JP2665895B2 - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2665895B2
JP2665895B2 JP7206467A JP20646795A JP2665895B2 JP 2665895 B2 JP2665895 B2 JP 2665895B2 JP 7206467 A JP7206467 A JP 7206467A JP 20646795 A JP20646795 A JP 20646795A JP 2665895 B2 JP2665895 B2 JP 2665895B2
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    • H01J9/20Manufacture of screens on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted or stored; Applying coatings to the vessel
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  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、映像スクリーン
が電子写真技法を使って製造される陰極線管(CRT)
に、更に詳しくは、スクリーンの製造用の乾燥粉末状の
蛍光体粒子がその摩擦荷電(トライボエレクトリック・
チャージング)特性を制御するためにカップリング剤で
表面処理される陰極線管に、関するものである。
【0002】
【発明の背景】普通のシャドウマスク形CRTは、相異
なる3種の色光を発生する蛍光体素子が循環的に配列さ
れたアレイより成る映像スクリーンを内部に有する排気
された外囲器、このスクリーンに向かって3本の集中電
子ビームを生成投射する手段、および上記のスクリーン
とビーム生成手段との間に正確に配置された多孔金属シ
ートから成る色選択構体すなわちシャドウマスクと、を
持っている。この多孔金属シートは、スクリーンの陰に
なり、また各ビームの集中角度の違いによって各ビーム
の一部分をそれぞれ通過させて所要発光色の蛍光体素子
を選択的に励起させる。その各蛍光体素子の周囲は吸光
性材料のマトリクスで囲まれている。
【0003】CRTのフェースプレート上に蛍光体素子
の各アレイを形成する従来法の一つでは、フェースプレ
ートの内面を、感光性のバインダと3つの発光色のうち
の一つの色光を発生するような蛍光体粒子とのスラリー
で被覆する。このスラリーを乾燥させて塗膜(コーティ
ング)を作り、この乾燥塗膜上にシャドウマスクの多数
の開孔を通して光源から光場を投射する。このときシャ
ドウマスクは写真のマスタとして働く。次に、この露光
された塗膜を現像して、第1の色光を発生する蛍光体素
子を生成する。第2および第3の色光を発生する蛍光体
素子の作成にも、上記と同じシャドウマスクを使用し、
ただ各露光ごとに光源の位置を変えて、上記の工程を繰
返して行う。この光源の上記各工程における位置は、そ
れぞれの色光発生蛍光体素子を励起する1本の電子ビー
ムの集中角を近似的に決める。ホトリソグラフィック湿
式法として知られるこの方法のより詳しい説明は、19
53年1月23日にロウ氏(H.B.Law)に与えら
れた米国特許第2625734号の明細書に開示されて
いる。
【0004】上記の湿式法の欠点は、次世代の娯楽用装
置が要求する高解像度およびカラー英数字テキストを必
要とするモニタ、ワークステーションおよびその他の用
途で要求する更に高い解像度用としては適合しない可能
性のあることである。更に、この湿式ホトリソグラフィ
ック法(マトリクス工程を含む)は主要な工程として1
82ステップを必要とし、長大な配管と清浄な水を要す
ると共に、蛍光体材料の露光と乾燥のため多量の電力を
使用する。
【0005】1969年10月28日にランジ氏(H.
G.Lange)に与えられた米国特許第347516
9号明細書には、カラー陰極線管の電子写真式スクリー
ン製造法が開示されている。これは、CRTフェースプ
レートの内面を可蒸発性の導電材料で被覆し、次いでそ
の上を可蒸発性の光導電性材料の層で被覆する。この光
導電性層を、次に、均一に荷電し、シャドウマスクを通
した光で選択的に露光して電荷潜像を形成し、高分子量
のキャリヤ液で現像する。このキャリヤ液は懸濁液とし
て所定発光色の蛍光体粒子を多量に含み、その蛍光体粒
子は光導電性層の適切に荷電された部分に選択的に被着
して上記の潜像を現像する。この荷電、露光および被着
の過程をスクリーンの3種の発光色の蛍光体すなわち
緑、青、および赤の蛍光体のそれぞれについて繰返す。
電子写真式スクリーン製造法の一改良案が、1984年
5月15日付でオリスレージャーズ氏(H.G.Oli
eslagers)他に与えられた米国特許第4448
866号中に開示されている。この特許の方法では、各
被着工程後に蛍光体粒子の被着パターンの隣接部分相互
間に在る光導電性層の部分を一様に光に露出して残留電
荷をすべて放電させるか減少させ後続被着工程のために
光導電体を一層均一に再荷電できるようにすることで、
蛍光体粒子の付着度を増強し得るということである。上
記した後の2つの特許に開示されている電子写真式方法
も本質的に湿式法であるから、米国特許第262573
4号の湿式ホトリソグラフィック法に関して前述した欠
点の大多数のものは、後記2特許における湿式電子写真
法にも当てはまる。
【0006】1988年12月21日付でダッタ氏
(P.Datta)他が出願した米国特許出願第287
356号(特開平2−284331号公報対応)および
第287357号は、それぞれ、摩擦荷電した乾燥スク
リーン構造粉末と、極性と付与電荷量を調節するため表
面にカップリング剤を有する表面処理済みのキャリヤ・
ビードと、を使用してCRTスクリーン構体を製造す
る、改良法が記述されている。
【0007】処理を施していない蛍光体粒子を使用して
電子写真技法によりCRTのスクリーンを製造すること
は可能であるが、蛍光体粒子に表面処理を施すとその粒
子上の摩擦電荷の量が増してより多量の蛍光体粒子を各
キャリヤ・ビードに付着させ得ることを、この発明者は
確認した。この様にすれば、乾式電子写真法の効率を高
め、表面処理をした蛍光体を使用して製造したスクリー
ンのスクリーン重量を約2乃至9倍も増加させることが
できる。
【0008】
【発明の概要】この発明の陰極線管は、電子写真技法に
より製造された発光映像スクリーンとこのスクリーンの
各部を選択的に励起して発光させる手段とを有してい
る。そのスクリーンは、可視スペクトル中の特定部分の
光を放射する乾燥粉末状蛍光体粒子の層より成る。ま
た、この乾燥粉末状蛍光体粒子は、シリカの第1被覆と
この第1被覆上に重なるカップリング剤から成る第2被
覆とを持っていて、スクリーンの製造過程において粒子
の表面電荷を制御する。
【0009】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつこの発明の実
施例を説明する。図1は、矩形のフェースプレート・パ
ネル12と、それに矩形状ファンネル部15によって結
合された管状ネック部14とより成るガラス外囲器11
を持ったカラーCRTを示す。ファンネル部15は、ア
ノードボタン16に接しかつネック部14内まで延長し
ている内部導電被覆(図示省略)を持っている。パネル
12は、観察用のフェースプレートすなわち基板18
と、ファンネル部15に対してガラスフリット21によ
って封着された周辺フランジすなわち側壁20とを有す
る。このフェースプレート18の内面には3色カラー蛍
光スクリーン22が支持されている。図2に示されたス
クリーン22は、赤色光、緑色光および青色光をそれぞ
れ放射する蛍光体ストライプR、G、Bより成る多数の
スクリーン素子を含んだ線スクリーンであることが好ま
しい。上記の各ストライプは、繰返し循環的に並べられ
た3本のストライプすなわち3つ組のカラー群として配
列されていて、3本の電子ビームの発生進行面に対して
ほぼ直交する方向に延びている。この実施例のCRTを
正常な観察位置におけば、上記蛍光体ストライプは垂直
方向に延びている。これらの蛍光体ストライプは、周知
のように、吸光性のマトリックス材料23により互いに
隔てられていることが好ましい。このスクリーンは、ま
た別の形としてドット形であってもよい。アルミニウム
であることを可とする薄い導電層24がスクリーン22
の上に載っていて、スクリーンに均一な電位を与えると
共に蛍光体素子から放射された光をフェースプレート1
8を通過させるように反射する手段となっている。スク
リーン22とその上に在るアルミニウム層24はスクリ
ーン構体を構成している。
【0010】再び図1に戻って、多孔色選択電極すなわ
ちシャドウマスク25が、上記スクリーン構体に対し所
定の間隔をもって普通の手段で取外し可能に取着けられ
ている。図1に破線で略示した電子銃26は、ネック1
4内の中心部に設けられていて、3本の電子ビーム28
を発生しこれを集中経路に沿ってマスク25の開孔を通
してスクリーン22に投射する。この電子銃26は、例
えばモレル氏(Morrell)他の米国特許第4,6
20,133号に示されているような形式のバイポテン
シャル型その他任意適当な形式のものでよい。
【0011】この管10は、ファンネル部とネック部の
連結部付近に設けられたヨーク30のような、外部磁気
偏向ヨークと共に使用するように構成されている。この
偏向ヨークを付勢すると、磁界を発生して3本のビーム
28に作用させ、これらビームで水平および垂直方向に
スクリーン22上を走査して矩形ラスタを描かせる。初
期偏向面(ゼロ偏向面における)はヨーク30のほぼ中
央、図1の線P−Pで示されている。簡単化のため、こ
の偏向域における偏向されたビームの経路の実際のわん
曲は示していない。
【0012】スクリーン22は、図3のa〜eに略示さ
れまた前述した米国特許出願第287356号に記載さ
れた新規な電子写真式方法によって製造される。先ず、
パネルを苛性アルカリ溶液で洗滌し、水ですすぎ洗いを
し、緩衝弗化水素酸でエッチングした後もう一度水です
すぎ洗いをする。これらの処理工程は周知である。次に
フェースプレート18の内面を導電性材料の層32で被
覆して、その上に形成する光導電性層34用の電極とす
る。導電性層32を、揮発性の有機高分子材料と適当な
光導電性染料(ダイ)および溶剤から成る光導電性層3
4で被覆する。この導電性層32と光導電性層34の、
組成と形成法は前記米国特許出願第287356号に記
載されている。
【0013】導電性層32上を覆うこの光導電性層34
に、図3のbに略示された普通の正性コロナ放電装置3
6を使って、暗黒状態下で、荷電する。この装置36は
層34を横断移行して、+200〜+400ボルトを可
とする+200〜700ボルトの範囲で上記層を荷電す
る。パネル12内にシャドウマスク25を挿入した後こ
のマスクを通してクセノン・フラッシュ・ランプ38か
らの光で上記正に帯電した光導電体を露光する。ランプ
38は、図3のcのレンズ40で略示された普通のライ
トハウス(スリー・イン・ワンライトハウス)内に配置
されている。各一回の露光処理の後、ランプを異なった
位置に移動させて、各光路を電子銃からの電子ビームの
入射角に模しそれに対応させる。光導電体のうち、スク
リーンを形成するために後で光放射性蛍光体が被着され
るべき部分の電荷を放電させるために、相異なる3つの
ランプ位置から計3回の露光を行うことが必要である。
この露光工程の後、パネル12からシャドウマスク25
を取外して、パネルを第1の現像器42(図のd)へ移
す。この第1現像器は、適切に調製された乾燥した粉末
状の吸光性ブラック・マトリクス・スクリーン構造材料
の粒子と、直径が約100乃至300ミクロンでここに
説明するように上記のブラック・マトリクス材料の粒子
に摩擦電荷を与える表面処理された絶縁性キャリヤ・ビ
ード(図示せず)と、を収容している。
【0014】適当なブラック・マトリクス材料は、一般
に管の処理温度450℃で安定な黒色顔料を含んでい
る。マトリクス材料の生成に使用するに適した黒色顔料
には、酸化鉄マンガン、酸化鉄コバルト、硫化亜鉛鉄お
よび絶縁性カーボンブラックなどがある。このブラック
・マトリクス材料は、顔料、ポリマー、およびマトリク
ス材料に与えられる摩擦電荷の量を制御する適当な電荷
制御剤を、溶融−配合(メルト−ブレンディング)して
調製する。この材料は、平均粒径が約5ミクロンとなる
ように粉砕する。
【0015】重量で約1乃至2%のブラック・マトリク
ス材料を使って、ブラック・マトリクス材料と表面処理
されたキャリヤ・ビードとを現像器42中で混合する。
両材料は、微細に粉砕されたマトリクス粒子が、表面処
理されたキャリヤ・ビードと接触しかつ同ビードによっ
てたとえば負に荷電されるように、混合する。負に荷電
されたマトリクス粒子は現像器42から押出されて、正
に荷電された光導電性層34の非露光部に吸引され、そ
の部分を直接現像する。次に赤外線を使って、マトリク
ス材料のポリマー成分を溶融させて光導電性層に熱的に
固着させることにより、図2および図3のeに示すマト
リクス23を形成する。
【0016】マトリクス23を含むこの光導電性層34
は、3種の色光を発生する乾燥粉末状の蛍光体スクリー
ン構造材料のうちの最初のものを施すために、約200
乃至400ボルトの正の電位に均一に再荷電する。シャ
ドウマスク25をパネル12内へ再び挿入し、緑色発光
蛍光体が被着されるべき位置に相当する光導電性層34
上の選択された部分を、ライトハウス内の第1の位置か
ら到来する可視光に露光してその被露光部を選択的に放
電させる。この第1の光の位置は緑色の蛍光体を衝撃す
る電子ビームの集中角に(光路を)近似させるものであ
る。シャドウマスク25をパネル12から取外して、適
当に調製された緑色発光蛍光体スクリーン構造材料の乾
燥粉末状粒子と表面処理されたキャリヤ・ビードが入っ
た第2の現像器42に移す。この蛍光体粒子はここに記
載するような適当な電荷制御材料で表面処理されたもの
である。表面処理されたキャリヤ・ビード1000グラ
ムと表面処理された蛍光体粒子15乃至25グラムと
を、この第2現像器42の中で混合する。キャリヤ・ビ
ードは蛍光体粒子上に、たとえば正の電荷を与えるよう
に処理されている。この正に荷電された緑色光放射蛍光
体粒子は現像器から押出され、光導電性層34とマトリ
クス23の正に荷電された部分によって反発されて、反
転(リバーサル)現像として知られている工程で、光導
電性層の放電された被露光部に被着する。被着したこの
緑色光放射蛍光体粒子、すなわち被着したこの表面処理
された緑色光放射蛍光体は、赤外線で露光して、光導電
性層に溶着すなわち熱的に固着させることによって、そ
の光導電性層上に定着させる。
【0017】この、荷電、露光、現像および定着の過程
を、スクリーン構造材料の乾燥粉末状の青および赤色光
放射表面処理済み蛍光体粒子について繰返す。光導電性
層34の正に荷電された部分を選択的に放電させるため
の可視光に対する露光は、ライトハウス内の第2の位置
から次に第3の位置から行って、青色光放射蛍光体と赤
色光放射蛍光体をそれぞれ衝撃する電子ビームの各集中
角に(光路を)近似させる。摩擦電気により正に荷電さ
れた乾燥粉末状の蛍光体粒子は表面処理されたキャリヤ
・ビードと上記の割合で混合され、第3の現像器42か
ら次いで第4の現像器42から押出され、前に被着した
スクリーン構造材料の正に荷電した部分で反発されて、
光導電性層34の放電された部分に被着して、青色光お
よび赤色光放射蛍光体素子を、それぞれ形成する。
【0018】この好ましい実施例においては、最初の表
面処理ステップは、各蛍光体粒子たとえば青(ZnS/
Ag)、緑(ZnS/Cu、Au、Al)および赤(Y
2 2 S/Eu)の蛍光体粒子の表面に2酸化シリコン
(シリカ)の連続的被覆を施すことを含んでいる。
【0019】例1 この被覆を施すために、商品名NYCOL2030EC
として販売されている(マサチューセッツ州アスランド
のPQコーポレーションから市販)コロイド状のシリカ
ゾル6.6グラムを、1リットルのイソプロパノール中
に溶解する。この溶液中に青色光蛍光体、たとえばZn
S/Ag、を1キログラム添加し、2時間攪拌して蛍光
体粒子を充分に分散させる。こうして得られた2酸化シ
リコン(シリカ)の連続膜で被覆された蛍光体粒子を、
回転蒸発器に入れてその混合物中から溶剤がすべて除去
されるまで、85℃の温度で乾燥させる。このシリカ被
覆を施した乾燥蛍光体と新しい無被覆蛍光体との、電荷
対質量比およびスクリーン重量を、3グラムの蛍光体と
150グラムのフルオロシラン表面処理済みキャリヤ・
ビードを混合して、試験した。フルオロシラン処理した
ビードは摩擦電気的に負であるから蛍光体粒子上に正の
電荷を誘起する。試験法は本明細書中に説明され、その
新しい蛍光体(Z936青)とシリカ被覆した蛍光体
(例1)の結果は表1に示す通りである。上述のシリカ
被覆は、また、本明細書中に記述の工程ステップを使用
して、緑色(ZnS/Cu、Au、Al)蛍光体および
赤色(Y2 2 S/Eu)蛍光体にも施す。上記とは別
の使用可能なコロイド状シリカゾルは商標Cab−O−
Sperse grad−B(イリノイ州タスコラ、ガ
ボット・コーポレーションより市販)として販売されて
いる。
【0020】蛍光体粒子上のシリカ被覆はシラノール
(silanol)の形のヒドロキシ官能基を生成す
る。シランまたはチタン酸塩のカップリング剤がシラノ
ール基と反応して共有化学結合を形成する。連続的なシ
リカ被覆を形成するように最初に処理され次にシランま
たはチタン酸塩カップリング剤でその上を被覆した蛍光
体は、この上被層として使用したカップリング剤によっ
て決まる官能有機基を有する表面を持っている。表面処
理を施された蛍光体上の上記の様な有機基は、上記の米
国特許出願第287357号に記載されているように、
キャリヤ・ビード上に生成された官能基と反応して、表
面処理された蛍光体粒子上の摩擦電荷の量を決定する。
【0021】例2 N(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)メチルジ
メトキシシラン(アミノ#1)0.1グラムをイソプロ
パノール200ミリリットル中に溶解して被覆用溶液を
作る。例1の方法で作ったシリカ被覆青色発光蛍光体粒
子100グラムをこの溶液に加えて約10分間超音波攪
拌する。このアミノシランで表面処理した青色発光蛍光
体を回転蒸発器の中で乾燥させ、得られた乾燥蛍光体は
次に400メッシュのスクリーンを通して篩分けする。
【0022】この乾燥粉末状のアミノシラン表面処理済
み青色発光蛍光体材料3グラムを約100グラムのフル
オロシラン表面処理済みキャリヤ・ビードと混合する。
このフルオロシラン処理済みビードは摩擦電気的に負性
であるから、アミノシラン処理済み青色発光蛍光体粒子
上に正電荷を誘起する。この方法で製造した蛍光体の電
荷対質量比および電子写真式スクリーン(EPS)−特
性(スクリーン重量)を、明細書中に記載のやり方で試
験し表1に掲記の結果が得られた。
【0023】例3 アミノ#1の代わりにN−(アミノエチル アミノプロ
ピル)トリエトキシシラン(アミノ#2)を使用するこ
と以外は、例2と全く同様で、その他の材料や工程ステ
ップもすべて変わっていない。試験結果は表1に掲記の
通りである。
【0024】例4 アミノ#1の代わりに3−(アミノプロピル)ジメチル
−エトキシシラン(アミノ#3)を使用する以外は、例
2と全く同様で、その他の材料や工程ステップもすべて
変わっていない。試験結果は表1に掲記の通りである。
【0025】例5 アミノ#1の代わりに(アミノプロピル)トリエトキシ
シラン(アミノ#4)を使用する以外は、例2と同様で
ある。その他の材料および工程ステップにも変わりはな
い。試験結果は表1に掲記の通りである。
【0026】例6 アミノ#1の代わりに(メタクリルオキシプロピル)ト
リエトキシシラン(アクリロ#6)を使用した以外は、
例2と同じで、他の材料および工程ステップにも変わり
はない。試験結果は表1に掲記の通りである。
【0027】例7 イソプロピル トリ(ジオクチル−ピロホスフェート)
チタネート(チタン酸塩)0.1グラムを、イソプロパ
ノールとヘプタンの50:50混合物200ミリリット
ル中に溶解して被覆用溶液を作る。この被覆用溶液に、
シリカ被覆青色発光蛍光体粒子(例1のもの)を添加し
て、2時間攪拌する。このチタン酸塩で表面処理済みの
青色発光蛍光体を回転蒸発器中で乾燥させ、得られた乾
燥蛍光体を次に400メッシュのスクリーンで篩分けす
る。こうして得た製品を明細書中に記載の試験法で調べ
た結果は表1に記載の通りである。
【0028】例8 例1で説明したのと同様に、アミノ#1 0.1グラム
をイソプロパノール200ミリリットル中に溶解して被
覆用溶液を作る。この被覆用溶液中にシリカ被覆した緑
色発光蛍光体粒子100グラムを加えて、約2時間攪拌
する。このアミノシラン表面処理済み緑色発光蛍光体材
料を回転蒸発器中で乾燥させ、次に400メッシュのス
クリーンで篩分けする。
【0029】こうして得た乾燥粉末状のアミノシラン表
面処理済み緑色発光蛍光体材料3グラムを、フルオロシ
ラン表面処理済みのキャリヤ・ビード100グラムと混
合して、本明細書記載の様式で試験した。試験結果は表
2に掲記の通りである。表2中の緑色発光蛍光体用の比
較試料としては、シリカ被覆もアミノシラン被覆を持っ
ていない新しい緑色発光蛍光体(ZnS/Cu、Au、
Al)を使用した。
【0030】例9 アミノ#1の代わりにアミノ#2を使用した以外は例8
と同じで、その他の材料および工程ステップもすべて変
わっていない。試験結果を表2に示す。
【0031】例10 アミノ#1の代わりにアミノ#3を使用した以外は例8
と同じで、他のすべての材料および工程ステップは変わ
りない。試験結果は表2に掲記した通りである。
【0032】例11 アミノ#1の代わりにアミノ#4を使用した以外は例8
と同じで、他のすべての材料および工程ステップには変
化はない。試験結果は表2に掲記した通りである。
【0033】例12 アミノ#1 0.1グラムをイソプロパノール200ミ
リリットルに溶解して被覆用溶液を作る。1グラムのシ
リカ被覆赤色発光蛍光体粒子(Y2 2 S/Eu)を上
記の被覆用溶液に加えて、約2時間攪拌する。こうして
得られたアミノシラン表面処理済み赤色発光蛍光体材料
を回転蒸発器中で乾燥させ、次に400メッシュのスク
リーンで分篩する。
【0034】得られた乾燥粉末状のアミノシラン表面処
理済み赤色発光蛍光体材料3グラムをフルオロシラン表
面処理済みキャリヤ・ビード100グラムと混合し、本
明細書中に記載の方式で試験した。試験結果は表2に掲
記した通りである。表2の赤色発光蛍光体用の比較試料
としては、シリカ被覆もアミノシラン被覆も施されてい
ない新しい赤色発光蛍光体(Y2 2 S/Eu)を使用
した。
【0035】例13 アミノ#1の代わりにアミノ#2を使用した以外は例1
2と同じで、他のすべての材料および工程ステップには
変わりない。試験結果は表2に掲記の通りである。
【0036】例14 アミノ#1の代わりにアミノ#3を使用した以外は例1
2と同じで、他の材料および工程ステップもすべて変わ
りはない。試験結果は表2に掲記した通りである。
【0037】例15 アミノ#1をアミノ#4で置換した以外は例12と同じ
で、他のすべての材料および工程ステップも変わってい
ない。試験結果は表2に掲記の通りである。
【0038】表1 それぞれ正に荷電された蛍光体とするためにフルオロシ
ラン処理したガラスビードと接触させた、何の処理も施
していない青色発光蛍光体とシラン処理を施した青色発
光蛍光体との比較
【表1】 正の電荷対質量比 EPS特性スクリーン重量 蛍光体の種類 被 覆 (μc/gm) (mg/cm2) 青 な し 2.2 0.8 例 1 シリカ 4.2 1.5 例 2 アミノ#1 47 3.9 例 3 アミノ#2 35 3.1 例 4 アミノ#3 36 3.0 例 5 アミノ#4 21 2.1 例 6 アミノ#6 14 2.0 例 7 チタン酸塩 18 1.6
【0039】表2 それぞれ正に荷電された蛍光体とするためにフルオロシ
ラン処理したガラスビードと接触させた、何の処理も施
していない緑色および赤色発光蛍光体とシラン処理を施
した緑色および赤色発光蛍光体との比較
【表2】 正の電荷対質量比 EPS特性スクリーン重量 蛍光体の種類 被 覆 (μc/gm) (mg/cm2) 緑 な し 0.2 0.5 例 8 アミノ#1 35 3.0 例 9 アミノ#2 38 3.5 例 10 アミノ#3 29 2.9 例 11 アミノ#4 25 2.0 ───────────────────────────────── 赤 な し 0.9 1.0 例 12 アミノ#1 45 4.1 例 13 アミノ#2 43 4.0 例 14 アミノ#3 40 3.5 例 15 アミノ#4 34 3.6
【0040】この試験結果は、図示していない試験パネ
ルを使って測定したもので、この試験パネルは、各主表
面上に金属導体を積層し、しかもその中央に両主表面お
よび上記両導体を貫通して延びる開孔を持った絶縁板か
ら成るものである。この開孔の直径は約2.54センチ
メートルであることが好ましい。約50〜100メッシ
ュの金属スクリーンを上記開孔上に張って金属導体の一
方に接続してある。またもう一方の金属導体の上には上
記開孔を横切ってTIC被覆を施したガラス板をその被
覆を金属導体に接触させた形で配置してある。正に荷電
された蛍光体粒子の測定を行うために、金属スクリーン
に接続された導体に100〜600ボルトの電位を与
え、一方TIC被覆に接触する導体は接地しておく。上
記メッシュとガラス間の電位差は、約103 V/cmで
ある。この試験パネルを、例1、2、7、8および12
について述べたように、表面処理された蛍光体とキャリ
ヤ・ビードとを入れた現像器の上方約7.62センチメ
ートルの位置に置く。この現像器の一端を、微細に粉砕
された蛍光体は通すがキャリヤ・ビードは通さないよう
な適当なスクリーンで閉じる。パフ状に空気を吹きつけ
る(流速は約104 cm/cm)と、蛍光体はキャリヤ
・ビードから分離されて荷電した(この場合は正荷電)
蛍光体粒子が金属スクリーンとTIC被覆ガラス板に向
かって現像器から押出される。こうしてTIC被覆ガラ
ス板上に生じた静電荷を、電位計で測定し、また蛍光体
粒子の質量は試験の前後にこのガラス板の重量を測定し
て決定した。これら両測定値間の商が平均摩擦電荷対質
量比である。TIC被覆ガラス板上の被着面積は既知で
試験パネルの開孔寸法によって調節できる。この試験結
果は表1と2に要約されている。各場合とも、表面処理
されたガラスビードはフルオロシランの被覆を持ってい
て、蛍光体粒子に正の電荷を与える。一つの比較試料
が、試験される各色発光蛍光体を通じて使用される。比
較試料である蛍光体は表面処理を施されていない。上記
の試験結果は、表面処理された蛍光体は無処理蛍光体よ
りも遙に高い電荷対質量比を有し、また表面処理された
蛍光体のスクリーン重量は無処理蛍光体のそれよりも大
幅に高いこと、を示している。蛍光体を、N−(アミノ
エチル アミノプロピル)トリエトキシシラン或いはN
(2−アミノエチル1−3−アミノプロピル)メチルジ
メトキシシランで表面処理することによって、最良の結
果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従って作られたカラー陰極線管の一
部軸上断面で示した平面図である。
【図2】図1に示す陰極線管のスクリーン構体の断面図
である。
【図3】図3のa〜eは図1に示す陰極線管の製造の各
ステップを示す図である。
【符号の説明】
10 カラー陰極線管 12 パネル 18 フェースプレート 22 3色蛍光体スクリーン 23 吸光性マトリクス材料 24 薄い導電層 25 シャドウマスク 32 導電性材料層 34 光導電性層 36 コロナ放電装置 38 ランプ 40 レンズ(ライトハウス) 42 現像器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真技法により製造された発光映像
    スクリーンとこのスクリーンの各部を選択的に励起して
    発光させる手段とを有し、 上記スクリーンは、可視スペクトル中の特定部分の光を
    放射する乾燥粉末状蛍光体粒子の層より成り、この乾燥
    粉末状蛍光体粒子はシリカの第1被覆とこの第1被覆上
    に重なるカップリング剤から成る第2被覆とを持ってい
    て上記スクリーンの製造過程において上記粒子の表面電
    荷を制御するようなものである、陰極線管。
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