JP2668581B2 - 磁気テープ摺動部材 - Google Patents

磁気テープ摺動部材

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JP2668581B2 JP1143255A JP14325589A JP2668581B2 JP 2668581 B2 JP2668581 B2 JP 2668581B2 JP 1143255 A JP1143255 A JP 1143255A JP 14325589 A JP14325589 A JP 14325589A JP 2668581 B2 JP2668581 B2 JP 2668581B2
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隆幸 松本
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、磁気テープを使用した磁気記録再生装置
における磁気テープ摺動部材に関する。
[従来の技術] VTRやR−DAT等の磁気テープ走行系では、磁気ヘッド
を取り付けて回転する回転シリンダ(以下、単にシリン
ダと略す)、および、磁気テープ走行をガイドするため
の種々のガイドピンが設けられ、磁気テープ(以下テー
プと略す)は、このシリンダ及びガイドピンの外周に巻
き付かれた状態で走行するが、従来のシリンダは、Al
(アルミニユーム)を母材とした合金、例えばAl−Si
系、Al−Cu系等のAl合金を、またガイドピンは、ステン
レス鋼等を、いずれも単に加工して製作しており、テー
プ走行時にはAl合金面あるいはステンレス鋼面が直接テ
ープに接触していた。
また、これを改良する技術として、実公昭60−6907号
に見られるように急冷アモルファス箔をテープ衝動面に
張り付けることも考案されている。
また、イオンプレーティング法等のPVD法(物理的気
相成長法)により、シリンダのテープ摺動面にセラミッ
クであるTiN(チッ化チタン)をコーティングすること
も考案されている。
[発明が解決しようとする課題] シリンダはテープと高速で摺動するため、そのテープ
摺動面の耐摩耗性が要求されるが、この耐摩耗性を確保
するため、従来はAl合金のなかでも特に硬度の高いもの
(一般にSi成分の多いものほど硬度が高い傾向にある)
が使用されている。しかしながら、硬質合金を使用する
と、加工性が悪く、問題となっている。
また、近年、記録密度の増大のためテープ表面(媒体
面)が高度に平滑化されてきているが、この平滑化はテ
ープとシリンダあるいはガイドピンのテープ摺動面との
摩擦係数を増大させるため、テープの走行に際して、ジ
ッタの発生原因となるテープ走行のみだれが生じたり、
またテープがシリンダおよび、ガイドピンに張りつく等
の種々の問題があった。
この問題に対する改良としてほ前記急冷アモルファス
箔を張り付ける方法では、耐摩耗性は確かに向上するも
のの、Fe−Co−Si−B系の組成で強磁性体であり耐磁性
を有するため、記録性能へ外乱を与える恐れがあった。
また、急冷箔では、表面粗さが数μmであり、最近のテ
ープ表面の平滑化に伴う、VTRシリンダ表面のサブミク
ロンメートルの粗さに対応しにくい面があった。
また、前記TiNコーティングは、コーティング時の温
度を高温に保つ必要があることから、シリンダ、ガイド
ピン等母材の変質、変形をまねくため、それらを克服す
るためには、シリンダ、ガイド品を特殊な設計にしなけ
るばならない、また、コーティング歩留りが低い等によ
り、高コスト化が余儀なくされていた。さらに、TiN
は、水滴との接触角が60゜と小さいことからも分るよう
に、水に漏れ易く、高湿中ではテープの貼り付きトラブ
ルを増すという欠点を持っていた。
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたも
ので、シリンダあるいはガイドピン等のテープ摺動部材
における耐摩耗性の確保とシリンダの良好な加工性との
両者を満足させることが可能であり、また、磁気テープ
とシリンダあるいはガイドピン等のテープ摺動面との摩
擦係数を減少させると共に、摩擦係数の変動が少なくな
るのでテープ走行のみだれやテープのシリンダへの張り
付き等を防止することができ、なおかつ、最近の高度に
平滑化されたテープ摺動面の表面粗さを低下させない磁
気テープ摺動部材を得ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明では上記課題を解決するために,磁気テープを
使用した磁気記録再生装置の磁気テープ摺動部材におい
て,前記磁気テープ摺動部材のテープ摺動面に,強磁性
体でないタンタル系またはタングステン系アモルファス
合金薄膜を物理的気相成長法により形成した。
また、上記のタンタル系またはタングステン系アモル
ファス合金薄膜は、ビッカース硬度1000以上のものが好
適である。
[作用] 上記のタンタル系またはタングステン系アモルファス
合金薄膜を形成することにより、磁気テープ摺動部材の
テープ摺動面の磁気テープとの摩擦係数が明らかに減少
するとともに、摩擦係数の変動幅が小さくなる。
また、磁気テープ摺動部材のテープ摺動面の硬度が高
くなり、かつ、磁気テープに対する耐摩耗性が明らかに
向上する。
また、磁気テープ摺動部材のテープ摺動面の水滴との
接触角が大きくなる。つまり、水に濡れにくくなる。
また、テープ摺動面のタンタル系またはタングステン
系アモルファス合金薄膜が非強磁性体であるから、記録
性能へ外乱を与えるおそれはない。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明する。
この実施例は、磁気テープ摺動部材として、磁気記録
再生装置であるVHS方式のVTR(ビデオテープレコーダ)
におけるシリンダ、およびシリンダの前後においてテー
プを案内するガイドピンに適用したものである。
そして、シリンダおよびガイドピンのテープ摺動面に
形成するタンタル系またはタングステン系アモルファス
合金薄膜として、 Ta:50原子% Fe:35原子% Cr:10原子%、 Ni:5原子% のタンタル系アモルファス合金(アモルファス−Ta合
金)、および W:50原子% Fe:35原子% Cr:10原子% Ni:5原子% のタングステン系アモルファス合金(アモルファス−W
合金)を採用した。
そして、これらのタンタル系またはタングステン系ア
モルファス合金をPVD法(物理的気相形成法)であるス
パッタ法によりシリンダおよびガイドピンのテープ摺動
面にコーティングした。なお、使用したシリンダ母材は
従来と同硬質Al合金、ガイドピン母材も従来と同じステ
ンレス鋼材(SUS303)である。
上記の通りアモルファス−W合金あるいはアモルファ
ス−Ta合金をテープ摺動面にコーティングしたシリンダ
の諸特性を試験した結果を第1図〜第5図に示し、かつ
第1表に整理して示す。
なお、比較のため、何等コーティングしない硬質Al合
金母材表面そのままのシリンダ、およびテープ摺動面に
TiN(チッ化チタン)をコーティングしたシリンダにつ
いても同様な試験を行った。また、シリンダに摺動させ
る磁器テープとして、ノーマルテープ、S−VHSテー
プ、メタルテープの3種について行った。
第1図および第1表に示すように、アモルファス−W
合金あるいはアモルファス−Ta合金をコーティングした
シリンダでは、ノンコーティングの場合と比べて、磁気
テープとの摩擦係数が明らかに減少した。この摩擦係数
の測定は、シリンダへのテープ圧着荷重40g、テープ摺
動速度1cm/secで行ったものである。なお、TiNコーティ
ングの場合もノンコーティングのものと比べて摩擦係数
が低減しているが、メタルテープに対しては、摺動時間
が経過するにつれて摩擦係数が0.222から0.258へと増大
した。この値は、摺動時間がさらに経過することで、さ
らに増大し、0.3を越える場合もあった。これに対し
て、タンタル系またはタングステン系アモルファス合金
薄膜のコーティングでは、メタルテープに対しても、摺
動時間の経過によらず一定の摩擦係数低減の効果が得ら
れる。
また、コーティングしないものに対しタンタル系また
はタングステン系アモルファス合金をコーティングする
と、摩擦係数の変動幅が少なくなり、特にその効果はア
モルファスTa合金コートの場合は顕著であった。
また、第2図の硬度試験結果のグラフおよび第1表に
示すように、シリンダのテープ摺動面の硬度が高くなっ
た。なお、この硬度試験は、圧子として稜角80゜のダイ
ヤモンド製三角針を用い、この圧子に荷重をかけて試料
(シリンダ)に押し込み、その時の押し込み深さから硬
度を測定する超微小硬度計により行ったものである。
また、種として前記のようシリンダのテープ摺動面の
硬度が高くなったことから、第3図の摩耗試験結果のグ
ラフおよび第1表に示すように、テープ摺動面の対摩耗
性が向上した。なお、この摩耗試験は、図中に記入の条
件でRCA摩耗試験機により行なったものである。
また、第4図の水滴接触角測定結果のグラフおよび第
1表に示すように、シリンダのテープ摺動面の水滴との
接触角が大きくなった。つまり、水濡れにくくなった。
この試験は、アセトン超音波洗浄したシリンダのテープ
摺動面に、第5図に示すように約0.5mm直径の水滴を垂
らし、顕微鏡で接触角θを観察したものである。第4図
のように、アモルファス−W合金薄膜またはアモルファ
ス−Ta合金薄膜の膜厚を1μm以上とした時、ノンコー
ティングの場合(膜厚が零の場合)と比べて接触角が十
分大きくなる。
次に、ガイドピンのテープ摺動道面にアモルファス−
Ta合金をコーティングした場合の摩擦係数の試験結果を
第2表に示す。なお、比較のため、何等コーティングし
ないステンレス鋼(SUS−303)母材表面そのままのガイ
ドピンについても同様な試験を行った。なお、試験条件
は第1表の場合と同じである。
第2表に示すように、アモルファス−Ta合金をコーテ
ィングしたガイドピンでは、磁気テープとの摩擦係数が
明らかに減少した。なお、同表に記載の通り、磁気テー
プのバック(磁気媒体を塗布していない背面)との摺動
に対しても同じく摩擦係数低減の効果がある。
なお、テープ摺動面にコーティングするアモルファス
−W合金は、上述の組成に限らないが、アモルファス構
造となる条件、耐摩耗性向上等の所期の特性が得られる
条件を考慮すると、 W:10〜75原子% Fe:30〜50原子% Ni:3〜10原子% Cr:7〜20原子% を含む組成のものが好ましく、この範囲で適宜選択する
ことができる。
また、下記の、のものでWを10〜75原子%含むも
のも使用可能である。
Taと、Ti,Zr,Nb,Wよりなる群から選ばれる1種または
2種以上の元素とを含み、残部は実質的にNiよりなり、
含有率はTaが10原子%以上、前記群から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素がTaとの合量で15〜80原子%である
アモルファス合金。
Taと、Ti,Zr,Nb,Wよりなる群から選ばれる1種または
2種以上の元素と,Feおよび/又はCoとを含み、残部は
実質的にNiよりなり、含有率はTaとTi,Zr,Nb,及びWよ
りなる群から選ばれる1種または2種以上とが、合量で
15〜80原子%であり、かつTaが10原子%以上であり、Fe
および/またはCoが75原子%以下でありNiが7原子%以
上であるアモルファス合金。
また、アモルファス−Ta合金についても、実施例の組
成に限らず、 Ta:30〜60原子% Fe:30〜50原子% Ni:3〜7原子% Cr:7〜15原子%、 を含むアモルファス−Ta合金を用いることができる。
[発明の効果] 本発明は上記の通り構成されているので、次のような
効果を奏する。
磁気テープ摺動部材、例えばシリンダのテープ摺動面
の硬質なタンタル系またはタングステン系アモルファス
合金薄膜により、テープ摺動面の耐摩耗性が確保され、
これによりシリンダ材料として比較的やわらかい合金を
使用することが可能となり、シリンダの耐摩耗性と加工
性とをともに満足させることが可能となった。
また、テープ摺動面のタンタル系またはタングステン
系アモルファス合金薄膜が非強磁性体であるから、記録
性能へ外乱を与えるおそれはない。
タンタル系またはタングステン系アモルファス合金薄
膜によりシリンダあるいはガイドピンのテープ摺動面と
磁気テープとの摩擦係数の減少および安定という効果も
得られ、これにより、ジッタの発生原因となるテープ走
行のみだれ、テープのシリンダへの張り付き、テンショ
ンロス等が改善されるという効果も得られた。
また、タンタル系またはタングステン系アモルファス
合金薄膜により水滴との接触角が大きくなり、つまり水
に濡れにくくなり、この点でもテープのシリンダへの張
り付きを改善することができた。
さらに、最近の高度に平滑化されたテープ摺動面の表
面沿さを低下させない磁気テープ摺動部材を得ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
第1図の本発明実施例のシリンダのテープ摺動面につい
ての摩擦試験結果のグラフ、第2図は同超微小硬度計に
よる硬度試験結果のグラフ、第3図は同RCA摩耗試験機
による摩耗試験結果のグラフ、第4図は同水滴接触角測
定結果のグラフ、第5図は水滴接触角を説明する説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 隆幸 大阪府大阪市淀川区宮原3丁目5番24号 日本電気ホームエレクトロニクス株式 会社内 (72)発明者 江端 誠 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井 造船株式会社内 (72)発明者 松永 恒文 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井 造船株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−119541(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを使用した磁気記録再生装置の
    磁気テープ摺動部材において,前記磁気テープ摺動部材
    のテープ摺動面に,強磁性体でないタンタル系またはタ
    ングステン系アモルファス合金薄膜を物理的気相成長法
    により形成したことを特徴とする磁気テープ摺動部材。
  2. 【請求項2】前記タンタル系またはタングステン系アモ
    ルファス合金薄膜のビッカース硬度が1000以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気テープ摺動部材。
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