JPH11277510A - コンクリート表面硬化遅延テープ - Google Patents

コンクリート表面硬化遅延テープ

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JPH11277510A
JPH11277510A JP8397898A JP8397898A JPH11277510A JP H11277510 A JPH11277510 A JP H11277510A JP 8397898 A JP8397898 A JP 8397898A JP 8397898 A JP8397898 A JP 8397898A JP H11277510 A JPH11277510 A JP H11277510A
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JP
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tile
sensitive adhesive
concrete
pressure
emulsion
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JP8397898A
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Kazuyuki Fukuyama
和行 福山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイル先付け工法において、目地を高精度に
形成することができ、かつ表面を綺麗な状態に仕上げる
ことができ、更にタイル表面の汚れを容易に除去でき、
またタイルへの接着力の良好なコンクリート表面硬化遅
延テープを提供することにある。また、コンクリート表
面の洗い出しによる骨材露出に用いた場合に好適なコン
クリート表面硬化遅延テープを提供する。 【解決手段】 合成樹脂基材の一面に、重量平均分子量
が50万〜500万のエマルジョン型アクリル系粘着剤
100重量部およびオキシカルボン酸もしくはその塩
0.03〜7重量部からなる粘着剤層が積層されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート表面硬化
遅延テープに関し、特に、プレキャストコンクリート板
(PC板)にタイルを先付けする際に用いられ、タイル
表面の汚れを容易に除去することを可能としたり、或い
はコンクリート表面に直接適用して、骨材洗い出しを容
易とし得るコンクリート表面硬化遅延テープに関する。
なお、本明細書ではセメント、モルタルなどの硬化物を
「コンクリート」と総称するものとする。
【0002】
【従来の技術】従来から、ビルなどの建造物において美
観を高めるために、外壁にタイルが多用されている。し
かしながら、コンクリートの壁面を形成した後に、現場
にてタイル貼りを施工するには、多数の作業者を必要と
し、かつ長時間に渡る作業が強いられるものであった。
【0003】そこで、最近では予めタイルが貼り付けら
れたコンクリートパネルを工場で製造し、現場において
組み立てる方法、すなわちタイル先付け工法が採用され
ている。このタイル先付け工法は、一般に、必要な数の
タイルをマトリックス状に貼りつけたタイルパックを製
作し、これを型枠内面にセットする。次に、型枠内にコ
ンクリート組成物を打設し、養生する。しかる後、コン
クリートが硬化した後に、型枠を解体してPC板を得る
というものである。
【0004】ところで、タイル先付け工法では、しばし
ばコンクリート組成物を打設した後、コンクリート組成
物の一部が目地部分からタイル表面に漏洩し硬化するこ
とがあり、そのため、硬化後に型枠を解体した後、タイ
ル表面に漏洩したコンクリート硬化物を除去しなければ
ならなかった。
【0005】しかしながら、硬化後のコンクリートが非
常に硬いと同時にタイル表面に傷を付けてはならないた
め、機械的にコンクリート硬化物を除去することも難し
く、皮スキ、カッターナイフなどの工具を用いて人手に
より削り取らなければならず煩雑なものであった。
【0006】そこで、硬化遅延剤を使用することでタイ
ル表面で硬化したコンクリート汚れを容易に除去する方
法が提案されている(例えば、特開昭61−20280
3号公報など)。
【0007】すなわち、特開昭61−202803号公
報に開示されている方法は、まず、硬化遅延剤を塗布し
た紙の表面にタイルを所定の間隔を保って貼り付けた
後、型枠内にセットし、コンクリート組成物を打設し、
コンクリートが硬化した後脱型し、その後、上記紙を剥
離しタイルの間隙や表面に浸出した未硬化物を洗い流す
というものであり、硬化遅延剤の作用によりタイル表面
に付着しているコンクリートが十分に硬化していないた
め、たわしなどでこすりつつ水洗いすることにより容易
に除去することができるというものであった。
【0008】しかしながら、コンクリート組成物は水を
多量に含有しているため、硬化遅延剤を塗布した紙が吸
水し、しわやたるみなどが発生しがちであった。その結
果、タイル表面と上記硬化遅延剤を塗布した紙との間に
隙間が生じ、その部分では硬化遅延剤が十分に作用せ
ず、固いコンクリート硬化物がタイル表面に強固に付着
するという問題点があった。
【0009】また、硬化遅延剤の存在する部分がばらつ
くため、コンクリートの硬化状態が部分的にばらつくこ
とがあり、このため目地間隔が不揃いになり、タイル先
付けPC板の外観の仕上げ状態が悪化するという問題も
あった。更に、コンクリート表面を洗い出して骨材を露
出させる場合にも、上述の如き問題は避けられるもので
はなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、タイ
ル先付け工法において、目地を高精度に形成することが
でき、かつ表面を綺麗な状態に仕上げることができ、更
にタイル表面の汚れを容易に除去でき、またタイルへの
接着力の良好なコンクリート表面硬化遅延テープを提供
することにある。また、コンクリート表面の洗い出しに
よる骨材露出に用いた場合に好適なコンクリート表面硬
化遅延テープを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、その構成は、合成樹
脂基材の一面に、重量平均分子量が50万〜500万の
エマルジョン型アクリル系粘着剤100重量部およびオ
キシカルボン酸もしくはその塩0.03〜7重量部から
なる粘着剤層が積層されていることを特徴とするコンク
リート表面硬化遅延テープである。
【0012】以下に、各構成要件について詳細に説明す
る。合成樹脂基材 本発明で使用される合成樹脂基材は、特に限定されるも
のではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなるフ
ィルムを用いることができ、これらのフィルムを積層し
たものであってもよい。また、上記フィルムは、延伸さ
れたものでも、延伸されてないものでもよい。
【0013】合成樹脂基材の厚みは、薄くなるとコシが
弱く、タイルパックにした場合持ち運びなどの取り扱い
が難しくなり、また厚くなると合成樹脂基材をロール状
に巻いた時に外径が大きくなり、長尺化が困難となり、
使用し難くなるため、15〜200μm程度とすること
が好ましい。
【0014】粘着剤 本発明で使用される粘着剤は、重量平均分子量が50万
〜500万のエマルジョン型アクリル系粘着剤100重
量部およびオキシカルボン酸もしくはその塩0.03〜
7重量部からなるものである。
【0015】エマルジョン型アクリル系粘着剤 本発明で使用されるエマルジョン型アクリル系粘着剤と
は、通常、公知のアクリル系共重合体のエマルジョン型
粘着剤を意味し、アクリル系共重合体としては、アルキ
ル基の炭素数が1〜12の範囲にあるアルキル(メタ)
アクリレートと極性基含有ビニルモノマーとを共重合さ
せた重合体が好ましく、エマルジョン重合によって得ら
れる。
【0016】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソ
オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)ア
クリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの少な
くとも1種が使用される。
【0017】上記極性基含有ビニルモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、(無水)マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル
基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートなどの水酸基含有ビニルモノマー;酢酸ビニル、
スチレン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリルな
どの高いガラス転移点を有するビニルモノマー;テトラ
フルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートなどの低いガラス転移点を有
するモノマーなどが挙げられ、これらの少なくとも1種
が使用される。
【0018】上記極性基含有ビニルモノマーの含有量
は、少なくなると極性部分の効果が少なく、充分な粘着
性が得られにくく、コンクリートに対する粘着力が不足
することがあり、多くなると粘着剤の極性が高くなり、
コンクリートに対する粘着性が大きくなりすぎ、脱型後
の剥離が困難になることがあるため、上記アルキル(メ
タ)アクリレート100重量部に対し1〜80重量部に
するのが好ましく、より好ましくは3〜30重量部であ
る。
【0019】エマルジョン型アクリル系粘着剤は、高速
攪拌混合機中で水、所望の割合で混合されたビニルモノ
マー混合物および界面活性剤を十分に攪拌混合しエマル
ジョン化したものを加熱攪拌しながら、エマルジョン化
された水溶性開始剤を徐々に添加することにより重合す
ることにより得られる。
【0020】上記界面活性剤としては、例えば、(1)
椰子脂肪酸カリウム石鹸、オレイン酸ラウリン酸カリウ
ム石鹸などの脂肪酸塩;ポリオキシエチレン二級アルキ
ルエーテル硫酸エステルカリウム塩、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩などの硫
酸エステル類などの陰イオン界面活性剤、(2)N−ヒ
ドロキシエチルプロピルアルキルアマイドニトレート、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四
級アンモニウム塩類などの陽イオン界面活性剤、(3)
ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどの長鎖アル
キルアミノ酸類などの両性界面活性剤、(4)ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチ
レングリコールモノステアレートなどのポリエチレング
リコール脂肪酸エステル類、(5)ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン
化フェノールエーテルなどの非イオン界面活性剤などが
挙げられる。
【0021】上記水溶性開始剤としては、例えば、過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などが挙
げられる。
【0022】本発明で使用されるエマルジョン型アクリ
ル系粘着剤中に主成分として含まれるアクリル系共重合
体の重量平均分子量は、小さくなると粘着剤の凝集力が
低下し、剥離時の糊残りやタイルパックにした後にタイ
ルの落下が起きることがあり、大きくなるとコンクリー
ト硬化遅延剤であるオキシカルボン酸もしくはその塩と
の均一混合が難しくなるため、50万〜500万に限定
され、好ましくは80万〜300万である。
【0023】オキシカルボン酸もしくはその塩 上記オキシカルボン酸もしくはその塩は、粘着剤中に含
有させておくことにより未硬化のコンクリート組成物中
に含まれる水分によって粘着剤層の表面に溶出し易くコ
ンクリート硬化遅延剤として特に有効であり、更に他の
コンクリート硬化遅延剤と比較して相溶性がよいため、
粘着剤中に添加した場合、高い粘着力を発現できるとい
う理由から使用され、例えば、グルコン酸、酒石酸、ク
エン酸、リンゴ酸、ガラクトン酸もしくはこれらの塩な
どを例示することができる。より具体的には、グルコン
酸ナトリウムとして「ディスパライトDV」(商品名、
共栄社化学社製)、「ジョイノン」(商品名、山宗化学
社製)、「ソフトコート」(商品名、デンカグレース社
製)などの市販品を例示することができる。
【0024】上記オキシカルボン酸もしくはその塩の添
加量は、少なくなると粘着剤層の厚みが小さい場合には
コンクリート表面の凝結を遅延させる効果が低下しやす
くなり、多くなると粘着力が低下する傾向にあり、かつ
粘着剤層の厚みが大きい場合にコンクリートの表面層だ
けでなく目地などの内部まで硬化を遅延させる場合があ
るため、固形分換算においてエマルジョン型アクリル系
粘着剤100重量部に対して0.03〜7重量部に限定
され、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0025】上記オキシカルボン酸もしくはその塩の混
合方法は特に限定されるものではないが、少量の水に溶
解した後、エマルジョン型アクリル系粘着剤中に攪拌混
合機を用いて徐々に添加混合することが一般的である。
【0026】他の添加物 本発明で使用される粘着剤は、前述のエマルジョン型ア
クリル系粘着剤およびオキシカルボン酸もしくはその塩
からなるが、エマルジョン型アクリル系粘着剤を架橋し
凝集力を得る目的で架橋剤が添加されることが好まし
く、上記架橋剤としては、粘着剤ベースポリマー中の水
酸基やカルボキシル基と効果的に反応するという理由か
ら、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ樹脂系
架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤など
が挙げられる。
【0027】上記架橋剤の添加量は、少なくなると粘着
剤の凝集力が低下し、剥離時の糊残りやタイルパックに
した後のタイルの落下が起きることがあり、多くなると
粘着力が低下し易くなり、同様にタイルパックにした後
のタイルの落下が起きることがあるため、好ましくは
0.01〜5重量部である。また、この場合の粘着剤層
全体のゲル分率は、テトラヒドロフランに浸漬した場合
において30〜90%が好ましい。
【0028】上記粘着剤には、他の性能を低下させない
範囲において、他の添加剤が添加されてもよく、例え
ば、粘着付与樹脂、濡れ向上剤、増粘剤、消泡剤、凍結
防止剤、皮張り防止剤、顔料などが挙げられる。
【0029】積層方法 上記粘着剤の積層方法は特に限定されるものではなく、
例えば、合成樹脂基材の一面に直接塗工した後乾燥して
もよいし、また、離型処理された工程紙上に一旦塗工し
た後乾燥したものを転写することにより積層してもよ
い。
【0030】上記粘着剤層の厚みは、薄くなるとコンク
リート表面の凝結を遅延させる効果が低下することがあ
り、逆に厚くなると粘着テープ化が困難となると同時
に、コンクリートの表面層だけでなく内部まで硬化が遅
延する場合があるため、好ましくは15〜80μmとさ
れる。
【0031】なお、本発明のコンクリート表面硬化遅延
テープの粘着剤積層面には必要に応じて剥離紙(剥離ラ
イナー)が積層されていてもよい。また、本発明のコン
クリート表面硬化遅延テープの他の面には、型枠を固定
する目的で他の粘着剤が予め積層されていてもよく、上
記他の粘着剤種については型枠との密着性が得られれば
特に限定されるものではない。
【0032】コンクリート表面硬化遅延テープの使用形
本発明のコンクリート表面硬化遅延テープをプレキャス
ト板の製造に適用する方法の一例を説明する。まず、パ
ック台の上にタイルをマトリックス状に並べる。この
際、所定寸法の目地部を正確に形成するとともに、該目
地部には仮目地材を埋設する。次いで、タイル表面に上
記オキシカルボン酸もしくはその塩を含有する粘着剤が
接するようにコンクリート表面硬化遅延テープを貼り付
けてタイルパックを得、これを型枠内にセットする。し
かる後、コンクリート組成物を型に打設し、養生を行
い、コンクリートを硬化させる。コンクリート硬化後、
型枠を外し、しかる後上記コンクリート表面硬化遅延テ
ープを剥離する。
【0033】このとき、タイルの目地部分からコンクリ
ート組成物が漏洩することがあるが、上記粘着剤層中に
硬化遅延剤が含有されているため硬化があまり進行して
いない。従って、タイル表面に付着したコンクリート組
成物などは、水流などにより水洗いすることにより容易
にかつ確実に除去することができる。
【0034】なお、コンクリート表面硬化遅延テープを
セットするには、例えば、前述のように他面に予め粘着
剤層を設けておいてもよいし、また予め型枠に両面テー
プを貼り付けておき、その上からコンクリート表面硬化
遅延テープを重ね貼りしてもよい。
【0035】なお、別法として、本発明のコンクリート
表面硬化遅延テープをオキシカルボン酸もしくはその塩
を含有する粘着剤が内側に向くように型枠の内部にセッ
トし、粘着剤層が設けられた面上にタイルの化粧面が接
するように複数枚のタイルをマトリックス状に貼り付け
てもよい。
【0036】また、骨材洗い出しに適用する場合は、硬
化遅延粘着剤層が内側に向くようにコンクリート表面硬
化遅延テープを型枠にセットした後、コンクリートを打
設すればよい。
【0037】
【作用】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープは、
基材が上記合成樹脂よりなるためコンクリート中の水分
の影響によるしわやたるみが生じ難い。従って、コンク
リート表面にむらなく硬化遅延剤を作用させることがで
き、目地から漏洩し、タイル表面に付着したコンクリー
ト組成物の硬化を効果的に防止することができ、水流に
よる水洗いなどによって容易に除去することができる。
【0038】更に、コンクリート表面層がむらなく硬化
遅延されるため、タイルの目地を高精度に形成すること
ができ、骨材洗い出しにおいても表面の仕上げ状態に部
分的なばらつきが生じ難いものとなっている。
【0039】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0040】(実施例1〜7、比較例1〜6)延伸ポリ
プロピレンフィルムからなる合成樹脂基材(商品名「P
Eラミクロス」、萩原工業社製、厚み40μm)の一面
に、固形分換算でエマルジョン型アクリル系粘着剤(品
番「AT961」、サイデン化学社製)100重量部に
対し、表1の配合に従いグルコン酸ナトリウム(商品名
「ディスパライトDV」、共栄社化学社製)、酒石酸ナ
トリウム、ガラクトン酸ナトリウム、サッカロースのい
ずれかを添加し溶解した粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが
30μmとなるように塗布し、乾燥することによりコン
クリート表面硬化遅延テープを得た。
【0041】〔評価〕実施例および比較例で得られたコ
ンクリート表面硬化遅延テープに関して、以下の評価項
目について測定し、その結果を表1および表2に示し
た。
【0042】タイル目地間隔の精度 実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅
延テープの粘着面に4枚のタイル(サイズ45mm×4
5mm)を6mmずつ間隔を空けて正方形になるように
貼付して配置し、更にタイルの目地部およびタイルの周
囲にポリエチレンフォーム(サイズ幅5mm×高さ5m
m)を配置することにより108mm×108mmのタ
イルパックを作製した。
【0043】次いで、上記タイルパックを鉄製の型枠内
にタイルが内側を向くように配置し両面テープにより固
定し、その中にポルトランドセメント320重量部、砂
831重量部、砂利1026重量部、減水剤3.2重量
部および水144重量部からなるコンクリート組成物を
高さ100mmまで充填し、80℃×90%RHの恒温
恒湿槽で3時間熟成後、23℃×65%RHの条件下で
24時間養生することにより硬化させた後、型枠から脱
型しタイル先付けPC板を得た。その後、コンクリート
表面硬化遅延テープを剥離し、タイルの目地間隔を任意
で10個所測定し、その平均値と最大値を測定した。
【0044】タイル表面の洗浄性 上記で得られたタイル先付けPC板の表面からコンク
リート表面硬化遅延テープを剥離した後のタイル表面に
おけるノロ(コンクリート組成物の未硬化物もしくは硬
化物)の有無と、ノロがあった場合に水圧500g/c
2 で1分間放水洗浄した場合の洗浄性を目視で観察し
以下の評価基準に従って評価した。
【0045】(評価基準) ○・・・放水で完全に洗浄可能 △・・・放水のみでは困難で、たわしで擦ることにより
洗浄可能 ×・・・ノロの硬化物があり、洗浄不可能
【0046】硬化遅延深さ 実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅
延テープを100mm×100mmにカットし、その粘
着面にステンレス製円筒状枠(内径70mm、高さ20
mm)を配置し、その中にで使用したコンクリート組
成物を充填し23℃×65%RHの条件下で48時間養
生することにより硬化させた。次いで、硬化したコンク
リートを脱型した後、コンクリート表面硬化遅延テープ
を剥離し、粘着面に接していた部分を水道水で洗浄し
た。洗浄前のコンクリート高さ(a)と洗浄後のコンク
リート高さ(b)の差を硬化遅延深さとした。単位はm
mである。
【0047】コンクリート表面硬化遅延テープの粘着
上記コンクリート表面硬化遅延テープについて、ステン
レス板に対する粘着力を、JIS Z 0237「粘着
テープ・粘着シート試験方法」8.3.1項(180度
引き剥がし法)に準拠して測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明のコンクリート表面硬化遅延テー
プは上記構成を有するため、タイル先付けPC板の製造
に使用した場合、基材がコンクリート組成物中の水分の
影響や養生に際しての乾燥の影響を受け難く、基材にた
わみやしわなどが生じ難いものとなっており、硬化遅延
剤の作用をコンクリート表面にむらなく行き渡らせるこ
とができるため、タイル表面に浸出したコンクリート未
硬化物を水洗いなどにより容易に除去することができ、
更に、遅延硬化が均一であるため目地荒れなどによる外
観不良がなく、表面の仕上げ状態も良好なPC板を提供
することができる。
【0051】また、タイル表面への接着力が高く、タイ
ルパックにした場合に持ち運びなどの取り扱いが容易で
ある。また、コンクリート表面の洗い出しによる骨材露
出に用いた場合にも好適なものとなっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂基材の一面に、重量平均分子量
    が50万〜500万のエマルジョン型アクリル系粘着剤
    100重量部およびオキシカルボン酸もしくはその塩
    0.03〜7重量部からなる粘着剤層が積層されている
    ことを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープ。
JP8397898A 1998-03-30 1998-03-30 コンクリート表面硬化遅延テープ Withdrawn JPH11277510A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017036404A (ja) * 2015-08-11 2017-02-16 日本ペイントホールディングス株式会社 組成物、マイクロ吸盤膜の製造方法、マイクロ吸盤膜および物品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017036404A (ja) * 2015-08-11 2017-02-16 日本ペイントホールディングス株式会社 組成物、マイクロ吸盤膜の製造方法、マイクロ吸盤膜および物品

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