JP2665534B2 - コンクリートにおけるクラツク発生防止工法 - Google Patents

コンクリートにおけるクラツク発生防止工法

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JP2665534B2 JP4282988A JP4282988A JP2665534B2 JP 2665534 B2 JP2665534 B2 JP 2665534B2 JP 4282988 A JP4282988 A JP 4282988A JP 4282988 A JP4282988 A JP 4282988A JP 2665534 B2 JP2665534 B2 JP 2665534B2
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憲昭 橘
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東邦パーライト株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はコンクリートにおけるクラック発生防止工
法、さらに詳しくは、ダムの建設現場等の部材断面の大
きい打設コンクリートにおいて、ウレタンフォーム等の
断熱材を用いてクラックの発生を防止する、いわゆる断
熱養生工法と称されるコンクリートのクラック発生防止
工法の改良に関する。
(従来の技術) 一般に、ダムの建設現場等、部材断面の大きいコンク
リート打設工事においては、外気温度の影響により打設
コンクリートの断面中心部と表面近辺部とでは大きな温
度差が生じる。
又、打設コンクリートは外気に面する部分から水分が
蒸発していくため断面中心部と表面近辺部とでは含水量
の差異が生じる。
従って、このようなコンクリートの中心部と表面近辺
部とでは熱膨張量及び乾燥収縮量の差異が生じてコンク
リートにクラックが発生し、コンクリートの耐久性が損
なわれることとなる。
そこで、これを解決するために、従来では、コンクリ
ートの打設後にそのコンクリート表面に硬質ウレタンフ
ォーム等の断熱材を吹き付けて塗装して一定期間放置
し、それによって上記温度差や含水量の差異に基づくク
ラックの発生を阻止するいわゆる断熱養生工法が行われ
ていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような工法においては、コンクリ
ートの内外の温度差や含水量の差異に伴うクラック発生
阻止という所期の目的は達成できるが、断熱材を塗装,
放置していわゆる断熱養生を行った後、その断熱材をコ
ンクリート表面から剥離しなければならず、その作業が
非常に面倒であるとともに、断熱材がコンクリート表面
に残存し、そのコンクリート表面の外観が不体裁になる
という新たな問題点が生じることとなった。
本発明は、このような断熱材を用いた断熱養生工法に
おける新たな問題点を解決するためになされたもので、
上述のようなコンクリート面に塗装される断熱材を断熱
養生後においてコンクリート面にほとんど残存すること
なくそのコンクリート面から非常に容易且つスムーズに
除去することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこのような目的を達成すべく上記問題点を解
決せんとしてなされたもので、その問題点を解決するた
めの手段は、コンクリート1の表面2に剥離剤4等の剥
離手段を介して断熱材5を塗装し、次に該断熱材5が硬
化した後、所定期間放置し、その後、前記断熱材5を前
記コンクリート1の表面2から剥離して該断熱材5を除
去することにある。
(作用) すなわち、断熱材が上記のような剥離手段を介してコ
ンクリート面に塗装されるため、断熱材がコンクリート
面に直接塗着することがなく、従って、その後に断熱材
をコンクリート面から剥離すれば、断熱材をコンクリー
ト面側に残存させずに、しかも上記剥離手段によってス
ムーズに除去することができるのである。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面に従って説明す
る。
実施例1 本実施例は、剥離手段として剥離剤を使用する実施例
である。
先ず、第1図のように、断熱養生すべきダム建設現場
におけるコンクリート1の表面2の所定位置の複数箇所
に粘着テープ3,…を貼着する。
次に、ナフサを溶剤とし、5重量%のワックスを混入
して得られた剥離剤4を準備し、その剥離剤4を第2図
のように前記粘着テープ3を介してコンクリート1の表
面2に刷毛によって塗布する。
次に、第3図のように、前記粘着テープ3をコンクリ
ート1の表面2から剥離して除去する。これによって、
粘着テープ3とともに、その粘着テープ3の上面に塗布
された剥離剤4が同時に除去されることとなる。
次に、原料液とフロンガスとの混合によって予め調製
された硬質ウレタンフォームからなる断熱材5を、コン
プレッサーを用いてガンで前記剥離剤4を介して前記コ
ンクリート1の表面2に吹き付けることにより、前記断
熱材5をコンクリート1の表面に塗装する。尚、塗装さ
れる断熱材5の厚さは約2cmとする。
次に、断熱材5が硬化した後、約3か月間放置する。
これによって、いわゆる断熱養生が行われ、コンクリー
ト中心部と表面近辺部との温度差が僅少となり、又、水
分の不用意な発散が防止されるため、コンクリート1に
おけるクラックの発生が防止されることとなる。
その後、第5図のように、前記断熱材5をコンクリー
ト1の表面から剥離する。この場合において、断熱材5
とコンクリート1の表面2間には上述のような剥離剤4
が介装されてなるため、この剥離剤4を介して前記断熱
材5がコンクリート1の表面2から非常にスムーズ且つ
容易に剥離されることとなり、少なくとも剥離すべき面
においては、断熱材5が付着して残存することもないの
である。
一方、予め粘着テープ3とともに剥離剤4が除去され
ている部分においては、断熱材5がコンクリート1の表
面に直接接触した状態となっているため、剥離剤4の除
去後においても部分的に断熱材5が残存することとな
る。
上述のように、上記剥離剤4によって、断熱材5のコ
ンクリート表面からの除去が非常に容易且つスムーズに
行えることとなった。
実施例2 本実施例は、上記実施例1と同様の作業手順によって
断熱養生及び断熱材の剥離を行うものであるが、剥離剤
4として上記実施例1と組成の異なるものを用いた。
すなわち、本実施例においてはナフサを溶剤とし、10
重量%のワックスを混入して得られたものを剥離剤4と
して使用した。
このように、ワックスの混入量を増大した剥離剤4を
用いることにより、剥離効果が向上することとなった。
実施例3 本実施例は、剥離手段としてポリエチレンやポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系のフィルムを用いた実施例
である。
一般に、ダム建設現場等でのコンクリート面にはいわ
ゆる打継ぎを行う面があるため、その部分については上
記実施例1,2の剥離剤4の使用は不適当であり、本実施
例のようなフィルムの使用が好ましい。
その作業手順について説明するに、先ず、第6図のよ
うに、コンクリート1の表面2の周縁及びその周縁間の
所定位置に両面テープ6を貼着する。
次に、ポリエチレン等からなる厚さ約0.4mmのフィル
ム7を前記両面テープ6を介してコンクリート1の表面
に貼着する。
その後、フィルム7を介して前記断熱材5を剥離する
ことによって、断熱材5がコンクリート1の表面2から
除去されることとなる。
この場合、断熱材5とコンクリート1の表面2間にフ
ィルム7が介装されてなるため、本実施例においても、
断熱材5の剥離による除去は非常に容易且つスムーズに
行えることとなるのである。
尚、この実施例では、フィルム7がコンクリート1の
表面2の全面に貼着されるため、断熱材5はほとんどコ
ンクリート1の表面2に残存することがない。
実施例4 本実施例は、上記実施例3と同様の作業手順によって
断熱養生及び断熱材の剥離を行うものであるが、フィル
ム7として上記実施例3と厚さの異なるものを用いた。
すなわち、本実施例においては、厚さ約0.2mmのフィ
ルム7を使用した。
このフィルム7の厚さは、ダム建設現場での取り扱い
に応じて任意に変更可能である。
尚、上記実施例1,2においては、剥離剤4の塗布前
に、粘着テープ3を貼着してなるため、その粘着テープ
3の貼着された所定位置においては断熱材5とコンクリ
ート1の表面が直接接触することとなったが、このよう
な直接接触を意図しない場合には、上記粘着テープ3は
必ずしも必要ではない。よって、本発明においては条件
とはならない。
又、剥離剤4の種類も該実施例のような溶剤としての
ナフサにワックスを混入したものに限定されず、要は、
断熱材5を剥離しうるような材質のものが使用されてい
ればよい。
さらに、断熱材5を剥離するための剥離手段として
は、上記実施例1,2の剥離剤4や、実施例3,4のフィルム
7に限らず、要は断熱材5を剥離しうるような手段がコ
ンクリート1の表面に予め設けられればよいのである。
さらに、上記各実施例では、吹き付けによって断熱材
5を塗装してなるが、塗装の手段は吹き付けに限らず、
たとえば塗布によって塗装してもよい。
又、上記各実施例では、断熱材5として硬質ウレタン
フォームを使用してなるが、断熱材5の材質も問うもの
ではない。要はコンクリート面に塗装されうるようなも
のであればよい。
さらに、断熱養生の施工がなされる場所も、該実施例
のようなダムの建設現場に限らない。要は、本発明が意
図するように、コンクリート内外の温度差及び含水量の
差異によりクラックが発生しうるような部材断面の大き
いコンクリートであればあらゆる用途に使用可能であ
る。
(発明の効果) 叙上のように、本発明は、コンクリート表面に剥離剤
やフィルム等の剥離手段を介して断熱材を塗装し、その
断熱材の硬化後に一定期間放置し、その後、断熱材をコ
ンクリート表面から剥離して断熱材を除去する工法なる
ため、上記断熱材とコンクリート間に介装された剥離手
段によって、断熱材はコンクリートの表面に残存するこ
となく非常に容易且つスムーズに剥離,除去されるとい
う顕著な効果を有するに至った。
しかも、上記のような剥離手段によって、断熱材が不
用意にコンクリート表面に残存しないため、コンクリー
ト表面の外観体裁が損なわれることもないのである。
さらに、上記のような断熱材の剥離がスムーズ且つ容
易に行える結果、従来、断熱材の剥離の問題が支障とな
っていたために利用に供され難かった、クラック発生防
止のためのいわゆる断熱養生工法の有効利用を図ること
ができるという実益がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例としてのコンクリート面からの断熱材
の除去方法における粘着テープの貼着工程を示し、
(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図。 第2図は剥離剤の塗布工程を示す断面図。 第3図は粘着テープの剥離工程を示す断面図。 第4図は断熱材の塗装工程を示す断面図。 第5図は剥離剤の剥離工程を示す断面図。 第6図は他実施例としての断熱材の除去方法における両
面テープの貼着工程を示し、(イ)は平面図、(ロ)は
B−B線断面図。 第7図はフィルム貼着工程を示す断面図。 第8図は断熱材の塗装工程を示す断面図。 第9図は断熱材の剥離工程を示す断面図。 1……コンクリート、2……表面 4……剥離剤、5……断熱材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート1の表面2に剥離剤4等の剥
    離手段を介して断熱材5を塗装し、次に該断熱材5が硬
    化した後、所定期間放置し、その後、前記断熱材5を前
    記コンクリート1の表面2から剥離して該断熱材5を除
    去することを特徴とするコンクリートにおけるクラック
    発生防止工法。
  2. 【請求項2】前記断熱材5が硬質ウレタンフォームから
    なる特許請求の範囲第1項記載のコンクリートにおける
    クラック発生防止工法。
JP4282988A 1988-02-24 1988-02-24 コンクリートにおけるクラツク発生防止工法 Expired - Lifetime JP2665534B2 (ja)

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