して配設された無端ベルト14を回動さ
せるためのローラである。本発明の板紙整列装置の一部
を構成する無端ベルト12は整列されるべき板紙積層物15
の長さより若干長い距離を無端走行するようにして設け
られている。

この無端ベルト12と無端ベルト13との間には略くし形
に上部が切欠したストッパー16が上下動自在に設けられ
ている。このストッパー16は第２図又は第６図に示す如
く、その下端に介してエアーシリンダ17と連結し、この
エアーシリンダ17によって無端ベルト12上面から適当な
高さ（即ち、板紙積層物15の高さより高くなる程度）ま
で上昇し、あるいは無端ベルト12上面より低い位置に降
下するようになっている。

ローラ11e、11f及び11gの両側には駆動プレート18が
第６図中仮想線で示す如く配設されている。この駆動プ
レート18はローラ11f及び11gをその両側部を介して軸支
するとともに、ローラ11eに枢支されているローラ11eの
軸を中心として回動し、ローラ11f及び11gをその部分の
無端ベルト12とともに下方に適宜降下させる。この降下
操作は第６図に示す如く、エアーシリンダ19と駆動プレ
ート18とを連結する一対の駆動アーム20、21によってお
こなうことができる。

ローラ11aの両側上方には一対の光センサー（図示し
ない）が設けられていて、板紙積層物15がその部分に到
達したとき、それを感知し、エアーシリンダ19の駆動機
構（図示しない）に情報を伝達し、エアーシリンダ19を
駆動させ、駆動プレート18を降下させる。

次に、上記構成からなる板紙整列装置の動作について
説明する。

まず、第２図に示す如く、板紙を多数枚積層した板紙
積層物15が若干積層くずれを起した状態で無端ベルト14
を介して移送されてきたとする。この板紙積層物15は第
３図に示す如く無端ベルト12上に移送されストッパー16
近傍まで到達する。このとき、光センサー（図示しな
い）がこれを感知し、電気的信号としてエアーシリンダ
19の駆動機構（図示しない）に伝達する。これによりエ
アーシリンダ19が収縮動作し、駆動アーム20、21を回動
降下させ、したがって駆動プレート18を矢線の如くロー
ラ11eの軸を中心として下方に回動させる。これによっ
てローラ11f、11gもその付近の無端ベルト12とともに水
平位置から降下し、その結果、板紙積層物15は第４図に
示す如くその最下面の後端部が無端ベルト12の上面と非
接触状態に保たれる。

この状態で無端ベルト12は回動しづけるため、板紙積
層物15の最前部がストッパー16の背面部と当接し、さら
に無端ベルト12の回動応力により板紙積層物がストッパ
ー16の背面部に押し付けられることになる。その結果、
板紙積層物15は一定時間後第４図に示す如く整列され
る。

このように板紙積層物15の整列操作が終了したとき、
無端ベルト12の回動が停止され、ついでストッパー16が
その上端エアーシリンダ17により無端ベルト12の上面よ
り低くなる位置まで降下する。次に、駆動プレート18が
エアーシリンダ19によって再び上方に回動し、ローラ11
f及び11gを元の水平状態に復帰させる。同時に無端ベル
ト12の回動が開始され、整列された板紙積層物15は第５
図に示す如く無端ベルト12から無端ベルト13へ移送さ
れ、次工程に供される。

なお、上記実施例では無端ベルト12とローラ11a〜11g
との組合せからなるものについて説明したが、ローラの
構成は上記のものに限らず適宜変更し得ることは明らか
である。要は整列されるべき板紙積層物の後端底部に当
る部分のローラをその部分の無端ベルトとともに降下し
得るものであればよい。又、ストッパー16についても上
記くし形のものに限らず、単なる板状のもの、複数本の
棒体からなるものなど適宜選択し得る。

なお、本発明で板紙とは牛乳パック等の紙製容器のブ
ランクス又はこれに類する比較的厚く硬質のものを意味
する。

〔発明の効果〕

以上詳述したように本発明の板紙整列装置によれば、
ストッパーに前面部分を当接させながら板紙積層物の積
層くずれを矯正する操作の間において、回動するコンベ
アベルトの上面から板紙積層物の後端底面が離れるよう
になっているから、板紙積層物の最下部の板紙後端に紙
層の剥れが生ずるようなことは全くなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる板紙整列装置の斜視図、第２図
は第１図の装置に対応する側面図、第３図ないし第５図
は第１図の状態から積層くずれを起した板紙積層体の整
列をおこなう過程を順次示す装置側面図、第６図は無端
ベルト後部を降下させる機構を説明するための本発明の
板紙整列装置の側面図、第７図は従来の板紙整列装置の
斜視図である。 図中、１、２……ベルトコンベア、３……ストッパー、
４……板紙積層物、11a〜11kは無端ベルト、12〜14……
無端ベルト、15……板紙積層物、16……ストッパー、17
……エアシリンダ、18……駆動プレート、19……エアー
シリンダ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】板紙積層物の積層くずれを移送ベルト上に
   て整列させるための装置であって、 複数個のローラと、 これらローラを介して整列されるべき板紙積層物を移送
   するために無端走行する無端ベルトと、 該無端ベルトの最前部より前方に該無端ベルトに沿って
   配置され、無端ベルトの走行上面より高い又は低い位置
   に上下動自在に設けられたストッパーと、 上記ローラのうち後部のローラをこれと係合する部分の
   ベルトと共に選択的に降下させるローラ降下機構と、 板紙積層物の移送位置を検出し、その情報を上記ローラ
   降下機構に伝達するセンサー機構と、 を具備してなることを特徴とする板紙整列装置。