JPH11262908A - コンクリート表面硬化遅延テープ - Google Patents

コンクリート表面硬化遅延テープ

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JPH11262908A
JPH11262908A JP6691698A JP6691698A JPH11262908A JP H11262908 A JPH11262908 A JP H11262908A JP 6691698 A JP6691698 A JP 6691698A JP 6691698 A JP6691698 A JP 6691698A JP H11262908 A JPH11262908 A JP H11262908A
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concrete
water
adhesive
weight
sensitive adhesive
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JP6691698A
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Tomoyasu Izugami
朋保 井津上
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粘着剤層が耐水性に優れており、かつ十分な
コンクリート表面硬化遅延性を発揮し得るコンクリート
表面硬化遅延テープを得る。 【解決手段】 合成樹脂基材の一面に、溶剤型アクリル
系粘着剤100重量部に対し、水溶性高分子もしくは界
面活性剤0.5〜20重量部及びコンクリート硬化遅延
剤0.05〜50重量部を配合してなるコンクリート硬
化遅延性粘着剤層が形成されている、コンクリート表面
硬化遅延テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント系組成物
を硬化させてコンクリートとする場合に、コンクリート
と組合わされる部材表面に付着したセメント系組成物の
硬化を遅延させるのに用いられるコンクリート表面硬化
遅延テープに関し、例えばプレキャストコンクリート板
(PC板)にタイルを先付けする際に、タイル表面の汚
れを容易に除去することを可能としたり、あるいはコン
クリート表面に直接適用して骨材の洗い出しを容易とし
得るコンクリート表面硬化遅延テープに関する。
【0002】
【従来の技術】ビル等の建築物においては、美観を高め
るために、外壁にタイルを貼り付けることが多い。しか
しながら、コンクリートの壁面を形成した後に、現場で
タイル貼りを施工するには、多数の作業者が必要であ
り、かつ長時間に渡る貼付作業が強いられる。
【0003】そこで、予めタイルが貼り付けられたコン
クリートパネルを工場で製造し、現場において該パネル
を組み立てる方法、すなわちタイル先付け工法が広く用
いられている。タイル先付け工法では、一般に、必要な
枚数のタイルをシート基材上にマトリクス状に貼り付け
てタイルパックを作製し、該タイルパックを型枠の内面
にシート基材が接する向きにセットする。次に、型枠内
にフレッシュコンクリートを打設し、蒸気で養生する。
しかる後、コンクリートの硬化後にタイルパックのシー
ト基材を剥離する。このようにしてマトリクス上にタイ
ルが貼り付けられたPC板が得られている。
【0004】ところで、タイル先付け工法では、フレッ
シュコンクリートを打設した後、コンクリートの一部が
タイルの目地の部分から漏洩し、タイル表面に回り込む
ことを避けることはできなかった。そのため、脱型後
に、タイル表面に付着し、硬化したコンクリート付着物
を、カッターナイフやたわし等を用いて削り取ったり、
ジェットノズルによる水洗や酸洗浄を行ったりしなけれ
ばならなかった。これらの作業には、多大の人手と時間
を必要とし、さらに、場合によっては、タイル表面を傷
つけたり、目地部を荒らしたりし、品質が低下するとい
う問題があった。
【0005】そこで、特開平8−309717号公報に
開示されているように、コンクリート硬化遅延剤を用
い、上記コンクリート付着物による汚れを容易に除去す
る方法が提案されている。
【0006】すなわち、タイルパックのシート基材にセ
メント硬化遅延剤を含有させ、セメント硬化遅延性(コ
ンクリート硬化遅延性)を付与する方法や、タイルパッ
クのシート基材上にタイルを貼付するために付与されて
いる粘着剤や接着剤に、セメント硬化遅延剤を含有させ
る方法などが提案されている。
【0007】しかしながら、シート基材にセメント硬化
遅延性を付与した場合には、シート基材上に粘着剤を塗
布すると、硬化遅延剤は粘着剤層を介してタイル表面に
達することになるため、タイル表面において十分な硬化
遅延性を得ることができなかった。また、シート基材と
粘着剤層との密着性が低下し、タイルパックを横持ちし
た場合にタイルの落下を防止し得ないこともあった。
【0008】他方、粘着剤や接着剤にセメント硬化遅延
剤を含有させる方法では、従来のセメント硬化遅延剤が
水溶性であるため、水溶性ではない接着剤や粘着剤を用
いた場合、すなわち有機溶媒溶液とされた粘着剤や接着
剤では、相溶性が悪く、セメント硬化遅延剤を粘着剤を
接着剤と均一に混合することが難しい。従って、水溶性
の粘着剤もしくは接着剤、あるいはエマルジョン型粘着
剤もしくは接着剤を用いなければならなかった。
【0009】ところが、水溶性粘着剤もしくは接着剤や
エマルジョン型粘着剤もしくは接着剤は、一般的に耐水
性が低いので、コンクリートを蒸気養生した際に、凝集
力が著しく低下する。そのため、タイルパックのシート
基材を剥離した後、タイル表面に粘着剤や接着剤が残存
し、残存した粘着剤や接着剤を洗浄しなければならない
という問題があった。すなわち、セメント系組成物の硬
化は抑制し得るものの、粘着剤や接着剤による汚れを洗
浄しなければならず、煩雑な洗浄作業を解消することが
できなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の欠点を解消し、粘着剤層が耐水性に優れ
ており、かつ十分なコンクリート表面硬化遅延性を発揮
し得るコンクリート表面硬化遅延テープを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記課題を達成するために成されたものであり、合
成樹脂基材の一面に、溶剤型アクリル系粘着剤100重
量部、水溶性高分子0.5〜20重量部及びコンクリー
ト硬化遅延剤0.05〜50重量部を含むコンクリート
硬化遅延性粘着剤層が形成されていることを特徴とする
コンクリート表面硬化遅延テープである。
【0012】請求項2に記載の発明は、合成樹脂基材の
一面に、溶剤型アクリル系粘着剤100重量部、界面活
性剤0.5〜20重量部及びコンクリート硬化遅延剤
0.05〜50重量部を含むコンクリート硬化遅延性粘
着剤層が形成されていることを特徴とするコンクリート
表面硬化遅延テープである。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。本発明
は、耐水性が良好な溶剤型アクリル系粘着剤を用い、該
溶剤型アクリル系粘着剤に、水溶性物質であるコンクリ
ート硬化遅延剤を均一に分散もしくは溶解させるため
に、両者の相溶性を高めるために上記水溶性高分子や界
面活性剤を粘着剤中に含有させたことに特徴を有する。
【0014】本発明において、上記溶剤型アクリル系粘
着剤としては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの
アクリル系モノマーの単独重合体もしくはそれらのアク
リル系モノマーと共重合可能な共重合性モノマーとのア
クリル系共重合体などを主成分とする適宜の溶剤型アク
リル系粘着剤を用いることができる。
【0015】上記コンクリート硬化遅延剤としては、従
来より公知の適宜のコンクリート硬化遅延剤を用いるこ
とができ、例えば、(1)グルコン酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、ガラクトン酸のようなオキシカルボン
酸、あるいはこれらの塩;(2)ピルビン酸などのケト
カルボン酸及びその塩;(3)ソルビトール、アラビト
ールなどの糖アルコール類;(4)グルコース、マンノ
ース、サッカロースなどの糖類;(5)その他、珪弗化
ナトリウム、珪弗化マグネシウム、硝酸鉛、リン酸ナト
リウム、フミン酸ナトリウムなどを挙げることができ
る。
【0016】請求項1に記載の発明における水溶性高分
子としては、特に限定されず、(1)澱粉、ふのり、ア
ルギン酸ナトリウム、にかわ、ゼラチン、卵白、アラビ
アゴム、プルランなどの天然水溶性高分子;(2)カル
ボキシル澱粉、ブリティッシュゴム、ジアルデヒド澱
粉、デキストリン、カチオン澱粉、ビスコース、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの半合成水溶
性高分子;(3)ポリビニルアルコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリル
アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチ
ルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体などの
合成水溶性高分子;(4)ポリリン酸ナトリウム、水ガ
ラスなどの無機水溶性高分子などを挙げることができ、
これらを2種以上適宜配合し、混合したものであってよ
い。
【0017】また、請求項2に記載の発明における界面
活性剤としては、(1)椰子脂肪酸カリウム石鹸やオレ
イン酸ラウリン酸カリウム石鹸などの脂肪酸塩;ポリオ
キシエチレン二級アルキルエーテル硫酸エステルカリウ
ム塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステ
ルナトリウム塩などの硫酸エステル類;ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム塩などのスルホン酸塩類;アルキルリン酸エ
ステルカリウム塩などのリン酸エステル塩類などの陰イ
オン界面活性剤、(2)N−ヒドロキシエチルプロピル
アルキルアマイドニトレート、ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩類の陽
イオン界面活性剤、(3)ラウリルベタイン、ステアリ
ルベタインなどの長鎖アルキルアミノ酸類の両性界面活
性剤、(4)ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類;ポリエチレングリコールモノ
ラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート
などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ステ
アリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンヒマシ
油などのグリセリン脂肪酸エステル類、(5)その他、
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオ
キシエチレンスチレン化フェノールエーテル、ポリオキ
シエチレンラウリルアミノエーテルなどの非イオン界面
活性剤などを例示することができる。
【0018】本発明においては、上記水溶性高分子もし
くは界面活性剤及びコンクリート硬化遅延剤は、それぞ
れ、溶剤型アクリル系粘着剤100重量部に対し、水溶
性高分子もしくは界面活性剤は0.5〜20重量部の範
囲で、コンクリート硬化遅延剤は0.05〜50重量部
の範囲で用いることが必要である。水溶性高分子もしく
は界面活性剤の配合割合が0.5重量部未満では、コン
クリート硬化遅延剤をアクリル系粘着剤に十分な均一に
分散もしくは溶解させることができず、20重量部を超
えると、耐水性が低くなり、例えば先付け工法に用いる
と糊残りが生じ易くなる。
【0019】また、上記コンクリート硬化遅延剤の配合
割合が0.05重量部未満の場合には、コンクリート表
面の硬化を遅延させる効果が十分に得られず、50重量
部を超えると、粘着剤の配合割合が相対的に低下し、十
分な粘着性を得ることができなくなる。
【0020】上記アクリル系粘着剤、水溶性高分子もし
くは界面活性剤及びコンクリート硬化遅延剤を混合して
なるコンクリート硬化遅延性粘着剤は、合成樹脂基材の
一面に積層されているが、この場合粘着剤層の厚みは、
乾燥後に10〜100μm程度とすることが好ましい。
厚みが10μmより薄い場合には、表面の凹凸模様にお
ける凹凸の大きいタイルに用いると、十分な接着力が得
られないことがあり、タイルパックを横持ちした場合、
タイルが落下することがある。また、厚みが100μm
を超えると、タイル表面の凹部に粘着剤が入り込み、タ
イルパックのシート基材を剥離する際に、粘着剤が残存
したり、接着力が強くなりすぎ、シート基材の剥離が困
難になることがある。より好ましくは、作業性を高める
には、粘着剤層の厚みは20〜50μmの範囲とされ
る。
【0021】上記合成樹脂基材についても、特に限定さ
れるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレートなどの適宜の合成樹
脂よりなるフィルムを用いることができる。また、合成
樹脂基材は、これらのフィルムを複数層積層したもので
あってもよい。合成樹脂基材の厚みは、15〜200μ
mの範囲とすることが好ましい。厚みが薄すぎると、合
成樹脂基材が柔らかくなりすぎ、厚くなりすぎると硬く
なりすぎ、いずれの場合においても、取扱い性が低下す
ることがある。
【0022】また、本発明に係るコンクリートの表面硬
化遅延テープでは、上記コンクリート硬化遅延性粘着剤
層は、合成樹脂基材の少なくとも一方の面に設けられれ
ばよい。すなわち、合成樹脂基材の両面にコンクリート
硬化遅延性粘着剤層を設けてもよい。また、合成樹脂基
材の片面にコンクリート硬化遅延性粘着剤層を設け、他
面にコンクリート硬化遅延剤を含有しない適宜の粘着剤
層を設けてもよい。
【0023】本発明に係るコンクリート表面硬化遅延テ
ープは、例えば、前述したPC板にタイルを先付けする
工法に好適に用いることができる。この場合、まず、タ
イルパックシートを作製するためのステージ上に、複数
枚のタイルを、表面が上面となる向きに、かつマトリク
ス状に配置する。この場合、各タイル間に所定寸法の目
地部が正確に形成されるように複数枚のタイルを配置す
ると共に、目地部には目地材を充填する。次に、各タイ
ルの表面にコンクリート硬化遅延性粘着剤層が接触する
ように本発明に係るコンクリート表面硬化遅延テープを
貼付し、タイルパックを得る。このようにして、得られ
たタイルパックを型枠内に、型の内壁側にコンクリート
表面硬化遅延テープの合成樹脂基材が接するようにセッ
トする。しかる後、フレッシュコンクリートを打設し、
養生し、コンクリートを硬化させる。コンクリートの硬
化後、脱型し、コンクリート表面硬化遅延テープを剥離
する。
【0024】(作用)請求項1,2に記載の発明に係る
コンクリート表面硬化遅延テープは、合成樹脂基材の一
面に、溶剤型アクリル系粘着剤100重量部、水溶性高
分子もしくは界面活性剤0.5〜20重量部及びコンク
リート硬化遅延剤0.05〜50重量部を含むコンクリ
ート硬化遅延性粘着剤層が形成されている。従って、請
求項1に記載の発明では、水溶性であるコンクリート硬
化遅延剤と、溶剤型アクリル系粘着剤との相溶性が、上
記水溶性高分子の作用により高められる。また、請求項
2に記載の発明では、上記界面活性剤の作用により、水
溶性のコンクリート硬化遅延剤が溶剤型アクリル系粘着
剤中に均一に分散される。
【0025】従って、コンクリート硬化遅延剤が、溶剤
型アクリル系粘着剤中に、均一に分散もしくは溶解され
る。よって、タイル先付け工法におけるタイルパックに
本発明に係るコンクリート表面硬化遅延テープを使用し
た場合、十分なコンクリート表面硬化遅延作用を発揮す
る。すなわち、タイルの目地部からタイル表面側にコン
クリートが回り込んだとしても、上記コンクリート硬化
遅延剤の作用により、タイル表面のコンクリート付着物
の硬化が抑制され、該コンクリート付着物を容易に除去
することができる。
【0026】しかも、溶剤型粘着剤を用いるため、粘着
剤層が十分な耐水性を有し、従って、脱型後にコンクリ
ート硬化遅延テープを剥離した場合、タイル表面に粘着
剤が残存し難い。
【0027】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0028】(実施例1)厚み40μmの延伸ポリプロ
ピレンからなる合成樹脂基材の一面に、以下のようにし
て得た粘着剤を厚み30μmとなるように塗布し、コン
クリート表面硬化遅延テープを得た。
【0029】粘着剤は、固形分換算で溶剤型アクリル系
粘着剤(積水化学社製、商品名:エスダインASL−1
00)100重量部に対し、オキシカルボン酸系コンク
リート硬化遅延剤(共栄化学社製、商品名:ディスパラ
イトDV)10重量部、及び合成水溶性高分子としてポ
リエチレンイミン(日本触媒化学社製、グレード:SP
−200)1重量部を配合し、30分間攪拌することに
より得られたものを用いた。
【0030】(実施例2)使用した粘着剤において、水
溶性高分子としてポリエチレンイミンに代えて、半合成
水溶性高分子としてのメチルセルロース(松本油脂製薬
社製、商品名:マーポローズPS)5重量部を配合した
ことを除いては、実施例1と同様にしてコンクリート表
面硬化遅延テープを得た。
【0031】(実施例3)使用した粘着剤において、水
溶性高分子としてのポリエチレンイミンに代えて、天然
水溶性高分子としてのアルギン酸ナトリウム(富士化学
社製)7重量部を配合したことを除いては、実施例1と
同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープを得た。
【0032】(実施例4)使用した粘着剤において、ポ
リエチレンイミンに代えて、脂肪酸塩類の陰イオン界面
活性剤(松本油脂製薬社製、商品名:マーポールGLC
−1K)1重量部を配合したことを除いては、実施例1
と同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープを得た。
【0033】(実施例5)使用した粘着剤において、ポ
リエチレンイミンに代えて、第四級アンモニウム塩類の
陽イオン界面活性剤(松本油脂製薬社製、商品名:エフ
コール72)5重量部を配合したことを除いては、実施
例1と同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープを得
た。
【0034】(比較例1)使用した粘着剤において、溶
剤型アクリル系粘着剤に代えてエマルジョン型アクリル
系粘着剤(積水化学社製、商品名:エスダイン#711
0)100重量部を用いたことを除いては、実施例1と
同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープを得た。
【0035】(比較例2)使用した粘着剤において、合
成水溶性高分子としてのポリエチレンイミンの配合割合
を1重量部から0.1重量部に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にしたコンクリート表面硬化遅延テ
ープを得た。
【0036】(比較例3)使用した粘着剤において、合
成水溶性高分子としてのポリエチレンイミンの配合割合
を1重量部から25重量部に変更したことを除いては、
実施例1と同様にして、コンクリート表面硬化遅延テー
プを得た。
【0037】(比較例4)使用した粘着剤において、溶
剤型アクリル系粘着剤に代えて、エマルジョン型アクリ
ル系粘着剤(積水化学社製、商品名:エスダイン#71
10)100重量部を用いたことを除いては、実施例4
と同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープを得た。
【0038】(比較例5)使用した粘着剤において、第
四級アンモニウム塩類の陽イオン界面活性剤の配合割合
を1重量部から0.1重量部に変更したことを除いて
は、実施例4と同様にしてコンクリート表面硬化遅延テ
ープを得た。
【0039】(比較例6)使用した粘着剤において、第
四級アンモニウム塩類の陽イオン界面活性剤の配合割合
を1重量部から25重量部に変更したことを除いては、
実施例4と同様にしてコンクリート表面硬化遅延テープ
を得た。
【0040】(評価)上記のようにして得られた各コン
クリート表面硬化遅延テープを用いて、タイルが先付け
されたPC板を作製した。すなわち、まずステージ上に
95mm×45mmのタイルを表面が上向きとなるよう
にマトリクス状に配置した。この場合、各タイル間の目
地部の幅は5mmとし、目地部にポリエチレン発泡体よ
りなる目地材を充填した。次に、タイル表面側に、コン
クリート表面硬化遅延シートをコンクリート硬化遅延性
粘着剤層側から貼付し、300mm×300mmの寸法
のタイルパックを得た。このタイルパックを型枠内にセ
ットし、フレッシュコンクリートを打設し、6時間、蒸
気を用いて養生し、コンクリートを硬化させた。しかる
後、脱型し、コンクリート表面硬化遅延テープを剥離し
た。
【0041】上記のようにして、タイルが先付けされた
PC板を得た後、タイル表面の付着物を目視により観察
すると共に、タイル表面を水流により清掃した。結果を
下記の表1に示す。
【0042】なお、表1における、遅延効果の評価にお
いては、タイル表面にコンクリート付着物が硬化してい
ない場合に、○印を付した。また、清掃性の評価では、
コンクリート付着物が硬化しておらず、未硬化のセメン
ト材料が付着しており、水流により容易に清掃できた場
合に○印を付した。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、比較例1,4で
は、エマルジョン型アクリル系粘着剤を用いたためか、
タイルパックシートを剥離した後、タイル表面において
粘着剤が付着し、すなわち糊残り現象が認められた。
【0045】また、比較例2,5では、遅延効果を目視
により評価した場合、タイル表面のコンクリート付着物
が硬化しているタイルがかなり見られ、ばらつきが大き
かった。加えて、コンクリート付着物が硬化していたた
め、タイル表面の清掃に長時間を要した。
【0046】また、比較例3,6では、タイル表面のコ
ンクリート付着物が硬化していなかったものの、水溶性
高分子や界面活性剤の配合割合が多すぎたためか、粘着
剤がタイル表面に付着し、糊残り現象が生じていた。
【0047】これに対して、実施例1〜5では、コンク
リート硬化遅延剤及び水溶性高分子または界面滑性剤が
溶剤型アクリル系粘着剤に対し本発明の範囲に従って配
合されていたためか、タイル表面のコンクリート付着物
が硬化していなかった。また、糊残りも生じず、従って
水流による清掃を容易に行うことができた。
【0048】
【発明の効果】請求項1,2に記載の発明に係るコンク
リート表面硬化遅延テープでは、合成樹脂基材の一面
に、コンクリート硬化遅延性粘着剤層が積層されてお
り、該粘着剤層が溶剤型アクリル系粘着剤100重量部
に対し、水溶性高分子もしくは界面活性剤0.5〜20
重量部及びコンクリート硬化遅延剤0.05〜50重量
部を含むので、コンクリート硬化遅延剤が水溶性高分子
もしくは界面活性剤により溶剤型アクリル系粘着剤に均
一に分散または溶解されている。従って、被着体に貼付
した場合、コンクリート硬化遅延剤により、良好であ
り、かつばらつきのないコンクリート硬化遅延作用を発
揮する。
【0049】よって、例えば、先付け工法によりタイル
板が固定されたPC板を得るにあたり、本発明に係るコ
ンクリート表面硬化遅延テープを用いることにより、タ
イル表面のコンクリート付着物の硬化を抑制することが
できる。加えて、溶剤型アクリル系粘着剤を主体とする
ものであるため、タイル表面からコンクリート表面硬化
遅延テープを剥離した場合、糊残りも生じ難い。よっ
て、タイル先付け工法によりタイル付きPC板を得た後
に、少ない人数でかつ短時間でタイル表面の清掃作業を
行うことが可能となり、工程の短縮及びコストの低減を
果たし得る。
【0050】また、本発明に係るコンクリート表面硬化
遅延テープは、上記タイル先付け工法によりタイルが固
定されたPC板を得る用途に限定されず、例えば、コン
クリート表面に直接適用してもよく、この場合には、骨
材の洗い出し作業を容易に行うことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04G 21/02 104 E04G 21/02 104 //(C09J 133/06 201:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂基材の一面に、溶剤型アクリル
    系粘着剤100重量部、水溶性高分子0.5〜20重量
    部及びコンクリート硬化遅延剤0.05〜50重量部を
    含むコンクリート硬化遅延性粘着剤層が形成されている
    ことを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープ。
  2. 【請求項2】 合成樹脂基材の一面に、溶剤型アクリル
    系粘着剤100重量部、界面活性剤0.5〜20重量部
    及びコンクリート硬化遅延剤0.05〜50重量部を含
    むコンクリート硬化遅延性粘着剤層が形成されているこ
    とを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープ。
JP6691698A 1998-03-17 1998-03-17 コンクリート表面硬化遅延テープ Pending JPH11262908A (ja)

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JP6691698A JPH11262908A (ja) 1998-03-17 1998-03-17 コンクリート表面硬化遅延テープ

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WO2011088980A1 (en) * 2010-01-20 2011-07-28 W R Grace & Co.- Conn. High curing inducing surface applied setting retarder

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