JP3452407B2 - コンクリート表面硬化遅延テープもしくはシート - Google Patents

コンクリート表面硬化遅延テープもしくはシート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート表面硬化
遅延テープもしくはシートに関し、特に、プレキャスト
コンクリート板(PC板)にタイルを先付けする際に用
いられ、タイル表面の汚れを容易に除去することを可能
としたり、或いはコンクリート表面に直接適用して、骨
材洗い出しを容易とし得るコンクリート表面硬化遅延テ
ープもしくはシートに関する。なお、本明細書ではセメ
ント系組成物の硬化物を「コンクリート」と総称するも
のとする。
【0002】
【従来の技術】ビルなどの建造物において美観を高める
ために、外壁にタイルが多用されている。しかしなが
ら、コンクリートの壁面を形成した後に、現場にてタイ
ル貼りを施工するには、多数の作業者を必要とし、かつ
長時間に渡る作業が強いられる。
【0003】そこで、予めタイルが張り付けられたコン
クリートパネルを工場で製造し、現場において組み立て
る方法、すなわち先付け工法が採用されている。この先
付け工法では、一般に、必要な数のタイルをマトリック
ス状に貼りつけたタイルパックを製作し、これを型枠内
面にセットする。次に、型枠内にコンクリートを打設
し、養生する。しかる後、コンクリートが硬化した後
に、型枠を解体してPC板を得る。
【0004】ところで、先付け工法では、コンクリート
を打設した後、コンクリートの一部が目地の部分から漏
洩しタイル表面に回り込むことを避けることができな
い。そのため、硬化後に型枠を解体した後、タイル表面
に漏洩したコンクリート組成物の硬化物を削り取らなけ
ればならなかった。タイル表面に付着しているコンクリ
ート硬化物は、従来、皮スキ、カッターナイフなどの工
具を用い、人手により削り取っていた。しかしながら、
硬化後のコンクリートが非常に硬いため並びにタイル表
面に傷を付けてはならないため、この削り取り作業が非
常に煩雑であった。しかも、タイル表面を損傷させては
ならないため、機械的にコンクリート硬化物を除去する
ことも難しい。
【0005】そこで、コンクリートの硬化遅延剤を用い
て、コンクリート汚れを容易に除去する方法が提案され
ている(例えば、特開昭48−29821号公報、特開
昭61−202803号公報など)。
【0006】すなわち、特開昭48−29821号公報
に開示されている方法では、先ず、紙よりなるタイルシ
ートに複数のタイルを該タイルの外表面側から、セメン
トの凝結遅延剤を配合してなる接着剤を用いて貼り付け
る。この方法では、タイルシート面にタイルの外表面側
が上記凝結遅延剤含有接着剤で貼り合わされるため、コ
ンクリートの硬化に際し、上記接着剤が存在する部分に
接するコンクリート表面層の凝結速度が低下される。従
って、型枠を解体した後であっても、タイル表面に付着
しているコンクリートが十分に硬化していないため、た
わし等でこすりつつ水洗いすることにより、タイル表面
に浸出したセメントを容易に除去することができる。
【0007】しかしながら、コンクリート組成物は水を
多量に含有している。従って、上記タイルシートの紙が
吸水し、シートにしわやたるみ等が発生しがちであっ
た。その結果、タイル表面とタイルシートとの間に隙間
が生じた部分では硬化遅延剤が十分に作用せず、固いコ
ンクリート硬化物がタイル表面に強固に付着する部分が
生じざるを得なかった。また、硬化遅延剤の存在する部
分がばらつくため、コンクリートの硬化状態が部分的に
ばらつき、タイル付きコンクリートパネルの外観の仕上
げ状態が悪化するという問題もあった。
【0008】さらに、タイルシートが紙を基材とするも
のであるため、養生に際しての乾燥により、あるいはセ
メントからの湿気による伸び・縮みが大きく、タイルの
目地の精度が悪化するという問題もあった。
【0009】また、コンクリート表面を洗い出して骨材
を露出させる場合にも、上述の如き問題は避けられなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、タイ
ル先付け工法において、目地を高精度に形成することが
でき、かつ表面を綺麗な状態に仕上げることができ、さ
らにタイル表面の汚れを容易に除去することを可能とす
るコンクリート表面硬化遅延テープもしくはシートを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明は、タイル先付け工法用コンクリート表面硬化遅延テ
ープもしくはシートであって、合成樹脂よりなる基材
と、前記基材の少なくとも一面に形成されており、かつ
コンクリートの硬化を遅延させる硬化遅延剤を含有して
なる常温感圧接着型の粘着剤からなる粘着層とを備える
ことを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープもし
くはシートである。
【0012】すなわち、本発明のコンクリート表面硬化
遅延テープもしくはシートは、合成樹脂よりなる基材を
用いることを特徴とする。使用し得る合成樹脂として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートな
どのフィルムを用いることができ、これらのフィルムを
積層してなるものであってもよい。また、上記フィルム
は、延伸されたものであってもよく、延伸されていない
ものであってもよい。
【0013】また、上記合成樹脂よりなる基材の厚み
は、15〜200μm程度とすることが望ましい。基材
の厚みが薄すぎる場合は、こしが弱くなりすぎ、タイル
シートとして用いることが困難となる。他方、基材の厚
みが厚すぎる場合には、基材ロールの外径が大きくな
り、長尺化が困難となり、使用し難くなる。
【0014】請求項1に記載の発明では、上記合成樹脂
よりなる基材の少なくとも一面に、コンクリートの硬化
を遅延させる硬化遅延剤を含有してなる常温感圧接着型
の粘着剤からなる粘着層が設けられる。このコンクリー
トの遅延を硬化させる硬化遅延剤としては、従来より公
知の硬化遅延剤を用いることができる。例えば、(1)
グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、ガラクトン
酸もしくはこれらの塩のようなオキシカルボン酸及びそ
の塩;(2)ピルビン酸などのケトカルボン酸類;
(3)ソルビトール、アラビトールなどの糖アルコール
類;(4)グルコース、マンノース、サッカロースなど
の糖類;(5)その他、ケイフッ化ナトリウム、ケイフ
ッ化マグネシウム、硝酸鉛、リン酸ナトリウム、ヨウ化
ナトリウム、フミン酸ナトリウム、タンニン、アマニ油
などを例示することができる。より具体的には、上記硬
化遅延剤としては、山宗化学社製、商品名:ジョイノ
ン、デンカグレース社製、商品名:ソフトコートなどの
商品を例示することができる。
【0015】上記硬化遅延剤の粘着層中に配合させる割
合は、粘着剤ベース樹脂100重量部に対して固形分比
で15〜40重量部の範囲とすることが望ましい。15
重量部よりも少ない場合には、粘着層の厚みが小さい場
合にコンクリート表面の凝結を遅延させる効果が低下
し、逆に40重量部を超えて含有させた場合には粘着力
が低下する傾向にあり、粘着層の厚みが大きい場合にコ
ンクリートの表面層だけでなく内部まで硬化が遅延する
場合があるからである。
【0016】上記粘着層を構成する常温感圧接着型の粘
着剤としては、上記硬化遅延剤と相溶性を有する限り適
宜のものを用いることができ、例えばアクリル系粘着剤
やゴム系粘着剤を用いることができる。もっとも、アク
リル系エマルジョン粘着剤を用いる場合には、上記硬化
遅延剤を粘着剤中に混合した場合に粘着力の低下が大き
い。よって、アクリル系エマルジョン粘着剤の場合に
は、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とした粘
着剤を用いることが好ましく、その場合には粘着力の低
下を防止することができる。
【0017】上記粘着層の厚みは、好ましくは、15〜
80μmとされる。粘着層の厚みが薄すぎる場合は、コ
ンクリート表面の凝結を遅延させる効果が低下し、逆に
粘着層の厚みが大きすぎる場合には粘着テープ化もしく
はシート化が困難となる。
【0018】また、本発明では、上記硬化遅延剤含有
着層が基材の少なくとも一方面に設けられる。従って、
図1に示すように、上記硬化遅延剤含有粘着層12は基
材11の一面にだけ設けられていてもよく、あるいは両
面に設けられていてもよい。また、両面に粘着層を形成
する場合には、一面に硬化遅延剤含有粘着層を形成し、
他面には通常の粘着層を設けてもよい。このように、両
面に粘着層を設けることにより、両面粘着テープもしく
はシートとして、本発明のコンクリート表面硬化遅延テ
ープもしくはシートを構成することができる。 なお、
図2に示すように、粘着層12には、必要に応じて剥離
紙(剥離ライナー)13が積層されていてもよい。
【0019】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープ
もしくはシートをPC板の製造に適用する方法の一例を
説明すると、まず、パック台の上にタイルをマトリック
ス状に並べる。この際、所定寸法の目地部を正確に形成
するとともに、該目地部には仮目地材を埋設する。次い
で、タイル表面に硬化遅延剤含有粘着層が接するように
コンクリート表面硬化遅延シートを貼り付けてタイルパ
ックを得、これを型枠内にセットする。しかる後、コン
クリートを型に打設し、養生を行い、コンクリートを硬
化させる。コンクリート硬化後、型枠を外し、しかる後
上記コンクリート表面硬化遅延テープもしくはシートを
剥離する。
【0020】このとき、タイルの目地部分からセメント
ペーストが漏洩しているが、上記粘着層中に硬化遅延剤
が含有されているためコンクリート表面は硬化があまり
進行していない。従って、タイル表面に付着したセメン
トペーストなどは、水洗いすること等により容易にかつ
確実に除去することができる。
【0021】なお、コンクリート表面硬化遅延シートを
セットするには、例えば、予め型枠に両面テープを貼り
付けておき、その上からコンクリート表面硬化遅延シー
トを重ね貼りすればよい。また、両面テープの形態の場
合には、タイルを貼り付けた面と反対面の粘着層を用い
て直接型枠にセットすればよい。
【0022】なお、別法として、型枠の内部に本発明に
係るコンクリート表面硬化遅延シートをセットし、硬化
遅延剤含有粘着層が設けられた面上にタイルの表面が接
するように複数枚のタイルをマトリックス状に貼り付け
てもよい。
【0023】上記のようにしてタイルを貼りつけた後、
コンクリートを型に打設し、養生を行い、コンクリート
を硬化させる。コンクリート硬化後、型枠をはずし、し
かる後上記コンクリート表面の硬化遅延シートを剥離す
る。
【0024】また、骨材洗い出しに適用する場合は、
化遅延剤含有粘着層が内側に向くようにコンクリート表
面硬化遅延テープもしくはシートを型枠にセットした
後、コンクリートを打設すればよい。
【0025】
【作用】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープもし
くはシートでは、基材が上記合成樹脂よりなるため、コ
ンクリート中の水分の影響によるしわやたるみが生じ難
い。従って、コンクリート表面にむらなく硬化遅延剤を
作用させることができ、目地から漏洩したセメントペー
ストの硬化を防止することができる。よって、タイル表
面に付着したセメントペーストを水洗い等によって容易
に除去することができる。
【0026】のみならず、上記タイルパックは、乾燥や
湿気による伸縮も生じ難いため、タイルの目地を高精度
に形成することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0028】実施例1 厚み40μmの延伸ポリプロピレンフィルムからなる基
材の一面に、常温感圧接着型の粘着剤を乾燥後に35μ
mの厚みとなるように塗布し、コンクリート表面硬化遅
延テープを作製した。使用した粘着剤は、アクリルエマ
ルジョン粘着剤(積水化学社製、商品名:エスダイン#
7110、固形分50重量%)100重量部に対し硬化
遅延剤(山宗化学社製、商品名:ジョイノンII型、固形
分15重量%)を下記の表1に示す割合(重量部)で配
合してなるものを用いた。
【0029】上記のようにして用意したコンクリート表
面硬化遅延テープの粘着層が形成されている面上に、複
数枚のタイルをマトリックス状に貼り合わせ、しかる後
所定の寸法に切断することにより、図3に示すタイルパ
ック21を作製した。図3に示すタイルパック21は、
300mm×600mmの大きさを有し、目地の幅が5
mmとなるように、45mm×95mmの寸法のタイル
22がマトリックス状に貼り合わされている。なお、目
地部には仮目地材を使用することなく試験に供した。
【0030】上記のようにして作製したタイルパック
を、タイルが貼り合わされていない側を型枠内底面に重
ねるようにして型枠内にセットし、水を144重量部、
セメントを320重量部、砂を831重量部、砂利を1
026重量部及び減水剤を3.2重量部配合してなるコ
ンクリート組成物を型枠内打設し、20時間養生し、硬
化させた。
【0031】しかる後、脱型し、上記コンクリートパネ
ルの表面からコンクリート表面硬化遅延シートを剥離
し、目地部においてコンクリート表面層における硬化遅
延の程度を観察し、遅延深さとして測定した。結果を下
記の表1に示す。
【0032】また、上記コンクリート表面硬化遅延テー
プのステンレス板に対する粘着力を、JIS Z023
7「粘着テープ・粘着シート試験方法」8.3.1項
(180度引き剥がし法)によって測定した。この粘着
力を表1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、特に、硬化遅延
剤を固形分比で21重量部以上とした粘着剤2〜6で
は、十分な遅延効果が得られることがわかり、さらに、
固形分比で24重量部以上とした粘着剤3〜6では、よ
り十分な遅延効果の得られることがわかる。
【0035】実施例2 硬化遅延剤として、ジョイノンII型に代えて、デンカグ
レース社製、商品名:ソフトコートT−2(固形分20
重量%)を用い、かつ粘着層の厚みを45μmとし、上
記硬化遅延剤の配合割合を表2に示す通りとし、コンク
リート組成物として、下記のものを用いたことを除いて
は、実施例1と同様にして実験を行った。
【0036】コンクリートの組成…水144重量部、セ
メント333重量部、砂829重量部、砂利491重量
部及び減水剤2.6重量部を配合してなるもの。
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなように、粘着剤7〜12
のいずれを用いた場合にも、十分な遅延効果を得ること
ができる。また、より好ましくは、硬化遅延剤の配合割
合を固形分比で28重量部以上とした粘着剤8〜12に
おいて、より十分な遅延効果の得られることがわかる。
【0039】実施例3 図3に示すタイルパック21を作製した。すなわち、厚
み40μmのポリプロピレンフィルムを基材として用意
し、次に、実施例1で用いた硬化遅延剤含有粘着剤を厚
み35μmとなるように塗布し、コンクリート表面硬化
遅延シートを作製した。さらに、上記コンクリート表面
硬化遅延シート上に、目地の幅が5mmとなるように、
45mm×95mmの寸法のタイルを複数枚貼り合わ
せ、目地部に仮目地材を充填した後、全体の寸法が30
0mm×600mmとなるように切断した。このように
して、図3に示すタイルパック21を得た。タイルパッ
21では、上記寸法のタイル22がマトリックス状に
配置されている。
【0040】上記のようにして作製したタイルパック2
1を、タイルが貼り合わされていない側を型枠内底面に
重ねるようにして型枠内にセットし、型枠を組み立て
た。しかる後、実施例2で用いたコンクリートを打設
し、20時間蒸気養生を行い、コンクリートを硬化させ
た。硬化後、脱型し、コンクリート表面硬化遅延シート
を剥離した後、水により表面を洗浄した。
【0041】比較のために、上記粘着剤に硬化遅延剤を
含有させていないことを除いては同様にしてタイルパッ
クを作製し、上記と同様にして型枠の組み立て、コンク
リートの打設、蒸気養生、水による洗浄を行った。
【0042】その結果、表面硬化遅延シートを用いた実
施例では、タイル表面に漏れていたセメントペーストを
水洗いで容易に除去することが可能であった。また、タ
イル小口部のセメントペーストの硬化が遅延されている
ため、仮目地材を容易に除去することができ、従って目
地部分における仮目地材残りを減少させることが可能で
あった。これに対して、硬化遅延剤を含有していない比
較例では、タイル表面において漏洩したセメントペース
トが硬化しており、水洗いにより除去することができ
ず、かつ仮目地材の除去にも時間がかかった。従って、
比較例では、カッターナイフなどを用いてセメントペー
スト硬化物による汚れを除去しなければならず、実施例
では30分の水洗浄で洗浄できたのに対し、比較例では
汚れの除去及び洗浄に2時間を要した。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、基材の一面
に上記硬化遅延剤含有粘着層が設けられているため、タ
イル先付けコンクリートパネルの製造に際し、コンクリ
ート表面層の硬化を遅延させることができる。しかも、
上記コンクリート表面硬化遅延テープもしくはシートが
合成樹脂を基材とするものであるため、コンクリート組
成物中の水分の影響や養生に際しての乾燥の影響を受け
難く、基材にたわみやしわなどが生じ難い。よって、上
記硬化遅延剤の作用をコンクリート表面にむらなく行き
渡らせることができるため、表面のセメントペーストを
水洗い等により容易に除去することができ、表面の仕上
げ状態も良好なコンクリートパネルを提供することが可
能となる。
【0044】特に、請求項2に記載のように、上記硬化
遅延剤をベース樹脂100重量部に対して、固形分比で
15〜40重量部の割合で配合した場合には、粘着層
粘着力と、硬化遅延剤による遅延効果のバランスに優れ
たコンクリート表面硬化遅延テープもしくはシートを提
供することができる。
【0045】また、両面粘着シートもしくはテープとし
た場合には、型枠の内面に、他面の粘着層を用いて本発
明のコンクリート表面硬化遅延テープもしくはシートを
容易に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープもし
くはシートの一例を示す模式的断面図。
【図2】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープもし
くはシートの他の例を説明するための模式的断面図。
【図3】実施例1〜3で作製したタイルパックを説明す
るための模式的平面図。
【符号の説明】
11…基材 12…粘着層 13…剥離ライナー 21…タイルパック 22…タイル
フロントページの続き (72)発明者 野村 重則 兵庫県尼崎市潮江5−8−6 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 槻木澤 勲 三重県四日市市高見台1丁目2番地の1 (72)発明者 前田 貴史 三重県桑名市東太一丸13番地 (56)参考文献 特開 昭48−29821(JP,A) 特開 平1−158164(JP,A) 特開 平4−163104(JP,A) 特開 平5−50411(JP,A) 特開 平4−275988(JP,A) 実開 平6−59518(JP,U) 実開 昭56−5636(JP,U) 特公 昭59−40113(JP,B2) 特公 昭53−19008(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 1/00 - 1/54 E04F 13/00 - 13/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイル先付け工法用コンクリート表面硬
    化遅延テープもしくはシートであって、合成樹脂よりな
    る基材と、前記基材の少なくとも一面に形成されて
    おり、かつコンクリートの硬化を遅延させる硬化遅延剤
    を含有してなる常温感圧接着型の粘着剤からなる粘着層
    とを備えることを特徴とするコンクリート表面硬化遅延
    テープもしくはシート。
  2. 【請求項2】 前記粘着層が、粘着剤ベース樹脂100
    重量部に対して、固形分比で15〜40重量部の割合で
    前記硬化遅延剤を含有している請求項1に記載のコンク
    リート表面硬化遅延テープもしくはシート。
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